寵愛な幻想郷   作:覚め

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歩く足元、生はなし
今生牡蠣っつったか?


毒気溢れて

「…っ…くそ」

 

「な〜また一緒に風呂に入ろうよ〜」

 

「萃香…僕はさっき風呂に入ったんだよ…」

 

「良いじゃん!」

 

僕は今さっき風呂に入った。そんでもってその直後に萃香が家を訪ね、また風呂に入ることに。悲しいかな、僕は萃香ほど力が強くないので従うしかないのだ。全力で抗ってるのにグイッと押されるだけで姿勢崩されたからな。萃香が青蛾みたいなことし始めたらやばいぞ。助けてもらえる自信がない。青蛾がアレをやってくれたおかげでとても臆病な性格になってしまったよ。あいつ許さん。

 

「…風呂って、何度入っても良いもんだよな」

 

「だろ?」

 

「後大人二人はちと狭い」

 

「紫もいないから良いだろ?それに、私もこの姿が好きだからなぁ」

 

「…」

 

紫さんがなんなのか。僕としては二人絡み合うように入る風呂を風呂とは言えないと思うが、どうだろうか。妖怪だから感覚が違うかもしれないが、紫さんもそこには同意してもらえたと思う。浸かりながらではあるがね。風呂を出てさて今度こそ寝ようとするも、萃香が僕をどこかに連れて行こうとする。星空か?それならとっくの昔に見たぞ。なんか違うらしい。星じゃないならなんなんだ?

 

「さて…その毒、誰のだ?」

 

「毒?」

 

頭を振り回し答えを得る。どうやらメディスンの毒らしい。バレるんだ…と思っていたら衝撃な事実。ぼくの服を舐めたそうな。汚いな、こいつ。萃香はそれを聞き出してどこかへ行った。ちなみにだが違和感を感じたのは匂いだったそうで。匂うんだ…んー、わかんね。毒の匂いとはなんなのかわからないため考えながら僕は布団に入って夜を明かした。起きた時、横に閻魔様がいて死ぬほどビビったが。

 

「こんにちは」

 

「こ、こんちゃす」

 

「…貴方は注意が散漫すぎますね。幻想郷という環境で人里を抜け暮らしていくなら━」

 

そう言ってお説教。要約すると注意力なさすぎ、お前がこっちに来ると幽々子さんが正しく管理人をしてくれるかわからないからちゃんと生きろよと。朝から説教を喰らって少し気分が落ちているのでさっさと人里で何かするか。何しよう。慧音さんがいれば暇を潰せるが。今日って寺子屋あったかな。なかった気がする。さっさと歩みを進め、人里訪問。なんか面白いものないかな。

 

「お、ゆーじゃないか」

 

「慧音さんだー」

 

「今日は休日だからもちろん呼び捨てで良いんだぞ」

 

「なんかおすすめの本とかない?」

 

「…ないな。そう言えば前来た時一緒だった天狗はどうした?」

 

「あー…最近あんまり会わないね。」

 

「そうか」

 

慧音さんに誘われて御自宅へ。とは言っても寺子屋の一室にはなるが。慧音さん経営の寺子屋は部屋が多いので、たまに人が泊まったりする。妹紅さんとか、妹紅さんとか。あれ、僕が知ってるの妹紅さんだけでは?そうして慧音さんの一室まで案内されて客としてもてなされるのを待つことに。まあ、大体待ってる時に妹紅さんが登場するのが常ではあるが。今回も例に漏れず妹紅さんが現れた。

 

「妹紅…どこかから見てるんじゃないか?」

 

「流石にしないよ…私だって個人の尊厳くらいは守るさ」

 

「うお、この餅すげー伸びる」

 

「慧音、あの餅床に落ちるんじゃないか?」

 

「…私はたまに落とす」

 

落とさず食べれました。そんな餅を食い茶を飲み妹紅さんと慧音さんで談笑。団欒とも言える。出会った順で言えば妹紅さんの方が先だが、会った時間は慧音さんの方が長い。まあそもそも迷いの竹林が僕の苦手とする場所だからにはなるが。だってあそこ、てゐの罠に引っ掛かったら即永遠亭に送られるもん。僕が何したって言うんだ。つーか罠にかかったらすぐ出てくる鈴仙もなんなんだ。

 

「別に、私も案内するのにさ」

 

「妹紅さんの家に辿り着くまでに永遠亭に搬送されないと良いんですけどね」

 

「あ、それもあるのか…」

 

「私としても、罠にかかった妹紅がどこかに消え去ったのを見た時には心底驚いた。流石にそろそろやめてもらわねば…」

 

「あそこのウサギはそう易々とはやめないぞ。何せゆーが好きだからな」

 

「妹紅さん、そう言うの言われると僕すんごい困るんですよ」

 

「ん、何かあったのか?恋愛絡みか?」

 

「こちとら面倒な奴ばっか相手にしてるんだから、これ以上の面倒ごとを避けたいんですよね」

 

「本音だな」

 

実際射命丸は厄介だ。僕が萃香と喧嘩した次の日には『萃香様、男に振られる』と言った感じの見出しで号外作ってたんだぞ。ビビった。怖かったし。そうして僕は射命丸文がいつどこで見てるかわからないのでと言ってなんとなくでやり過ごすことにしたのだ。あいつの怖いところは、僕がやったことを自由に解釈して事実としてばら撒くところだな。プロパガンダって奴だろう。恐ろしい。

 

「ま、ゆーはそれくらい魅力的だってことだろ」

 

「まあそれは言えているな。妖怪にも人にも届く魅力だぞ」

 

「何も嬉しくねえ」

 

「そうか?まあ、今のゆーを見たらそうか。」

 

「ゆー、起きろ」

 

「いやだ〜」

 

子供のように慧音さんの手を回避する。体を転がし、転がされ。ぐるぐると避け続け、壁に体当たり。そこで慧音さんに捕まる。妹紅さんは笑っていた。抱えられるように僕は持ち上げられ、抵抗しようにも落下という恐怖が僕を抑える。ねえ怖いよ慧音さん。やめようよ慧音さん。降ろして、降ろしてね。

 

「…お前を子供の頃から育てることができたならなぁ」

 

「あ、何それ怖い」

 

「私は今のゆーで良いと思うけどな」




ゆーの家には紅魔館勢が夜中に忍び込んだり忍び込まなかったり。
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