寵愛な幻想郷   作:覚め

13 / 51
宗教


希求

「…神子、だっけ」

 

「そうだとも」

 

「青蛾から聞いてるよ。読心が得意な人なんだっけ」

 

「ああ、そうだとも」

 

尊大な喋り方をする。摩多羅を思い出させる喋り方だ。摩多羅は僕の後戸にいるだろうか。それとも今日はいないのだろうか。一応呼んでみたいのだが、神子がどのような反応をするのかわからない。だって青蛾と同じような括りに入るやつだぞ。いやまあそれを言えば華扇もだけど。あいつはまだマシだから良い。紫さんと同じでたまに同居して生活を改めましょうとか言うけど、それは断ってるから。

 

「誰かを呼びたいようだね。どうぞ、是非とも呼んでみてほしい」

 

「あ、マジ?…摩多羅〜」

 

「…?」

 

あ、背もたれに背中押しつけてたらあいつ来れないか。少し浮かしてもう一度呼んでみる。すると、ほら。出てきた。久しぶりと挨拶してきたのでこちらも挨拶を返す。すると摩多羅は目の前の神子が見えていないかのように振る舞い始め、その上僕を後戸に誘ってきた。嫌だよ面倒な。摩多羅はこんなに面倒なやつだったか?もしや神子と面識があったりとか。現に神子が話しかけても摩多羅が無視してるし。

 

「…ゆー。君からみてこの状況は多いのかい?」

 

「珍しい方で」

 

「どこを向いている?この場には私とゆーしかいないだろう。」

 

「…しかし、貴女が出てくるとは。今は摩多羅と呼ばれているのですか」

 

「…あぁ、誰かと思えば聖徳太子でしたか。」

 

「屠自古さーん、お茶ー」

 

「よくこんな状況で茶が飲めるな…あ、すまん少し冷めてるかも」

 

「いえいえ全然」

 

こうして僕は神子と摩多羅の戯れを見ながら、後戸を閉じて帰り方を模索する。どうしよう。僕の頭の中で言えば萃香等ではここから帰れそうにないから呼んだのに。これでもし摩多羅が負けたなら帰れなくなる。悲しいことだ。まあでも多分紫さんが最終的に連れ出してはくれるだろうが。僕は身体を触り、異常がないことを確認する。茶を飲んで…あ、ほんとだ少しぬるい。まあでも良いか。

 

「ゆー、帰ろうか」

 

「摩多羅が勝ったの?」

 

「ああそうだとも。私がゆーの素晴らしいところを挙げ連ねた途端に奴は退いた」

 

「引いたんだよ」

 

「…面白い人間だ。妖や神に想われても意に返さないとは」

 

後戸を通って幻想郷に帰還。一体僕が何をしたと言うのか。困惑の中出たのは摩多羅と共に紫さんの家へ。紫さんは黙々とご飯を食べていた。ご飯といってもただのご飯ではない。まあ、あれだ。妖怪独自の食事だった。紫さんは僕を見た途端に食事を隠すような形でスキマを開き僕の前に飛び出した。が、まあ、うん。既にそう言う場面は何度か見ている。別に隠したところで意味はない。隠すなら片付けろ。

 

「ゆーを食べるとか、そう言うことはしないのよ!」

 

「見ただろう、ゆー。奴は人を食べる妖だ。人を食べず、強大な力を持つ私の手の元でこそゆーの安全は確保されるのだ」

 

「ちょっと隠岐奈、やめてちょうだい」

 

「私はお前と違って現実は見させる。その上で選択させるだけだ」

 

「知らない方がいい物もあるって、なぜ貴女は思わないのかしら。本当はゆーの反応が見たいだけじゃないの?」

 

「ゆー様、来ていらしたのですか?」

 

「うん」

 

「どうされますか?帰るなら私が送らせてもらいますが」

 

「帰るわ」

 

送られて我が家へ。疲れた…家に帰ると料理が並んでおり、置き手紙が。温めて食べてくださいとのことだ。この字は…鈴仙か。ここまで来れば若干の恐怖が勝ってくるな。僕はあいつに家を教えた覚えが一切ないのだけれど、どこから知ったのだろうか。恐ろしいことである。味?美味しかったよ。その後少しだけ気分悪くなったくらい。僕が耐性を持つ毒だったらしい。いやそんなもん料理に混ぜるな。

 

「…あれ、射命丸は?」

 

「私より先に手を出そうとしたからそこで気絶させているよ」

 

「大天狗のすることか?これが…」

 

「それほどまでに狂わされたと言うことだ。あ、こら典」

 

「ゆーは妖怪な山に来ることがおすすめですよ♪」

 

「そうか、2度と行くことはないだろうな」

 

「えー!?」

 

だってこの狐が言うことほぼ全て嘘だもん。大天狗が家に入り、狐も入る。龍さんと典だ。読み方の予想がつくかな?めぐむとつかさだ。龍って書いてめぐむな。普通そう読まないよな??まあそれは良しとして、僕は今日こいつらが来ることを知らない。約束した覚えもないはずで。まあ多分いつもの突然訪問ではあるのだけども、僕の暇な時間が潰れるような気がするのでやめてほしい。

 

「…あれ、正邪もいるんだ」

 

「おあお、おま、お前バラすなよぉ!」

 

「お尋ね者だな」

 

「捕まえます?」

 

「典じゃ無理だろうなぁ」

 

「やばいな、場が混乱してきた」

 

さらにそこへ摩多羅と紫さんが。僕は家の隅っこで正邪の服にワッペンを付けることにした。あ、こら正邪暴れないで。肌に縫い付けるよ。ちなみにワッペンは前助けてもらったお礼としての格好いいワッペンだ。正邪のことだ、こう、ドラゴン!みたいなワッペンが好きだろう。あ、好きじゃないの?じゃあ後3個付けるね。こうして正邪の服は復活を告げた。告げた代わりに僕の家は大変なことになった。

 

「わ、私は防ごうとしたんだ…だが、流石にあの二人の喧嘩は止められなかったんだ。」

 

「…こ、今度は壁がなくなった…」

 

「ま、まあ、ここからリフォームと考えれば、どうですか…?」

 

「紫が対抗意識を燃やさなければな」

 

「はぁ!?隠岐奈が色々無視してるからでしょ!?」

 

「…もうやだ…」




建築資材は普通の木とかなんで壊れますよ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。