寵愛な幻想郷   作:覚め

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紅魔館の大体な設定として、ゆーにとって一番最初に住んでたところだし力もあるからゆーに関することで皆触れない方がヨシ!な扱い。


翌らない日

「…なに、これ」

 

「お酒」

 

「飲めないの知ってるよね、紫さん」

 

「ええ。でも、これがあった方が何かと助かるでしょ?天井とか」

 

「んー…久しぶりに萃香と話しても別にいいんだけどさぁ」

 

「何かあったの?」

 

「相手が萎縮してんだもん。話しづらい」

 

現状、幻想郷において僕が声を荒げて怒った相手は萃香だけだ。酒飲んで周りと喧嘩して天井壊して空飛んで戦って。結果僕の家の周りは鬼ともう一人の妖怪の気配が強過ぎて馬鹿な妖怪は近付かなくなった。妖精も。もう一人の方は元々あまり来なかったし、なんなら喧嘩に関しては萃香が確実に悪いし。雨降った時とかどこで眠ればいいんだよ。今はテントの中で寝てるけどさ。

 

「で、紫さんは何しに来たの?」

 

「私?私自身はぁ〜…警告に近い注意喚起。」

 

「何さ」

 

「貴方、天邪鬼に好かれているでしょう?」

 

天邪鬼。僕がたまに可愛がってる正邪のことだろう。僕としては子供みたいな反応をするから可愛いなあとか思ってるだけなんだが、どうにもダメらしい。それを見た他の奴らが何をするかはわからないが、とにかく可愛がるのはあまりするなとのこと。僕が誰を可愛がろうが関係ないだろう。ま、でも僕も天井壊されたり言えなくなったりするのは嫌なので従うけど。天井、欲しいなぁ。

 

「天井ないとあいつたまに空に落ちてくんだよね」

 

「まだそんな力があったのね、あの小娘」

 

「しかしまあ…うん、なんだ。紫さんの誘いに乗ったのは今更だけど良かったよ」

 

「あら嬉しい」

 

「だが出た場所が森だったのは許さない」

 

「ぅっ」

 

「危うく死にかけてましたからね。出た場所に紅魔館がなかったら死んでたし」

 

「ま、まあ、素敵な出会いがあったんだから…良いじゃない?」

 

「良いですけどね。酒は呑みませんよ」

 

「それに関してはもう諦めてるわ。現に私しか飲んでないし」

 

僕のところに寄越した酒を、なぜか寄越した張本人が食っている。まあ良い。どうせ飲むのは鬼か妖怪。紅魔館の人たちは美鈴さんのみだけど、とにかくそれ以外は飲まない。紅魔館に住んでいた頃、一度ワインを飲まされたことがあった。普通に酸っぱくて不味かったから顔に出てたってレミリアさんから言われた。まずそもそも僕は酒が苦手なんだ。酔わないけどね。

 

「萃香と仲直りしたいなら手伝うけど?」

 

「そりゃあ良い、是非ともそうして欲しい」

 

「はいはい」

 

紫さん御用達のスキマが開き、そこから萃香が落ちてくる。萃香は周りを少し見渡した後、僕を見てギョッとした顔を見せてすぐに霧散した。そんなに会いたくないのか。天井を直してからその態度をとって欲しいものだ。少なくともそのような態度を取られることをした覚えはないし、そんなことを僕がするわけもないと断言しよう。流石にキレたけどね。喧嘩の原因は本当に萃香にあるんだからさ。

 

「わ、悪かったと思ってるさ…だからゆーの目の前から消えたんだよ」

 

「天井は?」

 

「な、直すと怒るかなって…」

 

「直して」

 

「…わかった」

 

そう言って僕は寝転ぶ。紫さんに萃香がいれば、これ以上入り込むことはないだろう。僕は基本、外出をしない主義なのだ。紅魔館への挨拶や、買い物ついでで行う慧音さんのところに現状の報告をすること以外で外に出ることはない。故に天井がガラ空きなのは大変な問題だった。萃香がものすごい速さで建築を終え、そのまま僕の膝下へ。萃香を抱え膝に置き、頭を撫でる。いつのまにか紫さんは消えてた。

 

「えへへ…その、改めてなんだけど、本当にごめん」

 

「直してくれれば良いんだ」

 

「本当か!?」

 

「実際俺が怒ったのも天井がなくなったことではなくて喧嘩したことだし。」

 

「そうか…良かった。それじゃあ酒を」

 

「喧嘩の原因を忘れたのか?」

 

「あぅ」

 

そう言って酒を預かる。どうせ僕は飲まない奴だから、別にあげても構わない。さて僕はそろそろ風呂だな。萃香曰く風呂もおまけで良くしてくれたらしい。中途半端な現代化だな。しかし台所はあまり使わない。久しぶりに使おうとしたら物の配置が誰かの好みに変わっており、僕には扱えない台所が形成されていた。風呂場はかなり良くなっていた。特に焼き石を作る場所があるのが。幻想郷において風呂を温めるのには焼き石が一番楽なのだ。

 

「…ぁー、気持ちいい」

 

「だろ!?」

 

「ぅわっ!?」

 

「あっ」

 

「…何、してた?」

 

「その、霧散して覗いてました…」

 

「別にね。風呂に入りたいなら一緒に入ってやるよ。覗くな。急に現れるな」

 

「あ、本当か。じゃあ、明日から一緒に入るぞ!」

 

「じゃあ私も」

 

紫さんが出現。話を聞いてなかったのだろうか?覗くな、急に現れるな。まあ止めはしないが。一時期嫌われるために風呂に入らなかったりしたのだが、皆が離れるよりも先に僕の体調がおかしくなったので風呂に入った。永遠亭にはそこで初めて世話になった。楽しく入院させていただきましたよ。ええ。おもにてゐとか。まあとにかくだな。風呂は大事。他人がどうとか気にせず風呂入るようにはなった。

 

「…流石に、三人はきついかしら」

 

「紫がでかいからだよ」

 

「まぁ!萃香なんて小さい姿でいるくせに!」

 

「喧嘩やめてーな」

 

「…私も小さくなるけど」

 

「出たぞ紫の若作りだ」

 

「幻想郷出禁にするけど、大丈夫?」

 

「ごめんって」




幻想郷にゆーを連れてきた張本人。外の世界で夢半ばに心折れたゆーを拉致してきた人が紫で、入ってきた後に手厚く世話して家を与えたのが紅魔館。
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