寵愛な幻想郷   作:覚め

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どこに泊まれば一番荒れないですか?
野。


宿

「…クソがよ」

 

今日はバレンタインデー。まあ言いたいことはなんとなくわかると思うが、保存場所も家もないのに買い物だけ与えられても困る。何故って?じゃあ逆に聞いてやるけどよ。どこで食えばいいんだ。五右衛門風呂もそろそろ限界だ。昨日は何故か風見幽香が来たしよ。覗きか?メディスンは薪入れてくれた。メディスン…僕の服をお礼とばかりに持って行こうとしたメディスン…

 

「ねえ」

 

「ぅわっ」

 

「ここ、あげるわ」

 

「え?」

 

「雨風を凌げる場所は欲しいでしょ?」

 

地面に髪の毛が垂れてる姿で言われてもな。そう思いつつも言ってる意味わかんないから待機していると突如そこから巨大な樹木が。根っこが広がり簡易的な家が出来上がった。何言ってるかわからない?僕は今日から数日間を木の根の隙間で生きるということだ。これが風見幽香からのバレンタインらしい。これはありがたい。とてもとても。風見幽香の後ろからメディスンが姿を現し、チョコをくれた。

 

「毒あるから、ちゃんと免疫つけて」

 

「殺す気か?」

 

その後には何もなく、木の根っこって結構快適なんだなと思いながら過ごしていると、摩多羅が顔を見せた。バレンタインだからということで受け取ったものはドーナツ。後で里かどこかで意味を調べよう。摩多羅は尊大な言動を見せることなくそれだけで消えていった。察してちゃんか?

 

「隠岐奈も奥手よねぇ」

 

「紫か。お前は…」

 

「私はドラム缶あげたでしょ?まあそれとは別に藍から預かってるのよ」

 

「どれどれ」

 

貰ったのはバウムクーヘン。意味は幸せが長く続きますように、らしい。この際だ紫に聞いてしまうか。摩多羅からもらったドーナツの意味とは?永遠に続く愛?僕の命だって尽きる時は尽きるんですけど?何言ってるんですか?首を傾げたところ紫さんにため息をつかれた。そんな、酷いぜ。僕自身もため息を出しながら、根の中に居座る。すると豪速球の新聞と共にバレンタインが届いた。この速さは射命丸だろう。紫が掴んでくれなければ粉々だったな。

 

「ん、チョコだ」

 

「美味しい?」

 

「美味しいね」

 

「ところで地底から6個ほどチョコが」

 

「お前地底にも伝えたの?」

 

「好きな人にアプローチする機会がないなんて可哀想じゃない?」

 

施しは強者からしか生まれないんだぞ、わかむてんのか。僕は歯噛みしながらもチョコを食べる。残すことが一番の不誠実だろうからね。後報復が怖い。地底組は特に。食べ終えて寝転がる。結構溜まるんだ、チョコって。しかし寝転がってもチョコやらなんやらは届く訳だ。紫、いる?いらない?そう…マミゾウと聖が来て大量のチョコが置かれる。怖いよ、もう。

 

「まあ、もうこんなに…」

 

「息子の人間関係が複雑だというのは…のう。あと隙間妖怪。後で話あるから顔出せ」

 

「げっ」

 

「これ、命蓮寺の皆からです。たまには来てくださいね」

 

「たまに行ってるじゃん」

 

「…毎日」

 

「無理」

 

2人が去る。もしやこれは、全部渡されるまで待ちな感じか?やばいな、とても。僕は命蓮寺の皆からと渡された物を無理やり口に含む。食べきれなかったら?紫に協力してもらう。紫に保存場所を貸してもらい、その中にぶち込み、翌日以降食える限りを食う。そうしないととても減りそうにない。いつのまにか僕の足元に独特な装飾されたチョコが。去年うどんげから見せられたことのある装飾。純孤さんか。

 

「…あれ」

 

「どうしたの?」

 

「なんで純孤さんは僕の好みを…?」

 

「さぁ…?」

 

その後も色々と来た。大天狗と狐、アリスが面と向かって渡しに来た時はとても驚いた。もっと驚いたのは、慧音先生が届けに来たことだろうか。チョコは作れなかったが、向日葵の押し花をくれた。押し花って、こんなのだっけ。ふーん。正邪はくれないだろうし、恐らくは僕以外に配りまくるだろうな。と、ここで貧乏神姉妹からも。妹だけが渡しに来た。賢明な判断だ。

 

「この前は大変な迷惑を…」

 

「いやいや、仮住まいもここにあるし」

 

「…これ?」

 

次はもうなかった。なかったと思う。僕がどこにいるのかわからなかっただけかもしれない、と思い寝転がる。紫にも帰れ。僕だって寝たい時は寝たい。あ、でもまだチョコがあったわ。これ食ってから寝るか。若干量が多いことに目を背けつつ食べ始める。こういうのは食べなかったことが判明した瞬間が怖いのだ。一応にも食べて次に会った時にでも味の感想を伝えるのが礼儀だろう。

 

「…もうお腹いっぱい」

 

「味変、いる?」

 

「健康的なご飯が食べたい」

 

「…でも、次が最後の訪問者みたいよ?」

 

「誰?」

 

「私達よ。忘れてほしくはないわね、ゆー」

 

「レミリアさんだぁ」

 

それに加えてパチュリーさん。2人が来ていた。このメンバーにフランドールがいないのが不思議でならないが、まあ恐らくは気が進まないか雨でも降らされたんだろうが。可哀想に。僕はチョコを受け取り、これで以上としたいな。ちょっとお腹いっぱいが過ぎる。ようやく寝転がり、お腹いっぱいのまま寝る。これじゃあ牛になるな…いやでも良いか…?紫はいつまでスキマから覗くんだ…?

 

「お布団持ってきたわよ」

 

「ありがと…これ紫の?」

 

「勿論。とは言っても随分昔のものだけど…臭う?」

 

「良い匂いだなぁって」

 

「まあ、うれしい…一緒に寝ても?」

 

「それはちょっと」




今回出てこなかった奴らは『ゆーを探しに行ったら何故か家が倒壊してて見つからなかった』奴らです。
幽々子はそうです。
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