寵愛な幻想郷   作:覚め

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胡蝶の夢したいけどそんな才能ないねぇ!!


夢夢

「…?」

 

「あら、起きたの?いつもより速いのね」

 

扉から咲夜が顔を覗かせ、そのまま閉じて行く。ここは紅魔館。そして僕の住んでいた部屋。一体どういうことだろうか。懐かしのクローゼットを開け、中を見てみる。そこには僕が良く着た執事服。…一体どういうことなんだろうか。拉致された…とするには少し違和感がある。一体何の違和感だろうか。あんまり記憶にないけど…どうすれば良いんだ。部屋の外にいるであろう咲夜に話しかける。

 

「…何言ってるの?貴方今日は休みじゃない。ま、私は今日も仕事だけど。」

 

「は、ぇ…」

 

咲夜がそのまま歩いて行った。わからない。僕はそのまま歩き回り、図書館にたどり着いた。構造に変化はない。じゃあやっぱり拉致られたのか。だとしても…色々とおかしいことはある。僕が覚えている限りでは、紅魔館を去る前は僕が寝ている横でレミリアさんやら咲夜がいた覚えがある。パチュリーさんも。やはりここはなんというか、どこか変だ。本当に…昔に戻ったみたいだ。

 

「…あら、ゆー。何してるの?今日は休みでしょ?」

 

「え?」

 

「違ったかしら…あら、小悪魔」

 

「逃げましょう!?私さっき吹き飛ばされましたよ!?」

 

「あら、ゆーじゃない」

 

「おぐふっ」

 

小悪魔さんが吹っ飛び、それに巻き込まれる。それをなんとか堪える。堪えたつもりだが、少し飛んだか。この遠慮のなさも昔みたいだ。遠慮っつーか配慮か。まあそれはそれとしてだ。問題なのはやはりどこか昔の紅魔館を思い出させるところだ。不思議というよりも、どうしてこんなことにという考えの方が大きい。何故だろうかね。可能性として考えられるやつ…いるかな。わからないな。

 

「いつもは業務中にしか来ないのに、どういう風の吹き回し?」

 

「いや…わかんない」

 

「わからないって…」

 

「ゆー、遊びましょ」

 

「死にたくないなぁ」

 

「フラン、ゆーとは式神連続召喚で対決しなさい」

 

「飽きた」

 

「飽きたって…貴女の遊び言ってみなさいよ」

 

「羽なし蜻蛉耐久戦」

 

なんそれ。なんかもう、ほんとに昔のフランドールに戻ったみたいだ。頭を撫でると満足そうにくたびれ、こちらに体重がかかる。懐かしいな、こういうの。今のフランドールではこうはならない。必ずレミリアさんやらなんやらが来てしむうからだ。いやいや、これでは本当に昔の紅魔館じゃないか。僕が一番好きだった頃の紅魔館。えー、じゃあ何か。昨日までの悪夢は僕の勘違いで、僕は一夜の夢を延々と見ていたんですか。

 

「…どうしたの?何か悩んでいるようだけど」

 

「悩んでるっていうか、分からないって感じですね」

 

「レミィなら何かわかるのかしら」

 

「それならそれで良いんですけど」

 

「…異変?なら解決するけど」

 

「多分違うわよ」

 

レミリアさんか…うーん。図書館を出て向かう。今は咲夜がいるかもしれない。もしかしたら、今のこの状況について説明してくれるかもしれない。微かな希望を持って扉を叩く。許可出してー。出してくれたー。というわけで入り、そのまま謁見。レミリアさん自身は僕の訪問に何の感情も見せず、そのまま僕を見て品定め。多分あれだろう。僕の記憶が正しければこういう時は大抵運命を見ていた覚えがある。

 

「…夢か現か、分からないようね」

 

「できればここが現実がいいんですけどねぇ」

 

「あら、そうなの。残念」

 

「?」

 

「あなたの見た現にいる私が可哀想なのよ。まあ、去ることも運命を見て知ってるんでしょうけど」

 

「あー…いやぁ…」

 

「全く…これではプレゼントの甲斐がありませんね」

 

レミリアさんの姿からは考えられない敬語が聞こえた。頭がバグって思わずレミリアさんの顔を覗き込む。するとそこにはドレミーがいた。レミリアさんの顔が乗っているべき場所にあった顔はドレミーだった。一瞬頭が固まる。あ?ん??もう一度よく見るも、ドレミーだった。ということはここは夢の世界?夢の世界で夢か現かわかんねーって言ってたってことか。いやまあ、拉致されることの可能性が上がったのが悪いから。

 

「バレンタインですよ。貴方の記憶の中から、いちばんの幸せな記憶を引っ張り出したんです。出演は…ほとんど私でしたが」

 

「バレンタインって…見せるならバレンタイン前日の夢じゃない?」

 

「いちばん幸せな記憶というのは依存性が高いのですよ。もう一度あの夢を見たいからと言ってまた寝られては、苦情のもらい先が多いので」

 

ああ。恐らくだが賢者とか賢者とか、夢の世界に入れる紫とかいう賢者のことだろう。あと摩多羅。純孤さんはどうだろうか?僕の知っている限りでは夢の世界に突入するやつなんて…そいつらくらいだよな…?多分だけど純孤さんが行けるなら恐らく優曇華達も…多分行けるだろう。あそこは技術が高いから本当に近寄りたくない。以前は永琳が僕の皮膚を移植したとか言ってた覚えがあるから本当に。いつ取られたんだろ。

 

「…じゃあ、あれは夢だったんだな」

 

「ええ。貴方の現は数多の人外から愛され、その均衡によって安全が保たれている生活です。どうぞ苦しみください」

 

「…そうだよな。あの頃の紅魔館はもうないもんな」

 

「…あ、もしかして私、やらかしました?」

 

「とっくの昔にな…」

 

「まあまあ…でも、ここで耳寄りなお話を。」

 

「ん?」

 

「同じ組織…というよりも集団ですね。紅魔館にしろ風見幽香と毒人形にしろ、とにかくくっついて動く人外は、その集団内で貴方を共有することを決めたようです」

 

「ざけんなマジで」




夏なのに何故バレンタインネタを…?と思った君。非常に正しい。
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