寵愛な幻想郷   作:覚め

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ドレミー「ちなみに月の民はゆーのことを知りません。」


起床

夢から覚めた。嫌な夢だったな。もう昔には戻れないことを突きつけられた気分だ。そんでもって最後の情報はいらなかった。永遠亭は僕のクローンあたり平気で作ってそうだから怖い。そうなれば…地底はどうなる。勇儀さんとさとりちゃんは同じ集団で括ることが出来るのか?出来れば括れて欲しい。僕の対応が追いつかないから。さてそんなことがあって僕はたった今起きて状況を整理したわけだが。

 

「…純孤さん?」

 

「あら、ようやく起きたの?もうお昼だけど、何か食べたい?」

 

「あー…何でもいいよ」

 

「何でも?本当に?」

 

他の奴らなら何かを指定して頼んでいただろうけど、純孤さんなら安心だろう。常識ある人だからね。今日の予定は何もなし。まあ建てられないのが現実といえばそうだけど。そんなこんなで着替えを終え、純孤さんに尋ねる。ここ、どこ?ここはもちろん僕の家ではないし、木の根に囲まれた簡易的な家でもない。例えるなら、青娥の部屋に拉致されたような空間。つまりここはどこだろうか。

 

「ここは仙界。私の作った領域さ」

 

「???」

 

「さあ、朝ごはんよ」

 

「あ、はい」

 

つまりここは青娥の作り出したあの世界と同じ…なのだろうか。建物の外に出て見ると変に空間があり、奇妙な植物が生えていた。ちなみに永遠亭で一度見たことがある。つまりこれは月の植物か。なんだっけ。蓬莱の…ほーらいの…忘れた。何故か僕は純孤さんに抱えられ、そのまま庭らしき場所へ。何故か純孤さんは僕を見てニコニコしているばかり。あ、これもしかしてアレすか。こう、ペットを見つめてるみたいな。

 

「私の息子も、ゆーと同じ反応をしたのかしら」

 

「生きてれば、ですがね」

 

「…そうよね」

 

「とにかく、今日は何をしましょう?私も張り切るわ」

 

「…菓子でも作る?」

 

「良いの?」

 

アリスに教えてもらったクッキーを作る。僕としてはこのクッキーを何とも思ってない…と言うよりも、バレンタインのお返し以外での出番は僕が食べる時かお礼に渡すくらいの物なのだ。ちなみにだが、いつか迷惑をかけた時用に博麗の巫女にも渡そうと考えている。あの人からは僕に対する特別な恋慕やら何やらは感じないので幾つでも渡していいってね。僕はちゃっちゃとクッキーを皿の上に積み重ねる。

 

「ゆー。美味しいわ」

 

「そう言ってもらえて光栄です」

 

「ああ、思い出したことがあったわ」

 

「?」

 

「ゆーの家を訪ねた時に寝床を襲っているような鴉がいたから天井ごとどこかに飛ばしたけど、大丈夫だった?」

 

「…ま、たぶん」

 

クッキーを食べ終え、僕は解放された。何やら友人が来るらしい。そのままいるのを拒否したところ僕が寝ていたあの根っこに来た。本当に天井がなくなっている。驚きだな。僕は見上げながら母強しという言葉を思い出す。生物の中でいちばん恐ろしいのは子を守る母と。熊とかね。ガチギレ母のクマ。僕としては一度は見てみたいところだが…どうもここではそう言うのは見れそうにないね。仕方ない

 

「おい!家ねーじゃん!」

 

「正邪…」

 

「私のワッペンは!?」

 

「破れたよ」

 

「私のご飯は!?」

 

「擦り潰れた」

 

僕は仰向けに寝転がりながら正邪の言葉に返事を届けていく。ちなみに寝るという行為は摩多羅への強大な対抗手段だ。何せ僕の背中が地面なのだから。ちなみに僕が吹っ飛ぶ力で開ければ開く。更にいえば僕の背中じゃなくても出てこれるので意味はない。今僕が華扇と目を合わせて正邪に視線を戻したように、だからなんだと言うわけで。ほら正邪落ち着いてな。怖くないから。

 

「また妖怪を…貴方は人なんですよ。その自覚をお忘れでは?」

 

「ならテメェ入り浸るな」

 

「…摩多羅と紫が羨ましいだけですよ」

 

「けっ」

 

「こいつ嫌い!」

 

「あーほらほら、ご飯なら僕が作ったクッキーがあるから」

 

「…水」

 

僕のクッキーは水分を吸い取るからね。気持ちはわかる。残念ながらここに水はない。水を垂らしていた天井から垂れる根が消えたためである。文句?鴉天狗に言いなさい。僕は知らない、悪くない。しかし、萃香あたりがそろそろ建築を終えそうなのに、全然報告に来ない。負のオーラも消えただろうし、萃香ならあの程度の家は直ぐに建築し終えるし…一体何に手間取っているのか。華扇と正邪を連れて見に行こうかな。

 

「…うわぁ」

 

「何の喧嘩の跡だ、こりゃ」

 

「私の記憶だと萃香…と、もう1人くらいしか」

 

「勇儀さん?」

 

「そうなのよねぇ」

 

「…家ないじゃん」

 

そう言って正邪はどこかへ行った。まあ確かに、家目当てに来たら家がないのは帰る理由になるが…じゃああいつどうやって僕の住んでるところが分かったんだ?わからん。あたりを散策していると見かけたのは気絶している美鈴さん。どうした死んだのか。いや生きてるか。いったい何があったのか。それだけでも聞ければ良いのに、何故こうも話が拗れる奴が寝ているのだろうか。

 

「いやぁ…お嬢様の命で家を建てに来たんですけど…私と同時期に建築しに来た妖怪が他に数人いまして。争いに…」

 

「誰だ?」

 

「萃香と…勇儀は地底から出てこれないはずでしょ?」

 

「…えっと、確か摩多羅神も」

 

「あいつもかよ」

 

「とりあえず喧嘩した妖怪を集めましょうか」




摩多羅「実は私は建築の神でもあるのだよ。だから失せろ(ガチギレ)」
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