寵愛な幻想郷   作:覚め

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まあ指輪は五本しか付けられないと決まったわけではありませんが。


五指

「僕は指輪をもらうような間柄の奴を知らないぞ」

 

「でもそうしたいと思われてる間柄は?」

 

「…いっぱい知ってる…」

 

「だはは!」

 

小突く。指輪を撫でる…も、何やら。この指輪、よくみたら少し変な模様をしている。なんか見た覚えのある模様…まあ見覚えがあるってことはつまり、僕の知ってる誰かか、何かのものだろう。多分害はない。多分。萃香から見ても何もないんだから、おそらく。しかし薬指に付くか。色々と誤解を生むことになれば厄介なんだけど…いやまあもう厄介なやつばかりだから良いか。弁明する萃香がいれば良い。

 

「そう言えば…明日紅魔館の奴らがパーティ開くから来いって言ってたぞ」

 

「いつ?」

 

「私たちが寝てる間。私の分身が聞いた」

 

「…それはつまり、夜明けまでに指輪を外せと?」

 

「…」

 

外そうとするも外せない。くっついているようだが、僕からすれば食い込んだ感触はない。魔道具か何か?床に手を置き、布を口に噛ませる。萃香の馬鹿力を今発揮する時だろう。指が取れないように指の根元を掴んでもらい、思いっきり引っ張らせる。あ、思ったより痛い。激痛と共に萃香の腕が勢い良く振られる。指輪を外せたか?僕の指を見てみると、そこには指輪が何もなかったかのように付いていた。

 

「どうする。手段を選ばなかったら…」

 

「指ごとか?」

 

「ゆーにそんなことしたら私が死ぬ。ゆーを傷つけずにこの指輪を取る」

 

「…まずは指輪を変形させることから始めよう」

 

「よし来た!」

 

無理だった。そうした夜は過ぎ去り、玄関前に寝転がっていた妖が去り、咲夜が手鏡を見ながら髪型を整えているのを確認。萃香と共にどうするやばいどうすると喚き合う。しまいには萃香が指輪に嫉妬する始末。なんと角を切って形を整え指輪にするなどと言い出した。まずい、とても。萃香の手を止めさせ、咲夜にそのことがバレないように…でも弁明する奴が欲しい。あれ、これもしかしてやばい?

 

「失礼…」

 

「咲夜!」

 

「あ」

 

「…えっと、色々と聞きたいけどその指輪は何?」

 

説明する。信じてくれたかどうかはわからないがとにかく説明する。萃香がいつの間にか消えていたが、まあ、うん。多分しないよな…多分しないよな…!?そこまであいつも狂ってるわけじゃないだろう。やり過ぎで僕に一度怒られてるんだ、流石にしないだろう?咲夜、それはお前も同じだよな?爪全部剥いで指輪にとか言い出さないよな?この指輪を取りたい僕のこの気持ちはわかってくれるよな??

 

「とにかく紅魔館、ね」

 

「萃香は!?」

 

「招かれてないんだもの」

 

「おー!ゆーさ…その指輪は??」

 

「美鈴さんも…」

 

「それについては後で。まずはパーティが先よ」

 

「あー…そうでしたね!」

 

紅魔館の中へ。レミリアさんに会ってもフランドールに会っても指輪のことを聞かれ。パチュリーさんにはこの指輪を見られた途端に縋られた。説明するとわかってはくれた。しかしこの指輪、一体誰がいつ付けたのか…考えられる候補は何人かいるが、指輪を作れるかと言われると知るわけがない。はぁ…ゴッケロもどっか行ったし。この指輪がゴッケロということも考えて魔力を流してみたが、スキマは開かなかったし。

 

「なるほど、そういう手が…」

 

「やめてね??」

 

「何言ってるのよ、そこまで阿呆じゃないわ」

 

「良かった…」

 

「お姉様は指輪よりも欲しいものがあるものね?」

 

「フラン、やめなさい」

 

「私はそれをいうことができる。臆病者と違ってね」

 

「言ってみなさいフラン」

 

「ゆーのたい」

 

「死になさい」

 

喧嘩が始まった。パチュリーさんは喧嘩を止めるどころか指の大きさを測り始めた。もう僕は何をすれば良いのかわからない。測られてない手で目の前に運ばれるステーキを食べるだけだ。咲夜の飯は美味いな。美鈴の飯もなかなか。だが中華と洋風が合わさると流石に堪える。炒飯にステーキを乗せてるんだぞ、今の僕は。話し相手もいないし。いやまあパチュリーさんもいるけど…今度は手と腕測り始めた…

 

「どう?料理は」

 

「美味かったよ」

 

「わた、わたしの料理は!?」

 

「美鈴のも。腹一杯」

 

「お嬢様と妹様の喧嘩を止めてくるわ」

 

「うい」

 

「パーティと言うか、連れて来ただけですね」

 

「美鈴もそう思うなら料理より話し相手になって欲しかった」

 

「言ってくれればいつでも、ですよ?」

 

「…パチュリーさんは何やってるの?」

 

「採寸が終わったから作るために模型を作ろうとしてるのよ」

 

「…もう寝ようかな」

 

「あ、美鈴。皆から髪の毛少し貰うけど、良い?」

 

「別に良いですよ」

 

髪の毛で何か作ろうとしているのか?フランドールを膝上に乗せ、レミリアさんを対面に座らせる。嫌そうな顔してんなぁ…気持ちはわからんでもないけど。美鈴は僕の背中に手を置いて…何やってんのか知らんけど、多分体調を良くしてくれていた。咲夜はそんな美鈴にナイフを刺していた。怖いよ、みんな。腹の隙間にブドウジュースを流し込み、フランドールにも飲ませる。酒は嫌いだからね。

 

「ねえ、最近物騒でしょう?どうかしら、またここに住むのは」

 

「嫌だ」

 

「どうして?ここなら門番もいるし、安全ならパチェが結界を張ってくれる。咲夜もいるし、フランも…それに私もいる。充実した生活を送れると思うのだけれど。」

 

「今の生活も嫌じゃないからね。誰かのものになるのも別に構わないんだけど…そうしたら色々と問題じゃん?」

 

「そんなこと、あのスキマ妖怪がなんとかするでしょうに」




僕が下手すぎて出る人が限られてる。
これはもう、割り切っていくしかない。許して欲しい。
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