寵愛な幻想郷   作:覚め

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誰だって多少は揺れますよ。
地球でも地殻でも人間でも


お礼

「…ホワイトデーって、こんな行事だったのか」

 

「すまん、私は知らない」

 

今僕の家の前には名だたる者どもが集まっている…とかそういうことはなく。萃香にクッキーをあげながら今渡すべき相手をリストにあげまくっている。寄るところが多いから、せめて危険地域を外して…風見幽香は渡さない方がダメだろう。拉致の件もあったが、それ以上に渡さないことで僕の腹が木製になるのは避けたい。萃香の同伴は前提。できれば巫女の手助けも欲しいが期待はできまい。

 

「…っし。行くぞ」

 

「私が分身で届けようか?」

 

「そうしても良いけどな…色々とあんだよ」

 

まずは呼べるやつから。紫と摩多羅はさっさと済ませる。アリスと天子にはさっさと渡しておこう。となれば一番遠い天子から行って、紫に地底メンバーに渡させるクッキーを持たせて…そうだな、アリスから地上を回って最後に命蓮寺に寄るか。世話になってる人に渡しても良いしな。多分。…そうだよな?そう、なんだよな??

 

「じゃ、まずは上空だな?」

 

「冥界か天界かどっちでもどうぞっ」

 

「ひゃっふぅ!!」

 

まずは冥界だったようだ。妖夢にはクッキー、幽々子には…クッキーではなくケーキを。作り方?まずそもそも作っとらん。里で買って来た。ちなみに荷物の入れ所はスキマ。便利だな、スキマって。反応としては双方共に満足そうだった。妖夢が幽々子に渡したケーキを見て何やら呟いてたことが気になる程度だ。勘弁して欲しい、そいつが食う量は側から見たら化け物なんだ。元から人間じゃないけどさ。

 

「この調子で回るのか?」

 

「後に回しすぎるとかえって面倒だからな。考えてみろ。風見幽香とかどんないちゃもん付けてくるか」

 

「それもそうかぁ」

 

というわけで若干申し訳なくあるが飛ばす。次に寄ったのはアリス宅だ。特別に、甘い味のクッキー。僕が食べて割と甘いねと思うくらいには甘い。アリスは頭を使うと言っていたからそれで良いだろう。目は輝かせていたぞ。次、天界に飛ぶ。ここまで移動は萃香頼り。助かるぜ。天子と衣玖にも渡し、天子には退屈しないように本を5冊渡す。別に30日くらいかけて食べるクッキーでも良かったが、あれは面倒。

 

「…次は?」

 

「紅魔館だな」

 

「門番にだけ渡すか?」

 

「いや、霧雨氏のやり方で行く」

 

空を飛ぶ萃香の力を借りて、クッキーを耐衝撃魔法で包み投げさせる。門、図書館、台所、図書館の奥の地下室、中央のレミリアさんの部屋。多少のズレは出来るが、まあ良いだろう。砕けずメッセージもそのままなら、多分。次、永遠亭。だが…まじで関わりたくないので妹紅に任せる。妹紅と慧音さん、お願いします。妹紅、食うなよ。2人とも面食らってはいたが、クッキーを受け取ってくれた。萃香の肩に捕まり次。風見幽香。

 

「あら、会いに来てくれるのね」

 

「家の件では世話になったからな。メディスンの分もある。手荒な真似しないなら別に来ても構わんし許すよ」

 

「…優しいのね。少しは悪態ついてくれれば、やったことを再確認できるのに」

 

「知らん!」

 

萃香に捕まり、次は…どこだっけ。もう命蓮寺か?…神霊廟か…妖怪の山もあったな。大天狗と狐と変態ストーカー記者の三人以外と関わりはないはずだし、なんなら探せば普通にいるだろ。つまり神霊廟かぁ…幽々子やらドレミーの話からかなりの強硬派らしいが、果たして萃香一人で対等だろうか…摩多羅あたりを呼ぶべきか。いやそれなら、多分だが純孤さんを呼んだ方が良い。呼べるかどうかは別として。

 

「…こればっかりは、な」

 

「別空間にいるのは無理だよ」

 

「ゆーのお友達?これからもゆーとは仲良く、ね?」

 

「はい。娘になります」

 

「いらんことを言うなバカ」

 

「否定しない…!?」

 

神霊廟に入り、入り口にこそこそっと起き、純孤さんの仙界に戻る。クッキーを渡して、さて一応の最後である命蓮寺だ。ちなみにここまでで大体三時間ほど。天狗達は早く見たからだろうか…と、迷っていると肩を叩かれた。後ろにいるのは確か萃香だろう。なんだトイレでも行きたいのか?それとも私はクッキーと酒がいいってか?振り返るとそこには神子がいた。

 

「っあ!?」

 

「酷いじゃないか、置き手紙とクッキーだけなんて」

 

「ちょ、萃香は!?」

 

「ん?ああ、私が君を引っこ抜いただけだ。安心して欲しい」

 

「紫!摩多羅!?」

 

「無駄だ。君があの仙界にいたおかげで八雲紫でさえ手を出せずに君を取り出せたんだから。ここは君と私、屠自古と布京都しかいないよ」

 

「っ…」

 

スキマを開こうとして腕を掴まれる。右手薬指に目を配られ、いつのまにか抜かれた剣で指を千切られる。あんまり意識しないように、したら痛いから。目の前の神子に目を合わせ、現状の説明を受ける。今この空間はどうやら神子の手により誰も入れない場所と化したらしい。純孤さんなら、或いはどうだろうか。子を守る母が一番強い生物と聞く。熊にそれが適用されるなら人外にも適用されるはずだろう。

 

「…で、誰かな。ゆー、君の、私の干渉以外受け付けるべきでない薬指に邪な物をつけた女は。」

 

「おぁっ…!?」

 

「逃がさない。君はわたしのものだ。君にその自覚がなかろうと、君はわたしのものなんだ。さあ、言ってもらう。この汚物の出所は。誰だ?」

 

「っ…」

 

「話さない、か。君のそう言うところが好きだ。さてもう一つ、今回も同じような質問だが訊ねさせてもらう」

 

「なんだよ…」

 

「この首飾り、誰の目だ?」




萃香「自分の分身から目をぶんどって自分につける。これぞ義眼」
紫「(閃く音)」
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