寵愛な幻想郷   作:覚め

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登らざるは日
のぼれ!!!!!


翌れ翌れ

「摩多羅」

 

「なんだ、ゆー。最後の言葉か?」

 

「別にお前の婿でも夫でもなんでもいいんだ。ただ…」

 

「?」

 

「選ぶなら自分から選びたいってだけでな!」

 

手のひらを思いっきり噛む。魔力を流して強化し、噛みちぎる。流石に効いたようで怯んで僕を手放した。なので、全力でタックルをかまして逃げ出す。ちなみに自分から選びたいのは嘘だ。その前のやつは本音だ。本当に誰でもいい。ただ反射的に断ったのがちょっとな。摩多羅は信頼しているが基本少し苦手だ。たまに見せる尊大じゃない様子は好きなんだけどな。

 

「っ…ぁ…は…っ…走りすぎた…」

 

「あら、ゆーじゃない」

 

「あ?あー、アリスか…どうだ、ホワイトデーは。美味かったか?」

 

「ケーキなんて作れたのね。少し意外」

 

「だろ?」

 

「で、どの女に教えてもらったのかしら?今朝の新聞は嘘なのはわかっても、あの味を独学で、とかは無理があるわよ」

 

「…覚えてねーのか?」

 

「何よ。私が貴方との思い出を忘れるなんて、万が一いや億が一にもないけど」

 

「僕が魔法の森に逃げ込んだ時。ケーキ作ってくれたろ。アレだよ。真似したんだ。味が同じとは限らないが」

 

「…やだ、惚れ直しちゃうじゃない」

 

「黙れこの観察魔」

 

「今は誰から逃げてきたの?」

 

「摩多羅」

 

息が落ち着いてきた。やはりというかなんというか。アリスは避けてはいたが、マシな部類ではあったんだよ。ちなみに僕の人間不信への最後の一歩を踏ませた人物でもある。人間不信への一歩目はフランドールだった。出会ってすぐに何かされたわけじゃないが、感情一つで関係性が崩れることの恐ろしさはフランドールで知ったからな。さてそれとは別に萃香と紫の喧嘩はそろそろ終わっただろうか。それともまだ続いているだろうか?

 

「僕が優柔不断なのが悪いのかな」

 

「紅魔館に居座ると言う男気がないのが悪いってのは事実よ」

 

「うっせ」

 

「だいたい、助けて欲しいなら博麗の巫女を頼ればいいでしょう?なんで私やその摩多羅とか言うの頼ってるのよ」

 

「確かに」

 

だがそうなると、お前のもとから離れることになるぞ。いいのかな?まあ、いいんだろう。礼を言ってからさっさと博麗神社に向かおうとしてこけた。何か引っかかったなと思い足元を見てみると、なーんか細い糸らしきものが。途切れ途切れに見える糸の先にはやはりアリスの手が。まずいな、予測できた事態だった。もっとやばいのは、アリスが人形携えているところだろうか。ほんとまずい。

 

「な、なあ、アリス?糸をどうにかしてほしいな、と」

 

「あら、不思議なことを言うのね。私がゆーを手放すと思うの?」

 

「嘘だろおい」

 

「今なら邪魔は入らないんでしょ?」

 

「ついさっきまではね」

 

「紫か?」

 

「目が見えないの?それとも目が悪くなったの?」

 

「いやゆーの後ろにあなたがいるからでしょ」

 

いや、それはそうなんだがな?まあそれは置いておき。紫が出てきたおかげでアリスもさっさと消えてくれた。ところで紫、萃香は?…おい、なんで黙った?萃香は?ま、まあなんも問題なかったってことだよな?そう思っていいんだよな?おい。なんで黙るんだ。いやまあ、紫まで疑うと僕はもう人間不信どころか、おそらく巫女さん以外信じられなくなるから信じるけどさ。

 

「で、どーすんの。もうやばいと思うんだけど。摩多羅もいるし」

 

「そうじゃな、少々まずいか」

 

「あ、マミゾウだったの」

 

「母じゃぞ、気付け」

 

「助けてくれてありがとね」

 

「儂の育て方に間違いはなかったようじゃな」

 

「もう一人のほうも呼ぼうかな」

 

「幻想郷を壊す気か。やめい」

 

ちなみにだがな。純狐さんの能力なら摩多羅も一瞬だ。カウンセリングしててよかった。あ、そういえば永琳のことどうにかしないとな。指に変なもの入れやがって…あれ、まって。指?あ、やばい指なくしたこと忘れてた。え、ほんとこれどうしよう。マミゾウ、これどうしたらいいの?摩多羅のところに指も置いてきたし。どうにかして傷塞がないとなあ。おそらくじゃなくとも死ぬ。どうすんのこれ?

 

「どれ、儂にみせてみなさい」

 

「傷の治療もできるの?」

 

「いや、できん。が、傷をふさぐこともできん。」

 

「何ができんだよ」

 

「聖を呼んでおいたが、どうもたどり着くのが遅れておる。」

 

「え?」

 

「聖も最近、カイフクマホウを覚えたらしくての。傷が完全には癒えずとも、痛みは和らぐやもしれん」

 

「なるほどね」

 

そうなるとおそらくここに来る道中に出会う萃香とゆかりのけんかにでも巻き込まれているんじゃないか?僕は怪しんだ。ま、そんなことはどうでもよく。マジで僕どうすんだよ…どうしようもねえな。いっそのこと紅魔館に帰って流れで外の世界に帰ろうかな。いや浦島太郎状態で外に出るのは嫌だな。もしかしたら今外の世界では個人が手榴弾を持っていて、全日本手榴弾協会みたいのがあるかもしれん。

 

「今追いつきましたよ、ゆー。式はいつにします?」

 

「おいマミゾウ、何吹き込んだ。」

 

「はて、新聞に書いてあったぞ?ゆーの結婚相手を決めると」

 

「もしや私ではなく星ですか?」

 

「聖、ちょっと黙って」

 

「すみません」

 

「これどうすんだよ。つーか本人も知らないのは問題だろ…」

 

「なるほど、件の原因はこの新聞…わかりました、作った奴に訂正の新聞を書かせますね」

 

「待ってよ聖ぃ、お前みたいなものでも安心はできるんだからさあ」

 

「!?!?!?!?!?あ、安心!?本当ですか!?」




摩多羅はずっとゆーをつかんでいた場所で掌見ながら固まっていて、萃香と紫はこの間ずっとゆーのことで喧嘩から議論に変わった
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