寵愛な幻想郷   作:覚め

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紅魔館の力の序列(能力あり)として、トップがレミリア、次点にパチュリーが来ます。フランは三番目。


強行突破

「要は今のゆーは経過途中。パチュリーやお姉様が貴方を手に入れるために、私たち以外の記憶を無くすの」

 

「なんとも、まぁ」

 

「フラン。ゆーを連れて何をしているの?」

 

「あと、お姉様かパチュリーが来たら全力で走ってね。門は正面からじゃなくて側面から。」

 

「どっちも来たら?」

 

「私が食い止める」

 

目の前にはレミリアさん。力などでは互角そのものらしいが、どうだろうか。僕はフランドールの言い分通りに走り去る。フランドールを連れて。精一杯走るも、時を止めるらしい咲夜が進路方向に居座る。圧倒的なフィジカルによりレミリアさんも先回りして、二人並んだ。まずいな、これは。一番まずいのは、ここを超えてもおそらく門を超えた先で美鈴に追いかけられるところ。詰んだ?

 

「言ったでしょ、食い止めるって」

 

「あぁ…詰んだかと思った」

 

「フラン…まだわからないの?」

 

「パチュリー様は…」

 

「フランが止めてるわ。多分だけど、あのスペルカードよ」

 

「なるほど」

 

フランドールに投げ飛ばされる感じでレミリアさんと咲夜の上を通り抜ける。地面に着いてさっさと館の出口に向かう。道中の妖精を無視して、とにかく走る。館の出口が見えたかと思えば扉の前に人影が。目を凝らすと、あの人影はおそらく美鈴。窓から出てみようかな…それともベランダ?走る方向を変えて美鈴のいない窓へ。光が入り込まない方向にだけある窓を蹴破れば、確かその前には門がなかったはず。ただの柵だったはずが。あれ、城壁かな?いやそれは違うか。

 

「つーかまえたっ」

 

「美鈴っ!?」

 

「さっきまで出入口の前にいたと思いましたね?私くらいの膂力があればあのくらいの距離は瞬時に移動できるんですよ」

 

「っ…!」

 

一瞬美鈴の力が緩む。思いっきり力を込めて美鈴の拘束を振り解き、窓を蹴破ろうと足を上げた途端、後頭部に衝撃が走る。いつのまにか身体への強い重圧に襲われ、視界には紅魔館特有の真っ赤な天井だけが写っていた。何がどうなっている。身体を動かそうにも動かない。ということは、美鈴に抑えられたのだろうか?寝技で?力が緩んだのはわざとか。しかしまずいな、美鈴に抑えられたら抜けるのは困難。フランドールが来れば…

 

「妹様は来ません。パチュリーさんも、お嬢様も手加減はするでしょうが…少なくともお二方には勝てませんから。」

 

「それマジ?なんてこったなぁ…」

 

「それぎゃっ!?」

 

「何そのクソみたいな体位維持してるのよ」

 

「い、妹様!?」

 

「私が美鈴の対策くらいしてないと思ったの?気配くらい消せる。」

 

起きあがろうとするも起き上がらない事を除けば事態は好転した。背中が特に痛い。抑えられた時に何かやられたかな?とにかく意地と魔法で起き上がる。どうにかして立ち、窓を魔力でぶち破る。かなりおっさんくさい動きで窓を越え、さてどうしたものか。柵を越える方法を何も思いつかない。空を飛んでも良いが、かなり危険な橋となる。今現在は夜。妖怪が暴れる時間帯だ。どうしたもんかな。

 

「ゆー、そこで何やってるの?」

 

「あ?…誰だ、お前?」

 

「ルーミア。やっぱり…この館に変なことされてる。」

 

「とりあえず、こっから引き摺り出してくんない?」

 

「良いわよ」

 

ルーミアに連れられて外に出る。…あ、記憶を取り戻すのってこんな呆気ないんだ。でも人間不信の始まりはこんなんだったな。身に覚えのある感覚と身に覚えのない感覚を味わいながら、ルーミアと共に走る。というよりもルーミアに抱き抱えられながら空を飛ぶ。結局これが現時点では速いと思います。どうやら完全に逃げきれそうだ。しかしここで不安になるのはやはり摩多羅とかだろうか。あと萃香と紫の喧嘩はどうなったんだ?

 

「はぁい」

 

「紫!?」

 

「わっと」

 

「ルーミアを使うなんてね。困ってたのよ、私でも入れなかったんだから」

 

「そういやお前、いつもどこから僕のこと見てるの?」

 

「ゆーの耳の後ろ24センチ地点。あ、左耳ね。隙間を利用して左目で見てるわよ」

 

「そんなもんなの?」

 

「結界の中に入ったりしない限りはいつもゆーの後ろに誰かいるからね。最近はずっと鬼がいたけど」

 

「そうなんだ…きも…」

 

「っぅ!?」

 

紫に聞いたところ、萃香は死にかけで放置したらしい。紫もそこそこ傷ついたし話し合って盛り上がってまた喧嘩に発展して、藍まで引っ張り出して瀕死にしたとか。おい待て一回喧嘩終わってない?終わったよな?そんで待ってお前、盛り上がってまた喧嘩とか言った?お前ほんと…マジで…何やってんの…?萃香の様子も見とくか。しかし安心はできない。あの場の近くには摩多羅がいた。神出鬼没なのがほんと嫌だな…

 

「ゆーにとって信頼できる妖怪が段々と減っていくわね。困ったものだわ」

 

「誰がどの口で言ってるの?少なくとも私には同類に見えるけど」

 

「…ちっ」

 

「僕を挟んで喧嘩しないでよ」

 

「一応言っておくけどね?ゆーはそろそろ誰か相手を見つけなさい。私でもルーミアでも、まあありえないけど摩多羅でも良いのよ?」

 

「それなら…誰だろうな。純孤さんとか?」

 

「実力としては申し分ないわね」

 

「…私たちはゆーが元気なら良いのよ。他に望むことといえば…子供?」

 

「せめて一緒にいるとかにして」

 

「どうして…」

 

避難先としてどこに住むのが良いかを三人…いや、二人が話す。僕としてはもう、純孤さんの仙界で密かに眠ろうよ。もう嫌だ疲れたもん。寝るね。僕もう寝るからね。ルーミアの背中で寝ますからね!!良い!?あ、ダメ?そう…なんで僕今ダメって言われたんだろう…まあ良い。さてどこで住むのが良いのかという話はまだ終わりが見えず、このままだと空中で夜を明かしそうだ。

 

「…とりあえずそのスーツはダサいからこっちの道士服着ましょう?」

 

「いや、小さい私が書いてあるこの服を」




このあとフランは紅魔館の奴らに対してマウント取りまくります。ボコられたりはしないです。
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