寵愛な幻想郷   作:覚め

42 / 51
二次創作と一次創作で一番性格が違う奴
摩多羅隠岐奈
甘ったれるな


庇護

「…ここどこ?」

 

「命蓮寺です」

 

「…家は?」

 

「あー…えっと、まあ、気にせず…」

 

気にならないな。もう。何回目なんだっけ、家が壊れるのって。何がしたいんだかわからないが、とにかく僕は今命蓮寺にいて、どうやら家は壊されたか立ち入れないかの状況らしい。面倒な。僕は起き上がって周りを見て、違和感を感じたので一度布団から出る。なんだろうか。そう、起きてすぐ横に顔があった。いやまあ、僕の家でもよくある…あっちゃいけないけどある。つまり僕、聖と一緒に寝てたってこと?

 

「いえ?一緒に寝てはいませんよ。私が一日中見張っていたので」

 

「なんで顔が横にあったの?」

 

「…あぁ、横で見張ってましたから」

 

何言ってんだこいつ。一回やってみてと言うと、なんか、こう…足の小指一本で横向きに立ってた。何言ってるかわからない?まあ、人外なんてみんなこんなもんなんじゃないかな。僕はよくわかんないけど、多分そうなんでしょ。前は紫にスキマメリーゴーランドとか言うジェットコースターで酔った時もこの程度で酔うなんてとか言ってたし。小指で立つのはよくわからないけど。

 

「姐さ〜ん…お、ゆー起きてる」

 

「聖〜、そろそろ朝ごはんを…あぁ、起きたんですか」

 

「え、何?ちょっ、よくわからないんだけど?」

 

「まあまあ、まずは朝食を摂りましょう」

 

居間に連れられ、座らされる。場にはマミゾウとナズーリン以外の命蓮寺の顔が。みんなが食べるのをみて僕も食べ始めた。出てきた朝食は一汁一菜。僕だけ白米がついていた。一輪が欲しそうに見てきたのであげようとしたところ、聖が謎の手品でそれを制した。村紗はそれを見て背筋を伸ばしていたのだが、はて何があったのだろうか。まさかつい先日折檻されたばかりか?だとしたら笑うが。

 

「食べたぁ」

 

「ゆーって少食なの?」

 

「村紗に比べたら。」

 

「私がよく食べるみたいな言い方良くない」

 

「僕よりは食べるでしょ」

 

「まあ、朝食は足りないけど」

 

「足りないのですか?」

 

「うわっ!?」

 

「聖!?」

 

村紗は何か取り繕うように逃げ出していった。聖は会釈してどっか行った。なんだろう。今までで一番優雅な一日の気がする。いや、普通に優雅な日はあったんだけどね。平和だ。なんか妖怪の山の形変わったかなとか思うけど優雅で平和だ。縁側に座り込み、足をぶらつかせる。あー、こう言う一日は老後にしか来ないと思ってたから、なんだか老いた気分。足をぶらつかせていると一輪が近づいてきた。

 

「ゆー、これ買ってきて〜」

 

「あー、無理」

 

「えぇ!?」

 

「人里に入れなくなっちゃって」

 

「理由は?」

 

「いや、ここの管理人に言われちゃった…」

 

「えぇ…ま、良いか。ゆー!お肉食べよう!」

 

「体調でも悪いの?」

 

「え?」

 

「えっ」

 

「ゆーが私の心配を…?」

 

「あ、そっち?」

 

聖から聞いたのだが、最近の命蓮寺では健康面から体調不良には肉を出すようにしているらしい。喜ぶし栄養が良いから仕方なしに、とのこと。聖も考えを柔らかくしたんだなあと思っていたが。あれ、一輪は体調不良じゃないの?と。体調不良だとしても僕が食べるのはどうなんだろう。仏教徒じゃないならいいのかな。いやこいつ酒の前科あったよな…一輪相手に心理戦はやりたくないな。肉も貰い物だろう。

 

「で、体調は?」

 

「んー、とても悪い。助けてぇ」

 

「…しかし僕に回復魔法とかは使えないからなぁ。歩けるか?」

 

「ちょっと厳しい。ゆーが布団に入れてくれれば、少しは楽に」

 

「聖ー!」

 

「ちょっ!」

 

「はい?」

 

「一輪が体調不良だって」

 

こってり怒られましたとさ。悪いが僕は知らない。でもなんか、本当に平和だ。命蓮寺で暮らすのも悪くはないかな。そう思ってたら星に呼ばれたので着いていくと何やら変なものを渡された。錫杖だった。魔力が込められていて、ある程度の妖怪なら僕でも太刀打ち出来るんだとか。ここから帰る時に使うと良いって。ありがたいね。そう思って縁側に戻ろうとしたら目の前に聖。びびった。

 

「…」

 

「な、何…?」

 

「帰れるようになるまでは命蓮寺の中ですからね」

 

「あ、はい」

 

「…聖…」

 

錫杖を持って一輪に見せびらかす。羨ましがられることはなく、じゃあ服をと渡された。一輪のサイズが合うわけないだろうと思いながら着てみると妙にサイズが合う。え、どう言うこと。一輪に聞いてみると、なんと少々でかめのサイズでも僕と同じサイズの袈裟を着たかったんだとか。何変なこと言ってんだ、と思い頭を小突く。村紗も同じことしてないよな?と聞いてみると、これをやっているのは一輪だけらしい。

 

「良いんだか悪いんだか。」

 

「サイズだけでもゆーを感じたくて」

 

「バカ黙ってろお前」

 

「ずっとここで暮らしてよゆ〜」

 

「やめて一輪、村紗が見てるよ」

 

「私も同意見だよゆ〜」

 

「似た物が」

 

一輪と村紗を振り切り、星に縋る。ここで一番まともなの星だから助けて。ぬえ?あいつはたまに僕の部屋で能力使ってるから信用ならない。星は虎になるだけだもん。聖は庇護欲が入るとかなり酷いことになる。星はそんなことないよな?とにかくだる絡みしてくる村紗と一輪をどうにかしてくれよ。星も同意見だからあんまり止められない?ああ、そっかぁ…だる絡みないだけ村紗と一輪とは格が違うな。

 

「あの、そう言うのやめません?」

 

「そうしないと無理なんだもん。目覚めたら家にいないことたまにあるし」

 

「まあ、それは可哀想なんですがね?」




いまゆーの家は三割削れてる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。