寵愛な幻想郷   作:覚め

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パチュリー「仙人発見!直ちに処す!」
青仙人「やっべ」


ガタガタ

身体が動かない。視界も何を見てるのか不明瞭だ。そこに颯爽と白と青が混じる。色でしか物を判別できないのに、青と白があって動くものなど何も思いつかない。かなり息も苦しい。これ麻痺毒っていうより神経毒では。フグ毒とかの。先ほどの青と白が僕の腕に触れる。生き物?この色で生き物?青と白で…咲夜しか思い付かない。しかしここで答えを外した場合、命はないだろう。

 

「っ…っ…」

 

「聞こえる?大丈夫?とりあえず息を吸わせるから、動かないで」

 

胸を押され、息を吐く。その後にどうやってか胸を引かれ、息を吸う。それを何度か繰り返し、視界が治ってくる。目の前にいたのはやはり咲夜だった。その後2人目も来たが、そっちはパチュリーさんだった。魔法で解毒してくれるらしい。嬉しいね、嬉しいな。息を吸って吐いて、視界も治ったが腕や足は動かないままだ。流石の僕でもこんな目に遭ったのは初めてだ。メディスンのところに行って耐性付けるか。

 

「ぅ…」

 

「パチュリー様」

 

「…これ、麻痺毒じゃないわよ。神経毒。一応治せるけど、飲まされてから随分と時間が…」

 

段々と体の動きが元に戻ってくる。うーん、この毒嫌い。身体を動かしつつ、後遺症の確認。足も動く、手も。若干の動きづらさは風見幽香に取って貰えば何とかなるだろう。僕は恵まれてるなぁ。外と違ってね。しかし、流石に数時間身動き取れなかったのはきつかった。青蛾さん、多分だけど僕のことキョンシーにしようとしてた。絶対そう。身体が目当てならそう言えば良いのに。

 

「ゆー、復唱して」

 

「ん…たとえ知ってる人の弁当でも食べません」

 

「…ゆーは大変ね。それじゃあ私はレミィ達に知らせてくるから」

 

「…それじゃあ、私はゆーを運ぶから。歩け…そうね。残念、背負いたかったんだけど」

 

「それをするには元気すぎる」

 

「じゃ、ついて来て」

 

さっさと歩みを進め、その先に見える皆と合流する。レミリアさんにフランドール、パチュリーさん。あと咲夜。息を整え、感謝を伝える。流石にこれは初めてのことなので警戒を怠った。そう言うと、紅魔館に戻って来ないかと言われた。それは断る。流石にこれ以上家を開けるわけにもいかない。それに、紫さんからも言われている。どこかに属するなと。理由は教えてもらえなかったけどもね。

 

「あのスキマ妖怪も余計なことしてくれるのね」

 

「まあまあ…話していることはもっともらしいですから」

 

「…そうね。でも、毒の経過は見ておくために、数日は紅魔館に泊まってもらえる?」

 

「それくらいなら、まあ」

 

「そう。じゃあパチュリー、帰る準備。」

 

「また…わかってたけど。」

 

「ゆー、天邪鬼にも感謝することね。あいつがいなかったらその事を初めに知るのは私たちにしろ誰にしろ、遅れていたのよ」

 

「あいつか。やっぱり良い子だね、あいつは」

 

「私は?」

 

「フランドールも良い子だよ。今は外に出てる?」

 

今度は可愛いワッペンと格好のいいワッペンを用意しておこう。それがあれば喜ばれるはずだ。麻痺の効果がどれくらい残ってるのかもわからないが、若干顔や末端の部分が動かしづらい。元気に振る舞うことができるくらいには回復してるけど…この中の何人から元気に見えてるのか。僕は少しの焦りを感じながら紅魔館に着いた。紅魔館は好きだ。かなり。以前住んでいたこともあるが、ここにいる人たちは基本常識人だから。

 

「…しっかし、神経毒かぁ」

 

「災難ねぇ。そればっかりは身体能力を強化しても意味ないのよ」

 

「またメディさんのところに通うかな」

 

「他の女の名前出されて気分を良くするほど私は無関心じゃないのよ、ゆー」

 

「ごめんってパチュリーさん。」

 

「ごめんで済むのが貴方の人徳。感謝しておくことね」

 

「…そうだね」

 

僕としては、許されることならまた紅魔館で暮らしたい。八雲紫に言われた事を気にしているわけではない。ここに来て数日経った頃のように、ある程度働いて、咲夜と無駄口叩いて、暇があれば図書館に通いパチュリーにブツクサ言われながらフランドールと遊んだり。レミリアさんに呼ばれれば応じたり。調子に乗りすぎてお叱りと謹慎を喰らった日は美鈴と話したり。あの頃は楽しかったなぁ

 

「貴方の楽しいは私たちにとって甘い話なのよ」

 

「自分を偽る方法なんて、教師は教えてくれないからね。学校は教えてくれるけど」

 

「ゆーは確か、教師になりたいとか言ってたわね」

 

「なりたかったね。教育実習の時にクソほどコテンパンにされて心砕けた時にここに来たよ」

 

「それは可哀想ね。その時に籠絡しておくべきだったわ」

 

「パチュリーさんが一番先だっけ?」

 

「…私たちの中だと、フランかしら。レミィと同じくらいの歳とは言っても、引きこもりの読書家よ。楽しく過ごせる相手には懐く」

 

「それと同じパチュリーさんは?」

 

「…まんまと釣られた魚ね。言っておくけど、私は離すつもりはないから」

 

「はいはい」

 

そう言って定期検診を終えたと告げたまま去っていった。僕としてはあの頃のように文句を言ってくれる関係性が好きだったんだけどな。今じゃそれも叶わない。あの家に戻るのも何日かかるだろうか?僕としてはわかりかねることだ。音もなく隣に茶と菓子が置かれる。美味しい。やはり咲夜の淹れた茶と作る菓子は美味いな。久しぶりに胃に液体が入る感触がある。

 

「…こんにちは」

 

「美鈴…痩せた?」

 

「筋肉がついたので体重面では増えましたよ」

 

「喜んでいいのかそれは」




紅魔館の中で一番重いのはパチュリー!ヨシ!
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