ニヤ様に揶揄われながらしっとりされつつ、アヤメにじっとりされたいって話 作:白川 黒峰
ワイも朽木(柏木)修羅先生を見習って一流のすとおりいてらあ目指します
感想いただけると筆が進みます(強欲の壺)
主人公が堅苦しいですが理由は後半に出てきますので!
第壱話
でも、でも僕はこのちょっと物騒で、ちょっと不穏で、ちょっと賑やか過ぎて
ちょっとどころじゃないくらいに楽しいこの場所が───
───大好きなんだ。
────────────
「はい、問題ありません。今回の『
「ふぅ、良かった。お祭り前夜に負けず劣らず、この企画書の精査もドキドキしちゃいますね!」
そう言ったのは資料を読み込んでいる間、顔色を七変化させていた向かいの席に座っている『お祭り運営委員会』委員長の
ドジっ子属性だけでなく表情がコロコロ変わる。
「はぁ。何度経験しても慣れませんね、ツナさんが優しい方なのはわかってますけど……」
「ツナのアキニならわかってくれるッテ、信じてマシタ!」
両脇を固めていた二人の内、胸を撫で下ろしているのが同じくお祭り運営委員会の
何故かわたしをアニキと呼んでいるのが同じく委員の
アニキはやめてね。
何度言っても聞いてくれないけど……
「いくつものお祭りを成功させてきたではないですか、もっと自信を持っていいと思いますが」
「確かに私達は多くのお祭りを手掛けてきた自負はあります、でもお祭りを
! なるほど確かに、精査の際どのようになるかとシュミレーションしますが……
それを一番最初のお客とは……
「では、今まで何度も一番客の名誉を賜ったようで……恐悦至極存じます」
百夜堂から陰陽部への帰り道に───
『アヤメさん!───』『アヤメ委員長───』『アヤメ先輩!───』
……大変そうですね、
いつ見ても、誰かしら何かしらに追われていますが……
「失礼します。ニヤ様、本年度の百夜ノ春ノ桜花祭の企画書を預かって来ました」
「はいは~い、今日もご苦労さん。にゃは~……なるほどなるほど。流石面白い事を考えますねぇ」
ニヤ様の言う面白いは今回の目玉といってもいい、ミレニアムに協力を依頼するホログラム花火だろう。
開発資金を始め、再現度がいか程になるかはあちらに話を持って行ってみないと詳しくはわからないし、伝統的には眉をひそめる試みかもしれないが、本物の花火だって良い事ばかりというわけではない。
煙や臭い、燃えカスの問題だって無くは無いんです。
伝統にあぐらをかき、進歩を否定してしまうのはそれこそ衰退を招くと思い。この話を持ち帰ったのだが果たして……
「にゃははっ、面白い試みですねぇ~。ミレニアムとの交渉はどなたが?」
「勿論わたしと河和委員長が、話を持ってきた者として責任を持って」
ならば良し。と話しがまとまり近日中にミレニアムを訪問する事になった訳ですが……
ふむ、先生の力を借りても良いですかね。
11:38 ‘‘先生、お久しぶりです。少々お時間をよろしいでしょうか‘‘
11:40 ‘‘いいよ、久しぶり。どうしたの?‘‘
────────────
先生との出会いは連邦生徒会に呼び出しを受けた日にまで遡る……
「初めまして、連邦生徒会長代行の
「初めまして、百鬼夜行連合学院陰陽部の鬼丸ツナです。送迎にヴァルキューレの方まで来てくださったのですから、お応えするのは当然のことです」
連行───もとい護送されている間、街中を見た限り他のヴァルキューレの方と装備が違った様に見えたので、ひょっとして彼女達がかの公安局だったのでしょうか。
あと尾形さんや七神代行もそうですが疲れてる感じの方多くないですか? いえ別に確信があって言っている訳ではないんですが、なんというか雰囲気が……激務なんでしょうねぇ。
「用件についてですが……これから、このキヴォトスに
ほう。先生、男性……ふむ?
「案内……はまぁ詳細を頂ければ承りますし、同じ男性という配慮もわかりますが。連邦生徒会から人は出さないのですか?」
「……はぁ。先生に付いて行き案内をする。その時間すら捻出できないくらい仕事に追われているのです」
深いため息だ……連邦生徒会長失踪の噂もありますし、混乱続きですからね。
うちも色々困っています。
此度訪れる先生がその解決の一助になることを祈りましょう。
七神代行が時計を確認し───
「そろそろ時間ですね、先生を出迎えてきますので。ここで待っていていただけますか」
わかりました。と返事を聞くと七神代行は部屋を出ていき……さて、飲み物でも買ってきますか。
百鬼夜行で売られているペットボトルのお茶とは味がちょっと違うだろうか、なんて吟味していたらノックの音が聞こえてきた。
どうぞ。と答えれば居たのは七神代行と一人の大人の男性。
「先生、彼は……」
七神代行がこちらを見たので頷く───
「初めまして、先生。百鬼夜行連合学院陰陽部、鬼丸ツナです。陰陽部というのは……平たく言えば、百鬼夜行における生徒会のようなものです」
‘‘初めまして、私は───‘‘
……ふむ、想像していたより気さくで話しやすい方ですね。
大人でありながら浪漫を忘れていない、こんな大人になりたいものです。
「お話が盛り上がっている所申し訳ないのですが、移動を始めてもよろしいでしょうか。少々時間が押し始めています」
───おっと、そんなに。
七神代行に連れられエントランスに向かうと、そこには他の学園から詰めかけている生徒の姿が……
「ちょっと待って! 代行! 見つけた、待ってたわよ! 連邦生徒会長を呼んできて!」
後で知ったのですが。
いの一番に声を上げたのはミレニアムサイエンススクールのセミナー会計
次にトリニティ総合学園 正義実現委員会の副委員長
ゲヘナ学園 風紀委員会の
そして羽川副委員長と同じトリニティからトリニティ自警団の
それにしても錚々たる面子だ。
「こんな暇そ……大事な方々がここを訪ねてきた理由は、よく分かっています」
毒づいてますね、かなり突き上げを食らってるんでしょう。
七神代行曰く、連邦生徒会長が行方不明であり、そのせいでサンクトゥムタワーが機能しておらず、行政制御権を失った状態であったと。
しかしこの状態を解決できるのが今しがた連れてこられた先生である、と。
「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……」
「シャーレの部室? ……ああ、外郭地区の? そこ、今大騒ぎだけど?」
雲行きが怪しくなってきましたねぇ……
「どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしてるらしいの。まるでそこに何か大事なものでもあるみたいな動きだけど?」
その後お昼のデリバリーが来たからと連絡を切られた七神代行はプルプル震えて……
あぁ、これはかなりキてますね……
『各学園を代表する立派で暇そうな方々』? ……あっ(察し)
そうして別れる直前、思い出して良かった。
「七神代行、これを。こんな状況で難しいかもしれませんが……どうか、ご自愛くださいね」
と言ってさっき買っておいたお茶を渡す。
「……あ、ありがとうございます。ご自愛。ですか、難しいことを言いますね……いえ、本当にありがとうございます、私を心配してくれる言葉なんていつ振りに聞いたでしょうか」
かなりの重症では? 大丈夫か連邦生徒会……大丈夫じゃないからこんな事になってるのか……
そうしてわたしたちは問題児が蔓延るシャーレビルまでの30kmの道のりを徒歩で移動することに。その道中───
「おっと伝え忘れる所でした、守月さん。閃光弾を使うときは一声掛けて頂けますか?」
「ええ、そのつもりでしたが……どうして?」
「すみません、強い光が苦手なんです」
「なるほど、わかりました」
‘‘そういえば、ユウカ達はツナのこと知ってたの? ‘‘
「もちろん。キヴォトス一の有名人といっても過言じゃないですから」
「他学園との交流にも積極的に参加されていましたよね」
「はい、百鬼夜行は観光業に力を入れている学園ですから。どんな形であれ、知ってもらえる機会を逃すわけにはいかないのです」
───もしもの時はニヤ様が守ってくださいますし。
「それより先生ですよ、銃弾一発が致命傷になりかねないのですから。指揮を執るにしても安全な場所に居てくださいね」
「そうですよ! 本当に───」
早瀬会計のお小言と先生の指揮の甲斐あってか、然したる負傷もなくシャーレビルの目前まで迫るのだが……
七神代行から今回の騒動の首謀者が
百鬼夜行に居た頃も似たようなことをしては百花繚乱と鎬を削ってましたね。
皆さん? 同じ百鬼夜行の生徒とはいえ見つめられても困ります。別に関わりはないので。
(ゴゴゴゴゴゴゴ───)
地鳴り? あ、いや、これは!?
「クルセイダー1型……! 私の学園の正式戦車と同じ型です」
面倒なものを……フラググレネードがあれば取りついてハッチに放り込んできますが……
誰もお持ちでない、と。
‘‘ハスミ、君の徹甲弾で貫けるかい? ‘‘
「はい、ただ相応に神秘を込める時間が必要ですので……」
‘‘……ユウカ、ツナ、申し訳ないんだけど。お願いできる?‘‘
「しょうがないですね、サンクトゥムタワーの機能が戻らないと私も困りますし」
「元よりそのつもりです、遠慮なく」
‘‘スズミは二人の援護を、的を絞らせないで!‘‘
「了解!」
近くの遮蔽に早瀬会計と背中合わせで待機、羽川副委員長が射撃位置に移動を開始すると同時に……!
「いくわよ!」
ええ! 言葉を吐くと同時に飛び出す、驚いて迷ったのか二秒ほど固まっていたが砲身は……
こちらか! 射撃は人並みなのですがっ!
完全にこっちも向くにはまだ余裕がある、照準器を狙って……
乾いた破裂音が二回鳴ると同時に金属を叩く音が二回。
まぁそうですよね!
「閃光弾、投擲!」
もう一度走り出した拍子に聞こえた守月さんの声! ……グッ!?
痛む瞳を無視しながら必死に足を動かしていると。
「目標捕捉。撃ち抜くっ!」
一際大きな銃声が四つ鳴り響き戦車は沈黙した。一人一発、流石正義実現委員会の副委員長……
その後、狐坂さんは取り逃がしてしまったものの。
七神代行が先生と合流し何かしらを経てサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻し、無事解決。
解散となった……。
────────────
先生を通じて早瀬さんと連絡を取ったが折り悪く対応できないとのことだったが、代わりに同じくセミナーの書記
まぁエンジニア部に限って言えば個人的なツテはあるのだが、今回は
「初めまして。ミレニアムサイエンススクール、セミナー書記の生塩ノアです」
「は、初めまして! 百鬼夜行連合学院、お祭り運営委員会委員長の河和シズコです!」
「同じく陰陽部の鬼丸ツナです。今日はよろしくお願いします、生塩書記」
「あら、そんなに固くなくても大丈夫ですよ」
「いえ、仕事で油断しないための戒めですから。ご不快でしたら申し訳ありません」
いえいえ、そういうことでしたら。と柔らかな笑みを浮かべている彼女の連れられエンジニア部の元へ、いやぁ。懐かしいですね、置いてある物もすっかり様変わり……あっ、あれはまだ諦めてなかったんですね……
エンジニア部の三人が各々自己紹介してくれるんですが、古馴染みの
私服じゃなくて制服なんですか? って格好をしている
それは……着崩しで、合ってるんですか? ひょっとして着方わからない?
これが許されるミレニアムってすごいで───あぁ、いえ。何でもありません、うちには修行部の眠り姫が居ました……
「久しぶりだね、ツナ」
「ご無沙汰しております。白石部長、その節は大変お世話になりました」
「あら、お二人はお知り合いだったのですか?」
「何を隠そう、彼のメガネは私お手製の一品さ」
今より視覚過敏が酷かった二年前、ニヤ様から教えてもらったエンジニア部の存在。
そこにいた当時部員の白石さんのおかげで、多少眩しいが日常生活が送れるようになった事は本当に感謝している。
なんだか本題からずれた方向に突き進んでしまいそうだったので強引に引き戻しますが、ホログラム花火。
これについて猫塚さんが既に作った物があるとか……えっそうなんですか!?
「ミレニアムでも、夜のお祭りで打ち上げたりするから。でも───」
そこから語られたのはやはり再現度の問題、実際に打ち上げて貰ったのだが花火の煌めきについては本物と遜色ないだろう。
河和委員長もその輝きに驚いていたのだが……
「うーん、問題は音ですね……花火は目で儚い煌めきの花を愉しみ、体で音を感じる物ですから」
となると強い音圧の出せる高性能なスピーカーを沢山用意しなければならず、その費用は……
「数次第だろうけど、結構嵩むと思う」
ですよねぇ猫塚さん。
河和委員長が持ってきた地図を指し、ここからここまでは届かせたい。
と具体的な数を計算していただきその数は……おぅふ……おいくらになります?
「ホログラム映写機とスピーカー、まとめてうちに任せてくれるなら……色を付けてこのくらいかな」
提示された金額は、ちょっと眉が歪みますが予算以内。
河和委員長は───頷いてますね。
「この条件で、よろしくお願いします。白石部長」
「あぁ、マイスターの名に懸けて」
───ちなみに改造はしなくていいですからね? いや料金外とかじゃなく。
ふう。ニヤ様にも報告が終わり、一息つけたと思ったらお客人ですか、どうぞと言えば現れたのは
七稜委員長?
「やあ。ニヤ様に大預言者クズノハについて聞いたんだけど、君の方が詳しいって言われてね」
「クズノハについて、ですか。詳しいと言っていいか分かりませんが、まぁ資料はありますよ」
どうされます? と聞いたら、見せて欲しい。とのことで用意することに、そうはいっても大した物なんて無いですけどね、噂や伝承をかき集めただけで。
お茶と菓子くらい用意しましょうか、わたしもお腹が空きました。
「どうぞ、ちょっと良い羊羹ですよ」
「あぁ、ありがとう。頂くよ」
言った割には全然手を付ける素振りもなく資料を読み込む彼女、なぜクズノハを? 理由を聞いてみれば、百花繚乱の委員長として力不足を感じたから。なのだとか、わたしが思うに貴女に必要なのは力ではなく休息だと思いますけどね……自覚なんてないでしょうけど部屋に入ってきた時、目に光がありませんでしたよ。
───ふむ
「……定時ですね、業務終了です」
「えっ、あぁ。ごめん、まだ読み切れてないから……えっと」
「資料はそのまま持って行っていただいて構いません。読み終えたら返してください、それよりも……これから少し、お時間頂いてもよろしいですか?」
なにがなんだかと言わんばかりの彼女を促し部屋を出たら───
「アヤメ先輩!」
一瞬体が固まったがすぐに
「横からすみません、その件でしたら───」
落語大会の会場設営で人手が足りないって、百花繚乱に相談する話じゃないです。
「ありがとうございます! 商人会に掛け合ってみます!」
「どういたしまして」
そう返せば軽い足取りで帰っていく相談者。何でも自分がやる、だけが解決方法じゃないんですよ。とポカンとしている七稜委員長に伝え、二人で陰陽部を後にする。
~~~~~~~~~
私は……どうしてこうなったんだろうか、なんでこんな……で、デートみたいな事に。
百花繚乱初代委員長クズノハについてニヤ様に聞いてみれば───
『にゃははっ、それならうちのツナ君の方が詳しいですよ。昔色々と集めてたみたいですから』
と言われ、ツナを訪ねてみれば───
『……定時ですね、業務終了です』
と資料は借りれたものの半ば部屋を追い出されただけでなく、この後付き合ってほしいだなんて。
まだ資料読み切ってないんだけど……でも相談に来た子も追い返してくれたし。
よく分からない、頼みがあるならそう言えばいいのに……
「ふう、今日もちかれたぁ……」
相変わらずこの変わり身には驚いてしまう。
陰陽部の敷地を出てオールバックにしていた髪を下すと、途端に砕けた口調になる。
なんでも……
『いうなればお仕事モードです、私生活と仕事はキッチリ線引きしたいタイプなので!』
だとか。
しかもこうなった彼って結構ものぐさで……
『アヤメさん!───』「それだったら───」『アヤメ委員長───』「その件は───」
『アヤメ───』『アヤメ!』『アヤメ委員長!』『アヤメちゃん!』『アヤメさん!』
「ごめんね、これからアヤメさんに用があるから!」
私が引き寄せてしまった
時に解決法を授け、時に叱咤激励し、時に拒否し、時に違う相談相手を勧める。
私が応答する間もなく……その手練手管は正に陰陽部部長、天地ニヤのそれ。
私だったら一個ずつ解決して回っていただろうそれらを、手八丁口八丁一歩も動くことなく片付けてしまった。
一部口にさがない人たちは彼を‘‘天地ニヤの愛人‘‘なんて言うが、もう一つの噂である懐刀の方がよっぽど信用できる。
「はい、どーぞ」
え。言われて気付いたらいつの間にか彼の手には出店で買ったであろうタコ焼きが……
「いいの?」
「ダメだったら渡したりなんてしませんよ、あ。あ~んとかして欲しかった?」
───い、いやいやいや。まさかそんな、
……はぁ。なんか、もう限界だな。なんて思ってたのに、意外と余裕あるのかな……私。
なんか落ち込んできた。
結局‘‘あ~ん‘‘事件は未遂に終わったものの、彼は私をあちこち連れまわし、引き寄せてしまった頼み事も彼が対処してくれて。
こんなにゆったりできたのいつ振りだっけ、外を歩いても部室に居ても誰かしら何かしらが私を掴んで離さなかったのに。
……私、大事にしてもらってる。気を遣ってもらってる。情けないのに、嬉しくて。
嬉しいのに、悲しくて、泣きたくなって。
ふと周りを見たらどこかの部屋で? ここ、どこ?
「落ち着いた? ここは僕の家だよ」
え、え!? ツ、ツナの家!? なんで!?
私が驚きのあまり言葉を紡げないでいると、彼が説明してくれた。
「呼びかけても上の空で反応しないし、なんかフラフラしてるし、突然ポロポロ泣き出すんだもの。流石にそんな人放ってさようならとはいけないでしょ。あ、お風呂沸いてるから入っちゃって、それとも後がいい?」
え!? なに!? お風呂!? 待って! 情報で私を殴りつけないで! まだ読み込めてないって!
えーっと。なんて返す言葉を考えていたら彼の発言は益々エスカレートして
「もしかして一緒がいいの? え~アヤメちゃんったら大胆だねぇ」
「さっさき! 先入るね! ありがと!」
はいは~い、お風呂は右曲がって奥ねー、引き戸になってるとこー。言葉を背で受け止めながら言われた通り脱衣所に着く、いいのか? ほんとにいいのか? 言われたんだしいいよね?
抗う事なく、入浴の準備を済ませ、お風呂場へ。
そこにあるのは当然使い慣れない配置のシャンプーやその他。
事此処に至ってもう一度、いいのか?
って思ったけど。
もう無理でしょ、言い逃れできないよコレ。
なんて思ったらちょっと心が軽くなって、髪を洗い、身体を洗い、湯船に浸かって……
───いや、帰ればよかったじゃん! いやそこまではって言って帰れば良かったじゃん!
……でも言えなかった、思いつきもしなかった。とは卑怯な言い訳だろうか、私はだた、帰りたくなかっただけなんじゃないか?
家に帰ったらお腹を満たして寝るだけ、朝が来たら準備をして百花繚乱の委員長に成る。
帰りたく……ない、なぁ……
なんとかお風呂を出て、リビングに戻ったら食事が用意されていた。
「ご、ごめんね、お風呂入っちゃっただけじゃなくて、食事の用意まで」
「いいですよ、お仕事モードじゃない時はやりたい事しかしないので。さぁ、冷めないうちに召し上がって下さい」
「うん、ありがとう。頂きます」
用意されたのは普通の生姜焼き、わかめの味噌汁、白米、漬物。
なにも変わった所はない、普通だ、普通の生姜焼きだ。
最近何を食べても味気なかったのに、油の甘み、醤油の塩味、生姜の香り。
ちゃんとわかる、美味しい、温かい、久しぶりに
「口に合いましたか?」
「うん、凄くおいしい」
食事を済ませて彼はお風呂に、その間にお皿を洗う、流石にこのくらいはしないとね。
といっても二人分のお皿の量など大したこともなく、早々に終わってしまった。
大人しくソファに座って彼が出てくるのを待つ……のだが、お風呂済ませて満腹だと、どうにも……うつらうつらしてしまう───
『─く、──一日でわか──────。──り過────、──────ゆっくり寝─────』
ん、あれ、あったか……いいか、いますごくねむい……
んん……あれ、知らない天井ってヤツだ。
「ここ……あっ! そうだツナに!」
身体を起こし周囲を見渡して時計を見つけ、時間は午前11時。
完全に遅刻だ、大遅刻だ、起してくれれば良かったのに……
ちょっと恨めしく思いながら、見渡した時に発見したテーブル上のおにぎり二つ。
そこには書き置きも挟まっていて───
『お腹が空いたら食べてください。
遅刻か休みの連絡はこちらでしておきます。
貴女に必要なのは休息と愚痴を零す相手だと思いますよ』
所謂お仕事モードというやつで書いたのか、奇麗な文字と固い文章。
丁度腹の虫が声を上げたし、有り難くおにぎりに口を付ける
「おいしい、けど。ちょっと
~~~~~~~~~
翌日、陰陽部にあるわたしの部屋に行くとそこには……
───眉間にしわを寄せたニヤ様の姿が。
「あー。っとぉ……へ、部屋をまちがえまし───」
「ツナ、ここに」
「はい」
「昨晩はお楽しみでしたね」
───いや、違うんですよ。ニヤ様、違いますって……
時系列は対策委員会編 1章2章が終わった所です、できるだけ実装順を採用します
原作だと百花繚乱は全員不在だったんですが、まぁこの世界では居たということで
ヒビキがホログラム花火作ってたのはマジです、絆ストーリー参照
神秘を込めるうんぬんはオリジナルです、とんでも爆発とかカジキ釣って防御下げたりするし、なんか神秘であーだこーだしてるんでしょうだぶんきっとメイビー
書いてみてワカル1万字の大変さ、先駆者の偉大さを感じる。某もう一度の人とか
ナ~グ~サ~ちゃ~んが1天井で出なかったからニヤ引けてないんですけどどう責任取ってくれるんですか