もしもシャカトレがシャカールの幼馴染のお兄さんだったら 作:十津川烏
オレのトレーナーはかれこれ15,6年の付き合いだ。
って言うのもアイツはオレのお隣さんで6歳年上のオニーサンってやつだ。
アイツの母親は社交性があって人付き合いがうまいタイプでオレの母親ともまぁよろしくやっていてた訳だ。
あの人はオレの母親よりは母親の才能がある人だったんだろう。
オレに普通を押し付けるわけでなく俺のロジカルな考えを「個性」の一言で片づけよく構ってくれた。
システムエンジニアのアイツの親父もParcaeを作ることに協力してくれて「ウチの息子より出来がいい」とか言ってたか。
アイツの家が羨ましくないかと言えば噓になる。アイツの母親の様な母親が欲しくなかったかと言われると欲しいというだろう。
家にいい思い出が無いオレはアイツの家に頻繁に出入りしていた。
トレセン学園のトレーナーになれるだけあって頭の良かったアイツはオレにいろいろ勉強を教えてくれた。
…小学校高学年になる頃には算数はアイツより上になったが。
…アイツの母親は「シャカールちゃんのお母さんは自分は歩めなかった普通を与えたいと思っているのね」と悲しげな顔で言ってた。
まぁ今になったらわかるような気がする。トレセン学園に行くような金も才能も無かったあの女は「普通」こそが目指すべき至上なのだろう。
あの女に歩み寄る気はないが今はなんとなくわかる、分かったからと言ってあいつと関係を修復する気はないが。
アイツの両親は破綻している家の関係を見かねてか色々連れまわしくれた。
最初はあまり興味のないキャンプや海だとかだったがそれに気づいたのかアイツの親父は自分の職場に見学させてくれた…悪く無かった。
アイツ自身も何かとオレの事を構っていた。最初は純粋に年下の妹分を可愛がって、いつからかは俺の家庭環境を察して色々としてくれた。小学生をゲームセンターに連れまわすのは、まぁどうなんだろうかと思ったが。
悪い気持ちじゃなかった。家族より好き連中だった。それを言ったらアイツの母親は少し悲しそうな顔をして「ありがとうね」って言ってたが。
メサイアもメサイアの母親とも仲が良いからかいつの間にか俺達は三人でつるむ事が多かった。悪く無い時間だった。
アイツがトレセン学園のトレーナーになったと聞いてトレセン学園に入学した俺は押しかけた。
「いつも通り面倒みろ」ってな。多分顔は赤かったんだろうが。ロジカルじゃねぇ事は苦手だが悪く無かった。
アイツとなら俺は一緒に歩めるんだろうか。そう益体もない事を考えてしまうが…まぁ悪く無い。