やりたい放題アーカイブ   作:ブルアカ二次創作@本拠地はpixiv

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アオバに狂わされました。起用するあてもないのに固有武器持ってもらいました。ちょっとメンヘラの気質あるの本当に反則だよね。ホストに貢いで破滅しそうだよね。好き。助けて。属性過多なのにいずれの属性も致命的に凄すぎる。やばいよこの子。


先生大好きすぎて無敵の崇拝者と化したマジヤバメンヘラアオバちゃんの日常

 

 

 

 今日もがたがた、静かに揺れている。

 電車も、汚らしいお客様も。

 

「……おい!そこの整備士!聞いてんのか!」

 

 背中を刺すような、救いようのない愚民の声は、何十秒か前から聞こえていた。

 自分の世界を阻害されてちょっぴりむっとしたけど、まあ平気だ。これぐらいはいつものことだ。お客様に期待なんて、していない。

 私はその人へ向き直る。

 

「はい♪どうされましたか?」

 

 笑顔で用を聞いただけなのに、大人のロボットのその客は、少し狼狽えていた。しかし、すぐに威勢を取り戻し、指を振り回しながら阿呆みたいなことを言ってくる。

 

「……み、水持ってこい!薬を飲まなければならんのに、ミネラルウォーターを忘れたんだ!早くしろ!お客様は神様だろ!」

「御生憎様ですが、あなた様自身の自己管理の責任を私達に負わせよう……などというお考えは、到底、筋が通っているとは言えませんよね?」

「は……は?」

 

 お客様の浮かべる表情は怒りではなく、怯えのそれだった。

 私、そんなに怖いかな。

 シャーレの任務で敵と戦う時以外は、怖くなんてなりたくないんだけどな。

 

「お客様?どうされましたか?ご理解いただけたのであれば、どうか他のお客様の迷惑にならないよう、座って駅までお待ち下さい。……大丈夫ですか?お返事できないぐらい、お加減が悪いのですか?」

「……い、いえ……す、すみませんでした」

「はい♪お困りのことがありましたら、できれば私でない誰かに遠慮なくお申し付けください♪私はただの整備士で、サービスは担当外ですから♪見ればわかると思いますがね」

 

 

 

 最近は、こんな調子だ。

 やるべきことをやり、やりたくないことは出来ればやらず、自分の責務を果たす。学校……というか電車では、それだけだ。

 

 そうして仕事を終えて、コンビニでご飯を買う。

 先生から「コンビニご飯は私も食べるからまあ仕方ないけれど、できれば栄養バランスを良くしなよ」と言われていたので、そうする。ビタミンと鉄分が大事らしいとか、そんなことを言ってくれた。

 なのでとりあえず、いつもの果物&野菜のミックススムージーをカゴに入れ、お弁当の陳列棚の前でんーんー唸る。……サラダチキンは飽きてきちゃったしなぁ。……たまにはスーパーとか行こうかなぁ。

 

 一日一食は、やっぱりちょっと辛いけど……先生に見た目でも褒められてみたいし。だからメニューをどうしたものか、未だに困るんだよなぁ。

 

 

 

 帰宅して、お風呂とかも済ませた。

 先生に、今日どんなことがあったかをモモトークで送って、返事をもらう。天にも昇る心地になる。

 この習慣、よくないなあ。夜、寝れなくなるから。でも夜以外に送るのもなんか変だし……。

 あー、会いたいなぁ。

 もう遅いから、仕方がないけど。

 

 まあ、寝れないにしても眠る努力はしないと。というわけで観念して、布団の上に立ち、電灯からぶら下がる紐を引っ張って、照明を落とした。

 ゴミで散らかり放題な部屋が、暗くなる。

 見たくないものが、覆い隠される。

 敢えて、カーテンは全開だ。そうすれば街灯とか月の光が部屋に差し込んで……天井と壁にいっぱい貼り付けた先生の姿の数々が、よく見えるから。

 

 幸せだなあ。

 死ぬ時もこんな気分がいいなぁ……なんてことを思いながら、私は眠りに落ちた。

 

 その晩は、電車に揺られる夢を見た気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日は、珍しく休みが被った橘姉妹をシャーレに招き、三人でパーティーゲームをしていた。もちろん、鉄道に乗るやつだ。

 私はメタクソに負けていた。それはそれはひどい状況で、よほどの奇跡がなければ逆転が出来ないレベルまで追い込まれた。まだ中盤なのに。

 

「パヒャヒャッ!先生、ボコボコじゃん!」

「しょーぶはときのうんー」

「ははは、ツイてないな」

「……なんかごめんねー、先生。NPCからも寄ってたかってやられてるし……どうする?流石に仕切り直そうか?」

「ヒカリもリスタートりょうしょ〜」

「いいんだよ。誰かと遊べるだけで楽しいからさ!終わったらもう一回やろうよ!」

「大人ー!」

「かんろく〜」

「そんなに褒められることかな……?」

 

 他愛のない会話をしながら楽しんでいた。

 なのに、突然、二人は凍りついた。

 

「……あっ、マズッ……」

「……大ピンチとーらい」

「へっ?二人ともどうしたの?」

 

 私たちはTVモニターの前で、三角形の陣形を組んでゲームをしていた。私が一番前で、右後ろにヒカリ、左後ろにノゾミがいるという位置関係だった。

 私は、後ろを振り向いた。二人も後ろを向いていた。

 

 

 

 私服の、アオバがいた。

 やたら大きなバッグを持っている。

 

 

 

「……こんにちは、先生。…………お久しぶりですね、お二人とも?」

「てっしゅ〜!!」

「パヒャヒャ……先生!ごめん!私ら急用が出来ちゃったから……!ま、またね!セーブしといて!また今度やろっ!!」

「ええっ!?」

 

 二人は凄い勢いで荷物をまとめ、電車を思わせる爆速で出ていった。

 ……ヒカリが、ドアから出ていく瞬間、私の方を見た。

 

「……しぬな。先生」

 

 それだけ言って、彼女はいつものポーズで逃げ去った。

 

「……先生。ふふ。期待してたんですよ……二人きりになれるのを……ね?たまには、叶うんですね。日頃の行いが良いからでしょうか……」

「う、うん……?そうだね?」

「それにしても。先生は本当に、あの二人と仲が良いんですね」

「まあ、仲良くさせてもらってるかな……」

「へえ。……どういうところが好きなんですか?」

「すっ、好き?……ラブ的な意味で言ってる?」

「はい」

「いや、生徒にラブ的なのは無いけど……あったら大問題だし……」

「そうですか。ところで先生。少しでいいので、私を見ないでいて欲しいんですけど……いいですか?」

「え?」

「いいですか?」

「あ、うん」

 

 私は再びモニターの方を向いた。

 あ、ついでにセーブしておくか……と思いきや、ぷちりと画面は黒くなった。

 アオバが、ゲーム機の電源を落としてしまったのだ。

 

「ちょっとアオバ!?」

「あ、ごめんなさい!いつも節電のために、使わない機械は電源を切るようにしてて……すみません」

 

 なんか棒読み気味なのは、きっと気のせいだろうな。うん。そうに違いない。

 

「……だ、大丈夫。そんな怒ってないから別に全然いいよ……」

「……やっぱり先生は優しいですね」

「まあ、よく言われるかな」

「先生には、私の知らないところがまだまだ沢山あるんでしょうね……」

「えー?そう、かな……」

 

 おい。おいおいおい。

 さっきから、アオバの方から……衣の擦れる音がさかんに聞こえるんだけど。

 ……着替えてる?

 

「アオバさん?」

「はい?」

「……着替えてるの?」

「はい。見てもいいんですけど……」

 

 なんでだよ。二重になんでだよ。

 

「いや、見ないよ」

「…………」

 

 なんで無言なんだ。やめてくれ。どうしてだ。

 

「……はい、着替え終わりました。こっちを向いていいですよ」

 

 私は振り向いた。

 キャミソール姿のアオバがいた。

 私は前を向いた。

 

「アオバッ!?な、何してるの!?」

「何も感じませんか?」

「焦燥感を猛烈に感じてる!!」

「……ごめんなさい。下着姿の私のこと見たら、どんな反応をするのか気になってしまって」

「私が壮大に困るからもうしないで!!」

「嬉しくないんですか?」

「嬉しくない!!」

「……前も見られたのになぁ。嬉しくなかったんだ……。はい、今度こそ着替えましたよ〜♪お膝、失礼しますね♪」

 

 私の膝に、彼女は座ってきた。

 

 ノゾミとヒカリが着ている制服と、全く同じ格好だった。

 

「………………」

「ブラックマーケットによく流れるんですよねー、制服。高かったですよー……」

「…………いくらしたの?」

「ふふ。漫画と家具を全部売らないといけませんでした」

「…………」

「先生も利用してますよね?ブラックマーケット」

「いや……」

「誰かさんの卒業アルバムを買ったって聞きましたけど。小学生の」

「………………」

「あっ、いけない……すみません先生!私ったら、忘れていました」

「な、何を?」

「尻尾です。悪魔の付け尻尾買うの忘れてました……てへへ」

 

 私はプレッシャーで吐きそうになっていた。もう駄目だ。死にそうだ。

 

「……先生?どうしました?……酔っちゃったんですか?もう。ここは、乗り物の中じゃないのに」

「あはは。なんでだろ。アオバ酔いかなあ」

「あの双子のせいに決まってますよ」

「…………」

 

 ああ。

 いつか、仲良くしてほしいなぁ。あの二人とも。

 ……本当に、いつかは、私以外とも仲良くなってほしいなぁ。アオバ。

 

「次回はちゃーんと緑のウィッグも持ってきますからね……♡」

「ワーイ、ウレシイナア」

「私もです♪さあ、さっきのゲームやりましょう?私とも」

「ソウダネ。……デモアノゲーム、セメテサンニンノホウガオモシロ」

「嫌なんですか?」

「イイエ」

「なんだか先生、錆びた機械みたいになっちゃってますよ……?さっきの二人のせいで油がなくなっちゃったんですね。ふふ。今、油をさしてあげますからね。私といればすぐ元通りですよ」

「アハハー、ソウナノカナア」

「はい♪私も、そうですから……ね」

 

 運転手姿のアオバは、振り返りざま、笑顔で私を見つめていた。

 

 いつまでも、いつまでも、アオバに見つめられているような気がした。

 

 

 

 

 

 先生大好きすぎて無敵の崇拝者と化したマジヤバメンヘラアオバちゃんの日常   完

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