読んで頂けると幸いです!少しネタバレもあるので嫌な方はブラウザバック推奨です。
それではどうぞごゆっくり!
人体発火現象が解決され炎の世界から死と魂の世界へと変わった世の中。
世界英雄隊として数十年活動していた新門紅丸。
彼の最後は静かに眠るように縁側で果てていた。
その葬儀は大々的に行われ浅草の者たちは感謝と別れを惜しんだ。
炎炎の焔に焼かれ現し世に久遠の別れを告げた…筈だった。
始めに感じたのは匂いだ。
己が死んだことは分かっていた…いや分かっていたということも可笑しい。
「どういうことだ…?」
首を傾げながら男…新門紅丸は呟く。
「俺は縁側で寝てた筈だ…それがなんだってこんな森のど真ん中にいやがる?それに…」
紅丸は己の掌に炎が灯ったことに驚く。
「森羅のやつが人体発火現象を解決して発火能力は失われた…なのに何で使える?それに…魂の強さのほうも使えるな…」
炎の世界から死と魂の世界へ変わり紅丸や他の者たちに備わった魂の強さも加わり最強と呼ばれた消防官は全盛期より強くなっていた。
「まぁいい…こんな森にいたってしょうがねぇ」
そう呟いて歩き出す。
数十分歩くと
「スンスン…こいつは…血の匂いか?」
なにかを見つけた紅丸は近付く。
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「いたぞ!異端者を殺せぇ!!!」
「はぁはぁ…あの娘たちは逃げれたかしら…ウッ…」
その女性はとある一族の長の妻であった。
英雄の一族であることは代々の長から継承されていて女性もその事は聞いていてそれでも生まれた娘と息子を愛しそんな日常が続くと思っていた。
しかし娘が悪魔憑きとなってしまった。
世間一般では教会で浄化という死が待っている。
だが両親は娘を治す方法を探した…
その前に分家の者たちが悪魔憑きを匿っていると密告してしまって夫は一族を守るために獣化した。
娘と息子を逃がした…せめて…あの子達だけでも…
だが女性は悟っていた。自分は長くないと。
一族を襲ったものたちからの攻撃で全身傷だらけで左腕は千切れ大量に出血している。
「聖教に背いた異端者が!手間取らせやがって!悪魔を庇った邪教徒たるキサマらには死がお似合いだ!」
そう言いながら振り下ろされた凶刃…
(ごめんなさい…約束を果たせなくて…どうか…生きて…リリム…リオ…)
死を覚悟した女性は目を閉じる…
「居合手刀 壱の型 火月」
女性に凶刃を振り下ろそうとしていた者たちが一斉に吹き飛んだ。
「な、なんだ!?」
「歩いていたらドンパチしてやがって更には寄って集って女をなぶるとはいい趣味とは言えねェな おい。」
その男は見慣れない羽織を羽織っていた。
「黙れ!キサマも異端者か!ならば容赦は…」
その言葉を吐ききる前に目の前に炎が飛び更に一団は吹き飛ばされる。
「…昔の皇国みてェなこと言いやがるな。てめェら命を奪うってことは奪われる覚悟もあるんだよなぁ!!!」
そう男…新門紅丸は右腕の羽織を脱ぎ腕を振るう!
それだけで竜巻が起きたかと錯覚するほどの風圧と炎で焼き焦がしていく。
ものの数分で終わった蹂躙劇。
「おい、生きてるか?」
紅丸は傷だらけの女性に問いかける。
「ぁなたは…?」
「あまり喋るな。傷口に響く…チッ出血がひでェな。」
医者ではない紅丸でもヤバい出血量なのは一目瞭然。このまま放っておけば死を待つばかり。
故に
「このまま死ぬか?それとも激痛に耐えて生き抜くかどっちか選べ。」
紅丸が問い掛ければ間髪入れず
「まだ…死ねない…!お願い…」
反応が返ってきたので紅丸は女性の左腕のあった部位の袖を切り取り入念に左腕の欠損部分にキツく縛る。
「舌噛まねぇように噛んどけ。」
そう言いながら紅丸は左腕の袖を女性の口に含ませ一息に傷口を焼いていく。
「ぅんんんんんん!!!!!!!!!!!!」
「もう少しだ…耐えろ…!」
絶叫を上げながらも舌を噛み切らないように…痛みに耐える。
そうして傷口の止血を焼いて行った紅丸。
「これで大丈夫だ。…よく、頑張ったな。」
そう言いながら頭を撫でる紅丸。
そんな不器用だが優しい声音に気絶しそうになる女性は必死に意識を繋ぎながら
「ぉねがい…娘…と……息子を……助けて…」
そう言いながら気絶してしまう。
「……行くか」
紅丸は女性を抱え手近な場所にあった丈夫そうな棒を手に取ると第7特殊消防隊で使っていた纒のようにそのまま着火させ一息に操作して空から探す。
すると海岸沿いに女性に似た子供を集団が囲んでいるのが見えた。
「あれだな。」
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(私がいけなかったんだ…素直に悪魔憑きって答えてればお父様だって死ななかったしお母様だって)
必死に弟と逃げていた少女、リリムは聖教の者たちに捕らえられ父親の首と母親の左腕を無造作に出され叫ぶしかなかった。
「おやおや何が悲しいのです?村のものたちもこのようにして上げたと言うのに…さて先程の者たちは悪魔憑きではなかったならば可能性は低いが男の悪魔憑きもいなくはない」
「わ、私です…悪魔憑きは私なんです…だから弟は…弟だけは!」
まだ幼い弟は聖教の神父に捕まり逃げれずリリムは弟の命だけはと懇願するが
「ではこれはもう必要ありませんね。」
そう神父は弟の頭を潰そうとする。
「やめて…やめてぇぇぇぇぇ」
あぁ神様…どうして…どうしてなの?
私が悪魔憑きになったから…?私が悪い子だったから…
もっと私に力があれば…大切なものを失わずに済んだのに…
かみさま…たすけて…
どがぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!
直後激しい爆発音と共に地が裂けた。
「何事です!!」
「あん?何事もねェだろ?」
土煙が晴れるとそこにはいつの間にかグラサン男から取り返した男の子と女性を担いだ気怠げな男がいた。
「おい、ガキンチョ。お前がこいつの娘か?」
「え…?お母様!」
「左腕はなくなっちまったが生きてる。それとこいつが弟だな。今度はしっかり離さないようにな。」
そう言い紅丸はリリムに弟と母親を預け集団に向き合う。
「貴方も聖教に楯突く邪教徒ですか?愚かなことを。我らの行いは正義!それを邪魔することがどういうことかわかっているのですか!」
「うるせェ どうだっていい。正義だの、邪教徒だの …ただ気に入らねェんだよ。女、子供を痛め付けて悪趣味なんだよ。」
そういい戦闘態勢に入る紅丸。
「お堅く留まってねェでこいよ。俺を倒してその正義とやらを証明してみろ!かかってこい…新門紅丸が相手だ。」
「やれ!邪教徒を滅ぼしなさい!!」
「ガキンチョ、母親と弟連れて少し離れてな。」
「は、はい!」
リリムは弟と母を連れ戦闘の余波から離れる。
「異端者め!覚悟!」
そういった者たちは紅丸が炎を雑に飛ばすことですぐに宙を舞った。
「なんだ?炎だと?何かのアーティファクトか?」
「あーてぃふぁくとだぁ?しらねェな。」
そうして紅丸に襲いかかる者たちはリリムたちの背後からも出現した。
目の前の敵は炎で対処し
「ガキンチョ!伏せてな!居合手刀 壱の型…火月!」
手刀をリリムたちの後方へ振るうと出現した者たちは一斉に木々を折りながら吹き飛ぶ。
「すごい…手を振るっただけなのに炎が…!」
「チッ役立たず共め!私が出ねばならなくなったではないか!」
「隙だらけだ。」
グラサン男がそう吐き捨てる間に紅丸が懐に入り掌底を放つ。
呻き声を上げながらもグラサン男は立ち上がる。
「キサマ!生きて帰れると思うなよ!」
「化けの皮が剥がれるのが速かったな。」
「次期ラウンズになるこの私に傷を負わせたこと後悔するがいい!」
「なに言ってるのか全然わからねェ」
グラサン男は懐から小瓶を取り出し錠剤のようなものを一息に飲み込んだ。
「この状態の私はあの最強の魔剣士フェンリルを越える!」
紅丸は魔力を知らないがその魔力に後ろにいたリリムは震え上がる。
「こんなの…勝てるわけない…」
所々黒い線が浮かび上がりながらグラサン男は拳を振るう。
「大人しくその悪魔憑きを渡していれば良いものを!安い正義感で動くからこうなるのだ!」
魔力迸る拳で紅丸に襲いかかるが、
「なんだ、素人か?最初の森羅とアーサーのが余程筋が良かったぞ?」
おざなりな拳を迎撃して逆に打ちのめした紅丸。
しかし炎での火傷が治るグラサン男。
「なるほど。再生するのか…なら再生できねェようにしてやる。」
そういうと紅丸は手近の襲ってきた者たちの剣などを無造作に放り投げると剣の先端から炎が吹き出す。
それらは一斉にグラサン男に殺到すると空へと放り出される。
「な、なんだと!?」
「釣りはいらねェあの世で悔いてろ…」
高く飛び上がった紅丸をリリムは見上げる。
「居合手刀…漆の型…日輪…紅月!!」
「この私が…こんな野蛮な邪教徒にぃぃぃぃぃぃぃ」
断末魔と共にグラサン男…いや数年後に教団幹部ナイト・オブ・ラウンズ第10席になるはずだったペトスという男はこの世から完全に消し飛ばされた。
空に突然現れた赤い月は人々を魅了した。
「ぁ……綺麗…」
それを間近でみていたリリムはその光景に神を見た。
「おい、ガキンチョ…無事か?」
「…ぁ…かみさま…?」
「神なんて勘弁してくれ…俺は只の…暴れん坊さ。」
そうぶっきらぼうに言いながら、紅丸はリリムの頭を撫でる。
「もう大丈夫だ。よく、頑張ったな。」
「ぁ…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
先程までの張りつめた緊張感が途切れ色々なものが込み上げたリリムは紅丸に抱きつき泣きじゃくった。
こうして紅丸は一人の少女の心を救ったのであった。
あとがき
改めて第一話を書いてみました!
この紅丸は本編終了後死と魂の世界へ変わりその世界を生き抜きました。
なので魂の強さは折り紙付きで失った発火能力も何故かありました。
そんな中で金豹族の村の近くに踏み入れた紅丸は左腕を失った女性に出会う
炎で焼いて傷口を塞いだ紅丸はその女性の娘と息子を探すため発火させて丈夫な棒で飛び上がりそしてリリムの前で弟の命が散らされそうになった時に弟を助け教団の者たちを蹴散らしました。
このグラサン男は陰実で後に金豹族を根絶やしにした功績でラウンズ第10席に名を連ねる筈が超過剰火力で紅丸が消し飛ばしました。
日輪紅月はアニメではまだ登場してないですがやりそうな形なので待ち遠しいです。
そんな赤い月を作り出した紅丸をリリム…本編だと後にゼータと呼ばれるはかみさまと思いました。
時間軸は多分大分ズレる可能性はあるので、そこら辺はまた次回以降書くことがあれば整えていきます。
感想、評価、お気に入りもらえるとやる気がでます。
それでは今回も読んで頂きありがとうございました!