オレはあくまで『チ◯ポ出てますが何か??』と言わんばかりの飄々とした表情で女子四人組を見つめる。
スースーするな……。
「ちょ、デカッ……あ、アンタ何で勃起してるのよ!?」
「この萎れた状態が勃起状態とでも? コレは通常です」
「えっ」
オレは顔を赤らめながら食いかかってきたメスガキを一笑に付す。生憎とオレは罵倒してきたクソ女に勃起できるほど猿ではないのだ。
幾ら見目麗しい女性ばかりだとしても、今のオレに性欲なんてものは無く怒りしかない。
──さて、そろそろ言い訳を考えなければな。
オレは表面上では冷静に……しかし、内心では今にも倒れそうなほどに焦っていた。
……一先ず、催眠状態を解くこともできたし、今や彼女たちの視線はオレのクソデカ大蛇チ◯ポに夢中で、注目を逸らすという目的は目論見通り完遂することができたと言ってもいいだろう。
いや、手段の汚さ(物理)を問わなければ完璧と言える。
ここからだ。
このままではオレは反逆者の烙印の前に、怒ってクソデカチ◯ポを急に出し始めた変質者に成り下がってしまう。
彼女たちの判断力が落ちている今がチャンスなのだ──!
「ふぅ……失礼しました。私の固有能力が暴走しましてね」
「固有能力ですって……!?」
ドS女がオレの言葉に即座に反応する。
そうだ、奴らは固有能力という存在にコンプレックスを抱いているという事前情報を父上からいただいている。
だからこそオレは──そのコンプレックスを今ここで打破しようと画策していた。
勿論奴らのためではない。オレのためだ。
「ええ、私の固有能力は──《ヴォイドルート》」
「固有能力らしい、強力そうな名前ね……」
メスガキも固有能力という単語に反応してきた。
二人とも未だに視線はオレの下半身だが。
「その能力は──【自身の陰茎を自在に変えることのできる能力】──ただそれだけです。ああ、なぜ今能力を出したかというと、この能力は時たま暴走して勝手に大きくなってしまうのです。お見苦しいものをお見せしてしまいましたね」
時たま。玉だけにね。大きくなるのは竿だけど。
オレはシュルルルル……と音を立ててクソデカチ◯ポを元の長さに戻していく。ちなみにズル剥けだ。
「こ、固有能力が……ソレ?」
「う、嘘です。そんなはずがありません。固有能力というのはもっと強力無比で、美しいもののはずです──!!」
彼女たちが固有能力にコンプレックスを抱いている原因が分かった。
己が持っていないからこそ、変に固有能力を神聖視している。
「美しいでしょう?」
「どこが──!!」
食ってかかるメスガキを手で制し、オレは集中して能力を発動させる。頭の後ろに手を置き、腰を突き出して。
すると、シュルルルル……と再び音を立ててオレのチ◯ポが変形していく。
次の瞬間に、オレの陰茎は二つに分かれ、一つはメスガキの顔に──もう一つはドS女の顔になっていた。
「「ギャァァァァァア!!!!!」」
二人して抱き合いながら悲鳴を上げる。
オレも微塵も美しいとは思ってないし、ただひたすらにキモいと思っているものの──こんなことをしでかしてなんだが、勿論オレはまだ怒っている。
だからこその意趣返し。
十代の女子にとって、陰茎が自身の顔をしているなんてホラーでしかないだろう。仕返してやったり、だ。
「あ、気絶してる」
護衛たちの声が聞こえないな、と思ったら当事者じゃないのに二人とも泡を吹いて倒れていた。なんで。
メスガキとドS女は流石貴族の当主と言うべきか、カタカタ震えていたが意識はハッキリしていた。
「こ、こんなものが渇望してた固有能力だっていうの……!? だったらこんなもの無くて良いわよ……!!」
「ふふふふふふざけないでください、わたくしが前に見た固有能力は……固有能力は──うぅ、思い出が陰茎にかき消されていくぅ……!!」
ブツブツと呟きながら震える二人に、オレは微かな満足感を覚えていた。……二人が正気を取り戻したらオレがどうなるか分からないのに。
……何だかんだ勢いでやってしまった感があるが、実は根本的なことは何も解決してなかったりする。
今の現状をまとめよう。
催眠については解決できた。
オレが偽の固有能力を開示し、実際に見せたことで疑いについては完全に晴れたことだろう。うん、喜ばしいな。
父上への罵倒に怒った。
コレは何も解決していない。
いきなり陰茎を出した。
固有能力の暴走、という点を納得してくれたのであれば解決(?)はした。
……結局オレは何がしたかったんだ??
震える二人の姿を見て胸がスッとなったのは事実だが──いや、かなり満足感はあるが──……どうしようか。
「た、ただの試験のつもりだったのにぃ……」
「め、メルト……聞いてませんよ……!」
オレがうんうん唸りながら悩んでいる中で、二人がコソコソと何かを話しているが、オレがそれに気づくことはなかった。
虚《ヴォイド》根《ルート》
陰茎が人の顔になる、というかてつないキショすぎる発想をしてしまった己に畏敬の念を抱かざるを得ない。キモい。
次回、カス二人視点。
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