「あー、そうそう
手を出しちゃいけないっていや『ダラーズ』ってやつらにも近づかないほうが良いらしいぞ」
その瞬間ミカドの表情が少し変わる
「・・・・・・ダラーズ」
ミカドはちらりと良悟の顔を見た
正臣はその様子に気がついた様子もなく話を続ける
「そう、ワンダラーズのダラーズ」
「また解かりにくい例えを・・・、ところでそれってどんなチームなの?」
「あー、俺も詳しいことはわからねーんだけど、どんな色なのかもわからねぇ、なんでも、頭のせんが一本切れちまったやつららしい
案外もう解散してたりしてな」
そう正臣が笑いながら言うと良悟が
「つぶれてないよ?この前依頼で会った人はダラーズだったし」
「まじっすか!?
成田さんの人脈はんぱねぇ・・・」
そのとき、奇妙な音が鳴り響いた
それは、動物のうなり声にも聞こえ、エンジン音にも聞こえる
「・・・ミカドは運が良いなぁ」
「え?」
「始めて東京に着てその日のうちに都市伝説に出会えるなんてなぁ・・・」
正臣の顔は無表情だったがどこか希望に満ち溢れる眼をしていた
そして・・・それは彼らの目の前に現れた
ヘッドライトのない光をすべて吸い込んでしまいそうな漆黒のバイクにまたがった、人の形をした『影』
それが車の間を縫って彼らの前を音もなく通り過ぎる
「チャットで言っただろう?
あれが・・・首なしライダーさ」
良悟が言った言葉を肯定するようなタイミングでバイクが再びうなりを上げる
だが、次の瞬間には再び無音になった
それは明らかに異常な存在であり、まるで現実から切り取られてしまったかのような違和感を感じさせる
そして、ミカドは自分の全身が小刻みに震えていることに気がついた
恐怖ではない、ある種の感動のようなものが全身を支配していた
---凄いものを見た
そして良悟と正臣は声をそろえてこういった
「「ようこそ、池袋へ」」