霊縁とともに、霊感ありの出久   作:紡縁永遠

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誰しもが手にできる力

 「…そんな…」

 「…残念ながら…」

 「僕、無個性なの?」

 

 医者からの通達、それは出久が無個性であるという事実だった。引子も出久も、顔を白くして騒然としている。

 出久の中に宿る四季の霊もそれには驚いていたが、彼らは個性がない時代を生きた者たちだ。個性という力を無しに戦を生き抜いてきた強さを持つ。故に出久のサポートを考えていた。

 病室に戻ってきた二人は、俯き落ち込んでいた。そこにノック音が響きドアが開けられる。入ってきたのは轟家だった。

 

 「エンデヴァー…」

 「あ、えっと…」

 「この度は息子さんに怪我を負わせてしまい、大変申し訳ありませんでした!」

 

 エンデヴァーと共に冷と燈矢も頭を下げる。引子は出久が気にしておらず、さらに怪我も大したことはないことを知らされていた。

 

 「い、いえ…出久も無事ですし、それにお子さんもわざとじゃないんでしょう?出久が許すなら私は問題ないです」

 「ありがとうございます…それに息子さんには私達家族がやり直すきっかけをくれましたから」

 「ど、どういう」

 

 出久とエンデヴァーの言い争いを知らない引子は動揺したが、それを捕捉するようにエンデヴァーがこくはくする。

 

 「私はある目的の他に、多くを振り切り家族を蔑ろにしてきました。ですがそれが愚かだと、見なくてはならないことから逃げていたことに、気づけました…」

 「私達家族全員が罪から目を背けないことを決めたんです。新たな一歩を踏み出せたんですありがとうございます」

 

 また深く頭を下げる冷に、出久が焦ったように否定する。

 

 「えっと…僕は、偉そうなことを言っただけですし、それを僕だけの言葉じゃないので」

 「君のおかげで、父さんは僕を見てくれるようになった。それに家族ともう一度頑張ろうと思えたんだ、ありがとう」

 「……そっか」

 

 自分の個人的な意見だったけれども、それでも人をヒーローの役に立てたことに出久はうれしそうに笑った。

 

 「誰かのために動けたなら幸いです…でも…なんで…出久…が…」

 

 引子の様子がおかしいことに気づいたエンデヴァーと冷、冷が引子に近づき、

 

 「どうかされたのですか?」

 「……無個性だったんです、僕」

 

 その言葉に全員が絶句する。

 

 「そ、そうか……」『こんなすごい子が、無個性だと…以前の俺ならどうでもいいと想っていたが、今考えれば、個性で人を判断するなど……腐っているな…』

 「ごめんね出久」

 「ううん、大丈夫、それに個性がなくても僕はヒーローになる!なれないって決まったわけじゃない、他の人より難しいかもしれないけど」

 

 出久は涙一つ見せずに引子に笑う。

 なぜ無個性と言われても、こんなに前向きなのか、

 

 「……よく言った!」

 「!あんたは…どこから出てきた!」

 

 出久の言葉に、周りの、見鬼を持っていない者にも視えるようにして、冬蝶がでてくる。

 

 「む?やはり警戒されるか、まずは自己紹介からじゃな。儂は山茶花冬蝶、最近に出久の体に宿って暮らしているものじゃ、他にも三人程いるが、安心せい、悪影響は出さん。死人の戯れとでも思っておれ」

 「……少年が警戒していないようだし、意図まずはいいとしよう、それで、出てきてどうするつもりだ?」

 

 冬蝶の自己紹介でエンデヴァーの戦闘態勢は解かれるが信用はされていないようだった。

 

 「なに、出久に、儂らが扱う四季の霊術を教えようと思ってな、」

 「霊術?」

 「うむ、霊術とは、ことわりを捻じ曲げず、ことわりをもって、誰しもが手にできる、研鑽と知識の賜、誰しもが手にできる技術だである、後は儂が扱う剣術もいいな、」

 

 ことわりを捻じ曲げず、ことわりをもって、誰しもが手にできる。つまり、無個性でも扱えるのだ。さらに霊術等の才能は見鬼の才能があれば持っている可能性が高い。

 それを聞いて出久は、

 

 「本当に?」

 「うむ、居候させてもらっている身じゃしな」

 「……この子なら本当にヒーローになれるかもしれない」

 「…私もそう思います」

 

 警戒が解け、出久の夢を肯定したことで、話が終わったと、後ろにいた冬美達が出久に近づく。

 

 「私冬美っていうの、よろしくね!」

 「俺、夏雄!」

 

 「…焦凍…」

 「よろしくお願いします!」

 「そんな固くしないでよ出久くん」

 「冬美、ぐいぐい行き過ぎ」

 

 燈矢も混ざり、子供五人が仲良く会話を始め、微笑ましく見守る大人たち、原作では不器用な父だったエンデヴァーだが、今の光景を見て、親バカに拍車がかかってきた、

 

 

―――――――――

 

 

 「ぐっ……!」

 「よっしゃ!勝てた!これで124勝148敗このまま殺る!」

 「こ、細かいね」

 

 五歳になった出久は、爆豪勝己と喧嘩をしていた、四季に鍛えられます原作より、強いため、最初に負けた時に火が付き勝ち越せるまで爆豪は喧嘩を挑んでるのだ。

 

 「次も勝ってやらァ!」

 「今日は帰るけど…」

 「ちっ!」

 

 これは日常の一部。今日はオールマイトにファンレターを書く日だった。

 

 「う〜ん、また長くなっちゃったな、」

 

 毎回、違う文を書いているはずなのに、紙を数枚使うという大長作を毎回書くのだ。四季の霊は、それに突っ込むことを諦め、呆れながら見守っていた。

 

 「次は四季詩か…立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒」

 

 四季の霊術の基本だが、出久の早口分析はこれにより磨きが増すがそれはまだ後の話。

 

 「走ってくる!」

 「はい、行ってらっしゃい」

 

 祝詞が終わると体づくりで走りに出る。体づくりをしていてもこの歳では舐められたり、さらってきたりする輩も少なくないわけで……

 

 「っ……」

 「変わった個性だなぁ…人を呼ぶとは、だがそれだけじゃあ…」

 「私が来たぁぁぁぁ」

 

 人攫いにあった出久、四季の霊が出久を守るために外に出たが撃退をする前に、オールマイトが駆けつけて、事なきを得る。

 

 「大丈夫かい?」

 「え、あ、は、はい!」

 「元気がいいね」

 「……」『あれ?この人にも強り霊が…』

 「どうかしたかね?私に何か付いているかい?」

 

 出久はオールマイトに複数の霊がいることに気ずく、言わずもがな、歴代のOFA継承者の霊だ。

 

 「付いているというか憑いてます、ちょっと触ります。祓え給い、清め給え(はらいたまい、きよめたまえ、)神ながら守り給い、幸え給え(かむながらまもりたまい、さきわえたまえ)御霊(みたま)卸〉」

 「いったい何を……お師匠!?」

 「ふむ、これは驚いたね…」

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