俺は何回やれば学習するんだか……
自由を求めて人は研究し、見聞を広め、目標を決めて一歩一歩進んで行く。
だが、現在のエレン達を見ていると間違ってる気がしてならない。
初めての遠征で馬は遅いから嫌だとか訓練の意味ないじゃん。
乗れない俺の気持ち考えてくれよ。
響転を使わずに普通に並走する幼馴染みが最近怖い。
そして巨人が現れる度にサーチアンドデストロイやるのは止めてやれ。
先輩方の出番ないじゃん。
団長の頭からパラパラと何かを撒き散らしてるぞ。
まぁ、他の人達は凄いな。
いつもより自由に行動出来るとかいって休憩回数が最初に説明されたのより多い。
しばらく走っていると正面から五体の巨人が現れた。
それがアルミンの目に入った瞬間に薙ぎ払うように虚閃を放ち一撃で終わらせた。
今までの兵団の犠牲者を思うともっと早く産まれてればなぁと考えてしまう。
「ハンジさん、目的地まであとどのくらいですか? 流石にアルミン達は限界が近そうなんで」
「そうだねー、あと30分くらいかな。 それにしても凄いな…… 1日で何回かの遠征で殺す巨人の数を超えてるよ。 被害も出てないしね」
嫌味とかじゃなく普通に驚いてるのに俺は驚いたよ。
この人だったら興奮するんだろうなぁとか思ってたから。
それにしても……
ちらっとアニ嬢ちゃんを見る。
あれだけ素直に修行していたのになぁ……
離れた所にいる兄貴とノッポの事を思い出す。
鎮圧が終わり、顔が膨れ上がった上司に報告してアルミンの所に行くと血祭りに上げられた兄貴とノッポがいた。
色々待ってほしい。
こっちは怪我をさせないように鎮圧したのになんでアルミンは血祭りに上げてんだよ。
この時灯鬼丸からの苦情があったが目の前の光景をどうにかしないといけないという気持ちの方が強かったので無視。
「説明を求む」
「簡単だよ。 こいつらは巨人だ」
はい?
隅っこで震えてるアニ嬢ちゃんを含めた三人が巨人なの?
エレンですら顔面が蒼白になってんだけど。
なにしたん?
まさか拷問とかしてないよな。
「なんでこいつらは血塗れになってんだ? それと巨人って……」
「質問に答えない度に虚弾を当ててたらいつの間にかこうなってた。 反省も後悔もしてない…… だって巨人だもん」
待て。
それを理由にこの地獄絵図は酷い。
にしても巨人になれるのか。
「どんな巨人になれるんだ?」
「僕がいわゆる超大型巨人です……」
「俺は鎧の巨人だ」
「アタシは女型巨人だよ」
そりゃブチ切れるわ。
前二人に関してはエレン達が兵団に入るきっかけになった巨人だしな。
それでも味方がドン引きするくらい虚弾を当てまくるのはどうかと思うが……
「許せる奴ではないな…… 目的はなんだ?」
口を開かずに何も語らない。
アニ嬢ちゃんの言う戦士とは巨人として人間を滅ぼす為だったのか……
仕方ない。
巨人なら再生するだろうしやるか。
エレン達に目で合図をして響転で移動する。
誰もこない秘密の修行場に。
「さて、ここはエレン達も使った事のある修行場だ。 ここでは大抵の事は気付かれない。 それこそ巨人同士が戦ったり、超大型巨人がでない限り」
心は落ち着いた。
怒りも鎮めた。
冷静に全力を出せる。
「故に見せてやろう。 たかが巨人になれる程度では辿り着けない極地を…… 『卍解……龍紋灯鬼丸』」
さて……
気は進まないが戦士としての心を折らせてもらおう。
文字通り人生を変えさせてもらうか。
目的地前最後の休憩で先輩に絡まれた。
いや、意味がわからん。
名前はオルオさん。
喋っていて大事な所で噛む人だ。
何もしてないのに絡まれたもんだから頭を捻って考えても理由がわからない。
そんなに兵長が好きなら常にそばにいれば良いのに(ホモォ)
そう言えば俺って卍解は習得したが刀剣解放は出来るのかな?
ポウの刀剣解放は『巨腕鯨』。
正確な数値はわからないがエレンの巨人化の30メートルよりデカイはず。
もし刀剣解放が出来たら三人に斬魂刀を少し譲るのもありかな。
練習してみるか……
ちなみに六式の生命帰還は習得できなかった。
理論がわからない以上無理だった。
「聞いてんのか⁉︎」
「聞いてますけどね…… どう反応すれば良いのか悩んでるんですよ」
いやさ、兵長は凄いんだからお前は兵長の言う事だけを聞いていれば良いんだって言われても聞いていたら間に合わない時は仲間を見捨てろってのか?
それだったらブチ切れんぞ。
悪い人でないのはクリスタ嬢ちゃんから聞いているからわかるんだが……
これ以上絡まれると面倒なんだよな。
意見を言うなら解決策を言って欲しい。
「オルオさんの言ってる事は分かりました。 そしたらどうすれば良いのか教えてください」
「簡単だ。 余計な行動しなければ良いんだ」
断言できる。
余計な行動はしてない。
だって巨人殺してただけだもん。
それが余計な行動なら兵士なんかいらないだろ。
これはクリスタ嬢ちゃんから聞いていた評価を考え直さないとな。
「オルオさん…… 俺は巨人を殺していただけだ、アルミン達もだ。 それを余計な行動と言うなら俺達は指示があろうと自分に被害が来ない限り巨人には手を出さないがそれでよろしいか?」
「別に巨人を殺すのが悪いなんて言ってないだろ‼︎」
オルオさんの大声で他の兵士達がこちらを見てくる。
うぜぇ……
イラっとした。
「俺にはそう聞こえました。 エルヴィン団長には俺から先ほどのように伝えておきます」
「おい、話はおわっデュっ⁉︎」
あ、噛んだ。
あれは痛いな。
だが、俺には関係ないな。
「ちょっと待って‼︎」
「ペトラさんじゃないですか。 どうかしました?」
ペトラさんはおっぱい大きい(確信)
さらしでも巻いてるのかな?
そんで要件はなんだろう?
「オルオに関してなんだけどね、私達の班は兵長を尊敬してるの。 それで中でもオルオは神聖視までしていてクリスタ教に入ったのも兵長の為なの……」
「だから、オルオさんの無神経な言葉を許せと? 全ての戦う兵士達を侮辱したのと同義語なんですよ?」
死なせない様に率先して殺してる俺達を余計と言うなら兵士なんかいらない。
何故ならそのまま捉えれば兵士は食われて時間を稼げと言われてるようなものだ。
これに対して怒りを覚えるなと言う方が無理だ。
「私からも謝ろう」
「エルヴィン団長、ちょうど良かった。 私達四人は自分に被害がない限り手を出さない様に進言するつもりだ」
「怒りは最もだ。 君達のおかげで犠牲者はまだ数人…… しかも死んではいない。 オルオには厳重注意をするからここは抑えてくれ」
エルヴィンside
まずいことになった。
オルオがリヴァイを神聖視しているのは知っていたがここまで食ってかかるとはな……
胃が痛い。
「皆が死なぬように俺達は他の兵士より働いた自負がある。 それを真正面から否定されたらどう思う?」
苛つきからか敬語がないが仕方ない事だ。
彼は正しいことをして否定されたのだから怒るのが普通だ。
寧ろ私達の方が無理を言っている。
「ただ…… 俺も子供じゃない。 オルオさんに俺以外の三人にきちんと謝罪すればこの件は無かった事にする」
その対応は私達にとっては願ってもいない事だ。
ありがたかった。
そしてオルオ、貴様の髪は全て剃ってやるから覚悟しろ。
「私からももう一度謝ろう。 功労者に対して部下が考えも無しに暴言を吐いてしまいすまなかった」
「しばらくの間…… 一時間程度自由にさせてもらう」
そう言って返事をする前に彼は消えた。
・・・リヴァイならなんとか出来るだろう。
私はそこの馬鹿をなんとかすれば終わりだ。
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