飯を食い終わり、一服していると奇行種があることをほざいた。
作戦を変更して壁を越えて世界を見てみると……
牛はどうする気だ。
「問題は無いよ。 餌は馬の分を回しておけば平気だし、何より外に出れば新種の薬草を探せる。 それに巨人の秘密も…… 君達四人の負担はわかるが私はこれ以上我儘言わないし、君達を解剖したいとか二度と言わない」
当たり前の話を約束してどうする。
しかし、巨人の秘密かぁ……
気になる。
単細胞生物でもないのに雌雄関係無しに増えてるからな。
「当たり前を約束されても困ります。 こちらの要求はポウを筆頭に私達四人のチームで動かせてください」
「当たり前なんかじゃねぇだろ。 巨人を簡単に殺せるお前等…… 特にエレンとポウはいつ解剖されてもおかしくない。 実際憲兵にはそういう動きがある」
兵長の言葉にアルミンから覇気が放たれテーブルがひび割れる。
同期の連中は慣れてる為動揺していない。
むしろの殺る気だ。
それにビビる先輩方。
巨人の方が怖いと思うが……(アルミン達は別)
「リヴァイ兵長、上の決定に逆らえないのと口に出して脅迫するのは違う。 貴方のそれは一種の脅迫だ」
「チッ、そんなつもりはなかった…… 悪かった」
「それとリヴァイ兵長…… 脅し方も違う。 本当の脅し方ってのはこの状況で俺達が帰ることだ。 死ぬ事の無い兵士達が蹂躙され喰われる。 貴方はどちらを選ぶ?」
部下の死か、俺達に助けを求め保護するか。
口に出さなくとも伝わるはずだ。
アルミン達はすでに討伐数が50を軽く超えてる。
「まあまあ、両者落ち着いて。 ポウの言う通りだ。 リヴァイ、私達は既に彼等の能力に助けられてる。 それなら見返りが必要だ」
奇行種のハンジが割って入るが正直手遅れだと思う。
強さによって今の地位にいるリヴァイ兵長は俺達同期の中では真ん中程度。
文字通り黄金世代がそのまま調査兵団に入った感じだ。
この作戦に参加した兵士達は一部を除いて自信を喪失してるしな。
ちなみにミケ分隊長はクリスタの匂いを嗅いで血祭りに上げられた…… ミカサに。
最近のミカサは容赦がない。
だが、流石に援護は出来ないよ。
女の子の匂いを嗅ぐのはアウトだ。
俺でも見たら殴るよ。
ちなみに俺も嗅がれたが直後に逃げ出された。
あの時のショックは忘れられない。
「それで? 大まかな作戦くらいあっての発言なんだよな?」
「もちろん‼︎ 作戦名はズバリ、ポウ達に負んぶに抱っこ作戦だ」
「帰るぞ」
流石に無理だ。
少しは頑張れよ。
俺等も人間だから死ぬよ?
というより今日の功労者に対してなんて事言いやがる。
奇行種だからか(察し)
「まぁ、タダじゃないから話だけでも」
その話の内容は俺にとって断るという選択肢を奪った。
アルミンは納得。
エレンとミカサは許容範囲という感じだった。
ハンジside
いやーリヴァイには困ったもんだ。
私達は捕食される側でポウ達はそれを凌駕する存在だ。
味方や師匠にしたいと思っても敵に回していい存在じゃない。
そう直接リヴァイに文句を言ったら顔を顰めていた。
「クソメガネの言い分もわかるが現状を伝えないでどうする?」
「言い方が悪いね。 脅迫のように言ったって彼等は壁の外に出れば生きていける」
その言葉は誰もが夢見たお伽話だ。
理想をあの四人は現実に出来る。
悔しいと思うさ、私には真似出来ない。
「私達は彼等に頼らないと無駄な犠牲を生む」
「今まで死んだ奴らが無駄死にだって言いてぇのか?」
殺気を出しながら聞いてくるがそうじゃない。
巨人の弱点を見つけたのはその犠牲だ。
奇行種を見つけたのも犠牲のおかげだ。
「これから先の犠牲の話をしてるんだ。 彼等が完全にこちらを信用してくれれば……」
その時爆音が外から聞こえた。
二人で外を見るとアルミン、エレン、ミカサがポウと戦っていた。
『ぶるぁぁぁ‼︎』
ポウが雄叫びと共にエレン達を腕で薙ぎ払う。
後ろからアニとユミルが、両サイドからクリスタとサシャが飛び掛かる。
それをいなして全員の鳩尾に掌打を叩き込む。
息を飲んだ。
吹き飛び方からして普通の兵士なら死んでいるかもしれない。
あれが修行?
拷問の間違いだろう。
奇行種なんて呼ばれてるけど反乱者を巨人の囮にしたくらいであそこまで痛めつけてない。
「どう思う? あれで警告しないで手綱を握れるか?」
「握る必要なんてない。 協力してもらうんだ…… たとえ誰かの身体を解剖されようとも」
身体を売るなんて事はしない。
この身体はリヴァイの物だ。
だけど、それ以外ならなんでもしよう。
side out
うん、卒業だ。
あとは自分で行けるだろう…… アルミンは……
エレンとミカサはもう少しだ。
楽しみで仕方ない。
やっと俺と戦う資格の出来た人種になった。
「アルミン、お前は修行から外れろ。 弟子はもう終わりだ」
「そうか…… 僕はポウの近くに来れたんだ……」
アルミンは静かに涙を流し始めた。
独り立ちの時だ。
男として、武人として、正式に認めた。
俺の好敵手だ。
「やったね。 アルミン、私も早く一人前になりたいなぁ」
クリスタの呟きに苦笑するしかない。
成長速度だけならアルミン以上だからな。
アルミンも苦笑してるし。
「クッソー先越された」
「アルミンはやはり別格」
エレンとミカサは流石に実力差が理解出来てる。
だからこそ本気で嫉妬している。
そして…… 気のコントロールをこの瞬間に物にするとはな……
後数年で幼なじみは俺を抜くな。
「楽しいなぁ…… コツがわかったから次からはもっと早く……⁉︎」
異常を知らせる警笛?
来たか獲物が……
この場にいる全員の目がギラつく。
捕食者の目になった。
無知で貪欲な巨人ども…… 人間は怖いぞ。
これまでの討伐数
エレン 152体 補佐52
ミカサ 112体 補佐90
アルミン 395体 補佐14
ポウ 862体(奪還時含め) 補佐0