まず目に入ったのは数えるのが馬鹿らしくなる程の巨人。
その中で一際目立つのが獣毛。
猿の巨人だ。
これは厳しくなりそうだ。
「アルミン、ツーマンセルで殲滅行くぞ」
「了解だよ。 明日も早いしさっさと終わらせよう」
そう言って飛び出す前に一人の影が飛び出した。
オルオさんだ。
死ぬ気かよ‼︎
「アルミン‼︎」
「わかった‼︎」
言うより早くアルミンは俺を投げ飛ばした。
意識を落ち着ける。
アレは卍解で一気に仕留める。
正直アレは…… 人に近過ぎる。
「卍解‼︎ 龍紋鬼灯丸」
ドンッという音と共に俺の身体が巨大化する。
鬼灯丸を片手で持ちワイヤーを目掛けて振り下ろし、立体機動のワイヤーを切り裂き響転でオルオさんの元へ行き服を掴み一旦引いてアルミンにオルオさんを渡す。
めっちゃ睨んでくるが牽制でこっちは忙しいから対応出来ん。
やたらとこっちを観察してるしアニ達は隠れちゃうし……
つまりこいつは敵の中でも厄介な奴なんだろうな……
適度に距離を保ちつつ機を待つ。
残り数十体。
頼むぞエレン。
「あなたの持つそれはなんですか?」
「・・・」
やばい……
やっぱり知識欲がある。
周りを確認すると巨人たちが動いてない。
リーダー格か……
「斬魂刀だ……」
「そうですか、人間は面白い物を考えるなぁ」
交渉出来るか?
それなら嬉しいんだが……
「それじゃあ好きにして良いよ」
その言葉と共に巨人たちが一斉に動き出す。
やっぱり無理だったか。
「アルミン‼︎」
「わかってる」
同時に虚閃が放たれる。
巨人たちが集まる一角を吹き飛ばすがいかんせん数が多い。
鬼灯丸を振り回し、遠心力で強化して斬撃を飛ばす。
一角を悪く言うつもりはないが体格差があるから卍解が使いやすい。
というより俺以上に殺してるアルミン達がおかしい。
エレンに至っては狼型の巨人になってうなじより上を吹き飛ばしている。
そのうち尾獣玉とか撃ちそうで怖い。
「それにしても減らないなぁ……」
猿は傍観を決め込んでるし……
アレは仲間がやられても何も感じないのか?
アルミンside
「貴方は死にたいんですか?」
怒りが収まらない。
ポウが気に入らないのは見ていてわかったがそれでも実力を考えたら飛び出しても迷惑にしかならないなんて少し考えればわかるはずだ。
「俺はあの人の為に動きたいだけだ‼︎」
「時と場合を考えてください。 最低でもクリスタクラスの実力がないと死ぬのは確定です。 今回は巨人をコントロール出来るやつが居るのだから」
これは後で苦情を入れないとな。
僕達はまだしも、クリスタクラスの近くでやらかされたら危険だ。
とりあえずリヴァイさんが来るのを待たないとな。
戦いたいのに……
僕の仕事が殺し損ねた巨人を狩るだけなんてな……
つまらない。
それにしてもかっこいいなぁ…… 斬魂刀。
正直欲しい。
ポウと同じ物を欲しがるのは悪い癖なのはわかってるんだけど止められない。
そんなことを考えていたらポウの斬魂刀の破片が胸に刺さった。
痛くないんだけどなんでだろ?
side out
鬼灯丸ェ……
仲間が増えるってなんぞ?
アルミン?
アルミンなら後方で……
「ゑ?」
左側の刃を見ると割れていた。
もしかして狙われた?
アルミンを狙って鬼灯丸を砕いたの?
この猿?
守るはずなのに……
あぁ、敵は殺さないと。
そこから俺の意識が途切れた。
「俺、コロス」
ポウの巨体が消えて龍紋鬼灯丸が地面に落ちた。
猿の巨人が次に潰された。
弾けるような音が全員の耳を汚した。
次々と巨人が潰される。
ポウは空中で吠え続けてる。
しかし、全員の疑問はその行動である。
ポウが手を振るう度に巨人が潰される。
ポウは巨人を潰すほどの大きさは無い。
エレン達、弟子は改めて理解した。
簡単に超えられる壁は無いのだと。
クリスタ達、同期は夢を見ている気分だった。
強いのは知っていたが理解はしていなかった。
エルヴィン達、調査兵団は驚愕した。
いけ好かないガキから理解出来ない存在に変わった。
気付いたら朝日が差し込んでいた。
はて、俺は何をしてたんだろう?
確か鬼灯丸を砕かれてその破片がアルミンに……
アルミン?
飛び起きてドアを蹴り破りアルミンを探し回った。
直ぐに見つかったけど手に持ってるものを見て膝をついて顔を手で覆いながら俺は泣いた。
二つの意味で。
一つは生きていてありがとう。
もう一つは……
「何で持ってんのぉぉぉぉ⁉︎」
斬魂刀を振りまわしてるアルミンの姿に慟哭した。
マジで面影が消え失せた。
人は変わるけどこれは酷い(白目)
鬼灯丸…… 仲間が増えるってこういう事ね。
満面の笑みを浮かべて斬魂刀を持って走ってきたエレンから逃げた俺は悪くないはずだ。
どこで間違えた?
「クリスタ嬢ちゃん、聞いてくれよ」
偶々会ったクリスタ嬢ちゃんに滅茶苦茶愚痴ろうとしたらモジモジしながら……
「私も刺さったら斬魂刀手に入るのかな?」
アカン。
ライナーの所に逃げた。
そしたらベルさんと裸でプロレスごっこしてたから見なかったことにした。
味方が居ない。
そのあとユミル嬢ちゃんが匿ってくれた。
泣きついた俺は悪く無いよね?
思いっきり抱きついたらぶん殴られた。