エレンside
さて……
始めるか。
ポウの弟子48人で内地に潜入する。
ハンドシグナルで指示を出しながら教会に潜入する。
狙うは一人…… ニックの豚野郎だ。
「憲兵が多いな……」
ポウが壁の外に行ったから楽に行けると思ったが憲兵も馬鹿じゃないみたいだ。
いつもみたいに怪我をさせたらマズイから慎重に行かないと……
そう考えてたら城から爆音が響いた。
アルミン……
ポウの作戦を考えてくれよ……
弟子達をアルミンの所へ向かわせとくか。
俺とユミルでなんとかなるだろうし。
「憲兵が城に行ったか…… チャンスだな」
ユミルを見る。
目が合うと頷いたので同じ意見らしい。
響転で一気に進入する。
途中残った憲兵にかち合ってしまったので声を出される前に寝てもらった。
ニックの部屋の前で全員いる事を確認して扉を蹴破る。
「久しぶりだな。 豚」
「異端者が…… 何をしてるのかわかっているのか⁉︎ 憲兵、こやつらを捕らえよ‼︎」
「全員寝てもらってるよ」
ユミルが冷淡な声で答える。
その内容にニックは顔を歪めて悔しそうにしながら怯えるという器用な事をしている。
その姿を見てやっぱりこいつは上に立つ資格が無いと思った。
アルミンやポウなら誰よりも前に居て障害を取り除き道を作ってくれる。
その姿を見て俺達はその後ろを安心して着いて行ける。
それに比べてこいつは自分の事を考えてばかりだ。
いずれ誰も着いて行かなくなる。
顔の原型が無くなるまで殴りたいのを我慢してさっさと用事を終わらせないと。
「お前らが秘密にしてる壁の事について洗いざらい喋れ」
「異教徒に語る言葉など無い‼︎」
「ほう?」
その言葉にユミルが反応し、左足の太腿を踏み潰した。
叫び声をあげようとしたが追撃する様にユミルがつま先で顔面を蹴り抜いた。
ユミル…… 苛ついてる?
「テメェの豚みたいな声は聞きたくねぇけどよ…… 聞かなきゃポウが戻って来れないんだよ」
殺気だけなら達人級だな。
うかうかしてたら抜かれちまいそうだ。
それでも口を割らないので俺達は殺さない様に気を付けながら語るまで嬲り者にした。
side out
ミカサside
クリスタとアニを連れて王の寝室に進入したのは良いがこの状況はどうしよう。
蹴り砕かれた壁。
その破片で気絶する王。
困惑する私達。
迷う。
とりあえず……
「クリスタ、服を全部燃やして。 アニ、バリカンでこの王の頭をコニーにして」
まずはポウを狙った復讐から始めよう。
起きるまでは暇だし。
とりあえず後悔すれば良いと思う。
「起きたら面倒だから縛っておこう」
手際よく縛る。
縛り方も動けば動くほどきつくなる縛り方にした。
私達の仕事は王が二度ポウに手を出させない様にする事。
人前に出れない様にすれば命令も出せない。
簡単な仕事だ。
そして隣の部屋にいる王妃が話し合いに応じてくれればそれで終わり。
話し合いに応じなかったら王と同じ目にあわせる。
話し合いの内容を考えながら隣の部屋の壁を蹴り砕いた。
王妃は震えているが話し合いに応じてくれれば何もしないと思う。
「直談判に来ました…… 王妃よ」
怯えながらもこちらを真っ直ぐ見る瞳はとても綺麗だった。
それが印象に残った。
「要求はなんですか?」
「私達の要求は2つ。 現在の王制の改革とポウについての不干渉を願います」
難しい要求なのは理解してるがこれを受け入れてもらわないとポウは普通の生活を送れない。
だからこそ私達は直談判という危険な手段をとった。
「私の権限でポウについては保護いたしましょう。 改革は直ぐには無理ですが王の考えを少しづつ変えるように努力をします」
「なぜ保護を?」
「ポウに助けられたからですよ。 それと本当の王族の願いを無下には出来ません」
「本当の王族?」
「確か、今はクリスタ・レンズと名乗っていたはずです」
「私⁉︎」
クリスタの王族の話やポウが何をしたのか凄く気になるが憲兵がいつ来るかわからないので一旦撤収する事を決めた。
行きに来た穴から響転で城から脱出する。
side out
アルミンside
憲兵の宿舎に着いた。
さて……
攻め込もうか。
「反抗するなら暴力も止むなし、目指すは憲兵トップの部屋だ」
ミカサ、クリスタ、アニ、エレン、ユミル以外の弟子がここに集結している。
本心を言うならこんなつまらない事をせずに潰せばいいと思うがポウの事を考えるなら別だ。
民衆は徐々にこちらに着き始めてる。
それなら余計な事を考えてる奴らを説得(物理)で納得させ味方を増やした方が良い。
「作戦開始」
弟子達が壁を砕きながら中を進んでいく。
弱い兵士がいくら居ても烏合の衆。
問題は無い。
しかもブレードを抜かなきゃ戦闘が出来ないなら室内での脅威は更に減る。
そして僕も参戦した。
「一人も逃がすな‼︎ これは改革だ。 全員考え方を変えさせるぞ」
「アルミン」
「ライナー? 何かあったのかい?」
深刻な顔をしてライナーが近づいてきた。
何があったんだろう?
「一部の上層部が協力を申し出てきた」
「協力?」
どうしようか……
僕に全権限が委ねられてるけど予想外の事態だから慎重にならないとね。
仕方ない、話し合いをしようか。
「ここに連れてきて欲しい。 味方に本当になってくれるか怪しいからね」
「わかったが…… 少し神経質過ぎないか?」
「ポウの敵は多い。 しかも、殆どが逆恨みだ。 神経質くらいが丁度良い」
「なるほどな。 直ぐに連れて来る」
そう言ってライナーは消えた。
僕達からしたら遅いけど弟子達の中では早い。
さて、動けなくなったな。
仕方ない、報告を待つか。
そう考えてるとライナーが一人の男性を担いで来た。
どうやら代表一人を連れてきたみたいだ。
「アルミン、連れてきたぞ」
「ありがとう。 それで? 貴方は何故私達の味方になりたいんですか?」
「簡単だ。 彼がこの人類を救いに導いてくれると思ったからだ」
なるほどね。
ポウの力を理解してるから敵対したくないのか。
それなら下っ端の連中はなんで反抗するんだ?
「恐らく疑問はあるだろうが…… 私達は弱いが愚かでは無い。 甘い蜜を吸う屑以外はポウに憧れ、出来れば彼の作った世界を見てみたいのだよ」
「わかった。 信用するよ」
「感謝する」
「ただし、ポウが居ない今は僕に全権限が委ねられてる指示には従ってもらうよ」
「もちろんだ」
さて、僕も行くかなって思ったら終わってた。
暴れられて羨ましい。
side out
秘密を暴き終わっても改革も終わりポウの帰りをみんなが待っていた。
しかし、一向に帰ってこない。
ウォール・マリアから巨人が居なくなっても戻って来なかった。
三年かけてポウが住める街になった。
それから一年……
アルミン達は二度目の壁の外の探索をする事になった。
誰も知らない。
ポウが何をしていたのか。