抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
ヒーローと理の会の同盟が結ばれたあの日からこの世界は大きく変わっていった。まず、理の会のメンバーが裁判に掛けられ有罪判決を喰らった。今までの犯罪者の敵としての行動の数々が見逃される事はなかったようだ。しかし、執行された刑が普通のものではなく、職業の敵として一生勤め続けるというものだった。これに対して九玉さんを含むメンバー全員は、最初からそのつもりだと笑って返していたから問題ないだろう。
次にヒーローと理の会が協力して職業の敵を育成する機関としてタルタロスが再建が決定された。海の上に建てた本部を中心とし、ゆくゆくは本島に支部を作っていくらしい。かつてのタルタロスよりは本島に近いとはいえ、海に建てているから交通の利便性は皆無だ。認められる敵になるためにはそれなりの試練が必要ということだろう。
職業の敵に関しての法整備はゆっくりと確実に進んでおり、半年後には理の会メンバーが初代敵として活躍していく予定らしい。将来は敵に憧れる子供とヒーローに憧れる子供で喧嘩したりするかもしれない。それをヒーローと敵で収めて笑い合う、なんて光景も日常的にみられるかもしれない。
雄英高校では先延ばしになっていた3年生の卒業式が開かれた。絢爛崎先輩の顔戦車が全てを持っていって、ミリオ先輩が何を言っていたか全く覚えていない。多分、前途多難のやりとりから始めていた気がする。そんなこともあって、1-Aの寮広場では盛大な告別式が開かれようとしていた。
お茶子ちゃん
「だから送別会だよ! わざとだよね!?」
梅雨ちゃん
「相変わらずね出久ちゃん……でも、永遠の別れという意味ではあっているかもしれないわね」
百ちゃん
「いくら何でも言い過ぎですわ蛙吹さん……出久さんそのものはこの世界には残るのですから……」
三奈ちゃん
「でも……アタシ達と一緒にいた出久はもういなくなっちゃうんだよね……」
理の会でトゥワイスさんに測ってもらった結果、この世界に土口精の意思を持った緑谷出久が存在できることにはなった。しかし、
透ちゃん
「ダメだよアシミナ! 出久は女の子の涙より笑顔で送り出してもらいたいって言ってたじゃん!」
耳郎ちゃん
「そうだよ! 後ろ髪を引くぐらいなら突き飛ばすぐらい背中押してこうよ!」
精
「だから後腐れの無いように皆で一人ずつ手合わせをする……言っておくが"不俱戴天"は流石に使わないからな? あれ使ったらレイドバトルになっちまうからな。誰から来る? どのタイミングで勝っても主席の座を受け渡してやるから、最後に挑んだ方が良いぜ?」
旧コスのアザレアマフラーを靡かせて見せつける。それに煽られてか武道着と尻尾を揺らしながら尾白が出てきた。
尾白
「正直、俺が万全のお前に勝てるとは思えない……だが、万全じゃないお前に勝ってもそれは勝ちじゃないからな!」
精
「その正々堂々な態度に免じて身体能力強化だけで戦ってやるよ! かかってこい尾白丸!」
尾白は武術をやっているだけあり、立っている構えに隙が見えない。ならばその構えを崩すのが先決だ。こちらから動いて相手の出方を見る。
尾白
「うらあ!」
鋭い手刀を左手で、足払いを仕掛けていた尻尾を左足で受け止める。
尾白
「そうやって受け止めたら右での防御は出来ないだろ!」
空いたボディーに蹴りが跳んでくる。
精
「空いたら打ち込んじまうよな……俺がそんな分かりやすいミスをすると思うか?」
手刀と尻尾を受け止めたまま、左手と左足で尾白の左脚を挟み込んで止める。
尾白
「マジかよ!?」
精
「
そのまま手と足を引き寄せ尾白の体勢を崩し、ボディーブローを一発叩き込む。尾白がうめき声と同時に蹲った。
精
「攻めに転じると受けが疎かになる……両手両足と尻尾、どれか一つは防御に使った方が良いかもな」
尾白
「組み合いになるとか以前の問題だった……」
瀬呂
「ゆっくり休んでな尾白、俺が仇を取ってやるぜ!」
尾白とバトンタッチして瀬呂が俺の前に立った。
瀬呂
「俺の"テープ"とお前の糸……どっちの結界が上か勝負だぜ!」
精
「どっちの結界も長所短所あるから明確な上下は無いが、俺とお前の頭の違いを見せつけてやるぜドンセロォ!」
テープ射出に合わせて糸を張り巡らせ、お互いに結界の抜け穴を探りあう。
精
「千日手は好みじゃないんで、一気に行かせてもらうぜ!」
瀬呂
「突っ込んでくるか! それなら一網打尽だぜ!」
俺が突進すると同時に瀬呂がテープを引っ張り、俺の周りにテープが迫ってきた。
精
「糸の結界の神髄は糸の細さにある」
張り付かないほどに細い糸なら瀬呂の結界を断つことは容易い。糸を巧みに操りテープをバラバラに切り刻む。
瀬呂
「ゲェ!? ありかよそんなの!?」
精
「お前の結界の弱点は結界その物の強度だな。まあ、改善しようがないから長所を伸ばせ」
勢いそのままに瀬呂を縛り上げて横に転がす。
精
「結界の張り方はかなり良くなっていた。そのまま精進するように」
瀬呂
「あ、ありがとうございます、でいいのか……?」
口田
「こ、今度は僕の番だよ……!」
口田くんがおどおどしながらひょっこりと出てきた。
精
「あー……本当にやる? いくら何でも動物さん達を不必要に痛めつけるのはお互いの心に良くないと思うんだけど……」
口田
「……そ、そうだよね……じゃあ、緑谷くんの不戦勝ということで……」
精
「人の好さじゃコウコウの勝ちなんだが、今は実力の勝負だからな……」
上鳴
「それじゃあ、次は俺だ! 俺の電気を喰らって脳をショートさせてやるぜ!」
今度は上鳴がバチバチ鳴らしながら躍り出てきた。
精
「電気ショック療法は流石に試したことが無ねえが、この体でやる必要はねえな! 瞬殺してやるぜエレウェイ!」
上鳴がシューターを飛ばしてきたのを確認して"必至の渡し賃"を放つ。シューターを潜り抜けて上鳴の周囲に散らばり、上鳴の電気が全て六文銭に流れた。
上鳴
「ウェ!?」
精
「まあ、相性が悪かったということで」
そのまま六文銭を"黒鞭"で操って上鳴の顔面に叩き込む。
上鳴
「うぇ……うぇいうぇい……」
精
「予告通りの秒殺だぜ」
切島
「ここまでほぼノーダメじゃねえか……燃えてきたぜ!」
切島がガチガチになって拳を打ち鳴らしてきた。
切島
「俺の安無嶺過武瑠は流石のお前でも砕けないんじゃねえか!?」
精
「耐久力だけでいったら一番厄介な奴が来たな……だが、硬いだけではどうにもならねえ事があるってことを思い知らせてやるぜきりたん!」
黒鞭を全身から出して切島の全身を叩いていく。切島は腕をクロスさせて顔を守り防御の姿勢に入った。
切島
「痛えがただそれだけだぜ!」
精
「それだけじゃないんだよ」
鞭打から瞬間的に拘束の動きに変えて、一瞬で切島を縛り上げ締め上げていく。いくら"硬化"であっても呼吸を阻害されてはどうにもならない。
切島
「がっ……かっ……」
精
「防御が最大の攻撃になる事はあり得ないんだよ。俺に勝ちたかったら守るだけじゃダメだ」
地面に叩きつけながら拘束を解く。それなりの高さと勢いでやったのだが、切島には傷一つ付いていなかった。
切島
「まさかこんな方法で突破してくるとはな……お前の発想力には敵わねえぜ」
精
「お前の"個性"は守るのには最適だ。壁やタンク役としてなら俺以上だぜ」
砂藤
「だったら瞬間火力はどうだ!?」
砂藤が右肩を回しながら入場してきた。
砂藤
「長期戦にだったらお前に分があるが、短期決戦だったら俺にも勝機はあるぜ!」
精
「単純な物理攻撃という点では俺に匹敵するかもな。合図はお前に任せるが、力入れ過ぎて腕壊すんじゃねえぞ砂藤シェフ!」
右腕に力を込め合図を待つ────砂藤シェフの目が大きく開く。
砂藤シェフ
「グラブジャムンスマッシュ!」
精
「100%アイランドスマッシュ!」
お互いの拳がぶつかりあい、地が裂けるほどの衝撃が走る。それでも俺達は立っていたが、砂藤の方は冷や汗ダラダラで、体がグラグラしていた。
精
「低血糖のはひふへほ*1を同時に見るとはな……早く炭酸抜きコーラでも飲んでリラックスしなよ」
砂藤
「おう……」
常闇
「ならば代わりに俺が立とう……昼間だから全力を出せる訳ではないが、それぐらいでちょうどいいハンデになるだろう」
黒影
「ホンキヲダシタラガールズガダマッチャイナイダロウカラナ!!」
常闇と黒影が影の如くゆらりと現れた。
精
「安心しな。上空に"一速"を付与した"煙幕"を張って辺りを暗くしてやるよ。そうすればいい訳もできない程の完敗が出来るだろ?」
常闇
「言ってくれるではないか。吐いた唾をのむような真似はするなよ?」
"黒鞭"で停滞する煙を上空に漂わせる。次第に黒影が大きく凶暴になっていったが、それを常闇が纏い始めた。
常闇
「"
精
「
OFAS85%で常闇と組みあう。煙で光を遮っただけなのに85%と渡り合えている。夜に戦っていたら押し負けていたかもしれない。
常闇
「ぐっ……! 流石だな緑谷……! 真正面から受け止められるとは思っていなかった……!」
精
「残念ながらこれは本気じゃない……本気を出すと体がもたないから使いたくなかったが……!」
OFASを100%まで引き上げて常闇を押し倒して組み伏せる。俺の全身からバキボキと骨が折れる音が聞こえるが、"超再生"ですぐに治ってまた折れる。音と痛みのサンドイッチで顔が歪む。
常闇
「上になったお前の方が苦しそうな顔をするとはな……」
精
「組み伏せたから俺の勝ちでいいよな!? そういう判定にさせてくれ!」
黒影
「チッ、コノママツヅケリャアカテタンダガナ……」
黒影が大人しく引いてくれたのでOFASを解き常闇から離れる。
常闇
「願わくば夜の本気を見せたかったが……それはハメドリくんのお前に試すとしよう」
精
「敵との格闘イベントで好きなだけやれると思うぜ」
障子
「次は俺が出よう」
障子が阿修羅を通り越して千手観音のように腕を広げてやってきた。
障子
「手数の多さなら自信がある……捌き切れるか?」
精
「どこぞの魔王みてえなこと言うなよ。アレに比べれば微笑ましいモンだぜメアリー!」
"
障子
「……見事だ。俺が敵う相手ではなかったな」
精
「土俵が違えばお前が勝つさ。料理とか夜の勝負とか」
飯田
「猥談はそこまでにしてもらおう!」
ドルルルンとマフラー音を響かせながら飯田が割って入ってきた。
飯田
「俺は君に速さで挑戦しよう! "レシプロターボ"!」
精
「フライング気味じゃねえか!? 勝った方に腹一杯天丼奢るでどうだ天麩羅!」
"変速・五速"を発動しレシプロターボに追い付く。レシプロの速度は人間が知覚するには難しいが、直線的な動きが多いためある程度予測できる。動きに合わせて拳と脚を振るう。
精
「スローすぎてあくびが出るぜ!」
飯田
「ぐっ! だがこれは回避できるか!?」
"危機感知"が走るよりも前に足払いが放たれた。しかし、その足は空しく空を切り俺の両手に捕まれた。
飯田
「なっ!?」
精
「その速度で足を大きく動かしたら、機動力が保てないだろうからな! 久々に喰らいな!
史上最高速度で放つドラゴンスクリューは人を地に伏せさせるほどの暴風を巻き起こした。地面に叩きつけられた飯田は地に伏せながら虹を吐いた。それを見た俺は立ち上がって勝利を確信し、連れ虹を吐き出した。
精
「げろげろげろえろ」
青山
「大丈夫かい?☆スッキリしたら僕が相手だからね☆」
青山が俺の背中を優しく擦ってくれた。
精
「サンキュあおやえろえろえろっ」
青山
「僕のレーザーで隠そうか?☆」
精
「そしたら今度はお前が下から出すだろ……心配ゴム用だぜle青山!」
口を拭いながら"煙幕"を張り巡らせる。姿が見えなければレーザーは放てない────煙の中から何本もの光が飛んできた。
青山
「僕のベルトはレーザーを集中させるための装備……逆に言えばベルト無しなら拡散弾になるのさ☆」
精
「……わざわざ攻略のヒントをありがとうな青山」
拡散弾になったということは光の軌道の根元に青山がいることになる。その位置に向けて両手の指を弾いて衝撃波を放つ。煙が晴れると同時に歌劇的な呻き声が聞こえて、青山が腹を抱えて悶えていた。
青山
「ベ、ベルトは防具でもあるんだよね……☆」
精
「捨て身の一撃は一発で決めないと悲惨だぜ?」
峰田
「ついに来たぜオイラが主席になる日がよお!」
実がふんふんと鼻息を荒げながらやってきた。
峰田
「勝ったらお前のハーレムをオイラが頂く! そしてハーレムでの体験をエロ本作成に活かす!」
精
「その意気や良しだがお前じゃ百億万年早いぜ! 受精卵からやり直してこい実!」
実がもぎもぎを連ねたアナルビーズのような武器を振り回す。故郷の友人が似たような武器を使っているので対策はばっちりだ。
峰田
「何で当たらねえんだ!? "ミネタビーズ"は今回が初めてのはずだろ!?」
精
「アダルトグッズで俺に挑もうだなんて、ビッチに猥談だぜ!」
ぬるりぬるりと避けて実の背後を取った。そして実の股間に手を当てた。
精
「貴様のペニスに金色の右手を当てている。俺はペニスを知り尽くしている……この意味が分かるな?」
峰田
「少なくとも良い意味じゃないことは分かったぜ……」
実が両手を上げて降伏した。次は誰が来るのかと待ち構えていたら、1-Aガールズが俺の前に並んだ。
精
「6人同時でもいいけれど、出来れば1人ずつの方が────」
1-Aガールズ
「「「降参します」」」
精
「えっ?」
1-Aガールズ
「「「だって、
なんて良い子達なのだろう。俺はその好意に甘えて残りの2人、轟と爆豪のどちらが来るのかをゆったりと待つことにした。