抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
俺は真っ先にお茶子ちゃんに話しかける。
精
「あっ、お茶子ちゃん!!!*1俺と組もう!!!」
お茶子ちゃん
「いいよ! 仲良い人とやった方が良い!」
やばい。めっちゃ結婚したい。しかし、今は遠い将来を考えている場合ではない。目先の勝利を考えないと。次の候補に話しかける。
精
「天麩羅、俺と組め。俺とお茶子ちゃんとお前で機動力はばっちりだ。もう一人は防御に適したやつがいる。そうすれば余裕で逃げ切れる」
天麩羅
「……さすがだ緑谷くん……だがすまない断る……俺は君に挑戦する!」
天麩羅は俺とは組まないようだ。あいつにはあいつなりのプランがあるのだろう。それを邪魔する権利は俺にない。しかし、このままだと一人足りな──
ゴーグルピンク
「私と組みましょ1位の人!!!」
精
「いい体してるねぇ!!! 名前は!!?」
急に話しかけてきたピンク髪のゴーグルの女の子は実にナイスバディだった。しかも距離感が近い。一瞬で攻略できそうだ。
ゴーグルピンク
「私はサポート科の発目 明! あなたの事は知りませんが立場利用させて下さい!!」
精
「いいよ明ちゃん! かわいいから!」
外したゴーグルから見えた瞳はロックオンマーカーのような模様で非常にかっこよかった。そして顔がいい。雄英には俺の故郷に勝るとも劣らない美女がたくさんいる。何かベイビーがどうこう言ってるけど俺とベイビーを作りたいのか?
精
「明ちゃんとのベイビーのために一致協力するよ!」
明ちゃん
「はい! 私のベイビーのためにお願いします!」
お茶子ちゃん
(気が合っとるようだけど、話が合っとらんような……)
明ちゃんの言うベイビーとは自分で作ったサポートグッズのようだ。いつか本物のメイクベイビーを教えるからいいや。使える物を適当に装備させてもらおう。ワイヤーだけでも十分使える。最後にあいつだ。早速駆けよる。
精
「影の使い常闇よ……共に勝利の美酒を酌み交わさんか?」
常闇
「ほう……なぜ俺を選んだ」
いい雰囲気が出てきた。これなら話は進めやすいだろう。
精
「お前の黒影なら純粋に手数が増やせる。攻めるにも向いているが……今の俺に攻めは要らない。
常闇
「なるほど……良いだろう。俺を使ってみろ、託したぞ緑谷!」
ガシリと手を組む。常闇の"個性"は明るくなると弱くなるらしい。だが、日光下でもそれなりに威力はでるし制御もできるという。それで十分だ。こうしてできた19198585Pぐらい*2の騎馬で騎馬戦に挑む。
スタートと同時に2組に襲われる。明ちゃんベイビーのバックパックを使って空中に逃げる。
精
「すげえなこれ! 俺の専属サポーターになってメイクベイビーしない!?」
常闇
「言っている場合か! 黒影!」
黒影
「アイヨ!!」
死角からの攻撃は黒影が守ってくれる。
お茶子ちゃん
「着地するよ!」
ホバーブーツを利用して安全に着地する。お茶子ちゃん以外を浮かしているから、騎馬の総重量はお茶子ちゃんと装備や衣類分のみだ。機動力も申し分ない。
精
「最強の騎馬が出来ちまった──」
俺の目前に障子こと阿修羅が近づいてくる。どう見てもひとりだが何故か背中を触腕で覆っている。あれはやばいと思う。すぐに逃げるべきだ。しかし、いつの間にかお茶子ちゃんが実のもぎもぎを踏んでいた。
実
「ここからだよ緑谷ぁ……八百万のスケッチ*3の恨みここで晴らさせてもらうぜ!」
阿修羅の背中の隙間からこんにちはしている。
精
「頑張って描いたんだぜ!? っっとぉ!?」
今度は梅雨ちゃんの舌が飛んでくる。大柄な奴一人が小柄な二人を背負う逆騎馬か。ハチマキは取られていないが一本取られた。
梅雨ちゃん
「さすがね緑谷ちゃん……!」
精
「……実!! チャンスだ!! この際勝利は捨てて梅雨ちゃんボディーを堪能したらどうだ!?」
梅雨ちゃん
「ケロッ……!?」
実
「舐めんな!! 勝利もおっぱいも堪能する!! オイラはお前の上を行って──」
実が梅雨ちゃんのおっぱいを触って、梅雨ちゃんの肘が実の顔にめり込んだ*4この隙に逃げよう。ホバーブーツを犠牲に空中に逃げ──刺すような敵意が俺を襲う。
爆豪
「調子乗ってんじゃねえぞクソが!」
コイツ爆破で飛べるのかよ。何ができないんだお前は。
精
「常闇ぃぃぃん!!」
黒影で守ってもらう。爆豪が瀬呂ことしょうゆ顔のテープで戻っていく。戻るのであれば一時的な離脱はOKなようだ。であれば──
紅白頭
「そろそろ奪るぞ」
残り時間半分で紅白頭の騎馬と対峙する。紅白頭が騎手、前が天麩羅、俺から見て右が上鳴アホ電気、左がモモパイセンとセンスのいいビュッフェ見たいな構成だ。こっちが最強の騎馬ではないだろうか。
精
「さてさてさーて……みんな気張れよ。俺も攻撃に転じないといけない可能性が出てきたんでな……!」
指を構えて警戒する。何が来──体がしびれる。アホ電気の無差別放電だ。そこから紅白頭が地面を凍らせて他の騎馬からハチマキを奪う。アイツの"個性"も結構ヤバいな。しかも半分の力だという。100%で戦ったらもっとやばいはずだ。逃げるしか──バックパックが起動しない。電気でイったか。
精
「ならカウンターだ! 常闇!」
常闇
「行くぞ! 黒影!」
黒影が紅白頭のハチマキを狙う。モモパイセンが"創造"で鉄板を作る。
精
「30%ショット!」
指を弾いた衝撃波で鉄板を吹っ飛ばし、黒影が轟の首に巻かれていたハチマキを一本取る。何点だろうが関係ない。2本のハチマキを裏返して首に巻き、元々着けていた方にワイヤーに結びつける。万一に備えて損はないはずだ。
精
「紅白頭の左をキープしろ!! 凍結はアイツの右からしか来ない!!」
これなら気軽に凍結は撃てな──再び敵意が俺を襲う。
天麩羅
「
──何が起きたのか分からないが2本のハチマキが奪られていた。どうもこの世界の"個性"というものは常識を簡単に"Plus Ultra"してくる。
天麩羅
「言ったろ緑谷くん……君に挑戦すると!!」
天麩羅がしてやったりという顔をしている。
精
「……"個性"のいい勉強になったよ。ただ──」
俺はワイヤーを手に取って30%の力で引っ張る。紅白頭が右手で首に巻こうとしていた1000万Pのハチマキがすっぽ抜け、俺の手元に戻ってくる。
精
「アリアドネの糸はしっかり握っておかないとな?」
騒音公害
『瞬く間の攻防を制したのは緑谷だあ!!!』
澤先
『ここまで見越しておいたのか……"個性"の扱いはまだまだ発展途上だが、読みや道具のはプロ相当だぞ』
身体能力はともかく経験は俺に刻まれている。俺が故郷でどれだけの修羅場を潜り抜けたと思っている。残り時間は20秒。
精
「俺たちも
お茶子ちゃん
「逃げないの!?」
精
「あの速さだったらエンジンがぶっ壊れて天麩羅の機動力が無くなったはずだ! だったら点を奪って決勝進出を阻んだ方が良い!」
俺の一喝で紅白頭の騎馬に向かう。紅白頭の左手を跳ね除け、首に巻いている2本のハチマキに手を伸ばす。さっき取った70Pが上になるはずだから元々の方は下だ。下のハチマキを取る──70Pだ。
モモパイセン
「緑谷さんは頭がよろしいですからそう判断すると思いましたわ!」
さすが副委員長だ。栄養が胸だけでなく頭にも行っている。
精
「心の強さでもう一丁! ただの奪取じゃねえぞ! ド級の奪取ド奪──」
騒音公害
『TIME UP!!!』
マジか。確か4位が520Pで紅白頭の騎馬の元々のPは600Pぐらいだったから進出してくるじゃん。ここで蹴落としておきたかった。
騒音公害
『1位は言うまでもなく緑谷チーム! 1000万Pを奪い返し見事2冠達成だ! 2位爆豪チーム!! 3位心操チーム!! 4位轟チーム!! 以上4組が最終種目へ……進出だああ──ー!!』
最終種目の前に昼休憩が入る。さて昼飯は何にしようか? 屋台で買うのもありだ。テーマパークに来たみたいだぜ。テンション上がる──
紅白頭
「緑谷、話がある」
このイケメンに誘われるなんて雌だったら上下の口から垂涎物だろう。だが俺は雄だ。断りたいがそんな雰囲気ではない。人気のない通路までついてくついてく。
精
「話ってなんだ紅白頭? 飯食いそびれたらお前の奢りな」
紅白頭はギロッと俺を睨んでいる。爆豪とはまた違う静かな威圧感だ。
紅白頭
「気圧された……自分てめえの制約を破っちまうほどによ」
紅白頭は何か自分に課して戦っていたのか。確かに紅白頭の左側を使えばもっと俺は苦戦していたはずだ。
紅白頭
「本気のお前を見てオールマイトに通ずる何かを感じた……なァ……オールマイトの隠し子か何なんかか?」
なるほどそう来たか。見た目通りのおめでたい頭だ。ここは昼飯を諦めて一芝居打つとしよう。
精
「……アレは雄英に入る前の事だった。合格通知とは別にもう一つの投影機があってな。それを再生したんだ」
紅白頭
「……! まさか……」
精
「ああ、俺の母さんとオールマイトが赤ちゃんの俺を抱いている写真だった」
そこからそれっぽい話をでっちあげ紅白頭を弄ぶ。
精
「……だから俺の"個性"に関しては誤魔化すしかなかったんだ」
紅白頭
「やはりな……だからお前は──」
精
「ちなみに今の話全部嘘。昼飯を諦めてお前で遊ぶことにした」
紅白頭
「……は?」
見事にマヌケ面を晒してくれた。イケメンはマヌケ面でもイケメンなんだなあ。事態を飲み込んだ能天気な紅白頭が怒り出す。
紅白頭
「……ふざけるなよ……! お前まで俺をおちょくる気か……!」
精
「お前『まで』ね……クソウニにもおちょくられたのか?」
紅白頭
「クソ親父の"個性"を使わず"一番になる"ことで奴を完全否定してやる……!」
精
「クソ親父…………ベンドバーだっけ?」
紅白頭
「エンデヴァーだ……!」
そうだった。クソ親父のクソの部分に引っ張られてしまった。どうやら紅白頭と茶化している場合じゃなさそうだ。思いついた一言を言う。
精
「だったらよお轟、全力で戦って負けた方がクソ親父の考えをぶち砕くことにならないか?」
轟
「何……?」
精
「轟とクソ親父の間に何があったかは知らないが……クソ親父の"個性"が気に食わないんだろ? だったらそれも使って全力で戦ったけど負けました、の方が完全否定っぽくないか?」
轟
「……訳の分からないことをいってるんじゃねえ」
轟はあからさまに不機嫌な顔で去って行った。その背中はやけに悲しく見えた。