抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
3-01 Yeah!Hotハニー祭り
待ちに待ったサマーバケーションだ。今年の夏は自宅のエアコンに『故障だってさ』という紙が貼られることもない。早く海やプールで櫓を組んでライブをせねば。でも腹が減っては戦は出来ぬ。作り置きしておいた水羊羹と緑茶でも食べるか。
精
「そしたらお茶子ちゃんと梅雨ちゃんを侍らせて──」
ピンポンとインターホンが鳴る。扉を開けると実とアホ電気がいた。
アホ電気
「よっ、緑谷!」
実
「プール行こうぜ! 一緒に訓練しようぜ!」
精
「女子達の水着が見たいだけだろ」
この二人が一緒にいてプールと言ったらそう言うことだろう。相変わらず下心がアケスケちゃんだ。同志と認めてやろう。
精
「だから引き受ける」
実・上鳴
「「流石委員長! 話が分かる!」」
水中で行う訓練はいい負荷がかかるため行う価値はある。それに加えて女子達の水着が見れるならやらない理由が見当たらない。夏休み中の長期の外出を控えろと言われた手前、味わえる娯楽は味わっておかないといけない。
精
「他の野郎共には伝えてないよな?」
上鳴
「当たり前だろ! 水着姿の女子達とアヴァンギャルドなひと時を!」
精
「前衛的なひと時って何だよ。それを言うならアヴァンチュールなひと時だろ」
実
「おニューの水着って言ってたからな!」
精
「おいおい、学生が着て一番合うのはスク水だろうが」
俺の故郷の体イク祭は水着での参加が強制されていたが、あまりにもアヴァンギャルドな水着が多くてうんざりする。乳首と局部しか隠せてないマイクロ金ビキニを着た先輩を見た時は笑いが先に来た。アレで行う『自主規制』*1は1度目は色々な物が盛り上がるが、2度目以降はなんかげんなりする。
上鳴
「進んでんなー緑谷……」
実
「いや、緑谷の言うことも一理ある……その日になって分かるシュレディンガーの水着だな」
精
「ちょっと待ってな。準備すっから」
見事
実
「ヒューッ! 見ろよやつの筋肉を……まるでハガネみてえだ!!」
上鳴
「うおっ……同級生とは思えないぜ……ただ、何で金色の水着なんだ?」
精
「知らないのか? 金色はカッコいい男にしか似合わないんだ」
とは言ったものの鏡で見てみると緑谷の童顔に金髪と金水着は似合ってない。別に緑谷の顔が悪いということはないのだが、俺のファッションセンスと合ってない。
精
「っつーわけで……荷物持っていざ出陣! 後に続け実、上鳴!」
実・上鳴
「「大将に続け―!」」
大きめのクーラーボックスを持って扉を開く──
お茶子ちゃん
「あっ、デクくん! デク君もプール使いに来たの!?」
麗らかボディーにスク水。鬼に金棒と翼と鰭を付けたって敵いはしないだろう。
三奈ちゃん
「わー! 緑谷めっちゃバキバキじゃん! 触っていーい!?」
ピンクの肌に紺のスク水。コントラストが美しい。
梅雨ちゃん
「ケロッ……随分と鍛えているわね緑谷ちゃん」
正にスク水を得たカエル。ピッタリすぎる。
響香ちゃん
「アレじゃん……背中に鬼が宿ってる的なヤツじゃん……」
スレンダーボディー*2にスク水。古き良きジャパニーズスタイルだ。
透ちゃん
「むむむ……鍛えればあれぐらい……無理だよねえ……」
見えないからこそ想像を掻き立てられる。これもまた一興。
モモパイセン
「どれ程鍛えればあれほどの筋肉が付くのでしょうか……少し興味がありますわ」
おっぱいのデカさ×スク水のシンプルさ=性癖への破壊力。これが去年まで中学生だった? 絶対に嘘だ。
上鳴
「おニューの水着じゃないのはちっと悔しいが……」
精
「ここが
実
「お前が委員長で本当によかったと思うぜ……」
俺達三人の間にエデン同盟が結ばれた。女子達が実と上鳴を見て何かを察する。バレたところで何だって言うんだ。悪いことをしに来たわけじゃないのだから胸を張る。
精
「俺たちは体力強化できたんだけど……水中で動けばなんだって体力強化だからね。一緒にバレーやる?」
お茶子ちゃん
「うーん……まあ、デク君がいるし……」
梅雨ちゃん
「やらしいことされそうになったらいいストッパーになってくれるわ」
上鳴
「おいおい! 俺たちが何したって言うんだ!?」
響香ちゃん
「体育祭の時、ウチらを騙してチアコス着させただろ」
実
「あ、あれは悪かったって……」
透ちゃん
「まーまー、反省しているみたいだしいいんじゃない?」
モモパイセン
「反省している方は覗きとしようとはしないと思いますが……」
三奈ちゃん
「プールなんだし細かいことは水に流して一緒に楽しもうよ!」
やはり俺の好感度は結構なものだ。余裕の承諾だ。正規の生徒とは実績が違う。
精
「午睡を貪る放恣な者よ、撃鉄の音で目を開けよ! そして主の帰る刻を知るがいい! フォイア!!!」
俺のスパイクでビーチボールが木っ端みじんに砕ける。
精
「へっ、汚ねえ花火だ……」
実
「割ってどーすんだよ!? 俺達の負けじゃねえか!?」
上鳴
「俺の身体能力なら余裕で勝てるとか言ってけど、少しは手加減しろよ!」
精
「手加減って何だあ……?」
ビニール片が散らばる前に黒鞭で集める。出来る男は環境への配慮を忘れない。
精
「とはいえ持ち主に申し訳ないことをしちゃったな……弁償に加えて何かしないと気が済まない……」
モモパイセン
「私が"創造"した物ですからそこまでお気になさらなくても……」
精
「いや、俺の問題なので……と言う訳で一旦休憩も兼ねて詫びを入れさせてくれ」
一同をプールから上がらせてクーラーボックスからとあるものを取り出す。
精
「夏と言えば……水羊羹と水出し緑茶でしょ! せっかくだから奮発してちょっとお高い小豆と砂糖と茶葉を使ったから味は保証するぜ!」
一人前ずつタッパーで小分けにした水羊羹と、2Lのペットボトル2本の緑茶と人数分の紙コップを取り出す。
実
「緑谷お前……このためにわざと負けたな!?」
精
「元々休憩で振舞うつもりだったけど、割ったのはマジで力加減のミスだ」
上鳴
「コイツ……誘った段階でここまで考えていたのか……」
精
「それじゃ割り箸を配って……皆様お手を拝借、いただきます!」
一同
「いただきます!」
皆が一斉に水羊羹を口にする。
お茶子ちゃん
「なにこれめっちゃおいしい!?」
モモパイセン
「さらりとした舌触り……豆から餡子を作り、丁寧に濾さなければこうなりませんわ……」
三奈ちゃん
「ヤオモモがマジな顔で言ってる……ホントおいしいよ!」
透ちゃん
「甘いけど甘すぎない! お茶ともよく合う!」
響香ちゃん
「強くて料理もできるとかハイスペック過ぎない?」
梅雨ちゃん
「ケロケロ……家族にも食べさせたかったわ……」
精
「んじゃあ、はい。人数分持って行って」
梅雨ちゃんが何で準備してあるのかしらという顔でこちらを見ている。
精
「万が一男子達がいた時のことを考えて1-Aの人数分持ってきたんだ。タッパーは洗って返してくれてもいいけど、そのままもらってもいいよ。これだけ家にあっても使わないし」
梅雨ちゃん
「ケロケロ……流石緑谷ちゃんね。お言葉に甘えて頂くわ」
精
「これで残り7個……女子達がもう1個ずつ食べて1個残るから……その1個を賭けた体力作りの勝負としようじゃないか」
実
「マジかよ……全部緑谷の掌の上じゃねえか……」
上鳴
「コイツが筆記で1位だった理由がよく分かったぜ……」
流石に梅雨ちゃんファミリーへのお裾分けは考えていなかったが、元々は9人に2個ずつを2回と余った2個を賭けて勝負するプランだったので問題ない。
精
「俺の体がこんななのは……畢竟、かなりの訓練をしているからだ」
アホ電気
「全然卑怯じゃねえと思うが……」
モモパイセン
「
精
「アホ電気にも伝わる言葉を選ぶべきだった。すまない」
難しい言葉を使ってマウントを取るなど愚の骨頂だ。どんな人にも分かる言葉で伝えてこそ、真に頭がいいと言える。
精
「一番効率的な訓練は……バーピージャンプだな。一連の動作を見せる」
まず足を肩幅に開いてまっすぐ立つ。次にスクワットのようにしゃがみ両手を地面につける。そのまま手で体重を支え両足を後ろに伸ばし腕立て伏せをする。最後に足を引き寄せて立ち上がり、ジャンプして頭上で両手を叩く。
精
「俺はこれを毎日100回──」
上鳴
「100回!?」
精
「──を3セット」
実
「3セット!?」
精
「そして筋トレとランニングだな」
実・上鳴
「そして筋トレとランニング!?!?」
あまり言ってないが俺は5時起きだ。朝の内に日課のトレーニングを済ませてから登校する。
精
「そして飯をめっちゃ食う。タンパク質を取らないと筋肉にならないし、消費した分のエネルギーを取らないといけない」
お茶子ちゃん
「あれ? デク君、お米とか麺類とかめっちゃ食べるよね?」
モモパイセン
「人に見せるための身体づくりと戦うための身体づくりは違うと思いますわ」
精
「流石モモパイセンです。俺はボディービルダーじゃない。戦うためには筋肉だけじゃなく、筋肉を動かすエネルギーも必要ですから」
説明もほどほどに早速始める。
精
「先に20回出来た奴にラストワン賞だ! 気合い入れてやれよ! 弱小卵……有精卵ども!」
響香ちゃん
「今言い直さなかった?」
透ちゃん
「きっと先生のマネしようとして間違えちゃったんだよ」
弱小卵子なんて言ったらセクハラ物だろう。故郷の言い方もTPOを弁えないと問題発言だ。
精
「始め!!!」
俺の宣言で皆が一斉にバーピーを始める。
三奈ちゃん
「コレ……キッツ……!」
梅雨ちゃん
「どうしても跳び過ぎてしまうわ……!」
頑張っているところ申し訳ないが眼福ものだ。ひとそれぞれ好みはあるけどどれもみんなきれいだね。
実
「マジかよ……全部緑谷の掌の上じゃねえか……」
上鳴
「コイツが筆記で1位だった理由がよく分かったぜ……」
精
「何見てんだよお前らもやるんだよ」
実
「緑谷だけ見るのは不公平だろ!?」
精
「正しく判定できる俺が見ねえでどうすんだよ!」
上鳴
「審判は多い方がフェアだろ!?」
精
「一般生徒は黙っていろ!!!*3俺は委員長である!!!*4」
一番最初に終えたのはお茶子ちゃんだ。どうやら職場体験先の訓練が生きたらしい。と言う訳で女子達におかわりをあげて、お茶子ちゃんにラストワン賞をあげる。不届きな男子2名はお茶会が終わるまで、俺の監視下でバーピーさせ続けた。