抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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(タイトルに特別な意味は)ないです


3-05 真夏の夜の悪夢

 我はガスマスクの少年(マスタード)の首を絞めている。黒い鎧の手甲で絞められてはまともに息はできないだろう。

 

 マスタード

「な……んで……みかた……だろ……」

 九玉

「我が目的は緑谷出久……巻き込む事は我が許さぬ」

 

 マスタードがかくりと意識を失う。死んではいないが再起不能だろう。ついでにガスマスクも壊しておく。

 

 拳藤

「なに……敵同士での裏切り……!?」

 鉄哲

「だが……これはチャンスだぜ! B組もできるって所を見せてやる!」

 

 "スティール"によって金属になった鉄哲が我に飛び掛かる。

 

 九玉

「勘違いするな。加減はしてやろう、『破滅の波動』」

 

 鉄哲に向けてかざした掌から紅い衝撃波が放たれる。まともに受けた鉄哲が大きく吹き飛ぶ。

 

 鉄哲

「うおおお!?」

 拳藤

「鉄哲!? くっ……! やるしかないわね……!」

 九玉

「己の身を守ることを考えろ。『壊滅の一閃』

 

 紅い剣を横に薙ぐ。その軌道に沿って紅い爆発が起こる。拳藤が拳を大きくして身を守った。

 

 拳藤

「きゃあ!? な、なにこの威力……!?」

 九玉

「命が惜しければ退け。『世界移動(ワールド・シフト)』」

 

 我は一度我の元々いた世界に移動する。そして一呼吸して再び目的の緑谷出久がいる世界に戻る。

 

 脳無

「ネホヒャン!」

 九玉

「脳無同士で戦うのもまた一興……」

 

 脳無のチェーンソーを剣で受け止める。

 

 泡瀬

「うお!?」

 八百万

「だ、誰ですの!?」

 九玉

「我が名は九玉。平行世界のお前には恩があるからな、八百万」

 

 目にもとまらぬ速さで紅い剣を振るう。切れるとはいえ再生持ちで厄介だ。

 

 八百万

「平行世界……何の話ですの……!?」

 九玉

「こちらの話だ。知らなくて結構……『世界移動』」

 八百万

「待ってください!」

 

 脳無に触れると同時に八百万が我に触れてしまう。そのせいで我と八百万と脳無が我の世界の上空へ移動していまった。

 

 八百万

「な、何が起きて……!?」

 脳無

「ネホヒャン!」

 九玉

「ためらっている暇はないか……『破壊の理』!」

 

 剣から放たれる膨大な量のエネルギーが脳無ごと空を紅く焼く。脳無は細胞の一片も残さず消滅した。

 

 八百万

「な、なんて威力……」

 九玉

「はあ…………『世界移動』」

 

 八百万を元の場所に戻す。

 

 泡瀬

「うお!? また現れた!?」

 八百万

「な、何者ですの貴女……?」

 九玉

「我が名は九玉。かつて理を司っていた者だ。もっとも……今は我のせいでこの世界の理が乱れているがな」

 

 再び我の世界を経由して、今度はムッシュムーンの前に現れる。

 

 轟

「……!? 爆豪、新しい敵だ!」

 爆豪

「何人来ようがぶっこ──」

 九玉

「ムッシュムーン……貴様は死刑囚だったな? ならここで塵芥と化せ、『破壊の渡烏』」

 

 ムッシュムーンに向けて紅い羽根の形をしたエネルギー弾を撃ち込む。

 

 ムッシュムーン

「肉肉肉肉……!!!」

 

 ムッシュムーンの歯刃が我を貫き、切り刻む。

 

 轟

「なんだ……!? 敵同士で争ってる……!?」

 爆豪

「同士討ちしてくれるならありがてェ!!」

 九玉

「無駄なあがきを……理の内に散れ」

 

 ムッシュムーンにさらにエネルギー弾を撃ち込み、宣言通り塵芥にさせた。

 

 九玉

「さて……誘拐対象を見つけた以上無視はできないな……」

 爆豪

「はっ、そんなボロボロの身体で……っ!?」

 

 呼吸していくうちに切り刻まれた身体が治っていく。

 

 九玉

「では、始めるとし──」

 緑谷

「爆豪ー! 轟ー! 光よこしてくれー!」

 

 緑谷の声がする。その方を向くと、黒い化け物が我に向かって襲ってきた。

 

 九玉

「"黒影"……喰らっておいた方が良いか」

 

 黒影の攻撃をあえて喰らい、この場から離脱する。さて、荼毘の所に行くとしよう。

 

 

 マンダレイに色々伝えた俺は爆豪を探していた。途中、暴走した黒影とそれに呑まれている常闇を見つけた。

 

 精

「なんじゃあ──」

 障子

「音を立てるな。下手をすれば殺されるぞ」

 

 口を押えてくれた障子から話を聞く。敵の攻撃を受け複製腕から生やした腕を切られたのを見て暴走したという。なら話は簡単だ。抑える術は知っている。

 

 精

「障子、近くに爆豪か轟いねえか?」

 障子

「なるほど……あの二人の光なら抑えられるな……あっちの方だ」

 

 障子の誘導で爆豪と轟の下に到着する。

 

 精

「爆豪ー! 轟ー! 光よこしてくれー!」

 

 その言葉と同時に黒影が何かを吹っ飛ばしていたが大丈夫だろうか?

 

 爆豪

「チッ……手柄が奪われちまった……」

 轟

「そんなこと言ってる場合じゃねえだろ」

 

 爆豪の爆発と轟の炎によって黒影が収まる。常闇も収まったので情報を共有する。

 

 精

「だから爆豪を守りつつ施設に戻る。一直線で行けば最短だ」

 轟

「敵の数分かんねえぞ。突然出くわす可能性がある」

 精

「障子の索敵、轟の氷結、制御手段のある黒影、爆発的問題児、そして俺……この布陣なら大体どうにでもなるだろ」

 爆豪

「何だこいつら!!!! 俺を守るんじゃねえクソ共!!!」

 

 前から俺、障子、轟、爆豪、常闇の布陣で施設を目指す。その道中でお茶子ちゃんと梅雨ちゃんに出会う。お茶子ちゃんが誰かを捕らえ──めっちゃ可愛い子やんけ!!! 金髪ダブルお団子制服ギャル風JKとか俺の好みドストライクやんけ!!!

 精

「ねえそこのカワイイ君!!! 名前は!?!?!? 電話番号は!?!?!? 彼氏いる!?!?!? いなかったら俺と────」

 

 女の子は嬉しそうな顔をしてどこかに行ってしまった。

 

 轟

「何だ今の女……」

 梅雨ちゃん

「敵よクレイジーよ」

 精

「でもカワイイかった!!! クソッ!!! 爆豪の護衛がなけりゃ追いかけたのに!!!」

 梅雨ちゃん

「その爆豪ちゃんはどこにいるの?」

 精

「俺達の後ろに──」

 

 振り返ると爆豪がいなかった。ついでに常闇もいなかった。

 

 ???

「彼なら俺のマジックで貰っちゃったよ」

 

 声のする方を見上げる。仮面と洒落たシルクハットをかぶり、杖をついている敵が木の枝の上にいた。

 

 仮面の敵

「こいつぁヒーロー側(そちら)にいるべき人材じゃあねえ。もっと輝ける部隊へ俺たちが連れてくよ」

 

 右手に2つの小さな玉を持っている。おそらくアレに2人が入っているのだろう。

 

 精

「敵側の方が輝きそうなのは認めるが、2人はヒーローを目指しているんでな!」

 

 右手を広げ黒鞭を放つ。敵はバッと飛んで空中に逃げる。

 

 仮面の敵

「おお怖い怖い。あの九玉さんに一方的に襲い掛かる暴力性……常闇くんも良いと判断して貰っちゃったよ」

 

 轟が大規模な氷で攻撃するも、敵は軽やかに身を翻して回避する。

 

 仮面の敵

「開闢行動隊! 目標回収達成だ! 短い間だったがこれにて幕引き!! 予定通りこの通信後5分以内に"回収地点"へ向かえ!」

 

 敵が木々を足場にピョンピョン跳んでいく。あの方向に"回収地点"があるのか。なら行くしかない。

 

 精

「お茶子ちゃん! 俺たちを浮かしてくれ! そしたら梅雨ちゃんは俺たちを舌で思いっきり投げて!」

 障子

「人間弾か……軌道修正と牽引は俺がやろう」

 轟

「それしかねえか……頼む、麗日、蛙吹」

 

 俺と障子と轟で一塊になってお茶子ちゃんに浮かせてもらい、梅雨ちゃんの舌に巻かれる。気持ちいいなコレ。

 

 お茶子ちゃん

「気を付けてねみんな!」

 梅雨ちゃん

「必ず二人を救けてね」

 

 女の子2人の激励を受けてやる気が出ない男はいない。梅雨ちゃんに投げ飛ばされる。

 

 

 仮面の敵に追い付いて"回収地点"に到着する。火傷痕がすごい敵、グレーマスクの敵──さっきのカワイイ子おるやんけ!!!

 

 火傷の敵

「Mr.避けろ」

 仮面の敵

「! 了解(ラジャ)

 

 火傷の敵が蒼い炎を放つ。咄嗟に衝撃波を放って相殺する。

 

 精

「蒼い炎って……エンデヴァーの上位互換か……!」

 

 炎は温度が高くなると赤色から青色に変わる。だから──注射器っぽいものが飛んできたから咄嗟に避ける。

 

 カワイイ敵

「トガです出久くん!」

 精

「おやおや、積極的な女の子は大歓迎だぜ!」

 

 トガちゃんの振りかざしたナイフを腕ごと抑える。

 

 トガちゃん

「さっき思ったんですけど血が出てたほうがカッコイイよ出久くん!!」

 精

「ヘモフィリア*1かバンパイアイズム*2かい!? そういう癖の子はあったことがないから新鮮だ! めちゃいいといっても過言ではないね!」

 トガちゃん

「へ……?」

 

 トガちゃんが驚いたような顔をしている。説明してあげた方が良いか?

 

 精

「性癖は人の数だけあるもんだぜ? 俺だって足裏と陰毛がフェチだし──」

 障子

「言っている場合か! 二人とも逃げるぞ!!」

 

 障子の左手に2つの球が弾が握られている。仮面の敵から奪った──

 

 九玉

「それは返してもらおう」

 

 どこからともなく現れた九玉さんが障子から2つの弾を奪い、仮面の敵に投げ渡す。

 

 九玉

「情けないぞコンプイス。奪われるなど──」

 仮面の敵

「取り返してもらった所に悪いけど、アイツと名前混じってるし──ソコ・ピーチ*3を作ってもらうには多すぎるぜ?」

 

 敵が指を鳴らすと玉が弾けて氷が出てきた。だとしたら爆豪と常闇はどこに──黒いワープホールが現れる。

 

 黒霧

「合図から5分経ちました。行きますよ荼毘」

 

 敵達がワープホールに入っていく。

 

 仮面の敵

「マジックの種明かしといこうか。答えは……口の中(ここ)でした」

 

 仮面を外して舌を出して見せつけてきた。この距離じゃ間に合わないか? いや、そんなの関係ない。OFAS10%で飛び込む──と同時に光線が敵の仮面を打ち砕いた。アレは青山の光線か? とにかく千載一遇のチャンスだ。

 

 精

「マジシャンが種明かしをしたら飯を食っていけなくなるぜ?」

 

 2つの玉を握り障子に向かって投げる。そして"浮遊"を使って──

 

 九玉

「なら代わりにお前が来い、緑谷」

 

 九玉さんの声がしてワープホールに引きずり込まれる。咄嗟に叫ぶ。

 

 精

「絶対俺を助けに来るな──」

 

 果たしてこの声は届いたのだろうか。

 

 

 ワープ先はとあるバーだった。瞬く間に椅子に拘束され動けなくなった。

 

 ガラキング

「なんだ? 爆豪を連れてくるんじゃなかったのか?」

 九玉

「緑谷コイツが思った以上の実力者でな……咄嗟にコイツを連れてくることしかできなかった」

 グレーマスクの敵

「大口叩いていた割には大したことないな! めっちゃすごいじゃん!」

 仮面の敵

「まあまあ。雄英生を誘拐するっていう点では目標達成できたからいいじゃないの」

 漢女の敵

「でも、味方になってくれるかしら?」

 トカゲの敵

「ステイン様はコイツを助けたが……」

 火傷の敵

「話によるとかなりの女好きらしいじゃねえか?」

 トガちゃん

「……え、私が交渉役ですか?」

 精

「トガちゃんが性交渉してくれるの!?!?!?」

 

 敵一同がマジかよコイツって顔をしている。

 

 精

「……じょ、ジョークだよジョーク。出会って5分と経ってないのにエッチは流石に早すぎるって……」

 ガラキング

「今の反応……ウソに見えるか?」

 仮面の敵

「いや、おじさんにはマジの反応に見えたね」

 漢女の敵

「なんて単純なのかしら……でも、若い男の子って感じがしてイイわね」

 トカゲの敵

「ステイン様はこんな奴を助けたのか……」

 グレーマスク

「まさか気になる男の子ってコイツの事か!? ダメだろ! いいじゃん!」

 火傷の敵

「で、どうするんだイカレ女? 体で懐柔できそうだぞ?」

 トガちゃん

「……まずはフツーに交渉したいです」

 九玉

「なら我が立会人になろう。奥の部屋を借りるぞ」

 

 九玉さんとトガちゃんに引き摺られて奥の部屋に入る。

 

 九玉

「さて……いきなりだがトガちゃん、少し緑谷を平行世界に連れて行っていいか?」

 

 九玉さんがトガちゃんとか言うのか。なんか意外だな。

 

 トガちゃん

「ダメと言っても私じゃ九玉さんを止められないです。なるべく早く帰ってきてください」

 

 九玉さんが俺の体に触れて世界を移動する。見慣れた部屋に到着す──

 

 ???

「うわあ!?!?!? 僕が金髪になっている!?!?!?」

 ???

「その髪型と髪色……! 精なんだな!?」

 

 やけにオドオドしている俺土口精と、久しぶりに見たマイスイートハニ―がいる。そこで俺は確信する。

 

 精

「帰って来たか……"青藍島"……!」

*1
血液への性的嗜好

*2
吸血行為への性的嗜好

*3
カクテルの一種。酒言葉は自分を知りレベルアップできる情熱家。

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