抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
早速マイスイートハニーこと礼先輩に抱き着く。
精
「やっと帰ってこれたー! 長かった! 3か月ぐらい会ってなかったですもんね!」
礼
「お前が変わったのは昨日だぞ?」
話が噛み合わない。平行世界と言う奴が関係しているのだろうか。
九玉
「そうだな……我が色々と話をしよう」
九玉さんの"世界移動"のベースとなったのは"事象"という、自身が経験した事象を再現する"個性"だ。そこに"観測"や"入れ替え"などの"個性"を足していって"世界移動"になった。俺を元の世界青藍島に戻す際の俺の発言で動揺しこうなったという。青藍島で俺の体に入った緑谷君と礼先輩に丸一日かけて説明をしてから、緑谷出久の世界で俺を探していたということだ。
九玉
「つまり、我の"世界移動"の出力をうまく調節すれば2人を戻せるはずだ」
精
「はずって……戻らなかったら困るんですけど」
緑谷
「僕この島で生きていける気がしません! 何でそこら辺で、その、エ、エッチなことしているんですか!?」
礼
「何でと言われても……そういう島だからとしか言えないな……」
以前はそこらかしこから喘ぎ声が聞こえ、粘液の音が飛び交う性の坩堝だった。色々な事件を経てかなり落ち着いてなお、場所によってはその光景が見れる。
九玉
「とりあえず試すぞ。我と手を繋げ、精、緑谷」
精
「頼みますよ……これで別世界に行ったら──」
俺の視線が高くなる。そして九玉さんを介した向こうには金髪の緑谷出久がいる。
精
「えっ、こんな簡単に戻れていいの?」
礼
「まあよかったじゃないか。本物のヒーローを体験できたんだから。私もやれるならやってみたいものだ」
緑谷
「よく分からないけれどこれで元通りになったんですね!? 早く僕を元の世界に──」
九玉
「それは止めた方が良い……今、緑谷は敵に捕まっている」
九玉さんが緑谷の喜びを遮った。
緑谷
「何でそうなったんですか!?」
精
「色々あったんだよ……となると、今の緑谷君が戻ったところでどうにもならないな……」
礼
「となると……また2人が入れ替わる必要があるのか?」
九玉
「別にこのまま戻しても構わないが……どうする?」
緑谷が絶望的な顔をする。元に戻れると思ったら、人生に一度あるかないかの絶望的な状況に送り込まれる。簡単に戻りますとは言えないだろう。
九玉
「幸い、向こうの世界に行くとしても5秒と経っていない時間に行くことはできる。今ここでじっくり考えるといい。我がいいアドバイスをしよう」
精
「この事態を引き起こした元凶が何か言ってるぜ……俺は礼先輩とイチャイチャするから話がまとまったら教えてくれ」
礼
「私が関わったところでどうにもならなそうだからな……私は精の決断についていくだけだ」
緑谷
「どうしてこんな目に遭わなきゃいけないんだ……?」
我は緑谷と話をする。緑谷の身にこれまで何があったのかを話す。
緑谷
「オールマイトからもらった"個性"、OFA、敵連合……多すぎるよ……」
九玉
「もし不安なら我が元々いた世界で訓練してもいい。平行世界間の時間の流れは同一ではない。先も言ったが、こちらで何年過ごそうが向こうでは5秒と経っていない移動もできる」
緑谷
「それだと僕の体は何年分か成長しちゃいますよね……? だとしたらなんて説明すればいいんだ? 平行世界に行っていましたなんて言っても信じてもらえない。でも九玉さんの証言と"個性"があれば証明してもらえるか? でも──」
緑谷が一人でブツブツ言っている。
九玉
「ならば数日や数週間なら怪しまれないだろう。我の"個性"と実力ならお前を鍛錬し続けることもできる」
我は脳無なのでいくつかの"個性"を持っている。その中に"超再生"と"ショック吸収"と"エネルギー変換"がある。前者の2つは名前の通りだが、後者の方は単純故に使い道が多いため説明させてもらう。"自分の持っているあるいは受けたエネルギーを別のエネルギーに変換できる"と言うものだ。熱から運動へ、運動から光へ、光から電気など、多くの変換ができる。ただし、同じ
緑谷
「すごい"個性"ですね……」
九玉
「力がなければ守ることはできない……力があったところで守れるとは限らないがな」
これだけの力を持っていても、我は幾つもの世界が滅びるのを見てきた。だからこそ、我が理になって世界を守ろうと決めたのだ。そんな決心さえも『宇宙一のヒーロー』によって阻まれた。世界は理不尽だ。
九玉
「我の話はどうでもいい。緑谷、お前はどうしたい?」
緑谷は相変わらずブツブツ呟きながら考えている。そして意を決したように口を開く。
緑谷
「……九玉さん、僕を……鍛えてください」
九玉
「分かった……善は急げだ、早速我の世界で訓練するぞ」
礼先輩としこたまドスケベセックスをして欲を満たす。
精
「やっぱり礼先輩が一番だ……」
礼
「相変わらず激しいプレイが好きだなお前は……」
縄で縛られて身動きができない礼先輩は呆れながら笑っている。お互い慣れたものだ。
精
「郁子先輩や桐香様には言いました?」
礼
「事情を話したらすぐに理解してくれたよ。しばらくは有給扱いで休んでいいとのことだ」
そういえば有休を取れってお達しが来ていた。だったらちょうどいい。
精
「淳之介君達に言った所で驚いてはくれないだろうな……」
礼
「私達は一度平行世界に行っているからな。体験次第では驚いてくれるかもしれないが……」
一緒にシャワーに入って、もう一度ドスケベセックスをして体を流して服を着る。
精
「あれ、セレンとレイラは?」
礼
「NLNSの所で文佳ちゃんと遊んでるよ」
精
「今度NSNSの皆にお礼言わないとな……またバケツプリンを作って皆で食べるか」
九玉
「戻ったぞ」
九玉さんが俺の目の前に現れる。隣にいる緑谷君はかなりお疲れのようだ。
緑谷
「と、土口さん……手合わせ、お願いします……!」
精
「……良いぜ、ちょっと制服着てくるから待ってな」
俺は自室にかけてある俺専用の制服を着る。コスチュームとほとんど同じだが違う点がある。ライオット弾の二丁拳銃と金色のフルフェイスヘルメットだ。
精
「久しぶりに着たぜ……『金色の狂犬』、押して参るってね」
制服を着た俺を見て緑谷君がぎょっと驚く。
緑谷
「土口さん……なんというか……デザインセンスガ独特デスネ……」
礼
「センスさえよければ言うことなしなのになあ……」
九玉
「デザインに実力は関係ないだろう。時間が惜しい、行くぞ」
九玉さんの世界に移動する。どこかの荒野だろうか。ただ広く、何もなく、俺達以外誰もいない。
九玉
「ここには我ら3人以外はおらぬ……全力で戦うとよい」
緑谷
「土口さん、お願いします! 今の僕がどこまで通用するか知りたいんです!」
覚悟が決まっている眼をしている。これを受けて立たねば男が廃るというものだ。
精
「良いぜ、緑谷君……さァ、交わり乱れて狂いましょう?」
愛刀ティラミス・モダンを抜いて構える。
緑谷
「行きますよ……OFAS10%!」
精
「
ヘルメットのシールドの部分にモニターが展開される。本来なら様々な情報が出るのだが、今回はエコーによる敵の位置しか分からない。前から迫って来る緑谷の拳を刀で弾く。
緑谷
「ぐっ……!? 硬い……!?」
精
「友達に改良を施してもらってなあ! その辺の刀とはでき違う!」
武器の類は淳之介君に改良を施してもらい、俺の衰えの部分を補ってもらっている。
精
「行くぜ!
柄のスイッチを押す。内蔵された仕組みによってガスが噴出され高速で太刀を振るうことができる。
緑谷
「うっ……! ぐっ……!」
精
「ホラホラホラホラ! どうしたどうしたどうした!」
刀の連撃に緑谷君が防戦一方になる。
緑谷
「煙幕!」
咄嗟に煙で視界を奪ってきた。フルフェイスヘルメット越しだと匂いや音で判断できないが、今回はエコーがある。緑谷の位置が動いていない。
精
「──黒鞭か」
経験から予測して後ろに下がって──正面から衝撃波が飛んできた。
精
「ぐっ……!? いや、当たり前か……!」
マイトから聞いた話によると、緑谷は助けを求められたらどんな状況でも助けてしまう、淳之介君みたいな生粋のヒーローだ。真っ直ぐにぶつけてくるのが緑谷の戦闘スタイルだろう。俺の賢しい戦闘スタイルとは真逆だ。
精
「──なら」
フルフェイスヘルメットを脱ぎ捨てる。ここからは感覚に頼ろう。目を閉じ息を止め集中する──空気が揺れた。
精
「そこだ」
二丁拳銃のブラッドフルムーンとエンプレスウィークが静寂を劈く。12発全弾の着弾音が聞こえた。
緑谷
「け、煙で隠しているのに……!」
精
「バッキャロ──ッ! こっちは本来の『金色の狂犬』だ!」
衝撃波と共に煙が晴れる。これで俺に煙が通じないことが分かっただろう。銃をしまい刀に手をかける。
緑谷
「なら……ωセンス!」
精
「なら……羅漢銭!」
糸を結び付けた羅漢銭を投げる。容易く掴まれるがそれと同時に糸を引っ張る。緑谷君の手に糸による切傷ができる。
緑谷
「ぐっ……!?」
精
「ωセンスは神経の伝達と感受性を極限まで上げる技だ! 刺激を必要以上に受けるから被弾と乱用が厳禁だぜ!」
怯んだ隙に隠していた羅漢銭をさらに撃ち込む。
精
「裏六文銭! 往復分のプレゼントだ!」
耳元で羅漢銭がぶつかり合い、その音で緑谷君が怯む。
緑谷
「耳が──」
精
「これで一気に──」
刀を持って一気に近づいたところで左ストレートのカウンターを胸に喰らう。
緑谷
「──聞こえなくなったぐらいで何だっていうんだ……!」
精
「嘘だろ……高校1年生でその覚悟はイカレて──」
緑谷
「SMASH!!!!!!」
そのまま右拳が俺の顔にめり込む。吹っ飛ばされて受け身を取ったが、俺の中では勝負ありのようなものだ。
精
「……お前の方がよっぽどヒーローに向いてるよ、緑谷」
緑谷君が俺に駆け寄る。かなり心配そうな顔をしている。
緑谷
「大丈夫ですか!? 頭打ってないですか!?」
精
「受け身ぐらい取れるさ……俺にこれだけ立ち回れたら元の世界でもうまくやっていけるだろうよ」
あの世界に未練がない訳ではないが、元々は緑谷君の世界だ。俺がこれ以上でしゃばる必要は──
精
「でも、もう一度君の体を貸してくれないか?」
緑谷
「えっ……?」
ないが、だからと言って諦める道理もない。
精
「そもそも俺が教えた技術だろ? だったら俺が決めるべきじゃないか?」
緑谷
「ま、まあ、そう……ですね……?」
精
「ということで……九玉さん! 入れ替えてください!」
九玉
「決まったか……いいな緑谷?」
緑谷
「え、あ、ええ……?」
精
「君はヒーローになりたいが、俺はあの世界にまだいたい……世界を平和にしたらまた入れ替わる、良い妥協案じゃないか?」
緑谷
「わ、わかりました……それでいいです……」
入れ替えを済ませて一旦俺の家に戻って礼先輩に説明する。
礼
「そうか……私と緑谷が待つ時間は短いだろうが、お前は大変だろうな……」
精
「あっちの世界にも可愛い子は一杯いるので大丈夫です」
緑谷
「浮気するつもりですか!?」
礼
「そうか……帰ってきた時はいっぱい愛してくれればそれでいい」
緑
「良いんですか!?」
精
「そういう島だからな。それじゃ礼先輩、行ってきますのチューお願いします。ちゅー……」
あることを試すためωセンスを発動してキスをする。
礼
「ちゅー……(帰ってきた時は私が搾り取ってやるか)」
緑谷
「ああ……僕が知らない女性とキスをしている……」
九玉
「では行くぞ」
礼先輩とのキスで会長の特技であるアレができることが分かった。そのタイミングで使えるか分からないが、使えるのはありがたい。さて、俺の戦いはここからだ。
ということでもうちっとだけ続くんじゃ