抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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3-07 運命の分岐点

 九玉さんと一緒に緑谷の世界に戻る。トガちゃんが暇そうに伸びをしている。

 

 トガちゃん

「んぅ……あ、戻ってきました」

 九玉

「して緑谷よ、敵連合我々に加わるか?」

 精

「うーん……もうちょっと情報がほしいな。敵連合の動機とか、最終目的とか……」

 

 判断材料無しに決めれるもの事ではない。しかし、発言の真偽を確かめるすべもない。あることないこと言われて絆されるのは良くない。しかし、俺には真意を知る秘技がある。

 

 精

「トガちゃん、冗談に聞こえるかもしれないけど……俺はキスしたらその人のことが分かるんだ。だからキスしよ?」

 トガちゃん

「ただキスしたいだけでそんなバカなこと言います?」

 九玉

「これは真だトガちゃん。試しに……キス一回でトガちゃんの"個性"を当ててみろ」

 

 九玉さんに言われてトガちゃんが渋々俺のほっぺにちゅっとしてくれた。すごく嬉しかったがそうじゃない。

 

 精

「ごめん、説明が悪かった。口と口のキスね。もっと具体的に言うと粘膜接触ね」

 トガちゃん

「ウソだったらちうちうしていいです?」

 九玉

「死ぬまでやって構わない」

 

 トガちゃんが心底嫌そうに口と口のキスをしてくれた。咄嗟にωセンスを発動できてよかった。

 

 精

「なるほど……"血液を摂取した相手に変身できる"……だから血に興奮を覚えるのかな?」

 

 トガちゃんが口元を手で押さえて驚いた。大当たりだろう。

 

 精

「どう? これ以上キスしたくなかったら、敵連合に関して喋ってくれると嬉しいんだけど……」

 トガちゃん

「……分かりました。私が話せる範囲で話します」

 

 敵連合にいる人間はそれぞれに事情があって、この社会に苦しめられている。それをぶっ壊すために活動しているという。

 

 トガちゃん

「弔くん曰く、爆豪くんも似たような感じがしたから攫うつもりだったそうです」

 精

「アイツはNo.1ヒーローになることに固着してるから、死んだって敵にはならないだろうなあ……」

 九玉

「だが……我は緑谷お前にそれを見出した。この"個性"社会へのどことない反感をな」

 精

「同情はしても仲間になるつもりはないな……トガちゃんとドスケベセックスできるなら話は別だけど」

 トガちゃん

「女の子をそんな風に扱うなんてサイテーです」

 精

「トガちゃんはそれぐらい魅力的だよ」

 トガちゃん

「そうですか」

 

 部屋から連れ出されて敵連合一同の前に晒される。今何かしても事態は動かない。事態が変わるまで休むとしよう。

 

 

 俺は椅子に縛られたまま、敵連合と一緒に雄英高校の謝罪会見を見ている。

 

 精

「なーガラキング、茶菓子とかない?」

 ガラキング

「お前自分の立場分かってんのか?」

 九玉

「少し待っていろ。我の秘蔵のドーナツをやろう」

 グレーマスクの敵

「駄菓子の小さい奴じゃねえか! 高級品だな!」

 仮面の敵

「九玉さんは意外と親しみやすいところがあるねえ……」

 トカゲの敵

「ガ、ガラキング……?」

 漢女の敵

「若い子らしいセンスね……見習いたくはないケド」

 トガちゃん

「端的に言ってダサいです」

 

 うーむ手厳しい。これじゃあ逃げるだけの隙が無い──正面のドアがノックされる。

 

 ???

「どーもォピザーラ神野店です」

 精

「なんだ茶菓子どころかピザ用意して──」

 

 その瞬間ドアの横の壁がぶっ壊れマイトが出てきた。

 

 木っぽいヒーロー

「先制必縛、ウルシ鎖牢!!

 

 そして木っぽいヒーローが枝っぽい何かで敵達を捕らえる。火傷の敵が燃やそうとするが、グラントリノが蹴りで意識を飛ばした。

 

 マイト

「もう逃げられんぞ敵連合……何故って!? 我々が来た!

 精

「さっすがマイトォ! ところでピザは!?」

 マイト

「えっ、こ、この後お腹一杯になるまで好きなピザをご馳走するよ!」

 

 言質取ったからなマイト。お前が泣いて詫びるほどピザを食ってやる。

 

 ガラキング

「黒霧、持ってこれるだけ持ってこい!!!」

 黒霧

「すみません死柄木弔……所定の位置にあるハズの脳無が……ない……!!」

 

 俺の知った事ではないが、何かあったのだろう。

 

 マイト

「おいたが過ぎたな……ここで終わりだ死柄木弔!!」

 ガラキング

「ふざけるな……ここからなんだよ…………黒ぎっ……」

 

 ガラキングが何か言い切る前に黒霧が意識を失う。忍者っぽいヒーローが何かやったようだ。ワザマエ!

 

 ガラキング

「九玉! お前の"個性"で俺達を逃がせ!」

 九玉

「それは出来ぬ。我が移動できるのは我自身と我の5本の指で触れているものだけだ。手を縛られた今どうすることもできない」

 ガラキング

「お前が一度移動して俺達助けることができるだろ!?」

 九玉

「一度移動したら一回呼吸をしないと移動できない。どれだけ早く見積もっても全員移動させるのには5秒はかかる。5秒の隙があるとは思えないが?」

 

 強力な"個性"だけどそれなりの制約があるようだ。グラントリノが敵達の本名を挙げていく。トガちゃんは苗字から取ったのね。可愛いね。ヒミコってどう描くんだろう? 歴史上の卑弥呼様かな? それとも秘蜜子かな? だったらとんでもないエロエロネームだな。

 

 ガラキング

「おまえが!! 嫌いだ!!」

 

 ガラキングの叫びと共に何もない所から黒い液体から脳無が出てくる。想定していない事態のようでヒーロー達も困惑──俺の口からゴポッと何かが出てくる。めっちゃ臭え。アイツに振舞った豚骨ラーメンよりも臭え。

 

 マイト

「緑谷少年!! No! Nooo!!」

 

 マイトの悲痛な叫びを聞きながらどこかに到着する。

 

 ???

「悪いね、緑谷くん」

 

 黒い髑髏のようなかっこいいマスクを付けた人が目の前にいる。ガラキングに色々と諭しているようだが、敵連合の指導者なのだろうか? いや、もしかしたらコイツが──

 

 ???

「……やはり……来ているな……」

 

 空から何かが降って来た。

 

 マイト

「全てを返してもらうぞオール・フォー・ワン!!」

 AFO(オール・フォー・ワン)

「また僕を殺すかオールマイト」

 

 なるほどコイツがAFOか。だったらやることはただ一つ。俺が奴を──

 

 九玉

「悪いが緑谷……AFOは我に任せてほしい」

 

 九玉さんが俺に突拍子もないことを話してきた。

 

 精

「なんか恨みでもあるんですか?」

 九玉

「我がこうなった元凶は奴だ。世界違えど、不倶戴天の仇であるに変わりはない」

 

 俺はマイトにAFOを倒してほしいと言われたが、何が何でも倒してやるというほど熱意はない。殺すつもりでいた時期もあったが、誰かがやりたいというならどうぞどうぞと譲るつもりだ。

 

 精

「できれば再起不能にしてやってください。マイトがそうしてほしいと言っていたので」

 九玉

「案ずるな……奴には死んでもらう」

 

 そして九玉さんはAFOに向かっていった。そうしたら俺は一刻も早くこの場から逃げるべきだ。

 

 精

「まあ、簡単に逃げられるとは思ってないけどな……!」

 

 OFAが何かをして黒霧のワープゲートを発動させた。敵連合は俺を強引にでも連れ去るつもりだ。

 

 精

「さてさてさーて……6対1は流石に厳しいな……!」

 

 

 我はAFOに向かって紅い衝撃波を放つ。弱めに放ったとはいえ余裕で立っている。

 

 AFO

「おやおや……君は確か……九玉で合っていたかな?」

 オールマイト

「君は敵連合の一員ではないのか……!?」

 九玉

「我の目的の一つはAFOの抹殺だ。そのために敵連合に入った」

 

 我が産まれ、我が全てを捨て、我が理を求めた元凶だ。抱く憎しみは殺意で収まるものではない。

 

 九玉

「我が名は『九玉』、理を捨てた者……巨悪の原点よ、理不尽に殺してやろう」

 AFO

「殺すとは大きく出たね……でも僕はオールマイトを──」

 九玉

「『壊滅の一閃』」

 

 爆発と衝撃波がぶつかる。まともな人間だったら吹き飛ばされるだろうがここにいる3人は規格外だ。

 

 AFO

「……なるほど。正直に言おう、僕は君を見くびっていた。知らない世界の脳無なんてただの駒ぐらいにしか思っていなかった」

 九玉

「貴様が我をどう思おうと貴様の自由だ。その思いごと貴様は死ぬのだからな。『破滅の連閃』」

 オールマイト

「待つんだ! 九玉! それだと人を巻き込んでしまう!」

 

 オールマイトが我に向かって叫ぶ。確かに瓦礫の下に人がいる。だが──

 

 九玉

「我はヒーローではない」

 

 構わず剣を振るう。爆発にAFOと瓦礫が巻き込まれる。瓦礫の前にはオールマイトが立っていた。

 

 九玉

「……ほう、守ったかオールマイト」

 オールマイト

「き、君は……人の命を何だと思って、ぐはぁ!」

 AFO

「授業の場合じゃないんじゃないかな、オールマイト? まずは僕を倒すべきじゃないかな?」

 

 その隙にAFOがオールマイトの腹部に一撃入れる。

 

 九玉

「貴様を倒すのは我だ」

 

 三者三様の思いが絡み合う混戦が始まった。

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