抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
あっと言う間に試験当日になった。会場の国立タコパ競技場にやって来た。
精
「タコパ会場に来たみたいだぜ。テンション上がるなぁ~」
梅雨ちゃん
「確かにタコ焼きパーティーは気分が上がるけれど、ここは
精
「試験終わったらタコパするか。お茶子ちゃんが本場の人だからね」
お茶子ちゃん
「ウチにまかしとき! って私は三重出身だよ!」
いいノリツッコミだ。緊張もいい感じにほぐれてきた。
澤先
「この試験に合格し仮免許を取得できれば、おまえら志望者タマゴは晴れてヒヨッ子……セミプロへと孵化できる。頑張ってこい」
切島
「いつもの一発決めて行こーぜ!」
精
「音頭は俺が取ろう! 行くぞ! "Plus……」
精
「
???
「Ultra"!!」
精
「だぁれだお前ぇ!?」
1-A
「「「いや、Ultraじゃないのかよ!!!」」」
混沌とした状況になったが、熱苦しい帽子坊主こと夜嵐イサナが説明してくれた。
イナサ
「自分はイナサっス!!! 鯨じゃないっス!!!」
西の士傑高校から来たらしい。東だの西だの分けるのはいいが、それが虎の尾になることもあるからどうかと思めっちゃ可愛い子おるやん!!! 帽子とギャル風の顔がお似合いやん!!!
精
「ねえそこのカワイイ君!!! 名前は!?!?!? 電話番号は!?!?!? 彼氏いる!?!?!? いなかったら俺と────」
1-Aガールズ
「「「
はい。すみませんでした。あっ、ダメだって俺のおニューのマフラー引っ張っちゃ。首が絞ま──
ガールズにきっちり締められて会場に入って説明を受ける。先着100名を通過とする、ターゲットへのボール当てだ。各々3つのターゲットを常に見える場所に取り付け、ボールを当て3つ目のターゲットを光らせ、2人倒せば勝ち抜きだ。
精
「……えっ、楽勝じゃね?」
実
「何言ってんだよ!? 1500人いるんだぞ!?」
精
「皆で合格するためには40人行動不能にすればいいんだろ?」
尾白
「なんか……とんでもない手を考えてない?」
会場が展開され決戦のバトルフィールドになる。1分後に開始するらしいから、集中して神経を研ぎ澄ませる。何人かは別の所に行くらしい。俺からのおこぼれがもらえないのは損じゃないか? マフラーを靡かせて準備をする。
アナウンサー
『START!!!』
その声と同時に必殺技を放つ。
精
「
視界に映ったすべての玉を黒鞭で奪い、背後から来ていた玉すら受け止めた。1-A含めたこの場の全員が何が起きたのか分かっていないようだ。
精
「一か八か1.9秒の領域展開……」
百ちゃん
「それはちょっと危ないのでは……」
他校生徒A
「やべえ! 玉取り返さないと!」
他校生徒B
「"個性"は分かってる! だから早く!」
俺達雄英生はその知名度から"
精
「──切って結ぶは以下省略」
両手を思い切り引っ張る。すると他校生徒たちの動きがとたんに止まる。
他校生徒A
「ぐえっ!? なんだこれ!?」
他校生徒B
「か、体が動かねえ!?」
精
「名付けて……"
極点領域の攻防と同時にマフラーを糸にして結界を張り巡らせる完全初見殺しの拘束技だ。木っぽいヒーローの不意打ち拘束を目の当たりにして思いついた。
精
「……1人取り逃したけど40人は拘束できた。横取りされる前にやっちゃいな」
三奈ちゃん
「アタシも新必殺考えていたのになあ……」
お茶子ちゃん
「でも、ありがとうデクくん。おかげで楽々突破できるよ」
お茶子ちゃんの感謝は嬉しいがちょっとそれどころではない。
精
「……皆は先に突破してて。俺は気になることがあるからちょっと遅れる」
響香ちゃん
「ええ!? こんなチャンスなのに何が気になるのさ!?」
精
「初見殺しを突破できるのはプロか事前に俺の動きを見ている奴だけだ。だから……俺の黒鞭の扱いを知っている奴がこの会場にいる」
常闇
「それがどうしたというのだ?」
精
「……うまく説明できないけど、スッキリさせたいからちょっと失礼……!」
俺はあえて人目のつかない所に足を運んだ。時間はまだまだたっぷりある。調べ物をしてからでも遅くは──左胸のマーカーが点灯していた。右胸と股間のマーカーは無事だ。
精
「……その動き……学生じゃないよ。身もふたもないこと言ったら……裏の世界に生きる人間だよ」
???
「やっぱり分かっちゃうか。流石だねえ」
士傑のギャルっぽい人が現れた。
精
「もっというと、間近で見たことがある……敵連合に攫われた時だ」
???
「じゃあ……私は敵連合の誰かってこと?」
精
「姿や声が変わっても、動きが変わらなきゃ"
トガちゃん
「やっぱり出久くんは鋭いですね」
ギャルがドロッと溶けてトガちゃんが裸じゃん!!! エッロ!!!!!!
トガちゃん
「九玉さんからの伝言です。『元の世界に帰りたくば我を止めて見せよ』とのことです」
精
「そのためだけに来たの? 九玉さんも人使い荒いなあ……」
トガちゃん
「伝えたら出久くんから好きなだけちうちうしていいって言っていました」
精
「マジか……まあいいけど」
トガちゃんに手首を差し出す。そしたらトガちゃんは近づいてきて首元に噛みついた。
精
「頸動脈はダメだよ? 止血が大変だからね」
トガちゃん
「……止めないんですか?」
精
「トガちゃんの趣味嗜好なんでしょ? だったら止めないさ」
トガちゃん
「……もっと早く出久くんに会いたかったです」
きっとトガちゃんは"個性"の影響でこういう趣味嗜好を持ったのだろう。それを受け入れてもらえなくて敵になった、あり得る話だ。俺の平行世界の故郷の事件はまさにこんな感じだった。
精
「……もっと早く言われてたら、トガちゃんと一緒にいる道を選んだかもしれないなあ……」
トガちゃん
「その気持ちだけでも嬉しいです。では」」
瞬きする間にトガちゃんはいなくなってしまった。九玉さんは人材選びのセンスがあるみたいだ、なんて思っている場合じゃない。俺も突破しないと。
精
「つーわけで1-Aは全員突破か。まあ当然っちゃ当然だな」
梅雨ちゃん
「出久ちゃんだけちょっと遅れてきたけれど何かあったのかしら?」
精
「んー……なんかあったけど秘密」
透ちゃん
「あー! もしかして始まる前に合った女の人と何かしてたでしょ!?」
精
「うーん……遠からず近からずかな……」
士傑のギャルに変身したトガちゃんがニコと笑って俺に向けて手をヒラヒラ振っている。俺も手を振り返す。
三奈ちゃん
「この感じですと……もう一度リクエストスイーツの刑でしょうか? いかがですかお茶子ちゃん?」
お茶子ちゃん
「うーん……でも、なんかただ事じゃない雰囲気だったんよね……今回は不問でいいと思う」
ありがとうお茶子ちゃん。言及される前に二本目のマフラーを首に巻く。
そんなこんなで第二次試験が始まる。敵による大規模破壊テロからの人命救助という名目で、傷病者役の人をフィールドから助けるというものだ。またも会場が展開され試験が開始する。
子供役の人
「ひっ、ひっ、ひっ、たすげでええ!! あっち……! おじいちゃんが!! ひっ、潰されてえ!!」
呼吸がおかしく頭部からの出血もあるし、軽いパニック状態になっている。そういう時はまず落ち着かせることが重要だ。
精
「任せろ! 俺が来たからには絶対助けてやる! だから君はヒーローの指示に従って安全な場所に行くんだ! 一人で歩けるかい?」
子供役の人
「あ、足痛くて歩けない……」
精
「歩けないんだな! 砂藤! この子を頼む! 俺は捜索に行ってくる!」
砂藤
「おう! 任せろ!」
俺のゴーグルとインカムによるソナーサーチとωセンスによる感知で要救助者をどんどん見つけていく。
精
「黒鞭と糸で瓦礫を支えますからその間に救助をお願いします!」
他校生徒C
「ありがとう! さあ、もう大丈夫だからね!」
精
「高い所は俺が"浮遊"で行きます!」
他校生徒D
「すまない! このビルの上に一人いるから頼む!」
精
「俺が来たからにはもう安心だ! まずは落ち着いて! どこか痛いところはあるかい?」
老人役の人
「ここはどこで、ワシは誰じゃ?」
なるほどこういうパターンか。こういう時は知ってる情報を短く、しっかり、目を合わせて伝えるのがいい。
精
「ここは○○市のビルの上です。あなたの名前は知りません。私はあなたを助けに来たヒーローです」
老人役の人
「おお、あんたヒロさんって言うのか。ところでヒロさん、飯はまだかのう?」
精
「それじゃ食べに行きましょう。案内しますから俺に捕まってください」
受け答えはアレだが目立つような出血や痛みの申告もない。まともに会話していると時間を取られてしまうから、否定せず笑顔で接して救護所に運ぶ。このまま救助者を助けていけば何とかなり──
アナウンサー
『敵が姿を現し追撃を開始! 現場のヒーロー候補生は敵を制圧しつつ救助を続行してください』
敵が現れた場所は救護所近くだ。あれなら奇襲できる。浮遊で飛んで行く。衝撃の反動で飛ぶのは建物の倒壊を起こしかねないのでキャンセルだ。上空から見るにシャチっぽい敵がリーダーでその取り巻きが多数と言った所だ。だったらまずは数を減らすべきだ。
精
「ちょっと荒っぽくいくぜ……
上空から取り巻きの首に黒鞭を巻きつけ引っ張り上げ、10名吊り上げたところで一気に頸動脈を絞める。数秒絞めて動かなくなったのを確認して地面に置く。
精
「敵として出てきた以上、慈悲をかけてもらえると思うな──」
地上では轟とイサナが口論している。しかも炎と風でうまく噛み合っていない。
精
「こんな時に何やってんだ……今は救助活動中だぞ2人共!!!」
俺が2人の間に入って一喝を入れる。
精
「因縁があるなら後にしろ!!! ヒーロー同士で争ってる場合じゃねえぞ!!!」
シャチっぽい敵
「君も敵を前に説教をしている場合ではないぞ?」
身体に凄い超音波が走る。脳を直接揺さぶられたようで、体が動かなくなる。
シャチっぽい敵
「さて……俺の部下に随分なことをしてくれたな?」
精
「不意打ちを防げないようじゃそれまでですよ……こんな風にね」
極点領域を展開する。そもそも動けないなら関係ない。しかも目の前の敵だけに集中すればいいのだから、コントロールも容易い。
精
「アツゥイ!!!」
あまりの熱さにωセンスを解いてしまった。しかし、黒鞭での攻撃は止めない。このまま攻めていけば──ビーッ!!! っと明らかな音が会場に響く。
アナウンサー
『えーただいまを持ちまして仮免試験全工程終了となります』
精
「ωセンス切ってなかったら耳が死ぬところだった……」
ということで結果発表だ。当然俺の名前はあったが、轟と爆豪の名前がなかった。態度が悪すぎる爆豪は当然、イサナと言い争っていた轟もこうなってもおかしくないだろう。採点結果が配られる。俺は80点だった。
精
「まあ敵から目を離して説教始めたら減点だよな……」
砂藤
「あの
精
「無力化の最適解を選んだんだ。加点されることはあっても減点されることはないだろ」
アナウンサー曰く、落ちた奴らも特別受講と個別テスト次第で仮免が発行されるらしい。さて、マイトに仮免の写真送っておくか。手で目隠しして、仮免咥えて、ピースして……
精
「手が足りねえ……」
実
「学生モノのAVみてえなことしてんじゃねえよ!」
精
「実、手伝ってくれねえ?」
実
「俺がやるのか!? やってやるよ!」
実の協力のおかげでいい写真が撮れた。後々マイトから返信が来たが、『仮免許はそういう風に使うものじゃない』と淡々と返された。つまらねーなマイト。寮に帰ってタコパで盛り上がって、さあ寝るかと言った時だった。
爆豪
「おい、後で表出ろ。てめェの"個性"の話だ」
爆豪に夜のお誘いをされてしまった。マジトーンだったから断ったら殺されるだろう。しっかり体洗っておかないと。