抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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3-14 俺の故郷ではBIG3が正式表記だった

 夜中に爆豪に誘われて歩いている。

 

 精

「随分情熱的なアプローチだな。しかもお外でシたいって……意外といい趣味をお持ちで」

 爆豪

「……」

 

 茶化していい雰囲気じゃなさそうだ。グラウンド・βに到着した。

 

 爆豪

「初めての戦闘訓練でてめェと戦って負けた場所だ」

 精

「いいから本題に入れ。先生に見つかる前に始めようぜ」

 

 爆豪が俺の方を向いて睨みつけてきた。

 

 爆豪

「オールマイトからもらったんだろその"個性(ちから)"」

 

 緑谷から俺に変わった時といい、相変わらず察しのいいやつだ。ごまかす必要はない。

 

 精

「そうだが……だったらなんだって言うんだ?」

 爆豪

「俺はオールマイトに憧れた。ずっと石コロだと思ってた奴や急に出てきた訳の分からねえ奴がさァ、知らん間に憧れた人間に認められて……」

 

 爆豪が意を決したように左手を伸ばす。

 

 爆豪

「戦えやここで今」

 精

「ヤダ」

 

 マジで意味が分からなかった。コイツやっぱり頭悪いんじゃないのか?

 

 爆豪

「てめェの何がオールマイトにそこまでさせたのか確かめさせろ」

 精

「そんなの緑谷に聞けよ。俺は偶々あの場に出くわしたんだ。面白そうだったから乗っただけで──」

 爆豪

「それが気に食わねェんだよ!!!」

 

 爆豪が俺に向けて爆発を放つ。俺はそれを両手で防御する。

 

 爆豪

「オールマイトから"個性"を貰ったってのがどんな意味なのか分かってねェだろ!?」

 精

「分かるわけねえだろ。『"個性"を貰った』以上の意味があるなら、戦いじゃなくて会話で教えてくれよ」

 爆豪

「てめェは!!! オールマイトを終わらせちまったんだよ!!!」

 

 俺がオールマイトを終わらせた? ますます意味が分からない。

 

 爆豪

「てめェはオールマイトから"個性"を貰っておきながら敵に攫われて! てめェがもっと強くなってりゃあんな事になってなかった!」

 精

「それを言い出したら手前が敵に狙われなきゃよかっただけの話だろうが」

 爆豪

「てめェはオールマイトに選ばれた! だからあんな失態は許されねェんだよ!」

 精

「他人の話を聞けって」

 

 爆轟の攻撃が苛烈になる。流石にOFAS10%を使わざるを得ない。しかし、戦うつもりはないので回避と逃亡に専念する。

 

 爆豪

「逃げんな!」

 精

「まずは話ができる状態にする必要があるだろ」

 

 建物の壁を壊して逃げ込む。これだけの騒ぎを起こせば先生方も気付くだろう。1分とかからず来るはずだ。

 

 精

「つまり10秒以内にケリを付けるべきか」

 爆豪

「やっとやる気になったかクソデク!」

 

 冷静さを失って追いかけてくるバカは対処しやすい。おかげで視認できた。

 

 精

「極点領域」

 

 1秒とかからず爆豪を黒鞭巻きにする。本日3度目の極点領域だから神経へのダメージが半端じゃない。それでもこのバカを説き伏せないといけない。

 

 精

「結論から言う。全部オールマイトのせいだろ」

 爆豪

「この機に及んで俺は悪くないだと!? ふざけたこと──」

 精

「オールマイトがオールマイト自身のために『やりたいようにやった』結果だろ? それにケチ付けるってことは、オールマイトにケチ付けるってことだぞ?」

 爆豪

「んなのてめェが本性を隠してただけで──」

 精

「結局の所、手前はオールマイトを終わらせた俺が悪いってことにしたいんだろ? ()()()()()()

 爆豪

「ああ!?」

 

 爆豪が殺すような勢いで俺を睨みつける。

 

 精

「というか手前が俺をどう思おうがどうだっていい。俺は俺の『やりたいようにやる』から手前は手前の『やりたいようにやれ』。だからお互いそれに文句は言うな……これだけで十分だろ?」

 爆豪

「……っ……! ンだよそれ……!」

 精

「俺の原点(オリジン)であり、最も尊重することだ。俺がマイトから"個性"を貰って夢を叶えるのも自由だし、手前の価値観に基づいて俺を悪だと判断するのも自由だ。ただ、自由同士がぶつかった際は争うし、その争いの敗北者は勝者に何も言わない……俺はそうやって生きてきた」

 

 世の中を上手く生きていくには相手を尊重すると同時に、自分との折り合いをつける必要がある。俺が見つけた答えはこれだ。

 

 マイト

「そこまでにしよう二人共」

 

 鶏ガラのマイトがやって来た。

 

 マイト

「気付いてやれなくてごめん」

 爆豪

「…………今……更……」

 

 マイトが爆豪に色々と説明する。緑谷が非力でありながら誰よりもヒーローだったこと、元々活動限界があったこと、爆豪を強いと思って見ていなかったこと、お互いを認め合うことができれば最高のヒーローになれること、そしてOFAのこと。

 

 精

「……やっぱり教師向いてないですよ。問題児のカウンセリングをいまさらやるなんて」

 マイト

「相変わらず手厳しいな……でも、今回の件で痛感したよ……」

 精

「んじゃ、俺と爆豪は澤先から説教くらってきます。あの人が気付かない訳ないので。ただ……爆豪、お前のせいでこうなったんだ。それはしっかり説明しろよ?」

 爆豪

「ッチ、わーったよ……」

 

 喧嘩も終わって澤先の下に自首しに行く。秒で捕縛布で拘束されたが俺は飄々と答える。

 

 精

「爆豪が先に手を出してきました。逃がしてくれる雰囲気じゃなかったので、最低限の応戦で拘束しました」

 澤先

「そういうところは特待生らしさを見せつけてくるな……しかし、ルール違反には変わりない。緑谷は反省文の提出、爆豪はそれに加えて四日間の寮内謹慎+朝と晩の寮内共有スペース清掃! 以上! 寝ろ!」

 

 

 昨日の喧嘩に関して早速話題になっていた。

 

 精

「まっ、俺の圧勝だったけどね」

 爆豪

「チッ……」

 お茶子ちゃん

「仲直りしたの?」

 精

「してないかな。でも、ある程度は認めた感じ」

 

 爆豪との関係はある程度どうにかした方が良いだろう。仲良くなるつもりはないが、険悪な関係だといつ何があるか分からない。ともかく始業式のためにグラウンドに向かう。

 

 物間

聞いたよA組ィィ! 二名!! そちら仮免落ちが二名も──うっ」

 

 無言で屑畜生男に腹パンを決める。

 

 精

「委員長権限だ……1-Aをバカにする発言は止めてもらおう」

 一佳ちゃん

「ありがとう緑谷……これで少しはマシになるといいけど……」

 精

「大丈夫ですよ。今度ふざけたこと抜かしたら、泣いたり笑ったりできなくさせてやりますから」

 ポニーちゃん

「オゥ、ボコボコォにウチノメシテヤァンヨデスネ!」

 飯田

「緑谷くんの言い方だとボコボコという可愛い表現では済まないと思うが……」

 

 何をするかはナイショだ。少なくとも俺の顔を見ただけで失禁するぐらいの恐怖を植え付けるつもりだ。

 

 心操

「かっこ悪ィとこみせてくれるなよ」

 精

「……! ……!」

 心操

「喋って良いぞ。さすがにここで俺が"個性"使う必要ないだろ」

 精

「結構鍛えたな。近接戦も視野に入れてるのか?」

 心操

「……特待生になりたいんでな」

 

 これは楽しみだ。俺の必殺技を打ち破れるほど強くなる必要があるが、果たしてこの少年にできるのでしょうか? それでは、始業式に行きましょう。グラウンドで校長の話が始まる。

 

 根津校長

「やあ! みんな大好き小型哺乳類の校長さ!」

 

 どうでもいい話だなコレ。脳内ASMRでも聞いてるか。今日は誰にしよう。響香ちゃんのハスキーボイスにしよう。

 

 響香ちゃん(脳内)

『その……出久……ウチ、胸小さいじゃん? だから……大きくするの手伝ってほしくて……あっ、バカ! 何も言ってないのに揉むな! えっ、好きな人に揉まれると大きくなる? 何で分かったの!? あっ……いや、ちが、くはないけど──い、出久……ウチ、もう収まんない……』

 

 響香ちゃん(現実)

「出久? 教室戻るよ?」

 精

「えっ、教室で!? 急だね!?」

 響香ちゃん(現実)

「何言ってんの……授業を教室以外のどこでやるのさ?」

 

 めっちゃエロシーンに入るところだった。あぶねえあぶねえ。教室に戻って梅雨ちゃんが"ヒーローインターン"に関しての質問をする。さっきの始業式で話に出ていたそうだが何も聞いてなかった。澤先曰く"校外でのヒーロー活動"で、職場体験の本格版とのことだ。

 

 精

「じゃあ、職場体験の時に指名貰った所に行く感じですか?」

 澤先

「そうなるな。ただ、敵の活性化もあって1年生の参加は慎重に考えているのが現状だ」

 

 実際にやると決まるまでは頭の片隅に置いておくか。澤先の説明が終わり一限の騒音公害の英語が始まる。コスチューム着て受けたい。本当にうるさいんだコイツの授業は。

 

 

 夕方になって寮に戻る。爆豪がきっちりと掃除をしていて草はえる。

 

 精

「流石センスマン爆豪……掃除の腕も中々で」

 爆豪

「口出すだけならほっとけや……」

 精

「ゴミ出しぐらいは手伝ってやるよ。俺も1割ぐらい悪いしな」

 爆豪

「……勝手にやりやがれ」

 

 意気揚々と出たはいいものの、分別とかどうすればいいのだろうか? 壁から顔が出ているから聞いてみよう。

 

 精

「コレ可燃ごみで出していいですか?」

 壁の顔

「うん。食品トレイとかも可燃で出しちゃって大丈夫だからね」

 精

「どうも」

 

 壁の顔がニコッと笑ってスゥと壁に消える。結構つぶらな瞳でかわいい顔だったな。男なのが残念だ。壁の顔が消えて地面からズッと現れた。

 

 地面の顔

「噂の特待生って君だよね!?」

 精

「まあ、そうですね」

 

 多分驚かすのが好きな人なんだろう。でも、この世界に来て色々なことを経験しすぎて、壁や地面から顔が出てくるぐらいでは驚かなくなってしまった。何だったら故郷にはそういうプレイスポットがある。地面の顔がアハハハと笑いだす。

 

 地面の顔

「冷静だね!! ビックリしてほしかったんだけどな!! まァとりあえず言えることはなんか噂になってたから気になって見に」

 

 顔がスッと地面に消える。何かのゲームで見たことがあるが、スケボーに乗ってるとああいう風になるらしい。きっとあの人はスケーターなのだろう。なんてことがあって三日過ぎ、澤先から本格的なインターンの話が入る。

 

 澤先

「現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名──通称ビッグ3のみ」

 精

「あっ、ねじれちゃん!!!*1

 澤先

「だから人の話は最後まで聞け特待問題生」

 

 何故か反射的に反応してしまった。美人で青いロングヘアーが可愛いがよくよく考えたら誰だこの人ってなった。

 

 精

「どこかで見たことあるんだけど……何で見たんだっけ……ピータンみたいな名前だった気がするんだけど……」

 ねじれちゃん

「君が緑谷くんだね! 女の子が好きって聞いたけどどうして女の子が好きなの?」

 精

「俺が異性愛者だからです。ちなみに彼女は募集していません」

 ねじれちゃん

「不思議ー!? もう彼女いるの!? 何人!?」

 精

「それは……」

 ねじれちゃん

「あ、あとあなた轟くんだよね!? なんでそんなところを火傷したの!?」

 

 好奇心旺盛すぎる。もう別の人に質問してるじゃん。もう一人の鋭い目つきの人こと天喰先輩は壁に頭つけてるし。やはりビッグ3という存在は個性的な人ばかり集まるものなのか。収拾がつかなくなってきたところでミリオ先輩が出てきた。

 

 ミリオ先輩

「前途──!!?」

 精

「多産ー!!!」

 ミリオ先輩

「俺はビッグ3だけどビッグダディじゃないよ! でもいい返しだね! 今度使わせてもらうよ!」

 

 俺以外が反応できなくてスベッたミリオ先輩が急にマジな顔になる。

 

 ミリオ先輩

「君たちまとめて俺と戦ってみようよ!!」

 

 なるほど百聞は一見に如かずということか。ビッグ3の実力を見させてもらいましょうか。

*1
例のBGM




あの人の動画見たことありますけどあれホントすごいんですよ。怖いもの見たさでついつい見ちゃうんですけど、見るたびに後悔してるんですよ。これからも続けてほしいです。
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