抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
九玉さんがこの場にいる。それだけで事態は最悪だ。九玉さんの"個性"は俺ではどうすることもできないし、そもそも時間切れだ。
礼先輩(再現)
『お前は『金色の狂犬』だ!!!』
不俱戴天の効果が切れ、俺に冷静さが戻ってしまった。不俱戴天は体への負担から24時間に1度だけの設定にしている。つまり、治崎を一撃で仕留める手段が一つ減ったということだ。
治崎
「貴様も利用するぞ、九玉!!」
分解された九玉さんが修復され合体され──ることはなくそのまま溶けた。
治崎
「──は?」
九玉
「やはりな……どうせ貴様は敵連合ではなく我を利用したかっただけだろう?」
エリちゃんを抱えた九玉さんが現れた。そして治崎にエリちゃんを渡して話し始めた。
九玉
「個性消失弾の原料を隠して我に近づいた段階で我は貴様のことを信用していなかった。この子が原料なのだろう? 我とて手段は選ぶ。現時点を以て敵連合と死穢八斎會の関係は白紙にさせてもらう。あとは自力で何とかしろ」
そして九玉さんはどこかに消えてしまった。と同時に上からリューキュウさんが天井とぶち抜いてやって来た。ついでにお茶子ちゃんと梅雨ちゃんもいる。
ウラビティー
「デクくん!? あれ!?」
フロッピー
「じゃあさっきのデクちゃんは──」
精
「2人はナイトアイを頼む!!」
どさくさに紛れてエリちゃんに手を伸ばす。しかし、治崎の地面の修復の方が早くエリちゃんを奪われてしまった。後先を考えるな。今逃したら二度と掴めない。30%の力で跳び、"浮遊"も使う。
ω-99
「エリちゃん!!!」
俺が手を伸ばす。横からルミリオンのマントがはためく。エリちゃんがそれを掴むと同時に、俺の下にやって来る。俺は優しくエリちゃんを抱きしめる。
治崎
「返せ!!」
治崎が手を伸ばしせり上がっていく地面を刺にしてこちらに向ける。このままだと刺さる。この勢いだと浮遊で軌道の制御ができない。
ω-99
「ならもっと勢いをつけて突破してやる!!! 100%!!! アイランドシュート!!!」
100%の力で空を蹴り勢いよく地上に出る。脚が折れたはずだが、痛くないどころか問題なく動かせる。着地してエリちゃんを見てみると何か光ってい──同時に体が内側から引っ張られるような感覚に襲われる。
治崎
「力を制御できていないんだ……拍子で発動できたものの
さっきよりも禍々しく巨大化した治崎が現れる。
治崎
「人間を巻き戻す、それが壊理だ……! 触れるもの全てが『無』へと巻き戻される! 呪われてるんだよそいつの"個性"は!」
なるほど良いことを聞いた。俺はOFASを限界まで発動する。
ω-99
「だったら……
身体が耐えられる限界の30%ではない。発動できる限界の100%で発動する。
ω-99
「エリちゃん……力を借りるぜ」
治崎
「価値もわからんガキに利用できる代物じゃない!」
治崎が手あたり次第建物を破壊し修復し俺に向ける。それよりも早く治崎に到達し蹴り上げる。多くの瓦礫を纏った治崎の巨体が宙を舞う。とんでもない威力だ。それでもなお治崎は俺に向かってくる。
治崎
「どいつもこいつも大局を見ようとしない!! 俺の邪魔をするな!!」
治崎が振るう巨大な拳をそのまま殴り飛ばす。治崎本体が露になる。治崎の全身を黒鞭で巻きつけ思いっきり引き寄せる。その際に治崎の骨が砕けたが関係ない。
ω-99
「じゃあ、お前も俺の邪魔をするなよ?」
黒鞭ごと治崎の腹部を殴る。ぐちゃりと肉が潰れる音が聞こえ、黒鞭の隙間から血が滴っている。
ω-99
「死なさせねえぞ?
黒鞭でエリちゃんを操り片手を治崎に触れさせる。見る見るうちに治崎の顔に血の気が戻っていく。
治崎
「ま……さ……か……」
治崎の顔が青ざめる。
ω-99
「判決を下す──
そこから俺の怒りが爆発した。殴る、蹴る、頭突く、締め砕く、ありとあらゆる暴力を100%の力で叩きこむ。そのたびに治崎を巻き戻し続ける。
ω-99
「まだくたばるなよ!!! 手前がエリちゃんを虐げてきた分はこんなもんじゃないだろう!?!?!?」
そこからさらに暴力を叩き込む。治崎の顔が何度かはじけ飛んだが、それすらも巻き戻してしまう。
ω-99
「これなら十分だ……! もうちょっとやりたかったがこれでシメだぜ!!!」
治崎の首に黒鞭を巻きつけジャイアントスイングの要領で振り回す。
ω-99
「ブラックアウトなんてぬるいことはしないぜ! 死刑と言ったらこれだよなあ!」
そのまま手前に引き寄せ、伸びきるタイミングで再び引っ張る。ピンと張りつめられた黒鞭から治崎の首の骨が折れる感覚が伝わって来た。
ω-99
「
地上に降りて治崎をエリちゃんに巻き戻してもらう。怪我は巻き戻っても意識までは戻らなかったようだ。まあいいだろう。それよりも大事なことがある。
ω-99
「もうちょっと巻き戻してもらうぜエリちゃん……!」
エリちゃんを背負ったままωセンスを発動する。傷だらけのサーさんを見つけすぐに駆け付ける。
ω-99
「エリちゃん! サーさんを治してやってくれ! 大丈夫! 巻き戻しすぎたら俺がサーさんに怪我させて相殺させるから!」
エリちゃんの腕を借りてサーさんを巻き戻させる。左腕が無かったり、腹にデカい刺が刺さっていたりの重傷だったが、見る見るうちに巻き戻っていく。腕も生えたし刺を抜いても大丈夫だった。頃合いを見てエリちゃんを離す。それでもエリちゃんはまだ俺を巻き戻し続けている。
ω-99
「まだ収まんないか! こうなったら……! 澤先! エリちゃんを
澤先の抹消でやっとエリちゃんの巻き戻しが止まった。それと同時にエリちゃんが意識を失う。優しく受け止められたが、緊張の糸がプツリと切れて地面に倒れ込む。
ω-99
「……あっ、ミリオ先輩も結構重傷だったような……」
やって来た救急隊の人に諸々預けて、俺も一応検査のために病院に連れて行かれることになった。時刻を聞いた所AM9:15とのことだ。終わってみれば授業一コマよりも短い時間だった。
翌日、護送中の治崎が襲撃されるというとんでも事件を病院で見た。
精
「警察も何やってんですかね……個性消失弾が敵連合の手に渡ったら碌なことにならないでしょうに……」
澤先
「それがそうでもないらしい……その個性消失弾とやらがすべて破壊されていたそうだ」
ニュースをよく聞いてみると現場にいたヒーローが『黒い敵が理がどうとか言ってケースと弾を破壊していた』と言っている。
精
「……九玉さんの強さのほとんどは"個性"だからか。謀反を起こされる前にその芽を摘んだと」
澤先
「死穢八斎會に協力したかと思えば、あの場で切り捨てた……九玉という敵は相当厄介だな」
九玉さんが何を考えているのかは分からない。いつの日か戦う時が来るだろうが、どうやって戦うのか、そしてどうやって勝つのか、何も見当がつかない。
精
「悩んでたってしょうがないっすね。寮に帰ってゆっくりしますか」
澤先
「…………いや、お前はそう簡単に返してもらえないだろう」
何のことだと思っていたら警察の人が俺に事情聴取をしたいと言ってきた。最寄りの警察署に行き取調室で話をする。
精
「表彰ならもっといいところで──」
警察官
「君の
なんでも目覚めた治崎は精神が崩壊しており、緑谷に殺されると譫言のように呟いているそうだ。そこで現場にいた人間から話で俺が空中でフルボッコにしていたと聞いたらしい。
精
「……ええ、やりましたね。でも、そうでもしないとエリちゃんが危なかったんです。奴はエリちゃんを殺してでも奪おうとしていましたから」
警察官
「……事態が事態だったから大きな罰にするつもりはない。しかし、罰を与えなければ示しがつかない」
精
「でしょうね。今年中のインターン参加禁止でどうですか?」
ということで俺は来年になるまでインターンに参加できなくなった。夜になって寮に帰ってそのことを伝える。
精
「ってことがあったのよ。だからこれからは土日はしっかり空いてるぜ、ガールズよ」
上鳴
「前向きすぎるだろ!?」
飯田
「……心配していたがその調子なら問題ないだろう」
精
「だから今日は女子の皆とお風呂入りたいなー」
実
「だからの前後が繋がってねえぞ緑谷!!! 許されるわけないだろ!?!?!?」
流石にダメか──
お茶子ちゃん
「そ、それぐらいなら……いいんやないかなあ……?」
精
「えっ、お茶子ちゃん?」
ウソだろ?
梅雨ちゃん
「あれほど大変な思いをしたのだから……私もいいと思うわ」
マジで?
透ちゃん
「でもでも! しっかり自由は奪わせてもらうよ!」
百ちゃん
「でしたら拘束具は私が出しますわ」
それは逆にご褒美ですよ?
響香ちゃん
「絶対に変なことしないでよ!?」
三奈ちゃん
「変な事したら出久のアソコ溶かすから」
それは流石にご褒美にならないですね。
ということで目隠しと猿ぐつわと手錠と足錠と貞操帯を付けられる。服は三奈ちゃんが溶かしました。あとで同じものを百ちゃんが作ってくれるので問題ないです。万全の態勢で女子風呂へと連れ込まれる。聞こえる声と漂う匂いで女子風呂なのは間違いない。
響香ちゃん
「鼻の下伸ばしてんじゃないよ……ほら、体洗うよ」
百ちゃん
「私お手製のスポンジですわ。かなり柔らかく作りましたの」
流石に素手で洗うサービスはなしか。そういうお店じゃないもんね。ごしごしとスポンジで洗われていく。
お茶子ちゃん
「相変わらずデクくんの身体ガチガチやね……」
三奈ちゃん
「あのトレーニングを毎日やってるからって言われても、不思議でしょうがないよ」
透ちゃん
「私もちょっとは鍛えたんだよ? ほら見てみて!」
梅雨ちゃん
「出久ちゃんに言っても見えないし、そもそも誰にも見えないと思うわ」
触れば分かるんだけどなと思ったが、以前の状態を知らないから結局分からない気がする。肝心な所は自分で洗えとのことだ。仕方ないね。手錠をされた状態でも、黒鞭を駆使して指先まで持ってきてボディーソープを探し当てる。
三奈ちゃん
「すごっ、見えてないのに分かるんだ?」
百ちゃん
「ユニバーサルデザインですわ。側面に何もないとリンス、ギザギザとした突起があればシャンプー、一本の線が入っていればボディーソープですわ」
流石百ちゃんだ。器用に黒鞭で洗って流してもらって早速湯船に浸からせてもらう。あまり言ってない情報だが俺はお風呂が好きだ。休日のナイトルーティーンに決まって30分以上の入浴をするほどだ。
三奈ちゃん
「そうだ。見て見て。出久がアタシにくれたんだ」
梅雨ちゃん
「ラバーダックかしら? 見たことないデザインだけど……」
三奈ちゃん
「出久の故郷のデザインの奴だってさ。キモカワイくて気に入ってるんだ」
百ちゃん
「色合い的にオシドリがモチーフでしょうか?」
ハメドリ君デザインの奴か。夏休み中に作って渡した記憶がある。
お茶子ちゃん
「こういう小物まで作れるんだ……」
透ちゃん
「いいなー! 私にも作ってよ!」
響香ちゃん
「ウチはいいや……目がちょっとキモ過ぎるわ……」
故郷でも賛否両論のデザインだ。人によっては要らないだろう。
梅雨ちゃん
「そろそろ20まで数えて出るとしましょう。1、2、3、4、5──」
透ちゃん
「今何時だっけ?」
三奈ちゃん
「えっーっと……9時ぐらいじゃない?」
梅雨ちゃん
「16、17、18、19、20……時そばのようにはいかないわよ透ちゃん」
俺と一緒にもっと長く入っていたいならそういえばいいのに。ともかく俺は風呂から上がる。体を拭いてもらって服をもらって後にする。早速バカ2人の声が響く。
実
「クソッ! やっぱりフル装備で入っていたか!」
上鳴
「何だよその恰好!? ほぼフルチンじゃねーかよ!?」
黒鞭で拘束具を外し、服を着ながら説明する。
実
「んなことはどうだっていい!!! 匂い嗅がせろ緑谷ぁ!!!」
精
「見境なしかよ……ほら」
実に頭を差し出す。実は豚のように俺の頭をフゴフゴ嗅いでいる。
実
「いいシャンプーの匂いがする!」
それにつられて上鳴も匂いを嗅いできた。
上鳴
「おっ、本当だ! さっぱりとした甘い匂いがするな!」
実をいうと俺が個人的に使っているシャンプーだったりする。緑谷のくせっ毛のために使っているのだが、こいつらには夢を見せておこう。明日の男子風呂での入浴で使って夢をぶっ壊してやろう。
黒鞭で外せる拘束には意味ないのでは?と思った方も多いかと思います。アレは手を出さないよという土口の意志表明みたいなものです。1-Aガールズも土口だったら手は出さないだろうと思って黒鞭で簡単に解ける拘束にしています。