抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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4-09 たまらねェな!!!このライブ感!!!

 

 過酷な練習の日々を終えついに文化祭当日。道具も事前に完璧にしたし、朝一で砂糖シェフと一緒に仕込みもできた。あとは本番を迎えるだけだ。体育館の舞台裏で1-A一同の結束を高める。

 

 精

「いいか? 『やりたいようにやれ』……以上だ」

 響香ちゃん

「ちょっとちょっと、それだとアドリブだらけになってやばいでしょ」

 精

「冗談だって。ただ……"Plus Ultra"で行くぞ!──出撃(エンゲージ)!!」

 1-A一同

「「「出撃(エンゲージ)!!!」」」

 

 ついに幕が上がる。ステージにはブルーシートで作られた青空が広がっていた。そして曲が流れる。

 

 

 ぼくときみはじめてあったこんにちはこんにちは

 

 俺と青山がスキップで登場してお互いに会釈をする。

 

 ぼくときみさんぽしてちいさなきのみをみつけたよ

 

 舞台袖から木の着ぐるみを着た障子が複製腕で、もぎもぎまみれになった葡萄っぽい実を掴みながら登場する。

 

 ぼくがおいしそうっていったらきみはきれいだねっていったよ

 

 俺が涎を垂らすと青山が分かりやすくキラキラしだす。そして一旦青山が舞台袖にはける。

 

 ぼくときみはじめてあったこんにちはこんにちは

 

 今度は恥ずかしそうにスキップしながら口田君が出てきてお互い会釈する。

 

 ぼくときみさんぽしてちいさなカエルを見つけたよ

 

 梅雨ちゃんがぴょんと飛んで舞台に現れる。

 

 きみはかわいいっていったけどぼくはちょっぴりこわかった

 

 俺が笑顔で梅雨ちゃんを撫でて口田君に勧めたが、口田君は汗をかきながら遠慮した。

 

 ぼくときみはちがうからきみをすきになるのかな

 

 俺と梅雨ちゃんと口田君で輪になって楽しげにステップを踏む。

 

 ぼくときみはじめてあったこんにちはこんにちは

 

 舞台袖から1-Aの皆がスキップで出てきて観客に向けて会釈する。

 

 ぼくときみさんぽしておおきなくもをみつけたよ

 

 百ちゃんがふわふわした綿を"創造"し、お茶子ちゃんが"無重力"で浮かせる。

 

 ぼくがほしいっていったらみんなのものだよっていったね

 

 俺がほしそうに雲を指を差したら、1-Aの皆が笑顔で一緒に雲を指さす。

 

 ぼくときみはちがうからきみをすきになるのかな

 

 ぼくときみはちがうからみんなをすきになるんだね

 

 1-Aの皆で輪になって楽しくステップを踏む。

 

 ぼくからみんなへこんにちは

 

 1-A皆で観客に向けてもう一回会釈をする。

 

 

 観客席から大きな拍手が響く。掴みはばっちりだ。その流れで俺がマイクを持って叫ぶ。

 

 精

「んじゃもう一曲! チャンネルはそのままで! 響香ちゃん、お願いします!」

 

 俺が"煙幕"でステージを隠す。そしてOFAS10%でビニールシートを取っ払い楽器を出現させる。訓練通りに各々がポジションに付いた所で爆豪がドラムを刻む。

 

 

 はるか遠くに浮かぶ星を思い眠りにつく君の選ぶ未来が望む道が何処へ続いていても共に生きるから

 

 響香ちゃんのハスキーボイスが響いて曲が始まったところで、衝撃波を放って煙幕を晴らす。それと同時にステージにライトが走る。演出チームのおかげで俺は誰にも悟られず舞台から降りることができた。

 

 精

「こっからは時間勝負だ……! 廊下も全力で走るぜ……!」

 

 家庭科室に向かい、仕込んでおいたアレを持ち出す。

 

 精

「よし、しっかり固まってるな……! 後は軽くラッピングしてお届けだ……!」

 

 包装したアレを持って観客席側から会場に入る。

 

 これは君の人生(誰のものでもない)それは答えなんてない(自分で選ぶ道)

 

 時間ピッタリだ。静かに"浮遊"で飛んで響香ちゃんに合図を出す。それと同時にωセンスである人物を探す。すぐに見つけられた。ありがとうミリオ先輩、マンダレイ。

 

 もう呪縛は解いて定められたフィクションから飛び出すんだ飛び立つんだ

 

 一旦音楽が止み、ライトが響香ちゃんだけを照らす。

 

 響香ちゃん

「出久!!! 後は任せたあああ!!!」

 

 響香ちゃんがマイクを観客席に向けて放り投げる。俺はそれを"黒鞭"で受け取る。それと同時に俺にスポットライトが当たる。

 

 精

「行くぜ!!! 金色極点(ゴールデンクライマックス)だ!!! 全員音でぶっ殺せえええ!!!」

 

 受け取ったマイクに向かって叫ぶ。そして歌いながらステージに向かって跳ぶ。

 

 誰にも追いつけないスピードで地面蹴り上げ空を舞う

 

 演出部隊が観客の頭上を飛ぶ俺を照らす。皆俺に釘付けだ。

 

 呪い呪われた未来は君がその手で変えてゆくんだ

 

 ステージに着地して先ほど見つけた2人に指を差す。

 

 逃げずに進んだことできっと掴める物がたくさんあるよもっと強くなれる

 

 爆豪の爆発、轟の氷炎、上鳴の電気、青山の光線、砂藤や口田君のスポットライトと派手な演出を決める。

 

 この星に生まれたことこの世界で生き続けることそのすべてを愛せるように

 

 そして2人の下に飛んで行く。

 

 目一杯のああ祝福を君に

 

 エリちゃんと洸汰君にリンゴアメを渡す。

 

 精

「ようこそ雄英文化祭へ。楽しんでいってくれよ、未来のヒーローさん」

 

 周りの観客が大きな拍手と声援で祝福してくれた。これはもう完璧に決まっただろう。

 

 エリちゃん

「わあああ!!」

 洸汰

「お、お前……!」

 精

「俺は後片付けしなきゃいけないんでね。感想は後で聞かせてくれよ」

 

 浮遊でステージに戻って1-A一同で礼をし、俺たちのステージが終わった。外で片付けをしている最中、エリちゃんとミリオ先輩、洸汰君とワイプシの皆様がやって来た。

 

 エリちゃん

「最初は楽しい曲でワクワクして、次の曲の大きな音でこわくって、でもダンスでピョンピョンなってね! 最後にオメガさん出てきてぴゅーんて飛んで、リンゴアメくれて! わああって言っちゃった!」

 

 笑顔で嬉しそうにするエリちゃんを見て涙が自然と流れる。やっぱり子供は無邪気に笑っていたほうがいい。

 

 精

「よかった……! 今日は楽しんでいってね、エリちゃん……!」

 洸汰君

「……お前本当にあの時のヤツか……?」

 

 洸汰君が明らかに怪しがりながら俺を見る。何かムカつくから威張ってやろう。

 

 精

「うっせクソガキ。早く文化祭楽しんで来い。お前がここに居られるのは俺のおかげなんだぞ」

 洸汰君

「……あの時のヤツだ」

 マンダレイ

「洸汰のためにわざわざ声をかけてくれたんだよね? ありがとうね緑谷くん」

 

 やっぱり分かっていたか。特に隠す必要はないが、表に出すのはなんか恥ずかしい。

 

 精

「……さあどうでしょうね? マンダレイさんやピクシーボブさんやラグドールさんに会いたかっただけかもしれませんよ?」

 ピクシーボブ

「くーっ! 相変わらずニクいね! このこの!」

 ラグドール

「これは将来は引き取るしかないにゃん!」

 虎

「ふっ……相変わらず食えぬ男よ……」

 

 こうして俺の文化祭は無事に終わった。

 

 

 翌日、振り返りを兼ねて皆で朝食会を開いている時だった。折角だしライブ映像を動画投稿サイトに投稿しようぜとか馬鹿な話をしている最中、とある一件の動画が目に留まった。

 

 精

「重大なお知らせ……? Gentleの怪傑浪漫チャンネル……知らないなあ……」

 

 たとえ知らないチャンネルでも、重大なお知らせと書いてあったらなんとなく見てしまうのが人のサガだ。サムネには紳士的な男性と小さな少女がスーツを着て直立している。

 

 紳士的な男性

「Gentleの怪傑浪漫チャンネルへようこそ……私はジェントル・クリミナル……そして……」

 小さな少女

「パートナーのラブラバよ……」

 

 2人の顔が引きつっている。動画投稿初心者だろうか? チャンネルの登録者も多くなければ、他の動画の再生数も高評価も少ない。

 

 ジェントル

「今回は……その、このチャンネルが終わることを知らせるために動画投稿をした」

 

 声と見た目はいいから一定の人気は出そうなものだが、実際の人気の無さで現実を見たのだろうか。

 

 ラブラバ

「ジェントルはこれからも活動していくからリスナーの皆は安心してね……」

 

 どこかの企業に所属することになったのだろうか。リスナーへの報告は大切だが、ここまで悲観的になることはあるだろうか?

 

 ジェントル

「……えー、この度私たちは救世たる義賊から、本物の敵となる……」

 ラブラバ

「もっというと……あの悪名名高き敵連合の宣伝広告担当になるわ……」

 

 敵連合の広告担当? 何言ってるんだこの人達は? 大体、誰がそんなことを思いついたんだ?

 

 ???

「提案したのは我だ」

 

 凄く聞き覚えのある声と一人称だな? そしてカメラの視点がぐるっと回り、スーツを着た真っ黒な女性が立っていた。

 

 九玉

「……んん、こんぎょく~♪ 敵連合の理、九玉だよ~♪」

 精

「九玉さんじゃねえか!?!?!?!?!?!?」

 

 盛大にツッコミを入れてしまった。挨拶作ってるし、明らかに作った声だし、スーツ着てるし。おかげで1-Aから心配される羽目になった。

 

 砂藤

「どうした緑谷!? 九玉がどうしたんだ!?」

 精

「どうしたもこうしたもねえよ! これを見てくれ皆!」

 

 動画を見せたら驚いたり、ドン引きしたりと様々な反応を見せてくれた。

 

 九玉

「ということでこれから我らは『九玉の理チャンネル』で活動していく。明日動画を一本投稿する予定だからそちらを確認してくれ。ちなみにメンバー紹介とメントスコーラをやるぞ」

 精

「やることが昔の配信者!」

 九玉

「では……じゃんけんターイム♪ 最初はグー、じゃんけんぽん♪ 我はパーを出したぞ。勝っても負けても、まあ楽しかったらいいじゃないか。ではチャンネル登録と高評価をお願いする」

 精

「終わりまで昔の配信者!」

 

 こうして動画が終わった。何かの見間違いだと思いもう一度再生する。

 

 九玉

「こんぎょく~♪」

 精

「マジかよ……何してんだこの人……」

 

 敵連合に入ったかと思えばAFOを倒すし、死穢八斎會に行ったかと思えば個性消失弾を消滅させたし、果ては動画配信を始める。九玉さんの意図が全く分からない。俺はこの人の野望を止められるだろうか?

 

 

 ジェントルの家で動画の出来を確認する。ラブラバの編集もあって面白い動画に仕上がった。

 

 九玉

「評価は散々だが再生数は悪くない。良い仕事をするではないか」

 ジェントル

「ああ……さらば私のチャンネル……」

 ラブラバ

「諦めないでジェントル! 何時か独立してまた立ち上げればいいわ!」

 

 別に我のチャンネルになっても義賊活動は認めているのだから問題はないと思う。やはり個人名義だと何かと都合がいいのだろうか。

 

 九玉

「さて、早速メントスコーラの準備をするぞ。敵連合の皆も連れてくるから待っていろ」

 

 世界移動を駆使してメンバーをジェントルの家に連れてくる。

 

 荼毘

「配信者ともなるとそれなりの家に住んでるもんだなあ」

 コンプレス

「いつかおじさんのマジックショーも動画にしたいねえ」

 トガちゃん

「だったら私のファッションショーもやりたいです」

 マグネ

「いいわね。アタシも本気で着飾っちゃうわ」

 トゥワイス

「撮影アシスタントは俺が増やせるぜ! どんな動画でもバッチコイだ! やるなよ!」

 死柄木

「……どうして敵連合はこうなってしまったんだ……」

 スピナー

「……俺もそう思ってる。なんというか、もう、九玉(アイツ)に全部任せればいいのではないか?」

 

 皆が揃ったので台本を考えるとしよう。まずは自己紹介文を考えていこう。




九玉さんのおかげで無事に文化祭が開けましたね。とんでもない事になっていますので、その辺りの説明回もちゃんと作りますよ。
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