抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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4-11 【】我の初投稿だ【】

 我のチャンネルに投稿された動画を早速再生する。開始早々両手で狐を作っている我が映る。

 

 九玉

こんぎょく~♪ 敵連合の理、九玉だよ~♪ 今日は敵連合の皆を紹介していくね♪ まずは彼から♪

 

 死柄木が不愉快そうに喋り出す。

 

 死柄木

「あー、死柄木弔だ……敵連合の創始者だ」

 九玉

「今となっては見る影もないがな。事実上のトップは我になっている」

 死柄木

「○すぞ」

 九玉

「コンプライアンスを守れ。次は彼♪

 

 スピナーが歯切れ悪く話し始める。

 

 スピナー

「スピナーだ……ステインの意志を全うするために入ったのだが……」

 九玉

「不満か? いつでもやめてよいぞ?」

 スピナー

「いや、お前と敵対したら碌なことにならなそうだから敵連合に居続ける」

 九玉

「我は我の理に与する者を無碍に扱ったりはしない。次は彼♪

 

 コンプレスがノリノリで話し始める。

 

 コンプレス

「コンプレスだ。稀代のマジシャン目指して頑張らせてもらうよ」

 九玉

「彼の手品は非常に面白い。いつの日か彼の手品講座の動画もやりたいな」

 コンプレス

「手品って……そこはかっこよくマジックって言ってもらいたいな」

 九玉

「次回からはそうしよう。次は彼♪

 

 トゥワイスがやかましく話し始める。

 

 トゥワイス

「俺はトゥワイス! 基本的には裏方担当の予定だぜ! メインキャストだな!」

 九玉

「こんな奴だから裏方担当になった。話がややこしくてかなわん」

 トゥワイス

「リスナーの要望次第では俺も出演させろよ! 絶対出ないからな!」

 九玉

「素顔は意外とイケメンだったりするのでな。次は彼♪

 

 荼毘が頭を掻きながら話し始める。

 

 荼毘

「荼毘で通してる……以上だ」

 九玉

「彼だけ本名を知らないな。事情があるのだろう」

 荼毘

「まあ、その辺は追々って奴だな」

 九玉

「彼の青い炎は実に映えるぞ。次は彼女♪

 

 マグネがサングラスをクイッとしながら話始める。

 

 マグネ

「アタシはマグネ。居場所を求めて敵連合に来たわ」

 九玉

「先に言っておく、()()だ。書き間違えたり、言い間違えた者は……我が理に反したとみなす」

 マグネ

「嬉しいこと言ってくれるじゃない九玉ちゃん。ちょっと強引な所がらしくてイイわ」

 九玉

「我ら敵連合は我の理に収まるなら何方でも大歓迎だ。最後は彼女♪

 

 トガちゃんがきゃるんと可愛く登場する。

 

 トガちゃん

「トガちゃんです。この中で一番カアイイ自信があります」

 九玉

「なのでトガちゃんが出たら『トガチャンカアイイヤッター』とコメントしてくれ」

 トガちゃん

「露骨なコメント稼ぎです。でも、コメントお待ちしてます」

 九玉

「以上が敵連合主力部隊だ。ジェントルとラバババは広告担当だ」

 マグネ

「ちょっと九玉ちゃん、ラブラバよ。女性の名前を間違えるのは感心しないわ」

 

 マグネからツッコミが入る。RとBの子音が入っているのは覚えていたのだが、どうも紛らわしい。

 

 九玉

「えー……ジェントルとラブ……ラバ、を含め10名で活動していく。早速このチャンネル結成秘話を話そう」

 

 死穢八斎會との関係が白紙になり、我らは次の一手を考えていた。新たな協力者を求めるべく活動をすることになったのだが、その際にジェントルのチャンネルと動画を見つけたのだ。次回予告で紅茶のブランドや社会全体への警鐘などと言っていたためすぐにピンときた。

 

 死柄木

「ウソつけ。『皆は此奴が次に何をすると思う?』ってめっちゃ聞いてきたじゃねえか」

 九玉

「……訂正しよう」

 

 皆との談義の末、雄英の文化祭に侵入するということと、その前に近くでティータイムを取るという結論になった。調査の結果、ホームセンターの近くに朝7時からやっている喫茶店があることが判明した。話し合いの結果、相手は男女の二人組ということでマグネと共にジェントル達と会うことにした。そして運命の日、我とマグネはスーツでビシッと決めて喫茶店に乗り込んだ。

 

 ラブラバ

「アレはもう死んだと思ったわ……敵連合の理が部下を連れて急に来て……」

 ジェントル

「私とラブラバの肩を叩いて『代金は出すから表に出ろ』だからね……」

 

 

 ジェントルとラブラバを喫茶店から連れだした我は早速本題で切りこんだ。

 

 九玉

「我ら敵連合にはお前たち2人の力が必要なのだ。だから敵連合に入ってほしい」

 

 2人は目をパチクリさせて立ち竦んでいた。目立ちたがり屋の2人だから二つ返事で承諾すると思ったから不思議でしょうがなかった。

 

 マグネ

「んー……何で必要とされてるかの説明をした方が良いと思うわ」

 九玉

「我らを宣伝するための動画を投稿したい……だからお前たちが欲しい」

 ジェントル

「こ、断る……!」

 

 ジェントルは震えながら断った。まさかの返答に我とマグネは顔を見合わせ理由を聞いた。

 

 ジェントル

「貴様ら敵連合に与するほど落ちぶれてはいない……!」

 ラブラバ

「そうよ! ジェントルは紳士よ! あなた達みたいな極悪人とは違うわ!」

 

 2人には2人なりの信条があるらしい。だが────

 

 九玉

「何を言うかと思えば……詭弁にすらならぬ破綻した理だな」

 

 自分達は社会を救うために犯罪をしているから敵ではない。我らは私利私欲のために社会を壊しているから極悪敵である。端的に言って馬鹿だ。この"個性"社会の法を破って"個性"を使っている段階でどちらも敵だ。起こした事件の重大さに差はあれど、事件を起こしていることに変わりはない。

 

 九玉

「いかなる手段を使っても敵連合に来てもらおう」

 ジェントル

「ラブラバ! カメラを回せ! 何があっても止めるな!」

 

 ジェントルが外套を脱ぎ捨て、名乗り口上を挙げる。

 

 ジェントル

「諸君リスナー! これより始まる怪傑浪漫!! 目眩からず見届けよ!! 我は救世たる義賊の紳士ジェントル・クリミナル!! 今日の企画を変更する! 『敵連合!! 捕まえてみた!!』だ!」

 マグネ

「随分俗っぽい名前ね……安っぽい配信者らしいわ」

 九玉

「なら我も名乗るとしよう。我が名は『九玉』、理を創る者……偽善の紳士よ、理不尽に連れ去ってやろう

 

 我もスーツを脱ぎ捨て漆黒の裸体を露にする。

 

 マグネ

「きゃー! 九玉ちゃんセクシー! そこの子! サービスシーンだから映しなさい!」

 ラブラバ

「裸をそのまま映したらBANされるじゃない! あとで編集でモザイクかけさせてもらうわよ!」

 ジェントル

「裸の女性に手を挙げるのはいささか紳士的ではないが……年貢の納め時だ、敵連合!!!」

 九玉

「怪我をせぬ程度には加減をしてやる……『破滅の波動』」

 

 右手をかざしジェントルに向かって衝撃波を放つ。ジェントルに届く直前、空間がゴム膜のように伸び受け止める。

 

 九玉

「何……?」

 ジェントル

「私の"個性"は『弾性(エラスティシティ)』。触れた者に弾性を付与する……たとえそれが空気だろうと!」

 

 伸びきった空気の膜が戻り我の衝撃波を跳ね返す。両腕で防げる威力だったが、全力でやっていても問題なかっただろう。

 

 九玉

「なるほど……なら貴様に勝ち目はないな」

 

 我の右手に紅いエネルギーの剣を作る。そして空気の膜をバラバラに引き裂く。

 

 九玉

「所詮は空気……剣を防げる道理はない。『壊滅の連閃』」

 

 剣の軌道が爆発を起こす。ジェントルが大きく吹っ飛ぶ。それなりの修羅場を潜り抜けているのか、上手く受け身を取って立て直す。

 

 ジェントル

「くっ……! これは想像以上だ……! 逃げるぞ、ラブラバ!」

 

 ジェントルがラブラバを抱えて、空気の膜をトランポリンのようにして跳ねて逃げる。

 

 マグネ

「そうはいかないわよ……九玉ちゃんに選ばれたからにはしっかり働かないと!」

 

 マグネが我とジェントルとラブラブに磁力を付与する。ぴったりくっついた2人が我に向かって引っ張られる。ジェントルは空気の膜を作って抵抗している。

 

 マグネ

「いくら空気で防いだって空気じゃ磁力は防げないわ。それに……」

 九玉

「我から向かっていけば問題ない」

 

 空気の膜を切り裂きながらジェントルを捕らえ、地面に組み伏せる。

 

 九玉

「さあ、どうする? 貴様の"個性"では我と戦うこともマグネから逃げることもできない……我が理に与するか?」

 ジェントル

「……仕方がない。ラブラバ!」

 ラブラバ

「分かったわ! 愛してるわ、ジェントル!!!」

 

 その言葉と同時にジェントルが我を跳ね除けて起き上がる。ラブラバの"個性"だろう。

 

 ジェントル

「暴力的な解決は好みではなくてね……ジェントリーサンドイッチ!」

 

 空気の層が我とマグネを押さえつける。そして一瞬でマグネの範囲外へ飛び去った。あちらの方角は──

 

 九玉

「すまないマグネ、しばらく待っていてくれ」

 

 その一言を残し、世界移動の瞬間移動でジェントルの目前に現れる。

 

 九玉

「事情が変わった────『破壊の渡烏』」

 

 紅い羽根のエネルギー弾が空を裂いてジェントルに当たり爆発する。それでもジェントルは止まらない。

 

 ジェントル

「くっ……! それだけ私たちの力がほしいということか……!」

 九玉

「それもそうだが、この先には行かせぬ……! なんとしてでも……!」

 

 弾幕を激しくして足止めをする。怪我をさせない加減ではこれが限界だ。

 

 ラブラバ

「私たちだってこの先にどうしたって進みたいのよ!」

 九玉

「雄英の文化祭への侵入だろう……! それをさせぬと言っているのだ……!」

 

 恐らく土口はエリちゃんのために文化祭で何かするだろう。あの少女は外道の治崎によって歪められてしまった。それを正せるのは土口だけだろう。

 

 九玉

「貴様らには貴様らの正義があるように、我には我の理があるのだ!!!」

 

 我はヒーローではなく敵だ。善ではなく悪なのだ。だからこそ、守りたいものを守るのに手段を選ばない。

 

 九玉

「理に散れ!!! 『破壊の紅翼』!!!」

 

 エネルギー弾を後ろに飛ばし爆発させ推進力を得る。そのまま2人に組み付き、勢いで幾層の空気を貫く。

 

 ジェントル

「バ、バカな……! 私の弾性を勢いだけで破るだと……!」

 九玉

「その子を守れ! 命の保証は出来ぬ!」

 ラブラバ

「……! ジェントル……! 地面が……!」

 

 そのまま地面に激突する瞬間に回転させ我から着地するようにする。そして爆発が巻き起こる。我は当然無事で────

 

 ラブラバ

「私とジェントルを守りながら戦うなんて……」

 ジェントル

「……なるほど。ただの悪人ではないということか……」

 

 2人も無事だった。ラブラバの"個性"の時間が切れ勝負は着き、2人は敵連合に入ることを決めた。

 

 九玉

「戦いの後に飲んだ紅茶は美味だったな。何だったか……ゴールドリアル?」

 マグネ

「それだとエナジードリンクになっちゃうわ。ゴールドティップスインペリアルよ」

 九玉

「ゴールド……チップス……何はともあれ、協力関係になったのだ」

 

 思い返せばなかなかの出会いだった。これからは2人に色々広告を頼むとしよう。

 

 九玉

「では……じゃんけんターイム♪ 最初はグー、じゃんけんぽん♪ 我はグーを出したぞ。決意のために拳を握った……ここから始まる、我の配信者人生だ!!!」

 死柄木

「いや、敵連合の理を広めろよ」

 

 九玉

「我だ。九玉だ。新生敵連合と我の活躍を刮目せよ。何? 土口も何かしている? ……ならば5期も必ず見るのだ」




一旦土口君の故郷の物語の続きを書きます。それが一区切りするまでこちらの連載はお休みしますのでご了承ください。
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