抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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5-03 口プレイはほどほどにしましょうね

 夢を見る。隣には綺麗な人妻(志村菜奈)がいて、その奥にはゴーグルひげ面ハゲ(万縄大悟郎)が、さらにその奥にも歴代継承者がいる。マイトっぽい人影もある。今この場には俺を含めて10人いる。継承者9人ともう1人誰かがいる。

 

 AFO

「酷い言い草じゃないか。僕は歩み寄っているのに……!」

 

 声で分かったAFOだ。

 

 ???

「"異能"は私利私欲に使うべきじゃない!」

 

 こちらは誰だろうか? "個性"ではなく"異能"と言っている所からそれなりに前の年代の人物だろう。AFOが2人の人間に触れ、"個性"を操作して2人から感謝される。

 

 AFO

「おまえの言う『世界』とは何だ? 弟よ」

 

 AFOの弟はOFAの初代だったはずだ。となるとこれはOFAに関する過去を見ているのか? 初代がAFOに歯向かうもすぐに取り抑えられる。そこからAFOが瞬く間に"個性"社会を纏めていった。そして最後に初代に何かの"個性"を渡した。おそらくこれがOFAの始まりなのだろう。

 

 初代

「君が9人目だね……」

 

 初代が俺に語り掛けてくる。何か話そうと思ったが口が動かない。

 

 初代

「もう少し見せたかったけど……かなり扱えているようだね。気を付けて、特異点は当に過ぎている。でも大丈夫、君は一人じゃない」

 

 そこで目が覚める。やけに煙りがかかった視界の中、スマホを確認する。AM2:00とまだまだ深夜だ。

 

 精

「……もうひと眠りって気分じゃないな。ちっと早いが、日課のトレーニングしますか」

 

 みっちりトレーニングして温まった体で登校し、マイトに今朝見た夢のことを話す。マイトも人妻師匠から聞かされていたようだが、話ができるほどではなかったようだ。

 

 マイト

「私も詳しくはわからない……ごめんな、でもその力は絶対に君の味方だよ。これからともに探っていこう」

 精

「完全に分かり切った状態で緑谷に渡したいですからね。ただ……あの記憶に干渉できるようになったら、マイトの師匠に手を出すこともできるようになるのかな?」

 マイト

「それをしたらいくら何でも怒るからね?」

 

 マッスルフォームになってガチめにキレてきたから止めるとしよう。

 

 

 本日の午後の演習は1-Bとの合同演習だ。冬服使用になった1-Aガールズのコスチュームがまぶしすぎる。授業を抜け出して6発I'm comingするのも視野に入れた方が良いだろう。

 

 尾白

「緑谷も結構変わったな。制服からSWAT部隊の戦闘服みたいなごついのになったし、インカムとゴーグルもそれに合わせたデザインになったな」

 瀬呂

「アザレアのマフラーは相変わらずだな。でも、マフラー以外金色統一はやり過ぎじゃねえか?」

 精

「何言ってんだカッコいいだろ」

 爆豪

「相変わらず壊滅的なセンスしてんなクソ金髪」

 精

「お前の方がよりクソ金髪だろ。性格とか性格とか、後性格とか」

 

 ぎゃいぎゃい騒いでいると一つの風が吹き、タンブルウィードと共に1-Bの兵たちが現れる。

 

 物間

「僕らをなめてい────うっ」

 

 コイツが口を開くと碌なことにならないので無言の腹パンを叩き込む。

 

 精

「……俺よりコイツの方が問題児じゃないですか、ブラ先?」

 ブラ先

「そういう戦法なのだが……やり過ぎな所があるのは否めないな」

 澤先

「そんなことよりも今回特別参加者(ゲスト)がいます。ヒーロー科編入を希望している普通科C組心操人使くんだ」

 

 澤先の後ろから普通科の紫ワカメこと心操が現れた。皆が色めき湧きたつ中、心操から挨拶代わりの一言貰う。

 

 心操

「俺はもう何十歩も出遅れてる。悪いけど必死です。立派なヒーローになって俺の"個性"を人の為に使いたい。この場の皆が超えるべき壁です。馴れ合うつもりはありません」

 

 そして俺の方を見る。特にお前に向けて言っているんだぞと言わんばかりだ。

 

 心操

「何せ……緑谷に『勝ったらヒーロー科の特待生の座を譲る』と言われたので」

 精

「今はホカホカ通り越してアツアツだからなあ……座ったら火傷しちゃうぜ?」

 

 俺は笑ってサムズアップで返す。演習前のウォーミングアップも終わったところで今回の演習の説明が入る。運動場γの一角を使った1チーム4人のA組とB組の対抗戦で、『"敵グループ"を包囲し確保に動くヒーロー』という状況を想定しお互いを捕まえ合う。心操はA組とB組に一回ずつ入る。先に4人を確保したチームが勝利で、20分経過しても決着がつかない場合は確保した人数が多い方が勝利となる。

 

 精

「ハーレムチーム組めないかなー……」

 三奈ちゃん

「ここまでくると清々しいね……」

 実

「オイラもハーレムチーム組めねえかな……」

 お茶子ちゃん

「だったらデクくんと一緒のチームがいいな……」

 

 なんてこと言っていたらこの4人でチームを組むことになった。相手は美しい幽霊レディな柳レイ子ちゃんと整っている顔立ちの無口っ子小大唯ちゃんだ。1-Bガールズも美女ぞろいだ。どうしよう。リクエストスイーツを受け入れてしまえば1-Bガールズもこの手にできるのでは?

 

 お茶子ちゃん

「デクくん?」

 精

「ま、まだ何もしてないよ……?」

 実

「まだってことは何かする気だっただろ!?」

 三奈ちゃん

「鼻の下伸ばしてないで対策考えないと! 物間と庄田と心操もいるんだからね!」

 

 それもそうだ。向こうは"ポルターガイスト"に"サイズ"に"ツインインパンクト"と遠距離攻撃手段が豊富だ。俺が先行して位置を探り当てて一気に決めたいところだが、そうなると"洗脳"と"コピー"が厄介すぎる。物間は身体能力よりも舌戦で精神的に優位を取ってくる戦闘スタイルだ。だったら物間が"洗脳"を"コピー"してくるのは間違いない。

 

 精

「とりあえず"洗脳"対策に連絡の取り方は考えるべき────」

 三奈ちゃん

「オールマイトとミッドナイトが来たー!」

 精

「んだと許さねえぞオールマイト! 俺のミッ先を取りやがって!」

 マイト

「ええ!? いや、私と彼女はそういう関係じゃないよ!?」

 ミッ先

「あらあら……緑谷くんったら……妬いちゃった?」

 

 マイトからミッ先を引き離しミッ先を守る。こんな女の扱いも分からないような男にミッ先は渡せない。

 

 精

「ミッ先、個人的な相談なんですけど俺の作品のモデルになってもらっても────」

 お茶子ちゃん・三奈ちゃん

「「出久(デクくん・いずく)?」」

 

 はい。演習に集中してさっきの作戦会議の続きをします。第一試合で心操が変声機械"ペルソナコード"を持っていることが判明した。だとしたら言葉を介した連絡は避けた方がよさそうだ。サインや簡易的なモールス信号でやりとりした方が良い。

 

 精

「としたら……真っ先に潰すのは物間だ」

 実

「心操の"洗脳"から潰した方が良いんじゃねえか?」

 精

「心操は実戦経験が足りてないからどうとでもなる。厄介なのは物間の性格の悪さだ。アレを長時間放っておいたら精神衛生上悪い。うっかり反応しちまったら"コピー"と"洗脳"でお陀仏だ」

 三奈ちゃん

「そんなの気持ちの問題じゃん?」

 精

「戦場において気持ちの問題は無視できない。精神を乱すとコンディションが著しく落ちる。戦場においてそれは命取りだ。俺がωセンスで物間を探して秒殺する」

 お茶子ちゃん

「いつもこうなら文句なしでかっこいいって言えるのに……」

 

 俺達の戦いの方針は決まった。俺が前線に出て3人はサポートしながら奇襲を警戒する。ただ、この会場では俺の必殺技である二つの領域(テリトリー)は活躍しにくい。極点領域(クライマックステリトリー)の方は障害物に反応してしまうし、何より動けなくなるのがマズい。切れた瞬間に奇襲を喰らうのがオチだ。金色領域(ゴールデンテリトリー)の方は障害物が多すぎて機動力を十分に生かしきれない。先の試合から学んだことだが、建物の破壊は最小限に抑えないといい評価がもらえない。だとしたら取っ払って広くするのも無しだ。

 

 精

「……幸い物間の身体能力はそこまで高くないはずだ。身体強化と黒鞭でどうにかするよ。もし俺が捕まったら……何とか一人つかまえて、お茶子ちゃんが皆を抱えて、さっきのポニーちゃんみたいに逃げて。吐いた回数だけマッサージとリクエストスイーツ権あげるから」

 お茶子ちゃん

「言ったからね! 約束だよ! 絶対だよ!」

 実

「乙女の尊厳とか無えのかよ……」

 三奈ちゃん

「出久のマッサージとリクエストスイーツ権……くーっ! 羨ましい! アタシも活躍したら貰っていい!?」

 精

「もちろんさ。成果には報酬を……士気を挙げるのには大切な事さ」

 実

「これが持ってる男の特権か……!」

 ミッ先

「……さっきのモデルの件だけど、引き受けたら私もマッサージとリクエストスイーツ権を貰っていいかしら?」

 実

「嘘だろ……?」

 精

「もちろんですよ。ミッ先には何かとお世話になっている身ですので……」

 実

「嘘だろ……!?」

 

 実はナニを想像しているんだろうか。ハグと膝枕はしてもらったが、それ以上のことはしてないし、1-Aガールズの手前できるわけがない。さあ、運命を決する最終試合の開始だ。

 

 

 誰もが他人の人生の脇役であり自分の人生の主役である、僕はそう考えている。例え凄まじい活躍をしている緑谷だって、僕の人生の脇役に過ぎない。故にアイツには僕に負けてもらう。そのための作戦はしっかり考えてある。早速見つけた。相変わらず年齢離れした身のこなしだが、流石に障害物が多ければ接敵して会話ぐらいはできる。

 

 物間

「やあ、特待問題生くん」

 

 彼は僕を一見するや否やしていきなり黒鞭で攻撃を仕掛けてきた。お互い同じことを思っているようで、厄介な奴から潰そうという魂胆だろう。心操のペルソナコードから麗日さんの悲鳴が上がる。彼の視線は真上を向いた。

 

 物間

「絶妙に判別しにくい視線だね。本当に上にいるかもしれないし、ブラフかもしれない……僕と同じぐらい心理戦が上手だね」

 

 これぐらいの言葉に反応されたら困る。だから言葉を止めない。

 

 物間

「心操くんとこんな話をしたよ。"恵まれた人間が世の中をブチ壊す"……君の口から聞かせてよ! なぜ君は平然と笑ってられるんだ? 平和の象徴を終わらせた張本人がさァ!!」

 

 これでも反応しないか。しかし、そんな彼にも致命的な弱点がある。体育祭で見たアレだ。もはや暴走状態と言ってもいいが、あの状態になればどんな言葉にでも反応するだろう。そうなれば僕が"コピー"した"洗脳"にいくらでも引っかかってくれる。彼への対策として見た体育祭のビデオで、直前に何かを呟いていたことが分かった。一種のルーティーンのようなものだろう。特定の言葉を聞けばあの状態になる。だから僕の口からその言葉を発する。

 

 物間

「"『お兄ちゃんは弱いよね?』"」

 

 何故この言葉なのかは知らない。極度のシスコンで妹から言われてトラウマになっているとか? なんにせよこれで彼が暴走すればこちらのものだ。早速彼の動きが止まり────その姿が消えた。正確には視界が煙に包まれて何も見えなくなった。

 

 緑谷

「ぁおおおおおおん!!!!!!」

 

 凄まじい雄叫び声をあげて反応した。これでアイツは洗脳された。折角煙に包まれて何も見えないんだ、屈辱的なことをさせよう。

 

 物間

「"這いつくばって僕の靴を舐めろ"」

 

 その瞬間、僕は吹っ飛ばされた。煙の中だから何をされたのかは全く分からないが、おそらく衝撃波か何か────

 

 緑谷

「お──────間?──────る──?」

 心操

「あ──────つ────だけ──────きい────」

 

 何故か二人の声が聞こえる。僕は今どうなっているんだ? 地には足というより背中がついている気がする。だんだん意識と視界がはっきりしてきた。綺麗な青空、ではなく保健室の天井が目に入る。

 

 リカバリーガール

「おや、目が覚めたみたいだね。調べた限りじゃ異常は無かったけど、病院に行って精密検査を受けた方が良いよ」

 物間

「…………何の話をしているんですか?」

 緑谷

「あー……お前はさっきの戦いで俺に吹っ飛ばされてな……」

 心操

「まあ……頭をぶつけただけで済んだからよかったな」

 

 緑谷と心操が気まずそうに話しかけてきた。まるで僕が何かやらかしたような雰囲気だ。

 

 緑谷

「……流石に今回はノーカンだ。また後日、別の形で決着を付けようぜ」

 

 ノーカン? 別の形で決着?

 

 心操

「つっても……授業的には俺達の負けだったのは変わらないがな」

 

 ……えっ、僕、負けた?




まさかの物間くんがやらかしました。勿論、次回で何が起きたのかしっかり書きますよ。
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