抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
B組の飛び道具奇襲を受けちゃって、なんとか立て直そうとしている時だった。
デクくん
「ぁおおおおおおん!!!!!!」
デクくんのとんでもない叫び声が聞こえきた。狼とか熊とか、とにかく人じゃないような、ヘルメットをかぶっているのに思わず耳を塞いじゃうような声だった。
峰田くん
「オイこれって……!」
三奈ちゃん
「体育祭のヤツだよ! 早く止めないと────」
麗日
「大丈夫、すぐ終わるから身を隠してて」
前にデクくんが私の部屋に来た時に教えてくれた、デクくんのとっておき『不俱戴天』だ。すっごく強くなって危なくなるけど、10秒ぐらいで終わるって言っていた。だからすぐに────会場が煙に包まれる。デクくんの"煙幕"だけど量と濃さと勢いがおかしい。
三奈ちゃん
「あの出久がこんなヤバいことする!? そんな過激な戦いになってんの!?」
辺りの建物が大量の黒鞭に貫かれる。黒鞭ってこんな威力だったっけ? 本気でやったらこうなるかもしれないけど、建物を壊さないようにってさっき言っていたはずだ。
峰田くん
「オイオイ!? オイラたちの方まで攻撃してねえか!?」
いくらなんでも私たちの方に攻撃するのはおかしい。何より10秒ってこんなに長くないはず。もしかしたら抑えられなくなっちゃっているのかもしれない。止めなきゃ。でも、どうやって────
デクくん
『"コピー"と"洗脳"でお陀仏だ』
"洗脳"が決まればデクくんは止まるかもしれない。物間くんは"洗脳"を切らさないようにすぐに触れるように、心操くんを近くに居るように指示している可能性が高い。私は飛び出してデクくんを探す。煙幕の流れと黒鞭が飛んできた位置から右斜め前方やや上目に跳ぶ────私の横を黒鞭が掠める。この煙の中でも私の方向は分かるってことは聞こえているってことだ。その黒鞭を手繰ってデク君の下にたどり着く。
麗日
「デクくん! 私だよ! 麗日お茶子だよ!」
デクくん
「うがああああああ!!!!!!」
叫ぶデクくんを力いっぱい抱きしめる。そうじゃないと弾き飛ばされちゃう。そして、近くに居るだろう心操くんにお願いをする。
麗日
「心操くん! 私の声でエッチなこと言って! そしたら絶対反応するから!」
こんな状況じゃなかったらこんなお願い絶対しない。でも、私にはこれしか思いつかなかった。
麗日(心操の再現)
「"で、デクくん! 私とチューしよ!"」
麗日
「チューぐらいしとるわ! 」
あかん。ウチが反応してどうする。デク君に弾き飛ばされてしもうた。すぐ目覚めたから具体的にリクエストする。
麗日
「この際『自主規制』*1って言ってもいいから!」
麗日(心操の再現)
「……!? "で、デクくん! 私と『自主規制』しよ! "」
精
「おおおおおお!!!」
明確に反応した。これでもし止まらなかったらどうしよう。
夢を見る。歴代継承者が殺風景な部屋で玉座のような豪華な椅子に座っている。随分抽象的にぼやっとしているのはマイトか?
初代
「思ったよりも早い再会になっちゃったね」
万縄
「お前さぁ! その力は
左目に2本の縦線傷がある男
「ここで言う雑念というのは底なしの色欲ではなく、怒りや嫉妬と言った負の感情のことだ」
志村
「君は中身の年に合わずお盛んだからねえ……いや、身体に引っ張られてるなら年相応かな?」
ハイカラ*2黒髪の男
「いや、まずは彼に状況を説明するべきですよ万縄先輩」
後ろの方では橙色の髪をした男と爆発したポニテ銀髪の男がいる。
万縄
「時間がないから手短に言う。ここにいるのは歴代OFA継承者だ。分かっていると思うが、お前には俺たちの"個性"が発現していく。なあに、必要以上に恐れるな。心を制して使いこなせ」
そう言って皆消えかけていく。ツッコミ所しかないが、口がないから何も言えない。そういえばこの夢の中では土口精の姿だ。つまり、歴代継承者にも土口精として見えているってことか。
人妻師匠
「そうだ、私に手を出したら俊典の夢枕に立って教えちゃうからなー!」
少なくともマイトが活動できなくなるまでは止めよう。
万縄
「頑張れ旦那! 俺たちがついている! OFAを完遂させるのはおまえだ──────」
身体に衝撃が走る。高い所から落ちたような、あるいは頭からメリーゴーランドに突っ込んだような。そこで意識がはっきりする。視界が煙に包まれていてよく分からない。ωセンスで探ってみるか
この煙の中で互いに混乱しているらしい。だったら煙を晴らして混戦開始といこうじゃないか。OFASを30%で発動し、いつぞやのマイトのように体を回転させ風圧で煙を吹き飛ばす。
精
「リターン・フロム・リンボだぜ!!!」
チームの三人にサムズアップで無事を伝える。いつの間にやら障害物が無くなっていたので即座に極点領域を展開する。
時間一杯の極点領域をレイ子ちゃん一人で凌がれた。いつかは通じない相手が出てくると思ったが、こんなに早く来るとは思わなかった。
お茶子
「デクくん本当に大丈夫!?」
お茶子ちゃんが駆け寄って来て────お茶子ちゃんに向かって飛んできていた捕縛布を掴む。俺の前で拘束用の得物を使うとはいい度胸だ。心操に向けて邪悪な笑みをギラリと向ける。
精
「捕縛布と女の子の扱い方が成ってねえな。特待生が直々に教えてやるよ」
地面に落ちている様々な物を黒鞭で引っ張りながら心操の下に向かう。
心操
「体育祭ぶりだなこうやってタイマンするのは!! あの時の俺とは違うぞ緑谷!!」
捕縛布を器用に巻きつけパイプをぶつけようとしてきた。手足の延長ぐらいの扱いはできると。まだまだだね。俺は引っ張って来た障害物で相殺する。
心操
「くっ……! 通じないか……! ここは逃げるしか────っ!?」
俺は相殺した道具の一つ、縛った物間を見せつけるようにゆらゆらと見せつける。心操はそれを見て真相が明らかに動揺している。仲間を道具のように扱われたら、人間である以上それなりの感情の動きがあるというものだ。
心操
「"お前……それでもヒーロー志望者かよ!? "」
今の俺はヒーローであり敵だ。敵ならばヒーローの嫌がることぐらい進んでやるだろう。その一瞬の隙を作るために。アザレアのマフラーに手をかけ、裏に仕込んである羅漢銭を6発放つ。
心操
「"個性"じゃない飛び道具も使うのか……!」
捕縛布で撃ち落とされる────寸前で羅漢銭の軌道が変わり心操の顔面を捕らえる。そのまま心操は膝からガクリと倒れた。意識はあるようだが、かなり脳を揺さぶられ動くことは出来無い様だ。
精
「黒鞭を紐づけて放つ回避不可能の羅漢銭────"必至の渡し賃"って所か。そういや扱い方を教えると言ったが……あれは嘘だ。後日飯を奢るから許してくれ」
心操
「……ははっ、流石ヒーロー科特待生だな……」
コイツの好物が何かは分からないが、全メニューをローラーしていけば分かるだろう。いつの日かコイツにも手作りお菓子の差し入れもしてやるか。2人を激カワ据置プリズンにぶち込んで戦場に戻る。
お茶子ちゃん
「流石デクくん! あの2人を1人で倒しちゃうなんて!」
実
「これで俺達の勝ちは決まったようなもんだな!」
三奈ちゃん
「1人ぐらい捕まえて出久特権手に入れてやる!」
精
「油断すんなよ。あいつらは敵……ヒーローとして、きっちりぶちのめしてやらないとなあ……?」
4対3、しかも3の内2は近接戦闘が苦手、まして4の内2は近接格闘が得意、ここから先はどうなったか言う必要はないだろう。A組の勝利が確定した所で講評の時間に入る。
澤先
「緑谷、あの雄叫びはなんだ? 明らかにまともじゃなかったぞ?」
早速質問された。一種の刷り込みによる瞬間的な激昂ですと答えたらなんとなく納得された。サーさんの事務所での叫び散らかした俺を知っているからだろう。
精
「でも、俺は『不俱戴天』を使った記憶ないんですよね……」
一佳ちゃん
「それなら物間が言ったんじゃない? アイツ、アンタを打ち負かしてやろうと必死で弱点探ってたから……」
俺が『不俱戴天』を使ったのは2回だ。でもインターンで使った際は物間はいなかったから、体育祭の時に知ったのか。爆豪にしか聞こえてなかったから、映像を見て口の動きだけで当てたのか。その執念は認めてやるが、煽る相手と方法は考えた方が良いぞ。
精
「……後で物間に謝っておくか。理不尽すぎるし、何よりあんな形で決着つけたくない」
茨ちゃん
「物間さんの方に非があるというのになんと慈悲深い……」
希乃子ちゃん
「物間の第二のストッパーとしてほしいノコ」
唯
「ん」
切奈ちゃん
「確か女の子が好きなんだっけ? ほーら、壊れる程揉んでも治るおっぱいだぞー?」
ポニーちゃん
「ワタシのアメリカンダイナマイトボディーでノウサツシマース!」
レイ子ちゃん
「止めなさい2人ともはしたない」
1-Bガールズも魅力的だ。物間を〆る代わりに1おっぱいぐらい許されるんじゃないだろうか?
1-Aガールズ
「「「
はい。
保健室で心操と一緒に物間に詫びを入れた後、心操に提案したいことがあった。
精
「俺に"洗脳"かけてくれね?」
心操
「……いきなりだな。何でだ?」
精
「……"洗脳"を喰らっている間は意識が研ぎ澄まされるんだ。あの感覚を覚えればさらに強くなると思ってな」
本当は歴代OFA継承者と会って色々聞くためだが、正直に話したら大問題だ。適当にごまかさせてもらおう。
精
「物は試しで5分ぐらいで頼む」
心操
「"捕縛布の使い方教えてくれるならいいぜ?"」
精
「サンキュー、心操」
フッと体が動かなくなり、意識が呆然とする。それだけだった。そう簡単に合える存在では無さそうだ。5分が経過し心操から肩を叩かれてハッとする。
心操
「どうだ?」
精
「うーん……ちっと難しいかもな。これを覚えるよりも"個性"伸ばしをした方がよさそうだ。付き合わせちまって悪かった」
心操
「俺の"個性"が役立つならいいさ。それよりも捕縛布の使い方教えてくれよ。相澤先生も緑谷の技術は参考になるって言ってたからさ」
俺の技術は澤先のお墨付きらしい。鼻高々に扱い方のコツや派生の技術を教える。
心操
「……お前"個性"無しでも滅茶苦茶強いんじゃねえか?」
精
「完全武装だったら澤先に勝てると思う」
心操
「ワンチャンあり得そうなのが怖えよ……」
心操と別れて今度は2人の人物を仮眠室に呼び出す。扉が開いて2人の金髪が入って来る。
マイト
「OFAについて新しいことが分かったんだって?」
爆豪
「とっとと話せや。俺はてめェと違って忙しいんだ」
マイトとクソウニに演習で知ったことを話す。
精
「……とまあこんなわけだ。現状発現している"浮遊"、"煙幕"、"黒鞭"、"個性をストックして渡す"……マイトが無個性であることを加味すればあと3つ"個性"が出るわけだ」
マイト
「それに関してだけど、4代目の情報が分かったよ」
マイトから資料が渡される。名前は
精
「……これ発現したら生きていくの大変そうだな。それの塊みたいなやつが隣にいるし」
爆豪
「殺すぞ死ね」
精
「で、二代目と三代目はどうだ?」
マイト
「残念ながら手掛かりすらなくてね……」
そこまで遡ると時代の影響もあるだろう。知りたかったが、無いものは仕方がない。いつか夢の中で問い詰めるとしよう。
精
「現状言えるのはここまでか。これからは"個性"伸ばしつつ筋トレして、歴代継承者にあったら尋問していってOFAを完遂するか」
爆豪
「てめェがどんな力を付けようが俺はその上を行く。それだけだ」
マイト
「頑張ってくれよ、土口くん。私は君の『やりたいようにやる』を応援しているからな」
2人の激励を受けてふと思った。
精
「……考えたってしょうがないか。まずは目の前のことに集中するべきだ」
何せクリスマスがちらついている。クリスマスと言ったら聖夜でもあり性夜でもあり精夜でもある。全力で楽しめるように今から考えておかないと。