抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
時はビル登る茶発表前に遡る。配信のネタを考えジェントルの家で企画会議をしている時だった。突如口から泥が噴き出して、どこかの研究施設のような場所に呼び出された。大きな培養装置の中には脳無が何体も浮かんでいる。
九玉
「……趣味が悪いな」
そのついでに敵連合の皆を見つける。やけにボロボロでここに来る前に何かあったようだ。
死柄木
「……久しぶりだな配信者」
マグネ
「皆でやった水着回よかったわね。BANされちゃったのが惜しいわ」
トガちゃん
「九玉さんが水着通り越して裸んぼになっちゃいましたからね」
コンプレス
「あの時のコメント酷かったなあ……トガちゃんも脱げってめっちゃ言われてたからね」
スピナー
「男のメンバーに対しても脱げって来てたのは驚きだったな……」
荼毘
「俺が脱いで大盛況してた記憶があるぜ。ありゃあ傑作だったな」
トゥワイス
「俺も脱ぎたかったがな! 裏方で出られなかったのが残念だぜ! 出なくてよかったぜ!」
再会の感動もつかの間、ドクターこと
氏子
「何も為していない二十歳そこらの社会の
氏子の問いに対し死柄木は不気味に笑いながら答えた。
死柄木
「俺は"全部"嫌いなんだ。息づく全てが俺を苛つかせるんだ。じゃあもう壊そう、一旦"全部"」
氏子は笑いながら賛同した。全てを壊してから新しく作り直す。死柄木はそれで望む世界ができると思っているようだ。我としては否定する心算はないが、全てを壊すというなら
死柄木
「仲間の望みは別腹さ。好きに生きてろ」
九玉
「配信活動も続けていいのか?」
死柄木
「続けてもいいがBANされねえチャンネルを作れ。切り抜きや転載でしか見れないなんて配信者として終わりだろ」
ジェントルやラブラバからも言われそうだ。氏子からギガなんとかを従えたら死柄木に全てをやると言われ、通信用の機械を渡されてどこかに転送される。目の前には牙を生やした巨大な人型の化け物がいる。
死柄木
「ああ、九玉オマエは初対面か。ドクターが屈服させろと言ったギガントマキアだ」
九玉
「銀貨と……薪屋……?」
死柄木
「マキアでいい。どうせ覚えられねえだろ?」
早速マキアが我を見つけて殴りかかって来た。我は衝撃波で牽制したが全く止まらず、その塔のように巨大な拳に殴り飛ばされる。エネルギー変換によって攻撃はいくらでもできそうだが、効果的な攻撃が入るか分からない。
マキア
「お前も弱い────」
九玉
「ならまずは────破壊の渡烏」
マキアの前に瞬間移動し紅い羽根のエネルギー弾を撃ち込む。的が大きいから当てやすいが、大したダメージになっていないようだ。再びマキアの拳に吹き飛ばされる。
九玉
「……まずは攻撃を受け止めれるようにならないと話にならないか」
回避していてはエネルギーが足りなくなる。かと言って喰らって吹っ飛ばされて戻るのは煩わしい。我の"個性"で奴を受け止めるだけの身体能力を出すにはどうすればいいか?
マキア
「お前も主とは認められない」
九玉
「我はお前を下僕と認めるつもりはないが……理を認められぬというなら話は別だ」
今までの戦いを思い出す。死穢八斎會、神野区、合宿、緑谷……緑谷の"個性"に身体能力強化があった。全身に力を張り巡らせるという原理だったか。我が模倣するとしたら、全身の細胞にエネルギーを送ると言った所か。試しに右腕に力を込める。
マキア
「何をやっても変わら……ぬ……?」
何とマキアの拳を受け止めることができ────受け止めた右腕が爆発した。どうやらエネルギーを送り込みすぎたようだ。
マキア
「ただの小蝿ではなさそうだな……」
九玉
「丁度良い訓練相手になりそうだな」
こうして一日かけて理の確立を習得した我は、マキアの睡眠中に死柄木に確認を取った。
九玉
「マキアはお前が従えるということでいいな?」
死柄木
「当たり前だろ。これ以上お前に力を付けられてたまるか」
九玉
「なら我は配信活動に戻る。マキアを動画のネタにするのは少し難しそうだからな」
死柄木
「勝手にやってろ。俺はマキアを従えて王になってやる」
そうなったら王に○○させてみた系の動画ができる。そうなったら敵連合の広告も効果的なものになるだろう。朗報を期待してジェントルの家で広告を続けるとしよう。早速ジェントル達に報告する。
ジェントル
「し、死柄木くんは本気で言っているのかい……?」
九玉
「安心しろ。お前達は大切な敵連合の仲間だ。義賊行為もしていいし、配信者も続けていい」
ラブラバ
「ううん……安心できるような、出来ないような……」
ということで我はジェントル達と配信者として活動していった。
それからしばらく経って現在、敵連合の皆から呼び出しがかかった。何でもブローカーの蟻爛が捕まったという。電話相手の
九玉
「いい配信のネタになるではないか。我とジェントル達で行ってこよう」
死柄木
「じゃあ行ってこい。俺達はマキアを従えるので忙しい」
トゥワイス
「待てよ! 九玉がしくじったらどうするんだ!? 蟻爛は死んじまうんだぞ!?」
マグネ
「まあまあ、落ち着いてトゥワイス。九玉ちゃんがしくじるような人に見える?」
九玉
「では、24時間以内に帰ってくると約束しよう。それで帰ってこなかったらお前達も来るといい」
我は瞬間移動ですぐに行け、死柄木達もドクターのジョンちゃんの力を借りれば行ける。善は急げと言うことでトゥワイスからスマホを借り、相手方から撮影許可をもらう交渉を始める。
九玉
「変わった。我だ」
四ツ橋
「配信は場所と名前を伏せてくれれば大歓迎だよ!
九玉
「ありがたい。服装はどうした方が良い?」
四ツ橋
「好きな服で来てくれて構わない! 死に装束になるだろうからな!」
九玉
「分かった。せっかくの晴れ舞台だ、勝負服で行こう」
四ツ橋
「悪の理が潰える時、我々の再臨が成される! 楽しみに待っているよ!」
善は急げということでスマホをトゥワイスに返し、ジェントル達の下へ行き話をする。
ジェントル
「急にとんでもない案件を持ってくるんじゃないよ!?」
ラブラバ
「いくら最近の数字が悪いからってヤバすぎるわ!」
早速大反対された。だがしかし、我にはどうしても引けない理由があった。
九玉
「蟻爛は我に敵連合という居場所を与えてくれたのだ。その恩をまだ返せていない」
この世界の者ではない我はどうやったってまともには生きていけなかった。だからこそ、蟻爛は我に敵連合を紹介してくれたのだ。まともに生きていくことが出来ぬ者たちが集まり、何とか生きていける場所を提供してくれたのだ。
九玉
「それに敵連合の皆にもまだ恩を返せていない」
我が理になるという途方もない目的に皆ついてきている。自分達の願いをかなえてくれると本気で我を信じてくれている。人員集めの配信がうまくいかなくても笑って付き合ってくれる。
九玉
「例え無理だと無茶だと無謀だといわれようと────我は蟻爛を助けたい。敵連合の皆に恩返しをしたい」
我の決意は2人に伝わっただろうか。顔を見合わせ、ジェントルがやれやれと言いたげにため息をついた。
ジェントル
「……九玉くんが無茶苦茶言い出すのは今に始まった事ではないな。それに、私とラブラバは九玉くんに居場所を提供してもらった。君が誰かに恩義を果たすというなら、私達も君に恩義を果たすというのが紳士というものだろう」
ラブラバ
「ジェントル……!」
ジェントル
「九玉くん……君の活躍を、敵連合の強さを、世界に知らしめてやろうじゃないか」
ラブラバ
「相手は大手企業の代表取締役社長……相手にとって不足無しよ! 私達の力を見せてやりましょう!」
こうして我はジェントル達ととある場所にやって来た。配信には載せないが愛知県の泥花市というところにやって来た。
九玉
「んん……視聴者の皆、こんぎょく~♪ 今日は野外配信だよ~♪」
ジェントル
「詳しい事情は伏せるが、我々の仲間が攫われてしまったのだ」
ラブラバ
「だから紳士的に義賊的に奪い返してやるのよ!」
黒いフォーマルなスーツに身を包み、それぞれの意気込みを胸に立つ。高台から望む町は我々を招いているように見える。
???
「ようこそ!! 私は案内役を仰せつかった者!!」
どこからともなく滑るように黒いアイマスクをした顎の大きいヒーローがやって来た。
解放軍のヒーロー
「解放軍指導者と話したければ私について来たまえ!!」
言われた通りに案内され、泥花市の通りを歩く。それなりの都市だが異常なまでに静かだ。前からスーツを着た紫眼鏡の男と青い色をした紫髪の女性がやって来た。
ラブラバ
「男の方が心求党党首の
となると四ツ橋はかなりの権力を持っていると考えていい。11万人の解放軍というのも現実味を帯びてきた。
花畑
「さァ始めてまいります────異能解放軍"再臨祭"!」
花畑が指を鳴らすと同時に潜んでいた兵士達が我々に攻撃を仕掛ける。
ジェントル
「ジェントリー・ベール!」
ジェントルが咄嗟に空気の膜で防御する。弾性を持った空気が攻撃を弾き、自動的に反撃を決めてくれた。
ジェントル
「君たち、女性の扱い方が成っていないぞ? もっと丁重にお出迎えをしてくれたまえ」
ラブラバ
「大勢を前にしても余裕でかっこいいわジェントル!」
九玉
「お前達は防御に徹しながら撮影を続けろ」
我は空気の膜の内から瞬間移動で歓迎の雨に飛び込む。この程度の攻撃では我のエネルギーになるだけだ。
気月
「この頃話題の『九玉の理チャンネル』の主、九玉さんね」
気月が両手の人差し指と親指で四角を作り、我をその画角に収める
気月
「先日の配信の切り抜きも拝見させてもらったわ。他のチャンネルでは思ってもやらないようなことばかりやって……何でそんなことをし続けるのか教えてくださる?」
九玉
「……敵連合の広告活動だ」
切り抜きしか見ていないのは気に食わないが答える。気月はあっさりと答えられその緑の瞳を開いて驚いている。
気月
「……どこに連絡すればいいかも伝えないで?」
九玉
「動画の概要欄にチャンネルのリンクから我々のエヌエルエヌエスに飛んで、ダイイングメッセージを送れと毎回書いてあるはずだ」
気月
「SNSからのダイレクトメッセージで受けてるの? そのSNSアカウントは無事なの?」
そういえばSNSアカウントはほとんど触っていなかった。もしかしたらチャンネル同様、BANを喰らっているかもしれない。
九玉
「……中々いい運営の腕を持っているな。我々に協力しないか? 青い女となれば華になるだろう」
気月
「あなた相当馬鹿ね」
会話の中でいつの間にか取り囲まれていた。この女がメンバーに加わればもっと効果的な宣伝をできるだろう。ぜひとも欲しくなった。
気月
「"エネルギー変換"を持っているというけど……この数に耐えられるかしら?」
刺の生えた腕や矢印などで一斉に攻撃される。多少傷つくも大したものでは────目の前の男が爆発する。直撃して体勢を崩す。
気月
「ちなみに全員私の"個性"によって地雷になっているわ。いくらあなたが再生するからと言って、一度で粉々になったら再生できないでしょう?」
体勢を崩した我に一気に人が押し寄せてくる。そしてそのまま────
空気の膜越しに爆発音と振動が伝わる。かなりの規模の爆発が起きたようだ。ラブラバが不安から逃げるように私に抱き着いてきた。
ラブラバ
「ジェントル! 九玉さんが!」
ジェントル
「大丈夫だラブラバ! 九玉くんならあれぐらいの爆発では────」
ちらりと映ったのは焦げた何かの山だった。内側に崩れているのを見るに、中心部の威力はかなりのものになるだろう。もしかしたら────
ジェントル
「いや、それでも九玉くんは死んだりはしない!」
気月
「いい加減認めたらどうかしら? 人は死ぬときはあっさり死ぬものよ?」
九玉くんはただの人ではない。人でなしな所があるからとか、非常識だからとかではなく、人知を超えた力を持っているのだ。そんな九玉くんが爆発なんかで死んだりは────