抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
衝動が収まったミッ先を百ちゃんのベッドに託し、俺は威風堂々と共有スペースに現れた。俺の安否を確認するのが怖かったのか閑古鳥しかいなかったが、机に付箋による書置きがあった。
『緑谷少年へ この紙に気付いたら私に連絡をしてほしい オールマイトより』
こんな遅い時間でもいいのだろうか。そして俺を指定しているということはOFA関連だろうか。ともかく俺の部屋に行ってからマイトに鬼電する。
精
「夜分遅くに失礼いたします」
マイト
『……? ああ、やっとあの紙に気付いたんだね……大分眠っちゃってたよ……今日はもう遅いから、明日いつもの仮眠室に来てほしい。色々と話さないといけないことがあるんだ』
すでに日付は変わっているので、今日の朝方にでも行くとしよう。
精
「ということで本来の意味で
マイト
「元気そうで何よりだよ。温かいお茶でも飲みながら話をしようか」
向き合うようにソファーに座ると、マイトが茶柱5本立ちの茶を出してくれた。俺の想像以上に腕を上げているようだ。早速お点前を拝見しよう。
精
「……普通っすね」
マイト
「茶葉はいつもの奴だからね。それで、話したいことなんだけど……君はアメリカNo.1ヒーローを知っているかい?」
精
「日本以外にもヒーローっているんですか?」
マイト
「そのレベルだったんだね……そもそもヒーローの本場はアメリカなんだ」
精
「もしかして、九玉さんの予告でアメリカNo.1が日本に来たとか?」
マイトが額に手を当ててうなだれる。そんなに非常識なことを言ったのだろうか。
マイト
「国際的なヒーロー派遣にはそれなりの手続きがいるんだ」
俺の監獄での研修もそれなりに手続きがあった。いくらマイトの頼みであっても、二言返事の即来日なんてことは起きえないのだろう。
マイト
「なのに……来てくれたんだ。出てきていいよ」
マイトがソファーの後ろに呼び掛け────
???
「
ネイティブな発音と共に誰かが立ち上がる。星条旗を模したコスチューム、グラマラスなダイナマイトボディー、マイトみたいな8本の触角のような髪、外国人特有の濃い目の美貌、一言で言えばアメリカ版オールマイトだった。
精
「お前の隠し子か?」
マイト
「そんなわけないからね!?」
???
「家族でサンタモニカピアに行く途中、ダディがマミーを助けたのが始まりさ」
マイト
「乗らないでくれよキャシー!?」
キャシーはキャスリーン、日本っぽく言うとキャサリンの愛称だ。俺もそれにあやかってキャシーと呼ぶか。
精
「遠路はるばる日本へようこそキャシー。黄金の国も侍も忍者も大和撫子も絵空事だが、オールマイトは本物だぜ?」
右手同士でガシリと握手をする。めっちゃ力強く握られてちょっとビビった。
キャシー
「中々面白い事を言うじゃないか。私はキャスリーン・ベイト、ヒーロー名はスターアンドストライプだ。君の事は私の
だったら取り繕うのは止めた方が良いだろう。
精
「日本では理解を深めるために体の関係を持つという文化があって────」
マイト
「緑谷少年?」
キャシー
「アメリカと同じで安心したよ。早速ここでシちまうかい?」
マイト
「キャシー!?」
俺の下ネタに全く動じないどころか、それに乗っかって笑っている。ソッチ関係だったらマイトよりはるかに上だろう。アメリカNo.1の片鱗を見たので一旦身を引こう。
精
「今問題行動起こしたら退学処分になっちまう。ほとぼりが冷めたらお願いするよ」
キャシー
「師の後継からのお誘いとは嬉しいね。このままだと私がOFAを継承してしまうかもしれないな?」
マイト
「頼むから本題に入らせてくれ……私だって色々ありすぎて胃が痛いんだ……」
マイトが土下座をして頼み込んできたのでそろそろ真面目になろう。キャシーが来日した目的は九玉さんの全国襲撃の阻止で、そもそもの発端である死柄木in九玉andAFOを倒すつもりだったという。
精
「だった……? まるで倒せなかったみたいな言い方じゃないですか」
キャシー
「みたいじゃない、倒せなかったんだ」
キャシーの"個性"が何なのかは知らないが、アメリカNo.1なのだからかなりの強個性のはずだ。気になったことはどんどん聞いていこう。
精
「キャシーの"個性"は?」
キャシー
「"
精
「どんなルールでも?」
キャシー
「強化する方には上限があるが、弱体化する方には下限なしだ」
精
「俺を女の子にすることできますか?」
キャシー
「どんな意味であってもできないね。因みに私の"個性"の情報はアメリカのトップシークレットだ。知ってしまったからには責任を取ってもらうぞ?」
精
「マジか……1-Aガールズに相談しないと……」
マイトが泣きそうになりながら両手を合わせて懇願してきたので話を戻す。
精
「そんなキャシーでも死九Aを倒せなかったとは……どんな戦いだったのか教えてくれますか?」
キャシーが目を瞑り、錆びついたドアを開けるように口を開いた。
キャシー
「結論から言おう、私は"個性"を失った」
師が助けを求めていると聞いて、
シガラキ
「日本へようこそ。おもてなししてやるぜ」
右手からの凄まじい衝撃波で歓迎され戦いが始まった。熱い歓迎に応えるべく、私は"新秩序"を使った。
スター
「"大気"、"これより大気は私の100m先正面の空間には存在できない"」
真空で呼吸を封じた後、ブロスのレーザー砲による援護射撃が直撃した。しかし、奴はレーザーを拡散しながら反射してきた。"レーザーは持てる"という宣言で受け止めたら、奴が接近戦を仕掛けてきた。
スター
「超パワーによる空中機動は望むところだ! "トムラシガラキ"ィ!!」
私自身に"新秩序"で身体強化をしていたから簡単に殴り返すことが出来た。
シガラキ
「成程……これがアメリカNo.1か……想定以上だ……」
奴が不適に微笑んだが、すでに私の"新秩序"の準備はできた。
スター
「"トムラシガラキはここから少しでも動いたら心臓が止まる"」
私の宣言の後、奴が足から衝撃波を放って大きく飛び上がった────"新秩序"が効かなかった。
シガラキ?
「成程、生物に"新秩序"を適応させるのは無理なようだな?」
そして、上空から紅いレーザーを放ってきた。レーザーだったから掴んで処理することは出来たが、あまりにも不可解な現象だった。私の顔を見て、奴は高笑いしながら叫んだ。
キュウギョク
「ハロースターアンドストライプ!マイネームイズキュウギョク!ナイストゥーミーチュートゥー!アイウォントユアパワー!」
子供でももっとうまく話せるような英語で自己紹介された。
ブロスA
「キュウギョク!? 日本の
ブロスB
「でもどこからどう見たってシガラキだぜ!?」
キュウギョク
「アンド……フェアフェルソーロング!!!」
キュウギョクが叫ぶと同時に────奴の手元から紅いレーザーがひび割れていった。咄嗟にレーザーを投げ捨てから無傷で済んだが、あのまま持ち続けていたら私もひび割れていただろう。
キュウギョク
「ユータッチエアーアンドキャンユーズユアパワー!ソー、アイタッチレーザーアンドキャンユーズシガラキズパワー!」
多分、お前は大気を触って"個性"を使えたのだから、私もレーザーに触ってシガラキの"個性"を使える、と言っているのだろう。英語はともかく、"個性"の方はかなりの強さだ。私も手段を選んでいる場合ではなくなった。ブロス達にアグパー指令に繋いであるモノを日本に送ってもらう。到着まで持たせなければ────九玉の体が紅く光った。
キュウギョク
「イングリッシュ……イングリッシュイズディフィカルト……これで仕舞いにしよう────"
奴の全身から凄まじいエネルギーが放たれ────そのエネルギーが崩壊していく。
スター
「"大気は私の1000倍の大きさで固まる"!」
固めた大気で殴り飛ばし何とかやり過ごすことが出来たが、アレを連発されたら何らかの拍子で巻き込まれてもおかしくない。であれば何もさせず封殺するのがベストだ。大気の両手で挟み込んで引き寄せ、顔を殴り飛ばしながら"新秩序"で宣言する。
スター
「"キュウギョクは"個性"が使えなくなる"! そして────
吹っ飛ばされたキュウギョクにブロス達のレーザーの集中砲火が刺さる。これで塵の一つも残らずに────レーザーをかき消すように紅いエネルギーが放たれる。
キュウギョク?
「生物に適応させる場合は互いの認識が一致しないとダメみたいだな、
キュウギョクの雰囲気が変わる。先の英語に苦しむ苦学生から、この戦いを楽しんでいるような、まるで別人になったような。もしやシガラキとキュウギョクの二重人格者なのか? だとしたら私の"新秩序"を適応させるのは至難の業だ。私は再び大気を固めて奴を挟み込んだ。
アグパー
「スター、君の身勝手には慣れたものだと油断していたよ。今回ばかりは免許剥奪どころじゃすまないぞ?だから一発サービスしておいた。日本にも連絡はついている。もう着く頃だ」
ほどなくしてアグパーさんから例のモノが来ると連絡が入った。私が要請したのは"ティアマト"、新型極超音速大陸間巡航ミサイルだ。ブロスからミサイル接近の報告を受け────
キュウギョク?
「Ms.スター!
奴の両手が紅く光っていた。恐らくティアマトを正面から受け止めるつもりだ。今から奴に触れる時間はない。不本意だが奴の提案に乗るしかなくなった。私は戦闘機から跳び、ティアマトに触れて"新秩序"を宣言する。
スター
「"ティアマトは旋回する"───新型極超音速大陸間巡航パンチ」
キュウギョク?
「今度は俺が全部ぶっ壊してやる!"
ティアマトと崩壊するエネルギーがぶつかり、海を割る大爆発が起こる。もしこれで奴が生き残っていたら、全世界のあらゆる戦力をもってしても倒せないということになりかねない。私はヒーローとして初めて人の死を願った────空中で身動きの取れない私の前にソレは現れた。
キュウギョク?
「秩序は理の下に成り立つ……故に貴様が負けることは必然だったのだ────だから僕の勝ちだ」
私の顔に奴の右手の五本の指が触れ、エネルギーがひび割れたように私の体がひび割れ始めた。
スター
「"
咄嗟に"新秩序"を定めたが、耐久力の強化上限に引っかかって進行を遅らせることしかできなかった。
キュウギョク?
「ッ!?AFO貴様!こうなったらやむを得ない!」
そして再び奴が私の顔に手で触れる────と同時に奴の体が膨れて弾けた。奴が私の"新秩序"を欲しがっているのは自己紹介で馬鹿正直に説明してくれた。そして、遠隔で奪えるなら邂逅時に奪っているはずなので、どこかのタイミングで私に直接触れると考えた。私達の全力に打ち勝った後なら油断するだろうと思い、直後に宣言しておいた。
スター
「""新秩序"は他の"個性"と反発する"……!!」
キュウギョク?
「キャスリーン・ベイト……!!」
ブロス
「「「FIRE!!!」」」
ブロスの援護射撃によって、ついに奴にダメージが入るようになったのが見えた。しかし、超パワーとエネルギーによる超高速機動で奴は逃げていった。
スター
「私もここまでか……ありがとうオールマイト。あなたが助けてくれたから素敵な夢に溺れられた。だからオールマイト、これが私の恩返し」
そうして私の体は崩れて────いくことなく、むしろ元の体に戻っていった。
スター
「…………え?」
"新秩序"を失って抗う術は無くなったはずなのに、私の体は何事もなかったかのようにそこにあった。
キャシー
「その後は日本のヒーロー達にお出迎えされて……"個性"が無くなったことを話したら、一旦雄英で待機するという形になったんだ。もちろんブロスも一緒で、戦闘機はグラウンドに止めてある。後で見るか?」
精
「戦闘機にはいい思い出がないので……じゃなくて! 何があったんですか!?」
恐らく"AFO"と"崩壊"を同時に喰らったのだろう。しかし、そこから無事だった理由が全く分からない。
キャシー
「さて、ここで一番の機密情報を打ち明けたいが……私とキスをしてくれないか?」
精
「します」
マイト
「この流れで!?」
血を吐いて驚くマイトは放ってキャシーに迫る。俺を知った上でキスをしたいというのは"ωスキャン"をしろということだろう。後に知ったがキャシーは42で、年上好みの俺としては最高だった。
精
「舌入れるとより分かるんですけど」
キャシー
「それはベッドの上で頼むよ」
軽くいなされたのでキャシーと唇を重ねる。妙にフルーティーな甘さと共にキャシーの思考を読み取る。
キャシー
(ということでサプライズゲストだ。君のよく知る人物だよ)
ゲスト? よく知る人物? 一体────別の思考が遅れて流れ込んできた。
九玉
(んん、こんぎょく~♪)
精
「九玉さんだあ!?!?!?」
驚きの余り唇を離してしまった。
キャシー
「こんなキス初めてだろ? ちなみに私のファーストキスは君だ」
精
「そうなの!? いや、そうじゃなくて! 何で九玉さんが──────」
叫び散らしながら何かが思い浮かぶ。キャシーが戦った死九Aには三人の意思がある。キャシーとの会話から、九玉さんとしては"新秩序"を奪うぐらいの予定だったはずだ。それをAFOが邪魔をしてキャシーを殺しかけてしまい、あまつさえ"世界移動"を失いかけた。それを回避するために、"AFO"で"世界移動"と"超再生"を
キャシー
「さて、ここで問題が一つある……」
マイト
「一つなのかい……?」
キャシー
「実は