抜きゲーみたいな島に住んでいた狂犬はヒロアカ主人公に憑依したらどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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8-04 紡がれていく糸

 出久から許可をもらったから準備をしてほしいと言われ、アイツを除いた1-A全員で寮前の広場に並ぶ。4月だというのに妙にうすら寒い。轟に頼んで炎で温めてもらって汗も十分にかいているが、それでも震えが止まることはなかった。

 

 轟

「大丈夫か爆豪? もっと火力上げるか?」

 爆豪

「これ以上上げたら焦げちまって戦えなくなるわ……正直、"不俱戴天"にはいい思い出がねェ」

 

 初めてアレを思い知らされた体育祭決勝戦、あの時は死んでいてもおかしくなかった。だから本能的な恐怖と燃え続ける闘争心を覚えた。アレを超えなければ絶対一番になれない。出来る事なら俺だけの力で超えてェが、今の俺にはどう考えても不可能だ。1-A(コイツラ)の力を借りても止めるのが精々で、倒して超えるなんて夢のまた夢だろう──────なんて考えるかよ。拳を強く握りしめて爆発を1つ起こして振り切る。

 

 爆豪

「アイツは止めてくれればいいなんて言いやがったが……俺は殺すつもりだ」

 轟

「緑谷が死んじまったら色々大変だ。どれだけ酷くても入院で済ませてやってくれ」

 緑谷

「入院も勘弁してくれ。ここから事が動きだすから雄英にいさせてくれよ」

 

 いつの間にか旧コスを着た出久が話に入ってきた。物事が上手く進んでいるのからか、どこか浮ついた笑顔をしていてムカついた。出久は俺達が準備万端なのを理解してくつくつと笑い出した。

 

 緑谷

「時間が惜しいから始めようか────"お兄ちゃんは弱いよね"

 

 その言葉と共に出久の様子が激変する。全身から煙幕をまき散らしながら飛び上がり、黒鞭を地面に向けて突き刺してきた。恐らく金色領域・改の構えだ。手早く煙を払うため尾白と協力する。

 

 爆豪

「"爆風地雷"!」

 尾白

「"尾拳・沼田打旋風"!」

 

 煙を晴らし上空を見る。すでにアイツの姿は無く──────死の危険を感じ咄嗟に伏せる。直後、頭上から飛行機が通り過ぎたような音と衝撃波が走る。すでに姿が見えないほど速く動き回っていやがった。

 

 爆豪

「少しでも機動力を落とせ!」

 瀬呂・峰田

「「行くぜ! "多重結界(バリアラッシュ)"!」」

 

 テープともぎもぎが辺りに飛び交う。少しずつ出久の体に付着していき、何とかテープやもぎもぎの跡を確認できるようになった。それでも動きを止めることは出来ない。少なくとも音速に近い速度でないと追いつくことすらままならない。

 

 轟

「八百万! 何とかならないか!」

 八百万

「任せてください!」

 

 八百万がスプリンクラーを"創造"し、辺りを液体まみれにする。

 

 八百万

「耳郎さん! これなら捕らえられるはずです!」

 耳郎

「やっぱりヤオモモは頭がいいね! "ハートビートウォール・プレスティッシモ"!」

 

 音は空気中よりも液体の中の方が早く伝わる。どちらも音速に変わりはないが、より速い音速になった音の壁が出久を捕らえ────

 

 出久

「るおおおおおおん!!!」

 

 同じ周波数の叫び声で共鳴を起こし、音の壁を揺らしてトランポリン代わりにしてさらに加速した。

 

 耳郎

「マジで!? そんな咄嗟に判断できる!?」

 爆豪

「"ωセンス"に"変速"を合わせればできるだろうよ!アイツの反応速度は人間をとっくに超えてるぞ!もっと速くしねェと──────」

 青山

「軌道が分かれば撃ち抜けるさ!☆"ネビルレーザー"!」

 

 ついに光速が音速を捕らえる。レーザーに撃ち抜かれた出久が転び地面に固着され──────黒鞭で地面をえぐり取って上空に飛んで行き、地面に向けて掌底で衝撃波を連打してきた。

 

 切島

「芦戸!力貸してくれ!"安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)"!」

 芦戸

「任せて!"溶解度0.1%保護皮膜用アシッドマン"!」

 

 粘度の高い酸を纏った切島が衝撃波を食い止める。次第に強くなっていく衝撃波にも切島は喰らい付いていた。

 

 切島

「す、素手の方がヤベエじゃんかよ……!」

 出久

「ばるるるるるる!!!」

 

 しかし出久の攻撃はお構いなしに強くなっていく。受けるだけでなく攻めに転じる必要もあり、しかもこの衝撃波以上の威力を持続し続けなければいけない。"爆破"はアイツの最大の一撃にぶつけるのに温存したい。ならうってつけの奴がいる。

 

 爆豪

「常闇! てめェも黒影(ダークシャドウ)を暴走させろ!」

 常闇

「それは無理な話だ────その力はすでに俺の手中にあるからな。やるぞ口田、"黒影(ダークシャドウ)終焉(ラグナロク)"」

 口田

「"黒き羽根を持つ者達よ、空をその色で覆うのです"!」

 黒影

「ドッチガツヨイカショウブシヨウゼミドリヤァ!!!」

 

 口田が呼んだ烏の大群によって暗さは十分だ。ダークシャドウの拳が衝撃波を相殺していく。

 

 黒影

「ドウシタドウシタ!? オマエノホンキハコンナモンジャァネエダロ!?」

 出久

「おおおるるるあああ!!!!!!」

 

 黒影の挑発に乗ってか掌底から両足による蹴りに切り替わった。それでも黒影で相殺できている──────いや違う。間に披露したアレを"発勁"で放つつもりだ。今はそれの前座に過ぎない。

 

 爆豪

「てめェら本気で構えろ! アイツの最大火力が来る!」

 

 溜めるに溜めていたクラスターの起爆準備をする。俺らで凌げなかったら俺だけでアイツを超えるなんて不可能だ。

 

 出久

「あおおおん!!!!!!」

 

 一際大きな方向と共に左脚が振り抜かれる。それと同時に俺達の全力をぶつける。

 

 爆豪

「"ハウザーインパクトクラスター"!」

 轟

「"冷炎白刃(れいえんはくじん)"!」

 上鳴・八百万

「「電磁投射砲!」」

 砂藤

「"シュガーインパクト"!」

 障子

「"オクトスパッション"!」

 

 各々の最大出力で何とか食い止めた。しかし、アイツにはまだ右脚が残っている。残った足を振り抜く瞬間、出久が180°回転し空に衝撃波が放たれた。空には飯田がエンジンを全力で吹かして駆け巡っていた。

 

 飯田

「"レシプロターボ・ゼロ"!これで君の全てを受け止めきった────」

 爆豪

「まだだ!脚の分は放出したが手がまだ残ってる!」

 

 蹴りに変える前の掌底の分も溜まっているようで、反動を利用して落下しながら両手を構えている。アレが正真正銘最後の一撃だろう。俺は咄嗟にコスチュームを脱いでアイツに向かって投げつけた。

 

 爆豪

「てめェに手が残ってるんなら俺にはコレが残ってる────"デュミナスクラスター"

 

 俺が汗を溜めていたのは掌だけではなく、全身で汗を溜めていた。その状態でコスチュームを投げてから爆発を起こせば、コスチュームに付着している溜めた汗が誘爆し一発限りで瞬間的に"クラスター"を発動できる。非常にムカつくが、コスチュームすら武器にするアイツから着想を得たとっておきだ。爆発に煽られた出久が体勢を崩して上空に掌底を放ち、さらに加速して地面に叩きつけられた。

 

 轟

「"大氷海嘯"!」

 出久

「おごあああ!!!」

 

 テープともぎもぎに加え全身を氷漬けにされたら、流石の出久も動けないようだ。ついに俺達は出久を止めることが出来た。

 

 

 トガちゃんに体を貸してもらって、ついに九玉さんと会うことが出来た。

 

 精

「貴女にとっては久しぶりですかね、九玉さん?」

 

 流石の九玉さんも驚きを隠せないようで、紫の瞳をパチクリさせて口元に手を当てている。

 

 九玉(分身)

「本当に土口になったというのか……」

 精

「九玉さん、色々話は後にして状況を説明してください」

 

 それもそうだなと九玉さんが事情を話す。九玉さんの全国展開は順調だが、死柄木とAFOの行方が分からず2人の意識の融合が進んでいる。"超再生"を体に入れるか時間経過で完全体(マスターピース)になり、非常に面倒くさいことになるという。

 

 九玉

「奴は隠れるのが上手い。探していては見つからないだろう。だとしたら誘い出したいのだが、全く方法が思いつかない。そして奴との接触を避けるために、我を全国展開するのも止めて別の誰かにしたい」

 精

「軽く無茶苦茶言いますね。でも、もう慣れてますから何とかしますよ」

 

 トガちゃんの変身時間は血液摂取量に比例するから、500ml摂取すれば一日は持つだろう。とはいえ、雄英にいる俺を長い間放置するわけにもいかない。ASAP目に考えないと。

 

 トゥワイス

「考える頭数なら用意できるぜ!三人寄れば文殊の知恵だな!船頭多くして船山に上るだな!」

 

 生で見るとこの人の尻滅裂さがよく分かる。しかし、どう考えても人を増やせるというのはスゴイ──────だとしたらいけるのではないか?

 

 精

「えーっと……トゥワイスさん、で合ってますか?」

 トゥワイス

「おうどうしたよ!?」

 精

「俺を増やすことってできますか?」

 

 トゥワイスさんが自信満々に手首からメジャーを伸ばした。

 

 トゥワイス

「測らせてくれれば誰でも"二倍"出来るぜ!」

 精

「九玉さん、俺にある"超再生"と九玉さんの適当な"個性"を入れ替えてくれませんか?」

 九玉

「なるほど。そうすれば奴に"超再生"を渡すことなく、我と同等かそれ以上の戦いが出来るだろうな。何かと便利な"ショック吸収"と入れ替えよう」

 

 九玉さんが俺の頭に手を当てて"個性"を入れ替える。試しに指を齧ってみたらしっかりと血が出てきた。俺は即座に服を脱いでトゥワイスさんに体を測らせた。

 

 トゥワイス

「うお!?お前チンコでかいな!?」

 精

「女子からも大好評なんですよ」

 九玉(分身)

「……とやかく言うつもりはないが、ここはお前の故郷とは違う。それだけはゆめゆめ忘れるなよ」

 

 測り終えたトゥワイスさんが早速俺の分身を生み出した。

 

 精(分身)

「……おお? ここはどこだ? うおっ!? 裸の俺がいる!?」

 精(変身)

「生成一秒で死んでもらうぜ!」

 

 不意打ちを仕掛けたが咄嗟に掴まれて失敗に終わった。そういえば"危機感知"があったか。事情を説明したら目をキラキラさせて喜んだ。

 

 精(分身)

「1-Aガールズと俺達で大乱交スマッシュブラザーズできるってこと!?」

 精(変身)

「だからこの作戦は絶対に成功させなきゃいけない……性交するためにな」

 精(分身)

「こうしちゃいられねえ!トゥワイスさん!九玉さんと俺を作って全国展開だ!」

 九玉(分身)

「待て。それでは混乱が起こるだろう。緊急配信で事情を説明するぞ」

 精(変身)

「それに生の俺が出たら大問題だ。丁度良い方法があるんだ。雄英に取りに行ってくるわ」

 

 俺は"世界移動"で故郷の自室を探し、即座に自室に移動した。

 

 九玉(本物)

(まるで我が物のように"世界移動"したな……)

 精(変身)

(故郷で平行世界に移動して、九玉さんから何度か喰らいましたからね。俺は経験があったら何でもうまくできるんですよ)

 

 そして自室から雄英高校のサポート科の開発工房前に移動する。そしてドアに手をかけ──────瞬間、爆発に巻き込まれ顔に柔らかな物が押し当てられる。どさくさに紛れて触って揉んで舐めて吸った。間違いない、明ちゃんのおっぱいだ。

 

 精(変身)

「明ちゃん、俺の新コス修理できた?」

 明ちゃん

「あらまお久しぶりですね緑谷くん!ええ出来ましたとも!あのデザインも変わらずですよ!」

 

 起き上がった明ちゃんがハメドリくんのアーマーを持ってきてくれた。早速身に着けて機能を確かめる。

 

 ハメドリくん

「これなら問題ないハメね!何時も無茶難題に答えてくれてありがとうパコ!」

 明ちゃん

「顧客のニーズにこたえてこそですから! では私は開発に戻りますので!」

 

 明ちゃんことだからおっぱいを弄ばれたことどころか、俺が来たことも忘れて開発に戻るだろう。人目やカメラがないことを確認して"世界移動"で九玉さん達の下に戻る。分身の俺は乱交を楽しみにして、喜んで消えてくれたたらしい。

 

 ハメドリくん

「トゥワイスさん!この姿も測って欲しいハメ!」

 九玉(分身)

「あの珍妙な青い鳥の正体はお前だったのか……」

 トゥワイス

「何だっていいから測って配信だ!」

 

 ということで会議室で緊急配信を行うことになった。九玉さんがスマホを起動してライブ配信を始める。

 

 九玉(分身)

「こんにちは。九玉だ。今行われている我の全国展開に関して緊急で動画を回している。まず、諸事情により我が全国に行くことが出来なくなった。それに伴い、我の代わりに全国に行く新メンバーを紹介しよう。理の会に生まれた青藍の翼──────ハメドリくんだ」

 

 カメラが回ってハメドリくん姿の俺を捕らえる。俺は両翼を広げ挨拶をする。

 

 ハメドリくん

「シコんにちは~!僕は理の会公式マスコットキャラクターのハメドリくんだハメ!今日から九玉おねえさんに代わって僕が皆の平和と安全を守るパコよ!名付けて"ハメドリくん大量発生ハメ"パコ!」

 九玉(分身)

「見た目と口調はアレだが実力は我が保証しよう。論より証拠、案ずるより産むが安しだ」

 ハメドリくん

「千摺るよるヤるが楽しハメね!余裕があったら僕と一緒に写真を撮って、SNSに#ハメドリくんとハメ撮りで投稿してほしいパコ!」

 九玉(分身)

「ということで今回はここまでだ。ハメドリくんのことをよろしく頼むぞ」

 

 配信を終えて早速トゥワイスさんにハメドリくんを全国に送ってもらう。故郷で起きてもおぞましい出来事だから、この世界で起きたら阿鼻叫喚であえんびえんな出来事だろう。

 

 

 とりあえず九玉さんの代わりはできたので、次はAFOをおびき寄せる作戦だ。こういう時は相手AFOの立場になってされたら嫌なことをするべきだ。奴の目的は魔王になる事で、それを邪魔されることが起きたら出て来ざるを得ないだろう。

 

 精(変身)

「俺だったら九玉さんのヒーローと理の会の同盟結成を止めたいなあ。そこの二つを差し置いて魔王なんて名乗れないだろうし」

 九玉(分身)

「ならば形だけでも同盟を結んでしまうというのはどうだ? そうしたら奴も何かしらの動きを見せるだろう」

 トゥワイス

「でも皆納得するか?当事者である俺達ならともかく、ヒーローどころか俺達のリスナーだって納得しなさそうだぜ?」

 

 現に理の会でも仲間割れが起きている。上部の決定だと言われてもはいそうですかとは言ってくれないだろう。ヒーローたちを説得しようとしたらなおさら難しいだろう。九玉さんを知るヒーローならまだしも、何も知らないヒーローは猛反対するだろう。ヒーローと敵が協力したおかげで救われた人がいれば──────()()()()()2()()()()()。もしもあの2人が説得してくれれば、世間を動かすことが出来るかもしれない。

 

 精(変身)

「ワンチャンイケるかもしれない」

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