導く者は語らず   作:ユーナギ1031

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不死者の苦悩

第1話: ある平凡な少年

 

眩しい朝陽がカーテンの隙間から差し込み、部屋の壁を淡く照らしている。アラームの電子音が鳴り響き、悠真は目を細めながら手を伸ばし、スマホを止める。

 

「……もう朝か。」

 

眠気の残るままベッドに横たわり、しばらくぼんやりと天井を見つめる。外からは鳥の鳴き声と、近所の通学路を走る車の音が聞こえ、今日も変わらない日常が続いていく。

 

ゆっくりと起き上がり、ベッドの傍に置いてあるクローゼットの扉を開く。その中には学校用の制服がかかっているが、それとは別に、カラフルな服が並んでいた。

 

レースがあしらわれたブラウス、フリル付きのスカート、シックなワンピース。

 

「どれにしようかな……」

 

悠真は、選びながら微笑む。

女装をするのに特別な理由はない。ただ、服のデザインを楽しむのが好きだったし、可愛いものを身に纏うのが心地良かった。

 

誰に何を言われるわけでもない、自分の自由な感性としての趣味。

学校に行くときは制服だが、休みの日は気分次第でこうした服を選ぶ。

 

鏡の前に立ち、薄いクリーム色のブラウスを羽織ると、襟元のフリルが揺れた。悠真は特に嬉しそうな様子もなく、ただ落ち着いた気持ちで鏡を見つめた。

 

「まあ、今日も変わらない日になるんだろうな。」

 

そう思いながら、制服に着替え、学校へ向かった。

 

---

 

「なあ、昨日のアニメ見たか?」

「お前も『呪術廻戦』好きだったのか?」

「いや、どっちかって言うと『マギ』派だな。」

 

昼休み、悠真は友人たちとアニメの話をしながら昼食をとる。教室の窓から見える青い空と、グラウンドを走る生徒たち。どこか穏やかな風が流れ、日常の風景が広がっている。

 

「お前ってさ、なんか変わった趣味あるよな。」

 

突然の言葉に悠真は目を上げる。

 

「何のこと?」

 

「いや、服とか。休みの日にたまに違う雰囲気の格好してるじゃん。」

 

「ああ、それ? 別に何か特別な理由があるわけじゃないよ。」

 

悠真は苦笑する。実際、女装が趣味であることは隠しているわけでもない。ただ、「自分が好きだからやっているだけ」なので、そこに深い意味はない。

 

「まあ、自由だよな。」

「そういうの、なんかいいよな。」

 

友人たちはそれ以上何も言わなかった。

そして、悠真は改めて思う。

 

「俺はこの平凡な日々を、ただ過ごしていくだけだ。」

 

ーーー

夕方、学校帰りの道。

空はオレンジ色に染まり、悠真はスマホをいじりながら歩いていた。

 

交差点に差し掛かったとき、ふと目の端に幼い子供の姿が映る。

 

横断歩道の中央で立ち止まっている——

そして、遠くからトラックの音が迫っている——

 

「——やばい!」

 

反射的に足が動く。思考するより先に駆け出し、子供の腕を掴んで突き飛ばした。

 

その直後——。

 

ゴッ——

 

衝撃が背中から走り、視界が一瞬で暗転する。

身体が空中を舞い、頭の中で何かが弾ける音が響く。

 

「……俺の人生、ここで終わるのか。」

 

そう感じた刹那、漆黒の闇の中に光が差し込んだ。

そして、その瞬間から、すべてが変わり始める——。

 

初めての投稿なので分からない事が多々ありますが、ご自愛くださいm(_ _)m

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