郊外に浮浪してたら都市伝説になってた侍   作:白骨

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出張ばかりの仕事に就職したので投稿頻度かなり下がりますし執筆内容もそこまで質が高くありません、申し訳ありません……

ご期待に添えるよう頑張ります。


旧友

 

懐かしい面を拝んだ後の騒がしい時間はあっという間に過ぎ、会計担当に頼まれた仕事の予定時刻になったのを確認した俺はその場を離れる。

 

 

「悪ぃな、俺も仕事の時間が来た。また会った時には飯でも行こうぜ」

 

「おう!またなサム!」

 

「死ぬんじゃないわよ、バカ兄貴」

 

「親分また泣きそうになってるにゃ」

 

「気にしないでもいいと思うわ、猫又」

 

 

 

 

彼等と離れた後、俺は予定場所へと足へ運ぶ。

 

 

今日はよく知り合いに会う日だ、仕事って事を忘れちまう。遇にはコッチに来るのも悪くはねぇな。

 

 

 

 

 

指定された裏路地、人気のない空間にその男は立っていた。

 

まるでコレから裏の仕事でもあるのではと勘繰ってしまいそうな位に。

 

 

「……来たか、お前がカリュドーンの人間か」

 

明るい金髪をオールバックにしたサングラスを掛けているチンピラのような男がコチラに声を掛けて来る。

 

腰に刀を携えて。

 

俺はヘラヘラと笑いながら少しだけ臨戦態勢になった。

 

「初めましてだな、俺はサム、アンタは?」

 

「ニコライだ、油田関係の仕事に就いている。……そして、アンタのファンでもある」

 

 

「ほぉ〜、ソレは光栄───」

 

 

 

ガチリと刀同士がぶつかる、俺は鞘から抜かず鍔迫り合いをするが腕力はこちらの方が上回っているらしい。

 

「だな、ニコライさんとやら」

 

「あいっかわらず……強いなアンタは」

 

次第に力負けしていくニコライを見ながら俺は顎を擦りながら先程の抜刀術に覚えがあり、昔ヤンチャだったガキを思い出した。

 

 

「お前さん、前に俺に師事したあのガキか」

 

「覚えてくれて光栄だ、サミュエル師匠」

 

 

刃を弾き返した後、すぐ刀を納め俺の方へ顔を向けた後即座にその頭を深々と下げる。

 

 

「今のアンタからしたら敵に判別されても可笑しくない事をした、申し訳ない」

 

それに対して俺は口端を吊り上げながら先程の行動に対して助言を送る。

 

 

「強いて言うなら、もう少し足運びを良くすれば俺も手汗を握ったと思うぜニコライ」

 

 

「……敵わないな、流石は都市伝説」

 

 

俺からしたら今の鍔迫り合いすらも師事してた頃の教えのようなもんだ。

 

そういう風にしたのは俺だ。

 

ソレを身体で覚えてるコイツは昔から俺と会話をする前に行った、それだけの事だ。

 

 

 

「さて、じゃれ合いは終えて仕事の話でもしようか、サムさん」

 

「ソイツは助かる、うちの会計担当もドンパチは予想外だろうからな」

 

 

 

先程の光景を令嬢が見たら卒倒するだろうけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たり前ですわよッ!!!どんな神経してるんですのよ2人はッ!!!」

 

「いきなりどうしたルーシー」

 

「……いや、何故か突っ込まなければいけない状況が」

 

「仕事で疲れてるのであれば代わりに俺がやるぞ。ルーシーは働き過ぎだ、少し休んだ方がいい」

 

 

「……そうさせてもらいますわ、ライト」

 

 

 

 

 

 

 

 

「───コレで契約は完了だ。ウチも新しい油田場所の取引が欲しくてな、この話が来た時は渡りに船だった、助かるよ」

 

「今後ともご贔屓にだ、しっかしお前もあの頃と比べたらお固くなりやがって」

 

 

先程から場所は変わり人気の少ない喫茶店、メイド服や執事がいる秘密厳守である場所の個室へと移動し俺らはのんびりしつつ仕事の話を終えていた。

 

 

「月日は人を大人に変えるもんだ、サムさん。そういえば星見さんとは」

 

「あの家とは縁を切った、知ってんだろ」

 

昔話を切り出されると俺は少しだけ苦い顔を浮かべるが一瞬で元へと戻る。

 

コイツは1番弟子とまではいかねぇがその辺のいざこざに関与はしてた男だ、そりゃあ気になるか。

 

「そうか……あんたが失踪した後俺の所に雅さんが来てな、サミュエルは何処かと聞かれたよ」

 

 

あの時は鬼気迫る顔で失禁しかけたさと笑っているが本当に怖かったのだろう、当時の事を思い出したのか軽く冷や汗をかきながら震えていた。

 

 

「あいっかわらず兄離れ出来ねぇガキだなぁアイツは」

 

「それぐらいアンタの存在が大きかった訳だからな、アンタが居なくなった後、すぐ母親も亡くなってる訳だし」

 

「……なんだと?」

 

 

俺は耳を疑った、そんな情報聞いてねぇぞ。

 

 

「知らなかったのか?……いやコレは公にされてない情報だからな。俺は情報屋としても働いてるから噂や都市伝説も耳に入ってくる」

 

「てことはマジで死んだのか…あの腕力女」

 

 

旧エリー都の石碑は見に行ってねぇが、まさかくたばってるなんて思ってなかった。

 

 

「……クソッタレが」

 

 

まだあん時関与していた悪党共全員殺しきれてねぇ内に死にやがって、アンタに受けた恩がまだ残ってるっつーのによ。

 

 

 

「……サムさん?」

 

「悪いな、考え事だ。そろそろ出る」

 

「あぁ、今回はありがとう」

 

「その礼は内の会計担当に頼む、俺は少し寄るところが出来た」

 

俺は腰を上げ、置いていた刀を手に取りドアを開けようとした瞬間に開き目の前のウルフカットのギザ歯メイドがカフェオレをテーブルに置いた。

 

 

 

「おきゃくさまー、こちら注文のカフェオレでございます〜」

 

 

「……あ?頼んだ覚えは」

 

 

そのカップを見るとラテアートされており、EXITとその方向を示した矢印を浮かべていた。

 

俺はすぐニコライの方へ視線を向けると心当たりがあるのか舌打ちを零していた。

 

メイドの女は飴を噛み砕いた後、面倒くさそうに状況を説明し始める。

 

「……アンタは知らないけどそっちの金髪の方に尾行が着いてた、今集団でこっちに迫ってきてる」

 

 

「ちっ……組織の連中、嗅ぎ付けて気やがったのか」

 

「帰るならさっさと行って、ココは私達が対処するから」

 

ニコライは即座に先程の契約書類をショルダーバッグへ詰め込み非常口へと向かうが、俺は動かなかった。

 

 

「サムさん!早くここから」

 

 

「先に行っとけ、俺はこの嬢ちゃんと悪党退治でもしてるからよ」

 

「…………はァ?」

 

 

ニコライは驚いて目を見開いていたが少し笑いながら流石に殺さないで下さいよッ!とすぐ後ろへ振り向き非常口から外へ出た。

 

隣のサメのシリオン女は意味が分からないといった状態で嫌な顔でこちらを見つめていた。

 

 

「何のつもり?一応ウチらの業務なんですけど」

 

「誰に依頼されたかは聞かねぇがここまでの高待遇ってなると市長とかと思うんだがどうだ?」

 

 

こりゃあ監視されてたな、相変わらず抜け目のねぇジジイだこと。

 

今思えば俺とニコライは警戒対象としては充分に暴れてた実績はあるし妥当か。

 

 

「知らない、私はアンタと金髪の防衛しか任されてないし」

 

「数が多いんだろ?多少は請け負ってやるよ」

 

「……話が通じないの勘弁して欲しいんですけど」

 

 

店の出入口から喧騒が聞こえてくる。

 

はぁ……と溜息を零した後、彼女が携えていた巨大なハサミのような武器を下ろし臨戦態勢へと入る。

 

 

「邪魔はしないでよ?」

 

「オーケー……いざ参るッ!」

 

 

するりと腰の刀を抜き、剣先を敵へ居る方へと向ける。

 

パチリと紅く染まった刃に雷が疾る。

 

 

 

そして隣の彼女が瞬きをした瞬間に、赤い斬撃が敵3人に当たり弾け飛んでいた。

 

その一瞬で彼の凄さを肌で感じ取り、引き気味で感想を述べる。

 

「……やっば、何その速度」

 

 

「俺の右腕は義手でね、振り抜き速度は常人を超えてんだ。綺麗な女性に見られるほど遅かったらそりゃあ形無しよ」

 

「……あっそッ!」

 

 

そのキザじみた発言を聞きながら後ろから近付いてきた2人を大きなハサミを腰の軸をぶらさずに回転させ胴体に命中しなぎ倒した後、彼女は周囲を見渡し、狼のシリオンが残りの敵を倒していたのが目に入った。

 

 

「相変わらず対処早いねボス」

 

「……エレン、1人だけではなく其方の人も非常口までお連れする段取りだった筈ですが」

 

「助太刀するって言われたから手伝わせただけだよ」

 

 

エレンと呼ばれた彼女を見て頭を抱える狼のシリオンは俺と目を合わせた後会釈をし今の現状を話し始めた。

 

 

「申し遅れました。私達はヴィクトリア家政と呼ばれるモノでして、そこの執事をさせて頂いておりますライカンと申します」

 

「ほぉ〜、こりゃあ懐かしい面を拝めるとは思わなかったな。(あのナルシスト野郎はどうした?)」

 

「なんの事でしょうか、ミヌアーノ殿(ここでその話はご内密にして貰いたい)」

 

「……悪いな、色々勘違いだったよライカン殿(身バレはNGってか、特に彼女の前では)」

 

「いえ、お気遣いありがとうございます(諸事情もございまして、申し訳ないです)」

 

 

「……???」

 

 

普通の会話と唇術を混ぜつつ会話をする俺達に彼女は話を理解出来てないのか疑問符を浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は悪党は殺す、だが義賊は殺さなかった。

 

 

「……貴様、なぜ俺を殺さない!」

 

 

ある依頼で盗賊を暗殺する依頼が出た。俺は悪党だったら殺すが、誰かの為にお宝を盗む義賊は対象外、寧ろ好ましく思う人間だった。

 

 

「悪ぃが、討伐対象にお前は入ってなかったもんでな、その命は大事に取っとけ坊主」

 

「おいヒューゴ!逃げるぞ!」

 

 

「チッ……借りは必ず返すぞ、ミヌアーノ!」

 

 

「おう、楽しみに待っとくぞ」

 

 

誰かの為に動ける悪党は、悪党じゃねぇ、本当の悪党ってのは、何の理由も無しに人を傷付けても何も感じなくなる奴の事だ。

 

 

 

「しっかし俺の渾名がアンデスの冷たい南風ってのはイキな名前だな、コレっきりにしとくか」

 

 

 

 

それ以来、このモッキンバードに関連する依頼は受け取っていない。

 




車の運転技術向上したい……
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