他の作品の更新が止まっているなか、どうしても書きたかったので、書いてしまいました。
こんな作者ですが、よろしければ、この作品を楽しんでいってください!
突然だけど、君達は『人ならず者』………つまり霊が存在すると思っているか?
いないと思うだろう。そんな非科学的なものなんてこの世に存在していない、ただの空想上のものだと思うだろう。
………しかし、結論だけを言ってしまえば、霊は存在している。……じゃあなんで見ることが出来ないんだ、って思うだろう?
それを説明するためには人類の歩んできた道のりまで遡ることになる。
遥か昔、人々は神や妖怪などの『人ならず者』を見ることが可能だった。その体験を記録してきたものが神話だったり、妖記だとか言われるものだ。
しかし、それらの『人ならず者』を見るのはストレスが溜まると思わないか?
じゃあどうすればいいか、答えは簡単だ。
魚が地上に上がって肺呼吸を覚えたように、キリンが高い所の草を食べるために首を長くしたように、人類も『
進化』すればいいのだ。『人ならず者』を見ないように、 つまり『人ならず者』が網膜では見えていても、その映像が脳まで届かなくなったんだ。
詳しく言えば、視神経が網膜で受け取った『人ならず者』の映像だけを脳へ送らないようになったんだ。
これによって人々は霊の存在を感じなくても良くなった。本当は神が起こしている雷や台風や地震も、『天災』として扱うようになった。
神や妖怪はそういう風にして人類に干渉してきた。では、霊はどのように干渉しているのだろうか。
霊とは、亡くなった者の中でこの世に未練が残った者が、その後悔の『想い』から、実体を持たない形でこの世に留まっているものだ。
その『想い』がこの世界に溢れると、この世に悪い影響を及ぼすらしい。
………らしい、と言うのもまだ誰もその『悪影響』を見たことがないからだ。
なぜなら、霊の未練をなくし、成仏させる数少ない霊が見える存在…………
俺たち『成仏師』がいるからだ。
ーーーーーーーーーーーーーー
ジリリリリ、
何時もの目覚ましで目を覚ました俺は、顔を洗ってそのままリビングへと向かって行った。
「おはよ〜」
「ああ、おはよう」
何時もの様に両親と妹に朝の挨拶を済ませ、すでに「ぶんぶん」食器に乗っているトーストへとかぶりつく。「ぶんぶん」………うん、何時もの朝だ。平和だなあ………
「で、さっきから何やってるの、姉さん」
「いやー、晃くんが反応してくれないからさー、もしかしたら私のこと、視えなくなっちゃったんじゃないかなー、って思っちゃって」
「………っ!? そんなこと、あるわけないだろ」
「だよねー♫ 良かった♪」
さっきから俺の前でぶんぶん言っていたのは、俺の姉である、美紀だ。 ちなみに霊である。霊である。
大事なことなので二回言いました。
姉さんは、俺が中学二年の時に原因不明の病気で亡くなった。
その時は俺は酷く悲しんだものだが、次の日、朝目が覚めた時に姉さんが居た時は遂に精神が壊れたか、もしくわ悲しみ過ぎて自殺をしてしまって天国に来てしまったのかと思ったものだ。
まあそんなこんなで、姉さんはこの世に未練が残ったため、霊としてこの世に舞い戻って来た。
でも肝心なその未練を俺にはまだ教えてくれていない訳だが。
そんな姉さんは、いつも俺の傍で見守り、時には助けてくれる頼りになる人(?)だ。
そんな考え事をしながらもトーストを食べる手は止まっていない自分だった。
「お兄ちゃん、そこの砂糖取って」
「ん? ……ああ、ほいほい、あんまりかけすぎるなよ、糖尿病になるぞ」
「もー、そんな子どもじゃないってばー」
そして今俺に話しかけてきた糖尿病予備軍(?)が妹の美紅。俺の一つ下で、生意気盛りの元気な女の子だ。
しかし、時々遊んでやっているおかげか、俺は美紅と喧嘩したことはない。
「そういえば」
「ん、なんだ父さん」
「今日から晃太郎も高校生だったね。どうだい、上手くやっていけそうかい?」
「そうよ、この頃イジメとかがニュースになっているんだから」
「ははは、大丈夫だよ、父さん、母さん」
軽くこの心配性な両親を説明すると…………、とにかく、若い。
年齢もそうなのだが、とにかく外見が若々しい。もしかしたら高校生でも通じるんじゃないかという童顔。しかも両親とも。
それに加えて両方ともイケメンと美女なので、大体俺の姉と兄に間違えられる。本当迷惑な親だ。
でも性格もいいので憎めない。
「でも、本当に晃太郎には頑張ってもらわないといけないからね………」
そう、俺の高校生はここから始まるんだ………
「もちろん学業もだけど……」
勉強と、スポーツと、恋愛と、
「それに加えて、お仕事も任せないといけないからね……」
成仏師という特殊な境遇にある俺の高校生活が…………
金曜日は厄日だと思う今日この頃。
次の更新は止まっている別の作品となりそうです。