転生したらまだ世界が誕生してなかった件   作:朝昼晩昼夜逆転

3 / 3
世界創造

「それで、『世界創造』って、まずは何するんだ?」

 

 とりあえず、最初に何をするのか聞いてみた。

 

「そうだね。まずは世界の守護者を創ろうかな」

 

「守護者?」

 

「そう、僕の配下として天使を創る。材料はアレを使おうと思ってるんだ」

 

「アレ?」

 

 なんのことだ?

 

「大聖霊のことだと思われます」

 

 疑問に思っていると、シエルが教えてくれた。

 

 ああ、大聖霊のことか。

 

 この空間には、生命体は俺とシエルとヴェルダしか存在していない。

 

 しかし、生命体とは定義できない存在はいる。

 

 それが大聖霊。

 

 大聖霊は、生命体というより事象や概念といった表現をすべき存在であり、自我はなく、ただそこに在るだけの存在だ。

 

「どっちの大聖霊を使うんだ?」

 

 大聖霊は闇の大聖霊と光の大聖霊の2柱が存在している。

 

「天使を創るんだし、とりあえず光の大聖霊を使うつもりだよ。ただ、1つ不確定要素があってさ」

 

「なんだ?」

 

「2柱の大聖霊は対になってるじゃん。僕は光の大聖霊から七柱の天使を創り出すつもりなんだけど、そうすると対になってる闇の大聖霊も七柱の何か……多分悪魔になってしまうと思うんだよね」

 

「なるほどな。……まあ、別に良いんじゃないか?全て思い通りじゃつまらないだろ?不確定要素はあっても良いだろ」

 

「確かに!!!そうかもね!!!」

 

「それじゃあ、早速光の大聖霊から天使を創るか?」

 

「いや、その前に世界を分割しようかな。どうせなら、悪魔が住む世界とか人間とか色々な種族が住む世界とかで分けるのもありかなって。天使が住むのはこの花畑の空間で良さそうだけど」

 

「なるほどな。じゃあ、世界の分割は俺がやろうか?ヴェルダは、天使の創造に集中してくれ」

 

「分かった。それじゃあ頼むね」

 

「おう!任せとけ!!!」

 

主様(マスター)、魔素の制御は任せてください!」

 

「おう、頼りにしてるぞ!シエル」

 

 シエルを取り込み、術を発動させる。

 

「『空間分割(スペース・ディバイド)』!!!」

 

 術の発動と同時に世界の在り方が変容を始めた。

 

 時空が歪み、花畑の空間を除いた無の空間が2つに分たれた。

 

 分たれたとはいえど、未だ2つの世界は無の空間だ。

 

 人間とかが住む世界は、ヴェルダと一緒に創るとして、今闇の大聖霊がいる方の空間は、俺が世界にしてしまうか?

 

 悪魔たちが生まれてすぐに無の空間に適応出来るか分かんないしな。

 

 まあ、元々無の空間にいた存在を元にしてるんだから、大丈夫だとは思うけど、念には念を入れておいた方が良いだろう。

 

 というわけで、

 

「『世界創造(ワールド・クリエイト)』!!!」

 

 闇の大聖霊がいる方の無の空間を自分のイメージした通りの世界にする。

 

 世界を分割する術は、なんとか俺1人でも出来るものの、流石に世界創造ともなると、シエルの力を借りなければ不可能だ。

 

 まあ、世界分割の方も手伝って貰ったけど。

 

「よし、完成!!!」

 

 闇の大聖霊がいる方の無の空間は、俺がイメージする通りの冥界にその姿を変えた。

 

 なかなか良く出来たんじゃないか?

 

「ありがとう!シエル。助かった」

 

 そう言い、シエルを俺の外に出した。

 

主様(マスター)のお役に立ったようで何よりです!」

 

「いつもありがとな」

 

 シエルに感謝を伝え、ヴェルダの元に戻った。

 

 すると、丁度天使の創造が終わるところだった。

 

 光の大聖霊が(まばゆ)い光を放つ七つの発光体に分散し、その発光体が徐々にその姿を変え始めた。

 

 人に近い姿でありながら、その背には3対6枚の美しい純白の翼が生えている。

 

 変化が終わると、光が収まり、天使はヴェルダに(うやうや)しく(かしず)いた。

 

 ……………

 

「まだ存在が定着してないな」

 

 俺がそう言うと、

 

「うん。そうだね。まだこの子達には明確な自我がないみたいだ。名前を付ければ変わるかな?」

 

 ヴェルダは、そう言い、天使たちにそれぞれ、フェルドウェイ、ザラリオ、オベーラ、ディーノ、コルヌ、ピコ、ガラシャと名付けた。

 

 名付けによって、存在の定着は進んだものの、1人を除いてまだ少し不安定だった。

 

「うーん。一応、究極能力(アルティメットスキル)を全員分用意してたんだけど、この様子だと、与えても大丈夫なのはディーノだけかな?」

 

 ヴェルダは、そう言うと、ディーノに究極能力を付与した。

 

 究極能力の名は『至天乃王(アスタルテ)』。

 

 この能力は、他のスキルを自らの望む形に進化させることが出来る。

 

 よってディーノは、スキルを獲得すればするほど強くなれる。

 

 身体能力や魔素量だと、フェルドウェイが最も多く、ディーノは丁度真ん中辺りだけど、伸び代だけならトップかもしれない。

 

 と言うか、天使の中で最も早く存在が定着したという点を鑑みれば、ディーノは天使たちの中でも1番強くなれるかもな。

 

 サボリとかさえ、しなければ。

 

 まあ、とにかく、こうしてヴェルダの配下である七柱の天使が誕生した。

 

 この七柱の天使は、ヴェルダによって『始原の七天使』という総称が決められた。

 

 時を同じくして、闇の大聖霊も七柱の悪魔になり、こちらは俺が『原初の七悪魔』という総称を決めた。

 

 天使と違い、事前に調整を行わなかったため、原初の七悪魔は、存在の定着に更に時間がかかり、赤、白、黒、緑、黄、紫、青の順番に存在が定着した。

 

 赤の定着から黒の定着まではそこまで時間差はなかったものの、黒の定着から青の定着には100年ほどの期間が空いた。

 

 ちなみに、この色は髪色である。

 

 俺とシエル、ヴェルダの3人は、始原の七天使の創造が終わると共に、1つの宇宙を創り出した。

 

 その宇宙を基軸世界と定め、その中の1つの惑星を理想の世界にすることにした。

 

 まず、その星に3柱の存在を創り出した。

 

 名前はそれぞれ、ラミリス、トワイライト、ダグリュール。

 

 ラミリスは、精霊の女王として世界の守護を。

 

 トワイライトは、生命を創造し、世界を彩る。

 

 ダグリュールは、花畑の空間……天星宮と基軸世界を繋ぐ通天閣の守護。

 

 そんな役目を持たせて創造した。

 

 ダグリュールは、最初の頃は創造主であるヴェルダに反抗し、ヴェルダに戦いを挑んでいたものの、返り討ちにあい、3体に分割された上で最も悪意の強かった者を封印され、少しおとなしくなった。

 

 まあ、ヴェルダを超える事は諦めてないようだったけど。

 

 こうして、俺たちは世界の創造をひと段落し、その後は世界の成長を見て楽しんでいた。

 

 そんな時だった。

 

 滅びの竜……滅界竜イヴァラージェが現れたのは。

 

 

 

 

 




ダグリュールは、3柱に分たれる前の名前が分からないので、ダグリュールのままにしてます。
竜種姉弟は、今後出てきます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。