征途日本召喚 作:猫戦車
中央暦1641年/西暦2023年
某日 参謀本部
帝国軍参謀本部第Ⅰ部作戦課経由
機密命令信47856/47号
全24部中の第7部
〈軍事機密〉
対新世界文明圏国統合戦争計画〈ブルー〉に関する戦略見積
1) 概略:
皇帝陛下は以下のごとく命令する。
ミリシアル方面に展開する陸上戦力の不足を鑑みて、当初〈
これにより、対ムー国戦争計画〈ブルー〉は、対新世界文明圏国統合戦争計画〈ブルー〉へと拡大される。以後、〈シルヴァー〉は、対新世界文明圏国統合戦争計画〈ブルー〉の支作戦として位置付けられ、〈ブルー〉の主目的を達成せんがための陽動としての役割を果たすことになる。
なお、〈ブルー〉についての基本的事項に変更はない。依然として、ムー大陸全土の可及的速やかな奪取がその戦略的達成目標である。
なお、この変更に伴い、〈シルヴァー〉に参加を予定されていた兵力の配備については大規模な変更が行なわれる。関係諸部隊指揮官は、本機密命令発令以後に伝達される各種再配備命令の確認に留意されたい。変更された〈ブルー〉に関連する各作戦名は次のとおり。
対ムー国第一段作戦〈アステリズム〉
対ムー国第二段作戦〈ネビュラ〉
対ミリシアル陽動作戦〈サザンクロス〉
2) 情報:
2)‐a) 敵兵力:
〈ブルー〉対象となる地域に配備された敵兵力の戦略的概観は以下の通り。
ムー:
アルー方面(推定値) 2000名 戦車20両、航空機90機。
南部方面(推定値) 12万名 戦車400両、航空機400機。
東部方面(推定値) 5万名 戦車200両、航空機250機。
北部、西部方面(推定値)20万名 戦車200両、航空機400機以上。
ミリシアル方面:
ミリシアル帝国海軍(推定値)戦闘艦艇数300隻以上。
2)‐b) 敵の可能行動:
敵軍は我が軍に対し、機甲部隊密度と火力面において劣っている。例えば、南部方面に展開されていると予想される敵軍のうち、その戦車数は我が軍のそれと比較してあまりにも少ない。これは我が国の各種諜報機関による情報に基づく推定であり、極めて信頼性の高い情報とされる。両国において存在する技術的格差を鑑みれば、ムー陸軍は我が軍に及ぶべくもないと予想されるだろう。
以上の認識をもとに予想した各方面における敵の可能行動は次のとおり。
アルー方面:
積極的な反撃はあり得ない。なぜなら、この地域に配備された部隊は、あくまで国境警備用に配備された軽装備の歩兵連隊であるからだ。航空機による援護こそあるものの、その主力は旧式極まりない複葉機であり、我が軍のどの主力戦闘機相手でも容易く撃破可能と見積もられる。
彼らに可能な行動は、数時間持てば良い方の遅滞戦闘のみであろう。
南部方面:
恐らく、開戦後において最も熾烈な抵抗が予想されるのが本地域であろう。
工業都市キールセキを中核としたこの地域には、ムー陸軍の主力部隊が展開しており、人員規模も他地域とは一線を画している。しかしながら、その実態は我が軍と比して非常に旧式な装備体型であり、歩兵装備はともかく、機甲戦力において遅れをとることはまずないだろう。
同地域には、同国首都と同じく新型兵器による攻撃が実施される予定であり、成功すればムー軍の抵抗力が著しく削がれると予想されている。
東部方面:
この方面には同国の首都圏が位置しており、展開する敵軍の規模は南部方面の次に大きいと予測される。同国首都においては、作戦発動直後に実施される新型兵器による攻撃の後、海軍陸戦隊による強襲上陸が敢行される見込みである。作戦が極めて順調に進めば、開戦から一月程度で首都占領に至ると考えられる。
北部、西部方面:
これら地域に展開する敵軍は、敵首都攻略後において実施される第二作戦において掃討される予定であり、半年以内のムー全土の占領を目指すものとされる。
ミリシアル方面:
開戦時、この方面からは恐らくはミリシアルをはじめとする世界各国による増援が期待されるだろう。ミリシアルは唯一我が軍に匹敵する戦力を保有しているとされるが、各種報告書によれば潜水艦の概念の欠如などもあり、その対応は可能と見積もられている。
なお、ムー海軍について特に特筆すべき点は無い。彼らは旧式極まりない艦隊しか保有しておらず、我が軍の優位を覆すことは決してあり得ないと予想されているからである。
2)‐c) 協力部隊の行動:
ムーにおいて行動する我が軍の最も強力な陽動協力部隊は、レアフォリア又は3ヶ月前に我が帝国の軍門に降ったニューランド島を根拠地に展開する予定の帝国海軍東方艦隊と、その隷下にある各打撃群や潜水艦隊を始めとした海軍部隊である。
これらの部隊は、現在のところ、来年4月下旬に予定される作戦開始日を起してミリシアル周辺海域に〈シルヴァー〉作戦計画に基づいた通商破壊戦を実施する。他方面艦隊は可能な限り東方艦隊に対する支援を徹底すべし。
潜水艦戦力の過半数を投入する本作戦は、ミリシアルから第一文明圏に至る各国の主力投入を遅延させることを目的とすることを忘れてはならない。
3)ムー派遣軍の任務:
ムー派遣軍は、以下に示す兵力配備の元、第一作戦〈アステリズム〉を開始する。
〈アステリズム〉の達成するべき目標は、アルー、空洞山脈の速やかな占領、敵海軍主力の排除、ムー南部方面の敵軍殲滅、そして首都オタハイトの占領である。
3)‐a) 我が軍の編成及び部隊配置:
別紙1を参照せよ(削除)
3)‐b) 参加各部隊の任務:
ムー派遣軍所属各部隊は、作戦開始日を期して、以下の方針で行動を開始、任務を完遂すべし。なお、以下に登場する地名はすべてムー大陸に存在するものである。
3)‐b)‐1 第一軍(南部方面)
第一軍主力は、アルー攻略後に空洞山脈を突破し、その快速機動兵力の主力をもってキールセキを奪取せよ。キールセキ攻略後は、一軍主力は複数地点より北部方面の進入、侵攻を継続しなければならない。本軍に対する増援は、ムー海軍主力を初期奇襲で撃破した後で投入される。
3)‐b)‐2 第二軍(東部方面)
本軍の任務は、オタハイト、オロセンガ、マイカルを始めとしたムー東部、南東部の都市部の占領である。本軍はその快速機動力を持って都市攻略を進め、ムーの抵抗力を削ぎ落とさねばならない。
3)-b)-3 第三軍(西部方面)
本軍の主な任務は、戦力配置の手薄なムー北部におけるムー軍主力の撃滅であり、続く第二作戦〈ネビュラ〉に必要な前進路を確保する必要が存在する。これを実現するため、第一軍によるキールセキ占領後は可能な限り突破前進を可能な限り継続すること。
)‐c) 作戦開始日時:
各軍の作戦開始日時は、各軍ごとに総軍司令部より伝達される。派遣軍司令部に対する日時伝達は、帝都参謀本部よりこれを行なう。
4) 支援部隊:
ムー派遣軍司令部隷下には以下の支援部隊が置かれ、〈アステリズム〉作戦に対する支援任務を行なう(派遣軍司令部直轄部隊を除く)。
4)‐a) 支援部隊の編成及び部隊配置:
別紙2を参照せよ(削除)
4)‐b) 支援部隊の任務:
〈アステリズム〉作戦に参加する海・空軍部隊は、以下の任務を完遂しなければならない。
4)‐b)‐1 第1航空艦隊(空軍):
第1航空艦隊は、その保有せる全航空機(400機)をもって、開戦劈頭、アルー、キールセキ方面に展開する敵航空基地に、可能な限り攻撃を加えねばならない。敵航空兵力制圧後、第一軍の戦術支援並びに敵陸上戦力の撃滅を目的として攻撃を実施、友軍の前進を容易ならしむる事。
4)‐b)‐2 第4航空艦隊(空軍):
第4航空艦隊は、全保有航空機(350機)をもって攻撃圏内に存在するムー軍航空基地を制圧し、第二軍を支援すること。 また、可能な限りの阻止攻撃をムー国地上部隊に対して実施し、その集結を妨げねばならない。
4)‐b)‐3 第6航空艦隊(空軍):
第6航空艦隊は、全保有航空機(300機)を持って第三軍の前進を支援し、敵地上戦力に対し攻撃を行うこと。阻止攻撃に関しては言うまでも無い。
4)‐b)‐4 東方艦隊
東方艦隊は各方面艦隊より戦力を増強した状態で、開戦当初、ムーを筆頭とした世界各国が集うカルトアルパス港に対し奇襲攻撃を実施、各国の主力撃破と新型兵器による破壊力の宣伝とともに、我が国の実力を世界に知らしめ、我が帝国の軍門へと降る国家を増やすことを期待する。
水上艦艇部隊主力は、カルトアルパス奇襲用に臨時編成される東征艦隊、ミリシアル方面にて通商破壊戦を担当する第44任務群並びに第1、第2潜水艦隊、ムー周辺海域の制海権確保を目的とする東方艦隊へと分かれて行動され、必要に応じて本国の海軍主力より増援が派遣される。
4)‐c) 支援部隊の敵味方識別及び支援要請方法(略)
4)‐d) 支援海・空軍部隊に対する地上部隊からの支援(略)
5)〈ネビュラ〉作戦発動時期について:
第二段作戦〈ネビュラ〉は、第一段作戦〈アステリズム〉の進展具合によってその開始時期が決定される。参謀本部は、遅くとも開戦後4ヶ月以内に〈ネビュラ〉の発動を目標としており、半年以内のムー全土制圧を目標としている。各級部隊指揮官は、この目標の実現に専心し、ムー大陸における旧支配勢力の一刻も早い打倒に努めること。
6)指揮所:
ムー派遣軍司令部はレイフォリアに置かれ、統合基地ラルス・フィルマイナ内の指揮所より行なう。なお、状況の推移に応じ、指揮所は適当な地域に移動する事がありうる。
各軍指揮所については攻撃開始日まで現位置に維持する事。移動の必要がある場合は、現位置にその機能が残されている様に欺瞞を行なわねばならない。
7) 指揮官:
〈アステリズム〉作戦の指揮は、ムー派遣軍司令官が掌握する。
8) 各級部隊指揮官へ:
勇敢なれ。
グラ・バルカス帝国皇帝 グラ・ルクース
代理発令者 グラ・バルカス帝国参謀本部 サンド・パスタル参謀総長
現地発令者 ムー派遣軍司令官 ファンターレ・マルスゲイン大将
〈軍事機密〉
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