ミレニアムサイエンススクール。様々な研究機関が集まり誕生した新興校。学園都市キヴォトスにおける最先端の技術の大半はここから生まれており、その影響力はキヴォトス三大学園の一角を担う程。
私、白山ハモリはそのミレニアムに在籍している生徒の1人だ。容姿は灰色のセミロングヘアにそこそこ高い身長。スタイルも悪くなく、自分で言うのも何だが中々整った顔立ちをしていると思う。
もう過去の記憶は霞んできているが、私は嘗てブルーアーカイブの先生の1人であった。と言ってもトラックに跳ねられて神を自称する何者かに会った訳ではなく、気付けばこのギヴォトスに生きる生徒の1人として生を受けていたのであった。
「気付けば16年…時間が経つのはあっという間、か」
ゲームで知っていたとは言え、当初はこのキヴォトスでただの一般人に過ぎなかった自分が生きていけるのか不安でいっぱいだったが、特に大きな災難に見舞われずに今まで生きていけた事は幸運だと思う。因みに原作キャラの何人かとは交流もあるし、既にシャーレに入部し先生との面識もある。後は何事もなく最終編を乗り越えて欲しい所である。
「ハモリ部長ー。準備が出来ましたー」
「わかった、今行くよ」
キヴォトスの未来がどうなるか一抹の不安はあるが、後輩に呼び出された私は一先ずそれを一旦忘れて現実に戻る。
今ではこうして可愛い後輩達に囲まれて、それなりに充実した日々を送っている。
「うう…副部長、ヒドイ」
「そんな目で見てもダメ。元はと言えばハレがまたエナドリ飲み過ぎたせいでしょ?」
私の目の前にいるのは白髪をポニーテールにした少女と藍色の髪をボブカットに眼鏡をかけた少女。私と同級生でミレニアムの非公認部活であるホワイトハッカー集団ヴェリタスに所属する小鈎ハレと、その副部長を勤める各務チヒロ先輩だ。
ハレは何処か憂鬱そうに、チヒロ先輩はそんなハレを厳しい眼差しで見下ろしている。
「じゃあ悪いけどハモリ、お願い出来る?」
「構いませんよチヒロ先輩。これも私の仕事ですし、個人的にも今のハレは無視出来ませんからね」
そう言って私はハレに近付いていく。私の顔を見たハレはビクッと身体を震わせているが、何度も見てきた光景なのであまり気にしていない。
「うぅ、ハモリ…痛くしないで」
「出来る限りの事はするよ。けど、チヒロ先輩の言う通りエナドリの飲み過ぎは身体に毒だから、しっかりと反省しないとね」
私は仕事道具を手に持ち、ハレの前に立つ。金属特有の光沢がライトの光に反射し、それを見たハレは顔を強ばらせる。
「さあ、口を開けて」
「う、ぅ。あー」
ハレは大きく口を開けた。そう、私は今世ではミレニアムで歯科医をしているのだ。
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前世では先生だった私にはもう1つ隠れた秘密があった。私は人の歯、それも可愛らしい少女の歯が大好きな歯フェチだったのだ。
事の発端は数年前、私はある日、居眠りをしていた1人の一般生徒を見ていた。否、正確にはその生徒の口元。唇の隙間から見える歯を見ていたのであった。
僅かに見える前歯の白い光沢、キラキラ光る唾液の糸、蠢く舌の色、その奥にある秘境を想像するだけで私は興奮が抑えられなかった。もっと奥まで、隅々まで見てみたい。寧ろ触りたい。そんな欲求が膨れ上がり私は爆発寸前だった。本当に手を出せば私の人生が社会的に死ぬので泣く泣く断念したが、私は諦めなかった。
どうすればこの欲望を満たせるのか、恐らく人生で最も頭を使った時であった。そこで閃いたのが、私が歯科医になって合法的に可愛い生徒達の口の中を見るという事であった。
我ながら天才かと思ったが、事はそう簡単にはいかなかった。そもそも私は前世では先生である以前にただの一般人。歯科医としての知識もなければ運営のノウハウなんてものは当然持っていなかった。
しかし、人の執念も存外恐ろしいもので、私は死に物狂いで勉強し、時には学園の先輩に頭を下げて教えを請い、苦労してようやく歯科医を開業する事に成功したのだった。
名は特に捻りもなく歯科学部。それが私の部活であり、私の楽園(エデン)である。部員は部長の私と歯科学部設立に協力してくれた先輩、後輩が数名であるがそれなりに名は通っており、今日やって来たハレの様に不摂生な生活を送る事が多いミレニアムの生徒達が歯の治療の為に私の元を訪ねてくる。
「うーん、もっと大きく開けられるかな?」
「ぁ、あー」
ハレは目を閉じて震える唇を何とか開ける。私はハレの口の中をじっと見る。
ハレの歯は上下合わせて28本。歯並びは悪くないが所々に磨き残しや歯石が目立つ。左下6番と左上7番の奥歯には過去の治療で付けられた詰め物がある。
私は視線を反対側の右下の歯に向ける。そこにある綺麗に並んだ歯列の中に、真新しい黒い穴が空いた奥歯を発見した。冷たいデンタルミラーがその歯に向けられて、ハレは身体を固くする。
「右下6番C2、かな。ギリギリ神経までいってないけど、少し削る必要があるね」
「ぅ、やだぁ」
削る、と聞いたハレの顔は今にも泣き出しそうだった。
実を言うと以前にもハレは虫歯が出来て治療を受けたのだが、その時のハレは普段ののんびりとした姿からは想像も出来ない程に大粒の涙を流して泣き出し暴れたので大変だった。
幸い、その時はすぐに部員の皆が取り押さえてくれたお陰で事なきを得たが、今回は事情を聞いたチヒロ先輩が万が一に備えて見張っている。
「ウチの後輩が悪いね。私から何度も注意してたんだけど……」
「まあ、なってしまったものは仕方ないですよ。何度も言いますけど、これが私の仕事ですし」
そう、念願の歯科医になった私はこうして可愛い生徒達の口の中を合法的に見て触れる事が出来て寧ろ役得なのだ。それに、これから歯を削られる事に恐怖するハレの顔は非常にそそられるものがあるし、痛みに身悶えする様は何度見ても最高だ。私はそんな欲求を歯科医としての仮面で覆い隠しつつ、治療を進める。
「さあ、力を抜いて。大丈夫、すぐに終わるからね」
キュィーン、と甲高い音を上げるエアタービンの先端がハレの震える唇の間を通過し、右下の奥歯の穴に近付いていく。
「ぅ、ぁ、ああっ!」
ギギギッ、と耳障りな音がハレの口の中に響き渡る。エアタービンの先端は少しずつ、着実にハレの歯を削っていく。
「ぃ、いふぁい!いあ!」
「もう少しの辛抱だから、頑張って」
痛いと言って治療を中断しないのは歯科医によくある事だ。寧ろ中途半端が一番良くないので、私は歯を削る手を止めなかった。
「よし、終わったよ。」
虫歯菌に侵された箇所を削り終えた私はフワフワのタオルでハレの涙を拭った。ハレは私の事を恨めしそうに見ていた。
「……ハモリの意地悪」
「やるなら最後までちゃんとやりきるのが私のポリシーだからね。ほら、これで口を濯いで」
ハレは水が入った紙コップを手に取り口を濯ぐ。
「んっ…もう、これで終わり?」
「後は穴に詰め物をして終わりだよ。今回もレジンでやるから、治療痕も目立たなくなる筈だ」
生徒達は皆、容姿を気にする年頃なので私は普段からなるべく治療痕が目立たない様に治療を心がけている。銀歯も良いが、可愛い女の子の白い歯は、人類の宝なのだ。
「ふぅ、良かった…」
ハレはホッとした表情を浮かべる。横でチヒロ先輩は小さく笑みを浮かべる。
「良かったね、ハレ。けど、しばらくはエナドリ禁止ね」
「う、それは…」
「はいはい、まだ治療は終わってないよ。さあ、治療を続けようか」
私がそう言うと、ハレは再び口を大きく開ける。もう痛い思いをしなくて済むとわかったのか、その顔はさっきよりも明るい。
私はハレの喉の奥の口蓋垂が呼吸に合わせて揺れるのを見ながら、いそいそと奥歯の穴に詰め物を詰めていった。
「ふぅ…やっと痛くなくなった」
「お疲れ様、ハレ。ハモリも今日はありがとう」
「どういたしまして。前回も言ったけど、エナドリはしばらく禁止ね。それから、キャンディやキャラメルの様な歯にくっつくものも厳禁だから」
歯の痛みがなくなったハレはようやく笑顔になったが、エナドリ禁止と聞いて嫌そうに顔を歪める。その横でチヒロ先輩が深いため息をつく。
「それから、盗聴中のコタマ先輩。今度は生で治療中の音を聞かせてあげますから、後でウチの所へ来て下さいね?」
「「!?」」
私がそう言うとハレは服をまさぐる。その手には小さなボタンの様な物があった。チヒロ先輩はハレが手にしたそれを見て「あの子はまた…!」と頭を抱える。
「(やっぱり盗聴器しかけてたか…)」
ゲームで散々盗聴してたコタマ先輩ならまさかと思いカマをかけてみたが案の定だった。実を言うと過去に盗聴器をしかけられた事があったので、何となく予想はしていたのだ。
「…ハモリ、申し訳ないけどまた頼める?」
「はは、準備して待ってますよ」
「コタマ先輩、頑張って…」
取り敢えず次の患者が来る事が決まったので私は準備をする。
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「あの…私ちょっと用事が」
「コタマ、今日という今日は許さないからね」
しばらくして、チヒロ先輩はコタマ先輩を連れてきた。私は治療用チェアに座るコタマ先輩の強ばった顔に期待を膨らませながらエアタービンを手に持つ。
「遠慮しなくて良いんですよ、コタマ先輩。今日はこのエアタービンの音をたっぷりと聞かせてあげますからね」
治療の機会を与えてくれたコタマ先輩に感謝の意味を込めて微笑んでみたが、何故か顔を青くして震えている。横にいるチヒロ先輩もよく見ると微妙に顔が引きつっている。そんなに変な顔をしていたのだろうか。
「じゃあ、口を大きく開けて下さいねー」
「ま、待って下さい私はまだあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!?」
ミレニアムの一室で、少女の悲鳴が響き渡った。
自分の妄想を形にしたいと思い書いてみました。
それから皆さんも歯を大切にしましょう。
ヒロインは複数人いてもOKか?
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YES
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NO