という訳で第7話です。
時刻は朝の5時。私は目が覚めると、寝ていたソファーから身体を起こす。外は朝日が差し始め、小鳥の囀ずり声が聞こえる。
「…………よし」
私は洗面所で顔を洗った後、台所へ足を運び、冷蔵庫から牛乳を取り出して1杯飲む。その後、朝食の準備を始める。
炊飯器を開けて、炊けたばかりの白米を確認する。米の1粒1粒がふっくらと炊き上がり、キラキラと輝いている。
冷蔵庫から卵を数個取り出し、ボウルに割り入れてさっと溶き、そこへ塩、酒、醤油、昆布出汁を加え、卵白のコシを切るようにして箸で混ぜる。大体混ざったら、油をしいて熱した卵焼き器に卵液の三分の一を流し入れてかき混ぜ、向こう側へ寄せるという動作を数回繰り返して巻く。最後に取り出して食べやすい大きさに切ったら、厚焼き玉子の完成だ。
厚焼き玉子を皿に盛り付けたら、冷蔵庫から山うどを取り出す。山うどは皮を剥いて短冊切りにし、水にさらしてアクを取る。鍋に水と鰹出汁を入れて火にかけて、ザルにあけた山うどを加える。山うどに火が通ってきたら、一旦火を止めて味噌を溶き入れたら味噌汁の完成だ。
味噌汁の鍋に蓋をして置いておき、冷蔵庫から菜の花とつくしを取り出す。
まずは菜の花を塩少々を入れたお湯でさっと茹でた後に冷水に入れて冷やし、ぎゅっと絞って余分な水分を切っておく。キッチンペーパーで水気を拭き取り、水っぽさが消えたら三等分に切る。昆布出汁、醤油、みりんを混ぜておいた調味液のボウルに加えて数十分間置いておく。ちょうどいい具合に浸かったら、菜の花のおひたしの完成だ。
菜の花を浸している間につくしを調理する。つくしの胞子、泥、はかまを丹念に取り除いて綺麗に洗い、熱湯で軽く茹でてアクを抜いたらキッチンペーパーで水気を拭き取る。フライパンで香ばしく炒った白ゴマをすり鉢ですって昆布出汁、砂糖、醤油で味付けした調味料の中へ投入し、よく和える。これで、つくしのごま和えの完成だ。
菜の花のおひたしとつくしのごま和えを小鉢に移し、冷蔵庫からタッパーを取り出す。中には昨日の夜から煮付けてあるたけのこの煮付け。菜箸を使い小皿に移していく。
最後に、百鬼夜行から取り寄せたさくらんぼを3つずつ小鉢に入れる。
「ふぁ~……おはよー……ハモリー」
寝室からアヤメさんが出てきた。未だに寝惚けているのか、目は半開きでボーッとしており、髪には寝癖がついている。寝巻きは私が百鬼夜行で買った着物だ。寝起きではだけた着物から見える彼女の肌は染み1つなく健康的な色をしていて、こちらの情欲を掻き立てる程に美しい。
「おはようございます、アヤメさん。朝食は出来ていますので一緒に食べましょう」
「うん……わぁ、良い匂い!」
私は茶碗に2人分のご飯と味噌汁をよそる。アヤメさんはテーブルに置かれた品々に目を輝かせて席に着く。
「いただきます」
「いっただっきまーす!」
2人で手を合わせて箸を手に取る。まずは味噌汁を手に取り、一口啜る。山うどの歯応えを堪能し、呑み込む。出汁の効いた味噌汁の味が口の中に残っている内に白米を頬張る。厚焼き玉子を一切れ箸で掴み一口。卵のふんわりとした食感と、卵の甘味と出汁の旨味を堪能し、呑み込む。また白米を頬張り、菜の花のおひたし、つくしのごま和え、たけのこの煮付けと順に箸をつけ、白米を頬張る。
「ん~っ、美味しい!ハモリの作るご飯は最高だね!」
アヤメさんが美味しそうに白米を頬張る姿に私は頬を緩ませる。来たばかりの頃はあまりの食の細さに心配だったが、少しずつ食べる量も増えてきて作った側としては嬉しい限りである。
「所で、この献立って何か意味あるの?」
「ええ、歯科医ならこの献立しかないと思いまして」
「あははっ、何それ?」
そう言いながらアヤメさんは厚焼き玉子を美味しそうに頬張る。あの非の打ち所のない完璧な白い歯で咀嚼されていく食べ物達は彼女の生きる糧となり、きっと幸せだろう。私が卵焼きならば、興奮のあまりそのまま昇天しそうである。
「ハ~モ~リ~?また何か変な事考えてたでしょ~?」
アヤメさんがジト目で私を睨み付けて来る。何故分かったのだろうか。
「他の子は誤魔化せても、私にはバレバレなんだからね!?食事の時くらい変な事考えるの止めなさい!」
「……善処します」
すぐ妄想してしまうのは自分の悪い癖なので、ここは大人しく従う。
「あ、そうだ……ねぇ、ハモリ」
アヤメさんは厚焼き玉子を箸で掴むと私の前に差し出す。
「ほら、あーんして」
「……あーん」
ちょっと気恥ずかしさを感じながらも言われた通りに口を開ける。自画自賛になるが、やはり美味い。私も対抗してつくしのごま和えを箸で掴む。
「では、アヤメさんも一口……」
「ふふ、しょうがないなー……あーんっ♪」
アヤメさんはクスクスと笑い、つくしのごま和えをパクっと頬張る。その仕草に私も思わず笑みを溢す。
そんなこんなで、2人の楽しい朝食は続いた。
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「はーっ、食べた食べた!ごちそうさま!」
「お粗末様です」
アヤメさんは朝食を全て完食し、満足げに腹部を撫でる。私はささっと空いた食器を片付けていく。
「あ、私も手伝うよ」
「お願いします。私が洗っていくので、アヤメさんは食器を拭いていただけますか?」
「りょーかいっ」
私が食器を洗い、アヤメさんが布巾で洗った食器を拭いていった。2人で協力したお陰で、食器はすぐに片付いた。
その後、服を着替えているとアヤメさんが歯ブラシを持ってやって来た。
「ねぇ、ハモリ。また歯磨きして♪」
「良いですよ。ちょっと待ってて下さいね」
アヤメさんはすっかり歯磨きにハマった様で、嬉しい展開である。私はソファーに座り、アヤメさんを膝枕で寝かせる。
「そんなに気に入りましたか?」
「ふふっ。そんな事言って、ハモリだって本当は嬉しいんでしょ?私の身体をこんなにしたんだから、ちゃんと責任は取ってよね?あーんっ♪」
アヤメさんはカパッと口を大きく開ける。最初の頃は恥ずかしそうにしていたのが嘘の様で、今では自分から嬉しそうに口の中を見せてくれる。まさに私が望んだシチュエーションにテンションはバクアゲだ。
「では、行きますよ」
私は慣れた手付きで歯ブラシをアヤメさんの口の中に挿入し、歯列に合わせて丁寧に磨いていく。歯ブラシの毛先を小刻みに動かして、歯の隙間や奥歯の窪みに溜まった汚れを落としていく。
「ぁぁ……あっ……んっ」
口腔内を小さなブラシで擽られる感触に、アヤメさんは恍惚とした笑みを浮かべる。無防備に喉の置くまで見えるくらいに大きく口を開け、頬を赤く染め、トロンとした目で私を見つめるその表情は実に扇情的で、私の心を掻き乱す。
「ふぁ……ぁぁ……ぁっ」
歯ブラシを動かす度に、アヤメさんが艶のある声を上げる。この穢れのない無垢な口腔を私の手で弄り回すという背徳感に、私は言いようもない快感を覚える。されど決して手を抜かず、虫歯にならないように1本ずつ丁寧に磨いていく。
やがて全ての歯を磨き終えると、口を濯がせた。時間にして僅か数分の出来事であるが、私にとっては永遠に感じられた。
口を濯ぎ終えると、アヤメさんは口の口角あたりに指をかけ、横にグイッと引っ張り、奥歯まで見える様に磨かれた真っ白な歯を見せた。
「どーお?」
「はい、バッチリです」
「ははっ、ハモリがやってくれたんだから当然よねー」
そう言うとアヤメさんは真っ白な歯を見せて笑った。その屈託のない笑顔を見て、私もつられて笑みを浮かべる。ああ、やはりアヤメさんにはこの笑顔が良く似合う。
「ハモリってさ、食べる事も好きだけど作るのも好きだよね」
「ええ。専ら自分が食べたくて作ってるんですけど、気付いたら作るのも楽しくなっちゃって」
実は料理は前世から続いてる私の趣味のひとつだ。キヴォトスに転生してからも、色んな店を食べ歩いては、店の味を再現しようと自分なりに研究したりしている。知人からは十分にプロとしてもやっていけると言われているが、飽くまでも私の本業は歯科医だ。趣味は趣味のまま気楽に楽しみたいので、今のところは店を持つ気はない。
「ハモリの作るご飯どれも美味しいから、私このままだと太っちゃいそうだよー」
「んー……じゃあ、今晩のおかずは少し減らしますか?」
「やだー!もう、ハモリの意地悪!」
「ははっ、冗談ですよ。因みに今晩食べたい物は何かありますか?」
「んー、ハモリの作る物なら何でも食べるよー?あ、なら前に作ってくれたハンバーグ食べたい!」
「じゃあ、帰りに食材買って帰りますね」
「よろしくー。洗濯物はやっておくね」
私は身支度を整えて登校する。今日はどんな患者がやって来るのだろうかと考えながら。
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歯科学部の部室へ向かおうとすると、何やら入口の近くに人集りが出来ている。
「あっ、ハモリ部長!」
すると、コズエが何やら慌てた様子で私の元へやって来る。
「やあ、コズエ。これは何の騒ぎかな?」
「じ、実は……」
「あら、お待ちしてましたわハモリさん」
声がする方を振り向くと、長い銀髪に赤い瞳、蜥蜴の様な尻尾と左側だけの片翼を生やし、黒い帽子にコートを羽織った少女がいた。どうやら、騒ぎの原因は彼女の様だ。
「今日は随分とお早いお着きですね_____ハルナさん」
彼女の名は、黒舘ハルナ。多数の問題児を抱えるゲヘナ学園の中でもテロリストとして悪名高い、美食研究会の部長だ。
「ええ、予定より早く着きすぎてしまった事は謝罪しますわ。ですが、未知なる美食を求めるのに時間が惜しいものでして」
「成る程……取り敢えず、準備にしばらくかかりますので、待合室でお待ち下さい」
そう言って私はハルナさんを待合室へ案内する。予定より少し早いが、歯科学部の活動開始だ。
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「あの、ハモリ部長……本当に良かったんですか?」
「ふむ。良かったのか、とは?」
「だ、だって……あの人って、確かゲヘナの美食研究会で……」
コズエが不安げな表情で私に声をかける。視線はチラチラと待合室のソファーに座るハルナさんに向けている。
「コズエ。誰であろうと、患者は皆平等。区別を付けてはいけないよ」
私はコズエの目を真っ直ぐに見詰めながらそう返す。相手がテロリストだろうが何であろうが、患者である以上はきちんと診察するのが私達の仕事である。
「は、はい……ごめんなさい」
「さぁ、少し早いが仕事の時間だ。今日も1日頑張ろう」
「はいっ、よろしくお願いします!」
そう言ってコズエと私はテキパキと準備を進める。しばらくして準備が完了し、待合室で待っていたハルナさんを診察室へ案内した。
「ハモリさん。私と共に最高の美食を探求しませんか?」
ハルナさんは事ある事に私を美食研究会の活動に参加しないか誘ってくる。しかし、私は歯科医として生きると決めているのでやんわりとお断りしている。
「お誘いしていただけるのはありがたいですが、私は歯科医です。患者さんの歯の健康を守るのが私の仕事なので、ご遠慮させていただきます」
「うーん……相変わらず意志が固いですこと。ですが、私はまだ諦めてませんわよ?」
ハルナさんとの出会いは、アヤメさんと百鬼夜行で出会う少し前まで遡る。
私は街を散策してた所、ハルナさんを含めた美食研究会の面々と遭遇した。はじめはそのまま素通りする所だったが、所属メンバーのジュンコが虫歯に悩んでいたのを耳にし、私の所で治療を受けないか提案した。見知らぬ相手にはじめは警戒していたハルナさん達だったが
『人が良くなると書いて食と読む。美味しい物を食べるなら、まずは食べる人自身の身体の健康を第一に考えるべき』
と、私の持論と食事をする上で歯がどれだけ大切なのかを語った所、ハルナさんがいたく感動し、そのまま全員歯の検診と治療を受ける事となった。因みに虫歯があったのはジュンコだけで、他の3名は健康な歯だった。
また、夜間診療中に夜食を作っていた時にやって来たハルナさんにそれを振る舞ったらすっかり気に入られてしまい、時々やって来ては食事をねだる様になってしまった。
「人が良くなると書いて食と読む……この私とした事が、初心を忘れてしまってましたわ。そう、どんなに素晴らしい料理も、それを口にする者の身体が不健康であれば、せっかくの味も半減してしまうというもの……だからこそ、大切な事に気付かせてくれたハモリさんには感謝してますのよ?」
「うーん、私は持論を語っただけなのですがね……実際、虫歯のせいでまともに食事が出来ない人もいますし」
ハルナさんは私の話を聞いて以来、こうして定期検診を受けており、今までに虫歯にかかった事は一度もない。食に対する思想は兎も角、こうして小まめに検診を受けてくれるのは歯科医としては大変喜ばしい。
「では、診察を始めましょう。まずは口を大きく開けて下さい」
「はい……あー」
ハルナさんは目を閉じて口を大きく開ける。元々顔立ちの整っている彼女がこうして喉の奥まで見える様に無防備に口を開けるのは中々レアな光景なので、脳内にしっかりと焼き付けておく。
形の良い艶のある唇が上下に開口し、細い透明な糸を数本引きながら熱の籠った口腔内が露になる。
上下の歯は綺麗なアーチを描きながら28本全て1つも欠ける事なく生え揃っており、表面は大理石の白壁の様に滑らかだ。奥歯の窪みは天然歯ならではの造型美を見せてくれており、汚れは見当たらず虫歯菌が立ち入る隙を一切与えていない。その純白のアーチを支える歯茎は健康的な肉の色をして引き締まっており、確かな弾力を想起させる。内側に収められた舌は生命感のある赤色で、小さく泡立った唾液が滴り、光を反射させながら別の生き物の様に蠢いている。
私はデンタルミラーを使い1本ずつ虫歯がないか見ていく。
「うん、虫歯はなさそうですね。次は歯石が溜まっていないか見ていきましょう。ちょっとチクチクしますが、我慢して下さいね」
「んっ……」
次にプローブを手に持ち、歯茎との境目に当てて歯石が溜まっていないかチェックする。時折ピクリと反応するが、出血や歯肉炎の心配はない様だ。
「では、これで汚れを染色していきますね。終わったら、口を濯いで下さい」
汚れの染色を行い、汚れが溜まっている箇所を確認する。ハルナさん自身、しっかりとケアしているお陰か目立つ汚れはないが、歯の隙間や歯茎との境目に多少の汚れが溜まっている。
「それでは、汚れを落としていきますね」
「んっ……ん……」
ジェット水流で汚れの溜まった箇所を綺麗に洗い落としていく。歯と歯茎に伝わる振動にハルナさんの尻尾と羽根がプルプルと震えているのが分かる。尻尾や羽根のある生徒は反応が分かりやすく、見ていても面白い。
私はハルナさんの反応を楽しみつつ、歯の汚れを隅々まで洗い落としていった。最後にフッ素で歯をコーティングして、歯のクリーニングは完了だ。
「これで歯のクリーニングは完了しました。仕上げにフッ素を塗っておいたので、歯も丈夫になって虫歯になりにくくなります。定着するまで30分くらいかかるので、その間の飲食は控える様にお願いしますね」
「ええ、わかりましたわ。本日もありがとうございます」
汚れが落ちて口の中がスッキリしたお陰か、ハルナさんの表情は嬉しそうだ。やはりネネコ先輩やアヤメさん、ハルナさんの様な美人さんには白い歯が良く似合う。
「本日はお疲れ様でした。また、何かあれば対応しますので、何時でもいらしてください」
「ええ、その時はよろしくお願いしますわ。それでは、ごきげんよう」
そう言ってハルナさんは診察室を後にする。ウチの学園の生徒も彼女と同じくらいケアしてくれるとありがたいのだが、現実は中々そうはいかない。
ハルナさんがいなくなったのを確認したのか、待合室に次々と患者が入ってくる。今日も今日とて仕事は沢山ありそうだ。私はその後、部員達と一緒に次々とやって来る患者達の歯を治療していった。
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全ての診察を終えた後、私は帰りに近くのスーパーに寄った。今夜はアヤメさんからのリクエストでハンバーグだ。私が必要な食材を吟味していると
「あら、ハモリさんも買い物ですか?」
ハルナさんがやって来た。彼女は私の買い物籠の中身を確認し即座にメニューを当てると、自分も食べたいと言ってきた。材料費は全て自分が負担するからとせがんで来たので、アヤメさんに許可を貰って予定を変更して3人分の食材を購入した。その後、自宅へ戻りすぐに調理を行った。
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「まあ……!待った甲斐がありましたわ……!」
「………………」
今回作るハンバーグは市販のミンチではなく切り落としの肉を手間暇かけて自分でミンチにした、所謂粗びきハンバーグだ。脂肪分の少ない牛の首や肩の赤身部分と脂肪分の多いサーロインを使っている。付け合わせには薄くスライスした玉ねぎを乗せてシャキシャキとした食感を追加し、玉ねぎの辛みで肉汁がくどくなりすぎる事を防いでくれる。ソースはハンバーグを焼いたフライパンに残った油に醤油、みりん、酒を入れて煮詰めてレモン汁を加えたあっさり系の和風ソースだ。皿にハンバーグを盛り付けて、後は葉野菜やトマトを使った簡単なサラダと白米を用意して完成だ。
「うーん、この溢れ出る肉汁と程良く残した粒状の肉が食べた時の食感のアクセントになってたまらないですわ~!加えて、生の玉ねぎの辛みとレモンを効かせた醤油ベースのソースの酸味と塩味が見事な調和を作り上げていますわ~!」
ハルナさんは食レポをしながらはしゃいでいる。どうやら、喜んでいただけた様だ。
「喜んでいただけたのなら、何よりです。アヤメさんは如何ですか?」
「うん、最高だよ!とっても美味しいよ、ハモリ!」
アヤメさんも満面の笑みを浮かべて返す。お気に召した様だ。
ただ、何故かその笑顔に反して妙な重圧を感じるのは私の錯覚だろうか。というか良く見ると目が笑っていない気がする。後、かなり私と身体を密着させているのはどうしてでしょうかアヤメさん。
「(この女……確かゲヘナの美食研究会だったわね……もしハモリに手を出したら……絶対に潰す)」
「(あらあら、ハモリさんも中々罪な事をなさいますわね……)」
「(うーん、味付けが気に入らなかったかな?それともやはりいきなり人を招き入れたのがまずかったのか?後、アヤメさん頬つねるの止めて下さい地味に痛いです)」
そんなこんなで3人でハンバーグに舌鼓を打った。因みに私は終始食べた気がしなかった。
ハルナ「今度はフウカさんも誘って食事会を開きましょう!ハモリさんとフウカさんが力を合わせれば、きっと素晴らしい美食を堪能出来る事ですわ!」
ハモリ「だから私は料理人ではなく歯科医なのですが……」
アヤメ「もう、ハモリは優しすぎるんだから……せっかく2人きりで食べようと思ったのに」
???「アヤメ……また一緒にご飯食べたいな……」
ヒロインは複数人いてもOKか?
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YES
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NO