罪の世界からの贈り物   作:タン塩

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ごめんなさい。ミスって消しちゃいました。前回と内容は変わりません


第3話

堂島さん、菜々子ちゃんこんにちは」

 

「おう、こんにちは」

 

「咲お姉ちゃん。こんにちは」

 

「お出かけですか?」

 

「ああ。今日、都会から俺の甥が引っ越してくるからその出向かいだ。お前と同い年で、通う高校も確か一緒だったはずだ、一年間だけだがよくしてやってくれ」

 

「甥?」

 

 うん?甥なんていたのか……千里おばさんの葬式に、それらしい人居なかったような気がするけど。まぁ、そこら辺は家庭の事情があるだろうから気にしないでおこう。

 

「名前は、本人からきいてくれ。そっちの方がいいだろう」

 

 これから一年間はお隣どうしになるわけだから、自己紹介ぐらいは自分でやった方がいいと考えてのことだろう。

 

「わかりました」

 

 

「ねぇ。咲お姉ちゃん、今度ピアノ聴かせて」

 

 ピアノか、そういえば最近。いや、千里さんが亡くなってから弾かなくなったな。この子も無意識の中で憶えているのだろう、自分の母がピアノを教えていたことを……まぁ、私は電子ピアノだし、千里さんと比べると月とスッポンなんだけどね。

 

「わかった、今度ね」

 

 家の電子ピアノにホコリを被せておくのも勿体無いし、私の未熟な演奏スキルでこの子の慰めの役に立つのなら喜んで弾こう。幸い、今の私は暇を持て余している。

 

「やったぁ。約束だよ」

 

「菜々子そろそろ時間だ」 

 

 堂島さんが、車の前で時計に目をやり、まるでこの話は終わりだとばかりに話を切り上げた。

 

「うん、それじゃあね、お姉ちゃん」

 

 私も、自宅からバイクを出してくる。 

 

「お前も、出かけるのか。いちいち言わなくてもわかっているとは、交通法規はしっかり守れよ」

 

いや、守るに決まってる。

 

「お隣さんが怖いんで、厳守してますよ」

 

「お前が交通違反するとは思っちゃいないが、職業柄一応な」

 

 苦笑い、しながら言う堂島さん。でも堂島さん、私思うんだ。それは職業柄云々というより、堂島さん本人が説教臭いんだと思う。

 

「おっと、そろそろ行かないと本当に遅れそうだな」

 

「私も、そろそろ行きますね。」

 

 メットを被り、エンジンをかける。

 

「気をつけてな」

 

「行ってきます、二人もいってらっしゃい」

 

 二人に挨拶をし、私はバイクをかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無事、沖奈で画材を買い。帰路についている途中そろそろ燃料が切れそうだと気づき近所のガソリンスタンドに寄ることにした。

 

「らっしゃーせー」

 

 見たことない店員が、元気な挨拶とともに駆け寄ってきた。

 

「自分で入れれるんで」

 

「そう、大丈夫?入れる場所分かる?」

 

「わかりますよ」

 

 会話しながら、給油口を開けガソリンを居れる。

 

「ごめんごめん。女の子でバイク乗っている子って珍しいからついね」

 

「女でバイクって珍しいですか?」 

 

「まだここに入ってそんなに日は浅いけど、あんまり見ないね。原付の子はチラホラ見るけど」

 

「そうですか、珍しいですか……」

 

 珍しいって否定の言葉に聞こえる。いや実際に否定されてるわけじゃないのは分かっているんだけどね。

 

「珍しいけど、格好良いとは思うよ」

 

「ありがとうございます。っと終わった」

 

 世辞に礼を言い精算をする。後を去ろうとバイクに跨ろうとしたら、呼び止められた。

 

「君、学生でしょ。ここバイト募集中だからよかったら考えてみてよ」

 

 と手をさしだして来た。私はグローブを外しそれに応じる。

 

「「っ!?」」

 

 何、これ?握手すると急に目眩と胸のザワつきがおきた。

 

「大丈夫かい?」

 

「大丈夫ですよ、貴方は大丈夫ですか」

 

「うん?なんのことかな?」

 

 あれ?店員の様子もおかしかった気がするんだけど……そんな事はなかった。気のせいかな?

 

「一瞬、様子がおかしく見えたんですけど気のせいみたいですね」

 

「見ての通り何の問題もないよ。それより、君だよ」

 

「目眩も収まってきたし、大丈夫ですよ。最近夢見が悪くてきっとそのせいだと思うし……」

 

「そう?なんなら、少し休んでいくかい?」

 

「いえ、家がすぐ近くなんで帰ります」

 

 少しでも早く家に帰りたい、私の今の気持ちはこれだ。この店員、さっき手を握った時からなにか妙だ。態度と表情こそ優しく、こちらを気遣っている感じはするが、なんて表現すればいいのだろう……

 そうだ、気配だ。それだけは違い、まるでこちらを警戒し観察している。そんな気配を発していて、私の胸をざわめかせている。それがどうしようもない不快感を感じさせていて、気持ちが悪い。

 

 早く帰ろうとバイクにまたがり、エンジンをかける。

 

「ありがとうございました。」

 

「はい。ありがとーございまーす。あとバイトのことも考えておいてよ。うちは、学生で女の子でも歓迎だから」

 

 正直もうこの店員がいるときは来ないだろうが、一応の社交辞令で頷きバイクを走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家路につき、食事を済ませ、日課の復習を終わらせると、もう23時を

過ぎていた。

 

 正直、今日は疲れた。今日こそは何の夢も見ずに寝よう。そう思いつつ私は布団に入った。

 

 

 

 

 

 

 

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