獣人少女転生譚 ~あるいは美しい獣に撃ち堕とされた男たちの話~   作:お肉大好き

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献身

「突然だが、今からフレジア魔術学院からの転校生を紹介する。さあ、こちらへ」

 

 教師が座学教室に入ってくるなり声を張り上げると、1人の男子が教室に入ってくる。

 少し細長い顔が特徴の、髪を七三に分けた男子だった。鼻が高く、鋭い目をしていた。

 

 フレジア王国はミッテルラントの西隣にある小国で、ミッテルラントの力を上手く利用して貿易立国として発展した商業先進地帯だ。

 そこから留学してくるのだから、多分金持ちの家に生まれたんだろうな、と私はその時思った。

 

「アルフォンス・ヴィンケルです。来年度から開設される魔導支援科で学ぶために、一足早くベランデンブルク魔法学院に転校してきました。先進的な魔導技術を持つミッテルラントから少しでも多くを学んでいく所存です。不慣れなこともあると思いますので、皆様どうかお手柔らかにお願いいたします」

 

 アルフォンス・ヴィンケルくんは案内されると、通路を挟んで私の斜め後ろの席に座る。

 

「どうぞよろしく。美しい獣人のお嬢さん(フロイライン)

「ええ、よろしくお願いします。私も魔導支援科に編入するんです。わからないことがあったら何でもお尋ねください」

「本当ですか、それは。貴女みたいな美しい女性と学べるなんて私は幸せ者だ」

 

 ヴィンケルくんは礼儀正しく、流ちょうなアルバ語を話した。 

 

 視線を感じて隣の席を見ると、マクシミリアン様が私に厳しい視線を向けられている。

 私はマクシミリアン様の手に自分の手を重ねた。

 申し訳ありません、マクシミリアン様。愚かな私はまた他の男と話してしまいました。

 

 

 

 その後の昼休み、マクシミリアン様は私を人のいない空き教室に連れていき、強い力で机に私の頭を押さえつけて、レイプみたいなセックスをした。

 懲罰のつもりなのだろう、私が他の男と話すといつも乱暴にされる。

 淫乱な私はその快感に狂うだけなんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、バーンシュタイン邸で、私は他の屋敷の住民とともに夕食を食べていた。

 今日の晩御飯は白いバケットにローストビーフ、コンソメスープと幾種類もの野菜を使ったサラダだった。

 デザートのチーズタルトをナイフで切り分けていると、ご当主のリュディガー様が口を開いた。

 

「マクシミリアン、話がある。お前とフェルザー家の次女との縁談がまとまりそうだ。次の日曜日にガンダルメンマルクトホテルのレストランで見合いを行うから、その準備をしておくように」

 

 ガシャンッ

 私は手からナイフを取りこぼし、食器に当てて音を出してしまった。

 マクシミリアン様は私の様子を一瞥した後、リュディガー様に食ってかかった。

 

「お待ちください、父上!勝手に話を勧められては困ります!それに私には」

「もう決まった話だ。先方にももう伝えてしまっている。ここで断ればフェルザー財閥の顔に泥を塗ることになる。……お前はバーンシュタイン家を窮地に追い込みたいのか」

 

 リュディガー様の威厳のある声がマクシミリアン様を遮り、食堂に重苦しい空気がのしかかってくる。

 このバーンシュタイン家では、リュディガー様のご意向は絶対の価値を持つものだった。

 

「セリカ・アーレンハイムにもこのことは承知してもらいたい。……それでも不満があるなら、良縁を用意しよう」

「……いえ、ご当主様。私に不満はございません」

「ならばこの話は決まりだ。マクシミリアン。オリヴィア・フェルザーお嬢さんを楽しませるように会話するのだぞ」

 

 食堂を沈黙が包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ」

 

 私は座学教室の机に頬杖をつきながら、思わず嘆息を漏らしてしまう。

 ずべてが憂鬱だった。先ほど受けていた授業の内容もまったく頭に入ってこなかった。

 マクシミリアン様は生徒会の仕事で授業を欠席されていて、今はご不在だった。

 

「憂鬱そうなお顔をしてますね。美しきアーレンハイムさん」

「ヴィンケルくん……」

 

 ヴィンケルくんが僕の様子が心配になったのだろうか、話しかけてくる。

 少し一緒に授業を受けただけでもわかるくらい、彼は頭が良かった。

 私は心細いのもあって、彼に相談することにした。

 

「実は、マクシミリアン様が今度の日曜日に、フェルザー会長の妹さんとお見合いをなさるって……。私、気が気じゃなくて。おかしいよね、私がマクシミリアン様を1番祝福しないといけない立場なのに」

「おかしなことではございませんよ。バーンシュタインくんがお好きなのでしょう?想い人がお見合いするとなると、塞ぎこんでしまうのも仕方ありませんよ」

「ありがとう。ヴィンケルくんは優しいんだね」

 

 ヴィンケルくんは礼を言った私を幾秒か見つめた後、何かを閃いたかのような表情で言った。

 

「そうです!そんなに気になるんなら私たちもお相手の方を拝見しに行きましょう!」

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 ガンダルメンマルクトホテルの中にあるレストラン。

 店内は華美な装飾の照明が眩しく、数多の丸い大きなテーブルやソファ席が並んでいた。

 

 私は今、黒のスーツで身を固めたヴィンケルくんの向かいの席に座っている。

 

 私は黒の胸元が開いたドレスを着ている。長い髪は青のリボンをほどいて後ろに流している。

 ヴィンケルくんが貸衣装屋で見繕ってくれたものを、言われるままに着てきたのだ。

 首輪とイヤーカフはバーンシュタイン邸の自分の部屋に置いてきた。マクシミリアン様にここにいることがばれてしまうから。

 

 マクシミリアン様は、私から見て3つ向こうの丸テーブルの席に、後ろを向いて着席されている。

 彼の向かいに座るのが、オリヴィア・フェルザー様だろう。

 イリーネ・フェルザー生徒会長に似た端正な顔立ち、艶やかなウェーブを描いた黒髪、遠目から見ても価値が高いとわかる、たくさんのフリルがあしらわれている真っ赤な生地のドレス……。

 

 彼女は、マクシミリアン様と並ぶとお互いを引き立て合うであろう容姿をしていた。

 ……なんだか嫌な気持ちが湧いてくる。

 

 2人は遠目には、終始和やかに会話しているように見えた。

 

「話の内容も聴きますか?これは遠方の音を聞き取るための魔道具です。指向性が高すぎるのが欠点ですけどね」

 

 私は彼の言葉にうなずいて、受け取ったイヤホンを人間の耳に装着した。

 イヤホンから有線で繋がっている小型マイクをマクシミリアン様の方へ向ける。

 

「まあ、魔道具作りが趣味ですの?手先が器用なんですね」

「いえ、所詮素人の域を出ないものですよ。私は女性が喜ぶような音楽などには全く無知でして」

「音楽なら(わたくし)、好きですので多少は教えて差し上げられると思いますわ。大丈夫です、最初はだれでも初心者なのですから」

 

 教養と気品を身に着けているとわかる会話をしていた。しかもマクシミリアン様のお顔もちゃんと立てている。

 マクシミリアン様のお言葉をただ与えられるまま受け入れている私とは、格が違う気がした。

 

 ウェイターが僕たちの席にフルコースの前菜を運んできた。

 明らかにおいしいはずの料理の味が、僕にはわからなかった。

 

 

 

 私とヴィンケルくんは、マクシミリアン様たちに気づかれる前に店を出て、貸衣装屋に戻って着替えた後、カフェのテラス席でコーヒーを飲んでいた。

 

「今日はありがとう、ヴィンケルくん。今日かかった代金は、今は持ち合わせが無いから無理だけど、必ず払うから」

「構いませんよ。貴女のような美しい女性とデートが出来たのだから、あの程度の出費安いものですよ」

「いや、でも」

「男の顔は立てるものですよ、フロイライン」

「……わかった。お金あまり持ってないから、正直助かるよ」

 

 彼が強情にも受け取りを拒否するので、私はその厚意に甘えることにした。

 

 その後、私は改めてヴィンケルくんに礼を言い、マクシミリアン様が帰ってくる前にバーンシュタイン邸に帰った。

 

 

 

 その日の夜の食堂で、また次の日曜日に再度お見合いの開催が決定したことがリュディガー様の口から伝えられた。

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ」

 

 私は学校の中庭で、先週と同じ嘆息をしながら芝生に両足を投げ出していた。

 マクシミリアン様は、生徒会が忙しくなったのかいない。

 私と性交してる分時間が無くなるため、彼は生徒会の仕事を昼休みにすることが多くなった。

 ぼんやりと空を見上げていると、フェルザー生徒会長とよく似た声で話しかけられる。

 

「貴女がセリカ・アーレンハイムさん?またお会いしましたね」

「え、はい……。!?」

 

 ジャンパースカートの他校の制服を着た、オリヴィア・フェルザーさんがそこにいた。

 

「はじめまして、アーレンハイムさん。私はオリヴィア・フェルザーと申します。……もうご存じでいらっしゃいますね?」

「セリカ・アーレンハイムです。……オリヴィアさんとマクシミリアン様のお見合いを盗み見てしまったことについて謝罪させていただきます」

 

 私は立ち上がり、自分の名を名乗ると、腰を曲げて頭を下げた。

 私の容姿だと、探さなくても気づかれてしまうだろう。

 オリヴィアさんは怒った様子もなく微笑んだままだ。

 

「いえいえ、お気になさらず。私も想い人がお見合いするとなると、いてもたってもいられなくなると思いますわ」

 

 オリヴィアさんは私に優しく笑いかける。彼女はさらに続けた。

 

「私、今回の縁談はお断りしようと思っていますの。マクシミリアン様は非常に魅力的な殿方ですけれど、愛する2人の仲を裂いてまで結ばれたいとは思いませんわ」

 

 ……私はとても、惨めな気分になった。

 容姿、教養、そして人徳……オリヴィアさんはすべてを持っていた。

 容姿しか取り柄の無い私とは大違いだ。

 

 私とオリヴィアさん、どちらがマクシミリアン様の将来にとってプラスになるかは火を見るよりも明らかだった。

 

 私がいない方が、マクシミリアン様のためになる。

 

「いえ、私のことはお気になさらず。オリヴィア様とマクシミリアン様の恋仲を邪魔するつもりはございませんし、他に男性の当てがあるので」

 

 私は下を向いて答えた。彼女の顔をまともに見れない。

 私はオリヴィアさんの返事も聞かずに、1人の男を探して駆け始めた。

 

 

 

「でよぉ、そこでアントンの奴がさぁ」

 

 見つけた!

 アルベルト・メルゲンは、同じ旧教校の生徒たちとともに廊下を歩いていた。

 

「アル!」

 

 私が叫ぶと、アルベルト・メルゲンは振り返る。

 私は彼のもとに駆け寄ると、息を整えた。

 

「よぉ、セリカ。久しぶりだな。お前の方から声をかけてくるなんて、いったい何があったんだ?」

「アル……」

 

 私は最近覚えた、上目遣いと媚びをまとった甘い声でアルベルト・メルゲンに訴える

 

「実は、頼みごとがあるんだけど。……ちょっと2人で話せるところに行かない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日曜日の午後4時ごろ。

 

 私は魔導寮のラウンジに来ていた。

 アルに頼んで、30人ほどいる旧教校の生徒たちに集まってもらっている。

 

 マクシミリアン様とオリヴィアさんのお見合いはもう終わっているだろう。

 きっと、バーンシュタイン邸にいない私を探し始めるはずだ。

 首輪もイヤーカフも身に着けているから、いずれ私のいる場所を特定するに違いない。

 

「何だぁ?セリカちゃんからの話って?」

「魔導支援科に編入してくるから、そのあいさつか?」

「アルベルトの奴が無理を言うから集まってやったが、俺たちだって暇じゃないんだ」

 

 そうだ。この国の英雄である、航空魔導師の方々を待たせてはいけない。

 僕は口を開いた。

 

「皆様、本日はお忙しい中、私の求めに応じて集まってくださったことに感謝いたします」

 

 私は彼らに向かって腰を曲げて感謝のお辞儀をした。

 彼らは喋っていた口を閉じて私に注目してくれた。

 

 私は、身に着けていたローブを取り外す。

 次にブラウスのボタンを1つずつ外していき、床に脱ぎ捨てた

 スカートの留め具を外すと、スカートがストンと落ちる。

 

 私は下着姿になった。

 男たちの視線が私の身体を刺しているのを感じる。

 ゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえた気がした。

 

 私は続けて背中に手をやり、ブラジャーを取り外す。

 乳房がブルンと揺れ、ブラの拘束から解放される。

 

 獣人用の下着にも手をかける。私は尻尾の上にあるボタンを外すと、するりとパンツを床に落とした。

 

 私は、首輪とイヤーカフ以外、一糸まとわぬ裸になった。

 

 そして私はこれから、ナラカ世界でもっとも蔑まれる女になるのだ。

 私はその場で両膝を木製の床につき、伸ばした両手を床に置いて、頭も床にこすりつけた。

 

「伏してお願いいたします。この男が欲しくてたまらない淫乱な1匹の雌に、皆様のお情けをおかけください」

 

 瞬間、両手を掴まれて仰向けに引きずり倒される。

 

 男たちが、私の身体に群がった。

 

 

 

 

 

 

 

 体液がこびりついた髪をうしろに払いながら、自分の身体を観察する。

 

 ひどいものだった。

 体の中も外も、汚れてないところなどどこにもなかった。

 前と後ろの穴に男の1人がふざけて挿れた短い棒が、白い液体を塞いでいた。

 

「ごほっごほっ!」

 

 まずい。喉に絡んで、男たちの体液を吐き出してしまった。彼らに失礼だろう。

 私は床に飛び散った液体を舐めとって、再び飲み込む。

 

 その様子を見ていた男たちは、興が乗ったのか再び私に手を伸ばそうとしてくる。

 

「セリカ!」

 

 マクシミリアン様が魔導寮の玄関のドアを蹴破って、ラウンジに侵入してきた。

 そんなことしなくても、アルベルトに頼んで、カギは開けたままだったのに。

 

「セリカ……!」

 

 マクシミリアン様が、信じられないものを見たという目で私を見る。

 そしてその目を悲しそうに細めた。

 

「マクシミリアン様」

 

 私はフラフラと立ち上がりながら、両手を広げて私の身体を見せつける。

 この浅ましい最低最下の姿を、その目に焼き付けてもらうために。

 

「ご覧ください、マクシミリアン様」

「セリカ……」

 

 マクシミリアン様は私を見てただ悲しそうな表情をするだけだ。

 私は、彼に失望してもらうためにさらに言葉を続ける。

 

「私は男なら誰でもいい、最低な淫乱女なんです。もう、私はマクシミリアン様お1人では満足できない体になってしまいました」

「やめろ……セリカ……」

 

 近づく私に対し、マクシミリアン様は後ろに退いていく。

 ……止めを刺そう。

 

「マクシミリアン様はもう必要ありません。これからは彼らに愛していただきます」

「うわあぁぁぁぁぁ!!」

 

 マクシミリアン様は後ろに向かって一目散に逃げだした。

 

 胸が引き裂かれるように痛む。

 頬に涙が流れるのを感じる。

 

 しかし、私を囲んだ男たちは気遣ってはくれず、再び私を引きずり倒すと、たくさんの手で身体中をまさぐる。

 そして挿れていた棒を引き抜き、私の3つの穴を蹂躙し始めた。

 

 その時から、私は人間未満の畜生女になった。

 




 さらに多くの方に読んでいただくために、この小説の冒頭より、随時大幅な改稿をしていきたいと思います。
 具体的には以下の4点です。

・文末に「。」を付ける。
・行の初めに空欄を入れる。
・不要と思われる空行の削除。
・その他稚拙な表現の修正。

 ただ、完結を最優先にしていくので、改稿をするのはしばらく後になるかもしれません。
 
「ここすき」を入れてくださった方々のご厚意を無下にしてしまうことを深くお詫びいたします。
 私の文章作成に対する無知で、皆様にご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ありません。
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