フリートアート・オンライン 黒の剣士と転生者達   作:短号司令官

7 / 10
照和20年 後世世界大戦は終局の時を未だ迎えていなかった。

前世以上に強大化した第三帝国に対し、宣戦布告。アメリカとも電撃的な講和を果たし遂に全力を持って第三帝国と激突するのだった。
ヒトラーの死後、未だ戦い続ける彼らの前に突如として未来から来たという若者が現れるのだった。



第七話 大地・火・風in紅玉

 

印度亜大陸 コーチン

紅玉艦隊旗艦:健御名方

 

紅玉艦隊司令官の川崎 弘は机に頬杖をつき、足を組んで目の前の状況を整理しようとしていた。

 

彼の目の前にはやたらと露出が多い見たこともない服装をした3人の少女が何やら話をしていた。

その会話の内容も「ろぐあうと」やら「えすえーおー」やらと聞き覚えも馴染みのない言葉ばかりで川崎も少々頭を抱えていた。

 

川崎(さて……どうしてこうなったんだ……?)

 

彼はふとこうなるまでの経緯を振り返っていた。

 

いつも通り、艦載機を発艦させて敵の陸上基地・敵戦車師団に対して攻撃を加えていた最中だったが突然空から目の前にいる3人が健御名方の甲板へと落下してきたのだ。

普通なら即死してもおかしくない様子だったのに彼女らは怪我もなくぶつけた場所をさするだけでなんとも無いようなのだ。

 

無論侵入者同然なので捕らえようとしたが、彼女達は意思疎通ができる上周りの状況を理解し切っている様子もなく慌てふためいていたが、「第二次世界大戦」という単語を聞いて川崎は瞬時に彼女達が前世の人間だと見抜き話を聞こうと自身の士官室へと連れて来たという訳だ。

 

それを思い出した川崎は咳払いをして3人の会話を止める。

 

川崎「あー済まない君達、取り込み中悪いが諸君らの名前を教えてくれんか…?そうじゃないと話が進められんくてな……」

 

「あぁ…そうですね。すいません、えっとそれじゃあ…私はリーファ。本名は桐ヶ谷直葉です!」

 

「私はリズベット、皆からはリズって呼ばれてます。因みに本名は篠崎里香です」

 

「シリカっていいます!この子はピナ、フェザーリドラです。あぁ本名は綾野珪子です!」

 

川崎「あぁ宜しくな可愛いお嬢さん達。私は紅玉艦隊司令官の川崎 弘だ」

 

一通り互いの名前が知れたところでリーファ達は川崎にある質問をする。

 

リーファ「あの……ここってGGOですか…?」

 

川崎「君の言うそれが何かは知らんが、少なくともここはそんな場所では無い。ここは印度亜大陸はコーチンだ」

 

シリカ「印度亜大陸って……?」

 

リズ「えぇ⁉︎てことは私達…今インドにいるの⁉︎」

 

リーファ「やっぱり仮装世界じゃないんですね……」

 

シリカ「じゃあ…私達本当にタイムスリップしちゃったんですか⁉︎」

 

リズ「あり得ないわよ⁉︎アンダーワールドからログアウトしようとしてどうやったらタイムスリップする事になるのよ⁉︎」

 

リーファ「でも周りの風景とか古いし、日本海軍って言ったら太平洋戦争で聞くぐらいしかないし……」

 

一通り会話を聞いていた川崎は彼女達が自分と同じ世界から来ていると言う事を改めてこの瞬間理解した。

それを踏まえた上で彼は口を開いた。

 

川崎「あー君達、ちょっといいかい?君達は今を1945年とかだと思っているだろうが、少なくとも違うな」

 

「「「へ?」」」

 

呆気にとられる3人に対して彼は話を続ける、

 

川崎「今は1949年でこの世界の太平洋での戦いはアメリカとの講和で幕を閉じ…今はナチス第三帝国と我々は戦っている」

 

驚きの一言に3人は理解が追いついていない様子だった。

 

リズ「えぇ……?つまり…」

 

リーファ「私達……別の世界に来ちゃった……てこと……?」

 

川崎「そうだな」

 

「「「………えぇぇぇぇぇ〜⁉︎…………」」」

 

驚きの余り大声をだして叫び声に川崎は一瞬顔を顰めるが、3人を落ち着かせて話を進める。

 

川崎「あぁ…まぁ落ち着きなさい、今から詳しく教えてやるから……」

 

それから小一時間程かけて川崎は自身が転生者であり、元は彼女達と同じ世界の住人だった事。転生して未来をより良い方向へと変える為、歴史を塗り替える戦いに他の転生者達と共に身を投じている事、そして現在の状況…等話せる事は洗いざらい話すのだった。

またリーファ達も自分達の時代の事や仮装世界についても詳しい川崎中将に話すのだった。

 

リーファ「転生する人って……本当にいるんだ……」

 

リズ「てっきり都市伝説とかだけだと思ってたけど……あるのねぇパラレルワールドって……」

 

シリカ「勝つでもなく負けるでもなく……より良い負け……なんだか難しいですね……」

 

川崎「まぁ君達のいう仮装世界とやらも中々に複雑だがな」

 

リズ「それで…私達ってどうなるんですか…?」

 

川崎「うむ、まぁ戦えとは言わんな。中身が同じ日本人なら日本へと帰さねばならんが、最も時代は大分異なるが……ともかく当分はこの船の中で過ごしてもらう事になるがね」

 

リーファ「分かりました」

 

そうして川崎は3人をもう一度見回してこう言った。

 

川崎「まぁ…そのなんだ……3人ともその格好はどうにかしたまえ。ここは男所帯だ…そんな谷間や生脚を出すのはこの時代ではまだそのー……けしからんからな……?」

 

そう言われて3人は今この艦の中に女性が自分達だけでかなりきわどい格好であるという事を改めて認識し、顔を真っ赤に染めるのだった。

 

その晩、艦内のトイレに駆け込む水兵が急増したとかなんとか……

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。