フリートアート・オンライン 黒の剣士と転生者達   作:暁司令官

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照和24年
後世世界大戦が我々の知るものとはまた異なる様相を呈している中、未来からやってきたキリトとその仲間達は後世世界の各地に散らばった。
果たして、彼らの身にどのような事態が待ち受けているのか…?


第八話 転戦、印度亜大陸へ

 

日本本土 帝都

首相官邸

 

毎度の如く、この日大高は高野と話をしていたが今回は一味違う。

何故なら高野の膝の上にはユイが座っている。

 

高野「ここのところ印度亜大陸での戦闘は膠着しつつあるようですな…」

 

大高「そのようですな。あちらにも新型戦車の大和や富士を輸送させ戦線の様子を見るつもりでしたが、大きな進展はないようですな」

 

高野「やはりロンメルが目の上のたん瘤という事ですな…」

 

高野がユイの頭を撫でながら言う。

 

印度亜大陸では一時的に敵将ロンメルはヒトラーに関する一件で本土に呼び戻されたが、戦線を離れすぎるのも良くないのと木霊作戦で被った被害を埋め戻すのと反抗に向けての準備の為再び前線で指揮を取っているのだ。

 

大高「大西洋の動きは?」

 

高野「独艦隊、独潜いずれも行動しておりません。やはり旭日艦隊の存在が効いているのでしょう」

 

大高「うむ。それと総長、実はだな東機関の本郷少佐から耳寄りな情報をな……」

 

高野「はい…?」

 

大高の口から語られたのは独上層部に講和への動きが見られるというものらしく、本土ではその兆候があるらしい。

 

高野「本当ですか…⁈」

 

大高「まだ確証はないが、どうも大石提督が以前独機動艦隊と爆撃機隊をやったのが相当応えたのだと私は見る」

 

ユイ「講和に向かってるという事は、戦争が終わりそうなんですか?」

 

大高「そうみていただいて構いません、ユイさん。しかしやはり反対派というのは一定数いるようで…」

 

高野「陸軍…がでありますな?」

 

大高「左様。あの国は元々陸軍国だ、それは立場的に陸軍が強く重視されるのは当然だ。それに反対派はどうも印度亜大陸戦線を理由に講和に踏み切るつもりはないようです」

 

ユイ「じゃあ、どうしたらいいんですか…?」

 

大高「心配には及びません。それでだ総長……先の事を見越して旭日艦隊に転戦命令は出せんか?」

 

高野「はぁ?」

 

大高「独海軍・空軍が講和派なら積極的な攻勢は今後避けてくるだろう。だが逆に陸軍や印度亜大陸の独軍はより一層活発になるでしょう」

 

高野「読めましたぞ。それらに圧力をかけるべく旭日艦隊を印度洋への転戦命令を出せ…と?」

 

大高「その通りだが、可能かね?」

 

高野「できましょう。直ぐにでも電報を打ちます」

 

大高「では私はアメリカ政府にイーサの引き渡しを兼ねて相談してみよう」

 

高野「頼みます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

大高と高野の会談から数日後…

 

アイスランド島 イーサフィヨルズ旭日艦隊基地

 

日本武尊

 

いつも通り自身の士官室を出た大石はキリトらのいる応接室に向かおうと廊下を歩いている最中だった。

 

原「長官」

 

原参謀長が背後から声をかけてきたことで振り返った。

 

原「丁度いいところに、軍令部から転戦命令が下りました」

 

大石「転戦命令…?心当たりはないぞ…」

 

原「まぁそれもそのはずでしょう。事情はこちらの命令書に記載されております」

 

そう言いながら原は手に持っていた命令書を大石に手渡す。

 

原「では、自分はこれにて」

 

彼がその場を離れたのを見届けて大石は命令書を見ながら応接室へと向かう。

 

 

応接室ではキリト達が談笑しているのが外からでも分かり、大石の頰が緩む。それでも気を取り直して部屋に入ると4人が気がついて挨拶をする

 

「「「おはようございます」」」

 

大石「やぁ諸君。気分はどうだ?」

 

アリス「問題ありません。体調も万全です」

 

大石「結構。あぁ明日奈君、コーヒーを置き終わったら一度座ってくれ君達に伝えねばならん事があるんだ」

 

アスナ「…はい?」

 

彼女は淹れたコーヒーをテーブルに置いて大石の向かいのソファにキリト達と一緒に座る。それを見届けた大石が話し始める。

 

大石「さて諸君。我々に転戦命令が下った」

 

ユージオ「てん…せん?」

 

大石「分かりやすく言えば、別の戦地への移動命令だ」

 

キリト「それで…場所は?」

 

大石「うむ。場所は……印度亜大陸。印度だ」

 

アスナ「インド……」

 

アリス「具体的にはどういった場所なのですか?」

 

大石「うむ、簡単に言えば多様な民族、言語、宗教によって構成されている国……というが、百聞は一見にしかず。聞くより見た方が早かろう」

 

キリト「そういうわけだ。ユージオ、アリス、着くまでのお楽しみだってさ」

 

ユージオ「僕はそこまでじゃないよ」

 

大石「それとだ。君達に中々耳寄りな情報が入ってな」

 

「「え?」」

 

それを聞いた四人は思わず声を揃えて驚きの声を上げた。

 

大石「実はな……君達の仲間だと思しき人物が印度方面にいる我々の仲間に保護されたと聞いてな」

 

ユージオ「そ……それって⁉︎」

 

アリス「誰がいるんですか⁉︎」

 

大石「まぁ落ち着け。確証はないし、まだ調べている最中だ。それと総長の元にユイという10歳程の女の子が保護されているそうだが…」

 

「「ユイ(ちゃん)⁉︎」」

 

ユイの名前を聞いたキリトとアスナは思わず立ち上がって声を上げた。

 

大石「なるほどな……その子によると父親と母親の名前は"キリト"と"アスナ"と言われているそうだが?」

 

アスナ「ユイちゃん……」

 

キリト「えっと……それはですね…」

 

大石「ふふ、まぁ本土に帰ったらその時訊くと良い。伝えたかったのは以上だ。来週にはここを引き払う予定だ」

 

アスナ「随分と急ですね。何かあったんですか…?」

 

大石「それは……まだ言えん」

 

そういって大石は机に置かれていたアスナの珈琲を一口飲んだ。

 

大石「ほぉ…中々腕を上げたんじゃないか、明日奈君?」

 

アスナ「はぁ…!ありがとうございます」

 

キリト「よかったな、アスナ」

 

大石「だが俺にはまだ遠く及ばんがね」

 

アスナ「うぅ…もぉそういうのはいいんですっ‼︎」

 

「「「あははは」」」

 

大石「ハッハッハw」

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